出願から採用まで、いくつもの段階を必要とする教員採用試験。

どのような流れで試験が進んでいくのか、どの段階で何が実施されるかなど、試験のスケジュールや内容について気になっている方も多いでしょう。

この記事では、教員採用試験の流れとスケジュールについて詳しく解説します。

令和7年採用の試験データをもとに、各自治体ごとの試験日程についてもまとめていますので、赴任を希望する自治体がどのように採用試験を進めているかもぜひチェックしてみてください。

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教員採用試験の流れとスケジュールは?

ここでは、教員採用試験の流れとスケジュールについて、採用から実際の勤務まで項目別に解説します。

  • 教員採用試験の説明会
  • 出願
  • 一次試験
  • 一次試験の合格発表
  • 二次試験
  • 合格発表
  • 内定
  • 研修
  • 勤務

なお、実際の実施時期については自治体によっても異なるため、出願の際には必ず採用を希望する自治体の公式サイトなどを確認しましょう。

教員採用試験の説明会

3月〜5月には、出願に先立って説明会が行われます。

説明会では自治体が求める教師像についての紹介や、試験概要の説明などを聞けます。

参加は必須ではありませんが、今後の採用試験で役立つ情報が手に入る可能性が高いだけでなく、学校によっては説明会で一次選考を実施していることも。

都合がつく限り積極的に参加するようにしましょう。

参加時の服装に迷った時はスーツを選べば間違いありません。

出願

出願期間は4月〜5月中に設定している自治体が多いです。

早い自治体では1月頃から受け付ける場合もあるため、受験を希望する自治体のスケジュールは必ず公式サイトなどで確認しましょう。

近年ではインターネットフォームからの出願が主流となりつつあります。

締切近くはアクセスが集中して回線が繋がりにくくなる可能性もあるため、出願を決めたら余裕を持って申し込むようにしましょう。

一次試験

一次試験は6月〜7月を中心に実施されます。

一次試験は教職・一般教養・専門教養などに関するマークシートや記述形式の筆記試験がメインです。

試験内容は自治体によって異なり、一次試験で小論文や面接が実施される県もあります。

一次試験の合格発表

一次試験からおよそ1か月後の7月〜8月にかけて合否の発表が行われます。

一次試験の合格発表から二次試験まではあまり日が置かれないのが一般的なため、一次試験が終了したらすぐに二次試験に向けた対策へと頭を切り替えましょう。

なお、石川県においては一次・二次という試験区分はなく、筆記試験・実技試験・面接試験の3段階の選考が例年7月〜8月のスケジュールで行われます。

参考:石川県公立学校教員募集〈令和7年度採用〉 受験案内

二次試験

二次試験は8月上旬〜9月上旬にかけて行われることが多く、自治体によって実施期間にバラつきがあります。

論作文や面接、模擬試験といった、人物評価を目的とした内容がメインです。

また、大阪府では第2次選考として面接、第3次選考として筆記・実技・面接が行われます。

参考:令和6年度大阪府公立学校教員採用選考テストの日程について

合格発表

9月〜10月末までには、すべての自治体で最終的な合格者が決定します。

合格の場合は教員として翌年から自治体内のいずれかの学校へ赴任することになります。

自治体の方針によっては現場に出る前に研修が行われる場合もあるため、必ず参加しましょう。

内定

採用試験に合格後、10月上旬〜翌年3月下旬頃までの期間に赴任先の学校が決められ、採用が確定します。

地区の教育委員会や学校長との面接が行われるのが通例です。

研修

自治体によっては、合格後から赴任前の1月〜3月頃に合格者を対象とした研修が実施されます。

例えば、東京都で実施されている「任用前サポート」の例では

  • 現役の教員に教師生活について質問できるオンライン個別相談会
  • 他の合格者や先輩教員と交流できる座談会
  • 赴任が決まった学校での授業風景や校内施設を見学できる学校体験

などの施策によって、新人教員が不安なく教壇に立てるよう工夫されています。

参考:安心して働くための「任用前」のサポート(令和5年度の例)

勤務

採用試験の翌年4月1日以降、新学期の開始とともに教員としての勤務が始まります。

教員採用試験の日程は?

