「教員採用試験の二次試験でどんな内容が問われるのか、倍率はどのくらいなのか、どうやって対策を立てたらいいのか」と不安に感じている方も多いのではないでしょうか。

このコラムでは、教員採用試験の二次試験の具体的な内容や倍率、試験の日程、そして効果的な対策方法を徹底解説します。

準備を万全にし、自信を持って二次試験に臨むための情報をお届けします。

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教員採用試験の二次試験の内容は?

通常、二次試験では、面接試験・実技試験・論文試験・適性検査などが行われますが、その具体的な内容や形式は自治体の方針によりさまざまです。

ただし、教員採用試験の二次試験の内容は自治体ごとに異なります。

以下に、例年受験者数が多い8自治体の二次試験の内容をまとめました。

自治体二次試験の内容
東京・個人面接
・実技試験(対象の校種教科のみ)
愛知・口述試験
・実技試験(対象の校種教科のみ)
大阪府・面接テスト(個人面接及び模擬授業)
・実技試験(対象の校種教科のみ)
・筆答テスト
・小論文(小学校・小中いきいき連携・支援学校[幼稚部・小学部共通及び小学])のみ)
埼玉・個人面接
・集団討論
・集団面接(高等学校等教員、特別支援学校教員のみ)
・論文試験
・実技試験(対象の校種教科のみ)
千葉・個別面接
・模擬授業
・適性検査
・実技試験(対象の校種教科のみ)
兵庫・模擬授業
・個人面接試験
・実技試験 (対象の校種教科のみ)
神奈川・個人面接
・模擬授業
・論文試験(第1次試験日に実施)
・実技試験(対象の校種教科のみ)
北海道・適性検査
・教科等指導法検査(記述式)
・面接検査
・実技検査(対象の校種教科のみ)
・論文検査(特別選考・社会人 教員免許非取得者のみ)

このように、面接や論文試験、実技試験は多くの自治体で実施される共通の試験項目ですが、内容や形式が自治体ごとに違うため、ご自身が応募する自治体の試験内容を十分に確認し、試験対策を行いましょう。

