小学校教諭の難易度と倍率は? 倍率が低い県と教員になるまでの流れを解説
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このコラムでは小学校教諭を目指す際に知っておきたい、小学校教員採用試験の難易度や倍率についての情報を整理しています。
「小学校教諭の難易度はどのくらいか」、また「教員採用試験の倍率が低い県と高い県はどこなのか」について詳しく解説します。
さらに、採用者の学歴や教員採用試験の内容についても紹介しますので、これから小学校の教員採用試験の勉強を始める方は、ぜひ最後までご覧ください。
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小学校教諭の難易度はどのぐらい?
文部科学省の公立学校教員採用選考試験の実施状況によると、令和5年度の小学校教諭の採用試験の受験者数は38,952人、合格者は17,034人で、倍率は2.3倍でした。
過去5年間の受験者数・合格者数・倍率は下表の通りです。
年度 | 受験者 | 合格者 | 倍率 |
---|---|---|---|
令和5年 | 38,952人 | 17,034人 | 2.3 |
令和4年 | 40,635人 | 16,167人 | 2.5 |
令和3年 | 43,448人 | 16,440人 | 2.6 |
令和2年 | 44,710人 | 16,605人 | 2.7 |
令和元年 | 47,661人 | 17,029人 | 2.8 |
過去5年間の合格率を振り返ると、令和4年は2.5倍、令和3年は2.6倍、令和2年は2.7倍、令和元年は2.8倍という結果で、年々倍率は少しずつ低下しています。
これは、受験者数の減少や採用者数の増加が影響していると考えられますが、それでも2倍を超える倍率が続いていることから、合格するには十分な準備が必要です。
次に小学校教諭の難易度について、他の試験区分(中学校・高等学校・特別支援学校・養護教諭)と比較してみましょう。
下表は、公立学校教員採用選考試験の実施状況より、過去5年間の公立学校教員採用選考試験の合格率を試験区分ごとにまとめたものです。
年度 | 小学校 | 中学 | 高校 | 特別支援 | 養護 |
---|---|---|---|---|---|
令和5年 | 2.3 | 4.3 | 4.9 | 2.4 | 7.4 |
令和4年 | 2.5 | 4.7 | 5.3 | 2.8 | 7.2 |
令和3年 | 2.6 | 4.4 | 6.6 | 3.1 | 7.0 |
令和2年 | 2.7 | 5.1 | 6.1 | 3.1 | 6.6 |
令和元年 | 2.8 | 5.7 | 6.9 | 3.2 | 6.3 |
小学校教諭の倍率は、中学や高校と比較すると比較的低いことがわかります。
令和5年度のデータでは、中学校教諭の倍率は4.3倍、高等学校教諭は4.9倍、特別支援学校教諭は2.4倍、養護教諭は7.4倍と、いずれも小学校教諭の倍率よりも高くなっています。
このことから、小学校教諭は、専門的な知識を要求される中学校教諭や高等学校教諭に比べて、試験の難易度は低いと言えるでしょう。
小学校教諭は幅広い教科に対応できる総合的な知識が求められますが、専門性の深さでは中学校教諭や高等学校教諭よりも緩やかです。
また、試験の倍率は自治体によっても大きく異なります。
都市部や人口密集地域では、受験者数が多いために倍率が高くなる傾向があり、逆に地方や過疎地域では受験者数が少なく、その分倍率は低くなることが一般的です。
小学校教諭の倍率が低い県は?
2024年度の教員採用試験で、小学校教諭の倍率が最も低い県は秋田県で、倍率は1倍でした。
これは、受験者数と採用人数がほぼ一致していることを意味し、競争が非常に少ないことを示しています。
順位 | 自治体 | 2024年の倍率 | 2023年の倍率 | 2022年の倍率 |
---|---|---|---|---|
1位 | 秋田県 | 1 | 1.3 | 1.4 |
2位 | 北海道 | 1.2 | 2.4 | 2.3 |
3位 | 福岡県 | 1.2 | 1.4 | 1.3 |
4位 | 長崎県 | 1.2 | 1.4 | 1.5 |
5位 | 熊本市 | 1.2 | 1.5 | 1.9 |
上の表は、時事通信局の2024年夏実施 教員採用試験 全国志願者数・採用予定者数・倍率一覧 と、文部科学省の公立学校教員採用選考試験の実施状況を基にした「小学校教諭の倍率が低い県(自治体)のランキング」です。
秋田県は2022年から2024年にかけて倍率が安定して低い水準を保っており、2023年の倍率は1.3倍、2022年の倍率も1.4倍でした。
このことから、秋田県は他の県(自治体)と比較して、小学校教諭を目指す際の競争が少なく、採用されやすい環境と言えるでしょう。
次に、倍率が低い県は北海道、福岡県、長崎県、熊本市で、それぞれ2024年の倍率は1.2倍となっています。
北海道は、2023年の倍率が2.4倍、2022年の倍率が2.3倍と高かったものの、2024年には大きく倍率がダウンし、1.2倍となりました。
また、福岡県と長崎県は、3年間の倍率の変動は少なく、安定して競争率が低めです。
熊本市は2023年が1.5倍、2022年が1.9倍と、緩やかに倍率を下げています。
このように秋田県を筆頭に、北海道、福岡県、長崎県、熊本市など、比較的倍率が低い地域では、他の地域に比べて競争が少なく、受験者にとって有利な状況となっています。
小学校教諭の倍率が高い県は?