ここでは、令和7年度(2025年年度採用)の教員採用試験日程を参考に、各都道府県の選考スケジュールについて紹介します。

自治体出願一次試験二次試験
北海道4月8日〜5月2日6月16日8月2日〜8月4日
青森県4月9日〜5月1日7月13日8月31日、9月1日
岩手県4月18日〜5月8日
(郵送は15日まで)
7月13日8月中旬〜9月中旬(面接)
8月31日(実技)
秋田県5月10日〜5月27日7月13日・7月14日8月31日〜9月2日
山形県4月22日〜5月12日7月13日8月27日〜8月29日
宮城県4月15日〜5月13日7月13日8月下旬〜9月上旬
福島県5月1日〜5月22日7月13日(筆記)
7月14日(実技)
9月7日・9月8日
茨城県3月1日〜3月29日5月12日8月22日〜8月25日
栃木県4月4日〜5月8日7月6日・7月7日8月22日〜8月25日
群馬県4月18日〜5月17日7月7日8月21日〜9月4日
千葉県4月1日〜5月10日7月7日8月17日〜19日/8月23日〜8月25日
埼玉県4月3日〜5月9日7月7日8月10日・18日/9月1日(小中養栄)
8月4日/8月18日・19日〜22日の1日(高・特)
東京都4月1日〜5月8日7月7日8月17日〜8月25日
神奈川県4月17日〜5月9日5月11日・5月12日6月10日〜6月17日(適正)
6月29日〜6月30日(面接)
静岡県1月15日〜3月4日5月11日・5月12日6月10日〜6月17日(適正)
6月29日〜6月30日(面接)
山梨県4月30日〜6月3日7月7日8月3日(適正・小論文・実技)
8月14日〜8月16日(個人面接・集団討議)
長野県4月15日〜5月7日6月29日・6月30日8月5日〜8月9日
新潟県4月19日〜5月27日6月16日(小のみ)7月7日8月17日〜8月20日の指定日
石川県4月下旬〜7月20日(筆記)
7月21日(実技)
8月3日・8月4日(面接)
福井県5月1日〜5月22日6月29日〜6月30日8月1日〜2日・5日〜8日
富山県4月24日〜6月7日7月13日・7月14日8月17日・8月18日
愛知県4月下旬〜5月上旬6月15日7月下旬頃
岐阜県3月26日〜4月30日6月15日7月20日・7月21日
三重県4月4日〜4月25日6月15日7月13日〜7月30日
滋賀県4月19日〜5月9日6月16日7月下旬〜8月下旬の指定日
大阪府3月8日〜4月19日6月15日8月10・21・25日(筆答・実技)
7月上旬〜9月上旬の1日(面接)
兵庫県4月8日〜5月13日6月15日(集団面接)
7月21日(筆記)
8月16日〜8月27日
京都府4月10日〜5月10日6月15日8月15日〜8月24日
奈良県4月26日〜5月20日6月15日(筆記)
6月16日(実技)
7月21日・22日(集団面接)
8月8〜11日・13〜16日(個人面接)
和歌山県4月11日〜5月1日6月15日(筆記)8月8日(集団面接)
8月9日(小論文・実技)
8月20日〜8月23日(個人面接)
鳥取県3月25日正午〜4月22日正午6月8日7月12日〜7月21日(適正)
8月2日〜8月10日(適正以外)
島根県4月中旬〜5月下旬
※特別選考試験は5月4日に面接試験
7月6日8月17日〜8月28日
広島県4月8日〜5月8日7月13日・7月14日8月17日〜8月19日
岡山県4月中旬〜5月中旬7月6・7・13・14日8月17〜21日・24日
山口県4月15日〜5月24日7月6日・7月7日8月17日〜20日(小学校)
8月17日・8月18日(小学校以外)