次に、以下に挙げる代表的な二次試験の内容や実地方法について解説していきます。

  • 面接試験
  • 実技試験
  • 論文試験
  • 適性検査

面接試験

面接試験では、受験者の人格や教育に対する考え方を直接評価します。

一般的に個人面接、集団面接、討論、模擬授業が行われ、それぞれ以下のような内容、形式で行われます。

  • 個人面接
  • 集団面接
  • 討論
  • 模擬授業

個人面接

個人面接では、面接官が受験者に質問を行い、自己PRや志望動機、教育観、教育の実践に対する考え方を確認します。

通常、1対2〜4人の面接官が行い、所要時間は15〜30分程度です。

受験者の論理的思考力、表現力、真剣さなどが評価されます。

言葉遣いや態度、身だしなみも重要な評価ポイントとなるので、早い時期から準備をしておきましょう。

集団面接

集団面接では複数の受験者が同時に面接を受け、協調性やコミュニケーション能力を確認されます。

教育現場でのチームワークが重視されるため、他社の意見を尊重しながら自分の意見を伝えることが求められます。

人数は3〜10人程度、所要時間は30〜45分が一般的です。

討論

指定された教育関連のテーマ(例:「いじめ問題への対応」「多様性のある学級運営」)について議論し、最終的にグループで結論を出します。

一般的に、3〜6人程度のグループで20〜30分行われます。

柔軟な発想や協調性、問題解決能力などが評価されます。

模擬授業

模擬授業は、受験者が限られた時間内で、教室で授業を行う形式で行われます。

指定された教科に基づき、作成した指導案に従って授業を実演します。

授業の進行や説明方法、生徒への接し方が重視され、教育現場での指導力や対応能力が評価されます。

時間は通常10〜20分です。

関連コラム:教員採用試験とは?試験概要・日程・申込方法・受験料・適性検査を解説

実技試験

音楽、美術、体育、家庭科、英語などの教科において、技術や知識を使ったパフォーマンスを評価します。

代表的な教科、内容は以下の通りです。

体育
水泳、跳び箱、マット運動などの基本技能が求められ、指導力や生徒への配慮も評価されます。

時間は15〜20分程度です。

音楽
ピアノ演奏や歌唱などが求められ、音楽教員として必要な表現力や指導力が評価されます。

試験時間は10〜15分程度。

美術
デッサンや絵画をテーマに沿って制作し、技術的完成度や指導力も重視されます。

英語
スピーチやディスカッションを通じて、英語での表現能力と指導力を示します。

論文試験

論文試験は一時間程度で実施され、テーマは「教師に求められる資質」や「生活指導の方法」「教育現場での問題解決」など、教育論や実践的内容がほとんどです。

受験者は自分の考えを論理的に構築し、600〜2,000字程度で論じます。

テーマに対する深い理解と論理的思考力、表現力が求められます。

自治体によって論文のテーマは異なるため、試験を受ける自治体の過去問を確認するといいでしょう。

適性検査

適性検査は、教員としての適性を客観的に測るための試験です。

クレペリン検査のような作業効率や正確性を測定するテストや、性格検査(例:忍耐力、協調性、ストレス耐性)が行われます。

教員採用試験の二次試験の倍率は?

文部科学省の公立学校教員採用選考試験の実施状況によると、過去5年間における公立学校教員採用選考試験の平均倍率は、3.4倍〜4.2倍で推移しています。

下表は公立学校教員採用選考試験の実施状況を基にした、過去5年間の倍率の平均値となります。

年度全体小学校中学校高校特別支援学校養護教諭栄養教諭
令和5年実施3.42.34.34.92.47.48.8
令和4年実施3.72.54.75.32.8 7.29.0
令和3年実施3.82.64.46.63.17.08.0
令和2年実施4.02.75.16.13.16.68.1
令和元年実施4.22.85.76.93.26.38.0

小学校の平均倍率は2.3倍〜2.8倍と他の校種よりも比較的低めですが、中学校は4.3倍~5.7倍、高校は4.9倍〜6.9倍とかなり高くなっています。

専門性が求められる特別支援学校、養護教諭、栄養教諭も小学校よりも倍率が高く、特に養教諭は6.3倍〜7.4倍、栄養教諭が8.0倍〜9.0倍と狭き門となっています。

このように、教員採用試験は校種によって倍率に差があり、希望する校種によっては非常に競争が厳しいです。

また、各自治体によって倍率は異なるため、自身が受験する自治体の合格率を確認しましょう。

各自治体別の倍率一覧

下表は、文部科学省の令和5年度公立学校教員採用選考試験の実施状況より作成した、「2023年度教員採用試験 各自治体の平均倍率一覧」です。

自治体倍率自治体倍率
北海道3.2山口県2.7
青森県4徳島県5.7
岩手県3.5香川県4.6
宮城県2.9愛媛県3
秋田県3.1高知県8.5
山形県2.5福岡県2.6
福島県3.5佐賀県2.3
茨城県4.3長崎県2.1
栃木県4.8熊本県2.6
群馬県4大分県2.8
埼玉県2.9宮崎県3
千葉県3鹿児島県2.5
東京都2.3沖縄県5.9
神奈川県3.6札幌市3.2
新潟県2.7仙台市3.9
富山県2.1さいたま市3.1
石川県3.2千葉市3
福井県3横浜市3.3
山梨県2.7川崎市2.8
長野県3.7相模原市2.9
岐阜県2.9新潟市2.6
静岡県4.1静岡市3.2
愛知県3.3浜松市3.8
三重県4.5名古屋市3.6
滋賀県3.4京都市5.8
京都府3.9大阪市3.1
大阪府4.7堺市3.7
兵庫県4.5神戸市3.6
奈良県4.7岡山市3.8
和歌山県4.2広島市3.6
鳥取県5.4北九州市2.9
島根県3.4福岡市2.4
岡山県4.7熊本市2.3
広島県3.6豊能地区3.8

教員採用試験の倍率は、自治体ごとに大きな違いがみられます。

例えば、富山県(2.1倍)や長崎県(2.1倍)は比較的低い倍率ですが、高知県(8.5倍)や沖縄県(5.9倍)はかなり高い倍率となっています。

このような倍率の差は、地域の教育環境や人口分布、各自治体の教育施策に関連するものです。また、自治体ごとの教員採用に対するニーズの違いも大きく影響しています。

また、政令指定都市も地域によって大きな差があります。

札幌市(3.2倍)、名古屋市(3.6倍)は比較的平均的な倍率ですが、京都市(5.8倍)は高めの倍率です。

これは都市の特性や地域ごとの教育環境が影響する可能性が高く、また地域によって求められる教師の資質や教育方針に違いがあることも倍率に反映していると言えます。

教員採用試験の二次試験の日程はいつ?