※大学3・4年生を対象とした新制度「教職専門試験」を令和5年12月17日に実施
香川県5月1日〜5月24日7月13日〜7月19日8月17日〜8月25日
徳島県5月9日〜5月27日7月20日〜7月21日8月16日〜8月23日
愛媛県4月18日午前9時〜
5月30日午後5時15分
7月20日〜
7月21日
8月20日〜8月23日
高知県3月25日〜4月15日6月1日7月27日〜8月18日の指定日
福岡県4月1日〜4月30日6月16日8月上旬〜下旬
佐賀県4月10日〜4月30日6月16日7月27日〜7月30日
熊本県4月15日〜5月2日6月16日7月28日〜8月2日
長崎県4月15日〜4月25日6月16日8月21日〜9月2日の指定日
大分県4月8日〜4月30日6月16日8月3日〜8月10日
宮崎県2月中旬〜3月下旬(電子申請)
4月上旬〜中旬(郵送)
6月16日
(予備日23日)
7月下旬〜8月上旬
鹿児島県4月1日〜4月26日6月16日8月2日〜8月13日
沖縄県3月1日〜3月29日6月16日8月24日・8月25日

教員採用試験はどのくらい難しい

年度受験者数採用者数倍率
令和5年121,132人35,981人3.4倍
令和4年126,390人34,315人3.7倍
令和3年134,267人35,067人3.8倍
令和2年138,042人34,875人4.0倍
令和元年148,465人34,952人4.2倍
参考:公立学校教員採用選考試験の実施状況(文部科学省)

教員採用試験の難易度や合格倍率は、教科や自治体、試験の実施年によって大きく異なります。

試験問題そのものの難しさよりも出願数に対する採用枠の数が突破の難易度を左右しやすく、試験内容だけを見て一概に簡単・難しいという判断はできません。

令和元年〜令和5年の試験状況を見ても、受験者数が年々減少しているために、採用者数に大きな変動がない一方で合格倍率は下がっていることがわかります。

教科別では、採用枠が少ない専門教科や免許を取りやすい教科は倍率が上がりやすく、採用が難しい傾向あり。

保健体育や社会科、音楽などの教科が該当します。

逆に、免許取得の場が少ない技術家庭科や、受験資格を得るために実務経験が必要な看護・水産といった教科は倍率が下がりやすい傾向がありますが、試験の難易度が低いわけではありません。

教員採用試験の難易度は受験教科や校種、自治体の状況などから総合的に判断する必要があるといえるでしょう。

参考コラム:教員採用試験の倍率は?全国の倍率の一覧と推移を解説

まとめ

この記事では、教員採用試験の流れや採用までのスケジュールについて、以下の内容で解説しました。

  • 教員採用試験は、出願前の説明会から始まる。出願・一次試験・二次試験といずれの段階においても自治体ごとにスケジュールのばらつきがあるので、赴任を希望する自治体の公式サイトなどで最新情報を必ずチェックする。
  • 令和7年採用の試験データでは、もっとも早い静岡県で1月15日に出願受付開始。自治体によっては締切の時刻まで指定されていることもあるため、スケジューリングはしっかり行う。
  • 教員採用試験の難易度は自治体の状況や教科によって大きく変わり、採用枠に対して受験者が多いと倍率が上がりやすい。倍率が低い教科は受験資格の取得が難しい場合も多く、試験が簡単というわけではない。

教員採用試験は出願から採用までいくつも段階があるうえ、自治体によっても内容やスケジュールが変わります。

必要な情報を取得できるか・責任感を持ってスケジューリングができるかなど、教員として働く際に重要な資質を受験段階で試されるといっても過言ではありません。

自治体によっては、出願が始まった段階では先の試験日程が決まっておらず、「○月下旬」のような曖昧な指定になっていることもあります。

試験日が近くなったら公式サイトなどの一次情報をこまめにチェックするとともに、周辺の日程は必ず空けておくなどの対処を取りましょう。

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