一般的に、教員採用試験の二次試験は7月〜9月に行う自治体が多いです。

試験日は各自治体によって異なり、自治体によっては複数日程にわたって実施される場合もあります。

受験者は、自分が受ける自治体の試験日程を早期に把握することが求められます。

以下は、令和7年度(2025年度[2024年実施])の各自治体の二次試験の日程です。

※横にスクロールできます。

北海道8月2日~8月4日岐阜県7月20日・7月21日
青森県8月31日、9月1日三重県7月13日~7月30日
岩手県8月中旬~9月中旬
(面接)
8月31日
(実技)
滋賀県7月下旬~8月下旬の指定日
秋田県8月31日~ 9月2日大阪府8月10日
8月21・8月25日
(筆答・実技)/7月上旬~9月上旬の1日(面接)
山形県8月27~8月29日兵庫県8月16日~8月27日
宮城県8月下旬~9月上旬京都府8月15日~8月24日
福島県9月7日、9月8日奈良県7月21日・7月22日(集団面接)
8月8日~8月11日
8月13日~8月16日(個人面接)
茨城県7月6日、7月7日和歌山県8月8日(集団面接)
8月9日(小論文・実技 )
8月20日~8月23日(個人面接)
栃木県8月22~8月25日鳥取県7月12日~7月21日(適性)
8月2日~8月10日(適性以外)
群馬県8月21日~9月4日岡山県8月17日~8月21日・8月24日
千葉県8月17~8月19日
8月23日~8月25日
山口県8月17日~8月20日(小学校)
8月17日・8月18日(小学校以外)
新制度〔小学校教諭;大学3・4年生対象〕「教職専門試験」を令和5年12月17日に実施
埼玉県8月10日・8月18日
9月1日(小中養栄)
8月4日/8月18日
8月19日~8月22日の1日(高・特)
香川県8月17日~8月25日
東京都8月17日~8月25日徳島県8月16日~8月23日
神奈川県8月5日~8月19日愛媛県8月20日~8月23日
静岡県6月10日~6月17日
(適性)
6月29日~6月30日
(面接)
高知県7月27日~8月18日の指定日
山梨県8月3日
8月14日〜8月16日
福岡県8月上旬~下旬
長野県8月5日~8月9日佐賀県7月27日~7月30日
新潟県8月17日~8月20日の指定日熊本県7月28日~8月2日
石川県7月20日(筆記)
7月21日(実技)
8月3日・8月4日(面接)
長崎県8月21日~9月2日の指定日
福井県8月1日~8月2日
8月5日~8月8日
大分県8月3日~8月10日
富山県8月17日・8月18日宮崎県7月下旬~8月上旬
愛知県7月下旬頃鹿児島県8月2日~8月13日
島根県8月17日~8月28日 沖縄県8月24日~8月25日
広島県8月17日~8月19日

教員採用試験の二次試験の対策6選

近年、教員採用試験では、多くの自治体で人物評価を重視する傾向が強まっています。

教員採用試験の二次試験では、面接や論作文などで、受験生の人柄や教育観、思考力を評価します。

ここでは、以下に挙げる6つの二次試験対策のポイントをご紹介します。

  • 自治体の出題傾向と過去問を確認する
  • 質問される内容を想定しておく
  • 実際の面接を想定して練習する
  • 論文の場合アウトプットを中心に対策する
  • 論文の添削をしてもらう
  • 通信講座を利用する

自治体の出題傾向と過去問を確認する

過去問を分析することで、その自治体に特化した対策ができ、面接や論文で高い評価を得られるでしょう。

教員採用試験の二次試験の内容は、自治体によって異なります。

そのため、まずは受験する自治体の出題傾向を把握し、過去問を確認することです。

過去問を通じて、面接の質問例や論文テーマを把握することができ、それを参考に準備ができるからです。

例えば、地域特有の教育課題や時事問題への考え、学力向上や特別支援教育についての具体的な取り組みや考えを問われることがあります。

質問される内容を想定しておく

二次試験の面接では、受験生の考え方や人柄が問われるため、事前に想定される質問を準備しておくことが大切です。

面接でよく聞かれる質問は、一般的なものから具体的な教育実践に関するものまで幅広くあります。

以下に代表的な質問例を挙げますので、これらを参考に自分の意見や対応方法を事前に考えておきましょう。

  • なぜこの自治体を志望したのか?
  • その自治体の教育にどんな貢献ができると考えているか?
  • 学校の危機管理における問題はどこにあると感じるか?
  • 学校行事を通して生徒にどんな力を育てたいか?
  • アクティブラーニングを使った授業の具体例を挙げよ。
  • 自分の教育方針と学習指導要綱に違いがあった場合、どう対応するか?
  • ADHDの生徒への指導方法を説明せよ。
  • 計算が苦手な生徒への支援方法は?
  • 保護者からクレームを受けた場合、どう対応するか?
  • いじめの問題に直面した場合、どのように対処するか?

これらの質問に対して、具体的な事例や考えを交えて答えられるように準備しましょう。

単に「こう考えています」と答えるだけではなく、実際の教育現場でどのように行動するかを具体的に示すことが、面接官に好印象を与えるポイントです。

実際の面接を想定して練習する

実際の面接を想定した模擬面接で、質問を受け、リアルな状況で対応する練習をしましょう。

どんなに準備してイメトレしていても、面接に慣れていないと、本番で緊張して慌ててしまうことがあります。

練習を重ねることで、面接の流れや質問に対する自然な反応が身につきます。

また、面接では言葉遣いや態度、表情も重要です。

練習を通じて、正しい姿勢や適切な言葉遣いを身につけることが、合格へ向けた大きなポイントとなります。

鏡の前で練習したり、家族や友人に協力してもらい、フィードバックをもらうことも効果的です。

論文の場合アウトプットを中心に対策する

アウトプットを中心に繰り返し書くことは、論理的な思考力や文章力を養うための最良の方法です。

ただ頭の中で考えるだけでは、十分な論文対策はできません。

まず、よく出題されるテーマについて論文を書いてみましょう。

論文を書く際、論文の構成や文章の表現方法を確認しながら書くことが大切です。

また、テーマに対して自分の意見だけではなく、具体的な事例やデータを交えることで、説得力を増すことができます。

論文の添削をしてもらう

論文を書いた後は、必ず他者に添削してもらいましょう。

自分一人では気づかない誤りや、改善すべき点に気づくために、第三者の目でチェックしてもらうことが重要です。

特に通信講座や予備校の講師、教員採用試験経験者に添削を依頼すると、有益なアドバイスを得ることができます。

添削を受けることで、自分の論文の強みと弱みが明確になります。

論理的に不十分な部分や、表現がわかりにくい箇所などを改善し、さらにクオリティの高い論文に仕上げることができます。

通信講座を利用する

教員採用試験の二次試験対策を短期間で効率よく行いたいなら、通信講座を利用するのもおすすめです。

特にアガルートの教員採用試験対策講座は、初めて教員採用試験を受ける人や、今年こそ絶対に合格したい人に向けた、最短ルートで合格を目指せるプログラムです。

一次試験対策では、試験範囲を徹底的にカバーしながら、効率的に成績上位を獲得できるような知識の習得を目指します。

二次試験対策では、採点官が重視するポイントやその理由を細かく解説し、合格に直結する具体的な言動を習得できます。

また、受験先に合わせた模擬面接、模擬授業などのオンライン指導を受けることができるので、万全の二次試験対策ができるでしょう。

まとめ

教員採用試験の二次試験内容は、自治体によって異なりますが、一般的には面接試験、実技試験、論文試験、適性検査が含まれます。

面接試験では、受験者の教育観や人柄を評価する個人面接や集団討論、模擬授業が行われます。

実技試験は音楽や体育などの専門技能が試され、論文試験では教育に関するテーマに沿った論理的な記述力が求められます。

さらに教員としての適性を測るための適性検査も多くの自治体で実施されています。

二次試験の倍率は校種や地域によって異なり、高校、養護教諭、栄養教諭は特に高くなりがちです。

教師としての適性、人間性を評価される二次試験の対策は、客観的な視点を取り入れて行いましょう。

二次試験対策を効率的に行うなら、豊富な教材と専任講師の指導が得られる通信講座を活用しましょう。

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