2024年度の教員採用試験において、小学校教諭の倍率が最も高い県(自治体)は高知県で、倍率は4.4倍です。
これは、受験者数に対して採用人数が少なく、競争が激しいことを意味しています。
順位 | 自治体 | 2024年の倍率 | 2023年の倍率 | 2022年の倍率 |
---|---|---|---|---|
1位 | 高知県 | 4.4 | 9.4 | 9.2 |
2位 | 豊能地区 | 4.3 | 2.9 | 3.8 |
3位 | 奈良県 | 4.0 | 3.9 | 5.1 |
4位 | 兵庫県 | 3.9 | 4.4 | 4.2 |
5位 | さいたま市 | 3.8 | 2.3 | 2.4 |
上の表は、時事通信局の2024年夏実施 教員採用試験 全国志願者数・採用予定者数・倍率一覧 と、文部科学省の公立学校教員採用選考試験の実施状況を基にした「小学校教諭の倍率が高い県(自治体)のランキング」です。
高知県は2023年が9.4倍、2024年も9.2倍と非常に高い倍率を記録しており、過去3年間で高い水準を維持しています。
倍率の高さは、地域特有の事情や教育現場のニーズに起因することが考えられますが、いずれにしても小学校教諭を目指すには相当な努力が必要となる地域と言えるでしょう。
次に倍率が高い県(自治体)は、豊能地区で4.3倍でした。
豊能地区は、2023年の2.9倍から大幅に上昇しており、競争が激しくなっています。
続いて、奈良県は4.0倍、兵庫県は3.9倍、さいたま市は3.8倍と、いずれも高い倍率を記録しています。
また、都市部では小学校教諭の需要が高いため、教員採用試験の倍率も高くなる傾向があります。
さいたま市も、2023年は2.3倍でしたが、2024年には3.8倍と高い倍率を示しており、前年から競争が激しくなっています。
このように、高知県をはじめ、豊能地区、奈良県、兵庫県、さいたま市といった地域で小学校教諭を目指すには、高い競争倍率を乗り越えるための十分な準備が求められます。
小学校教諭の採用者の学歴は?
2023年度に実施された教員採用試験における、小学校教諭の学歴別の採用者割合を見ると、採用者の大半は「一般大学 ・学部」、「国立教員養成大学・学部」出身者で占められています。
区分 | 人数 | 比率 |
---|---|---|
国立教員養成大学・学部 | 4,857人 | 28.5% |
一般大学 ・学部 | 11,042人 | 64.8% |
短期大学 等 | 444人 | 2.6% |
大学院 | 691人 | 4.7% |
一般大学・学部出身者が11,042人、比率で64.8%となっており、最も高い割合を示しています。
一般大学では教職課程が整備されており、教育実習や専門的なカリキュラムを通じて、教員に求められる知識と実践力を学べるため、採用者の多くを輩出しています。
次に多いのが、国立教員養成大学・学部出身者で、4,857人(28.5%)です。
これらの大学は、教育学に特化した専門的な教育を行っており、現場で求められる知識や技術を深く学んだ人材を輩出しています。
大学院出身者は691人(4.7%)で、かなり少ない割合となっています。
教育学や専門分野の深い学びが行われる大学院。
小学校教諭として求められるのは、現場での実践的な教育力やコミュニケーション能力が中心となるため、大学院出身者の割合は低い傾向にあります。
もっとも出身者が少ないのは、短期大学等で444人(2.6%)。
短期大学、専門学校などは幼児教育に特化したカリキュラムを提供していることが多く、幼稚園教諭や保育士資格を取得しやすい環境です。
そのため、短大卒等の出身者の多くは、幼稚園や保育園等での就職を目指し、小学校の教員採用試験を受ける割合が少ないのです。
小学校の教員採用試験の内容は?
結論、小学校の教員採用試験の内容は、受験する自治体によって異なります。
例えば、筆記試験や面接の重要度、実技試験の有無などが異なり、各自治体が独自の基準で試験を行います。
そのため、受験を考えている自治体の試験内容や対策ポイントをしっかりと確認することが大切です。
一般的に小学校の教員採用試験では、以下のような試験が行われます。
- 筆記試験
- 論文試験
- 面接試験
- 実技試験
それぞれの試験内容は以下の通りです。
筆記試験
筆記試験は教職教養試験、一般教養試験、専門教養試験の3つに分けられます。
教職教養試験
教育原理、教育法規、教育心理、教育史、教育時事など、教育の基礎知識を問う内容です。
一般教養試験
国語、算数、理科、社会などの教科問題や時事問題、一般常識が含まれます。
専門教養試験
志望する教科に関する専門的な知識が問われ、小学校教諭志望者には高校レベルまでの標準的な内容が出題されます。
論文試験
自治体ごとにテーマは異なりますが、1時間ほどで600〜2,000字の小論文を書く形式が多いです。
教育観や教師の資質、生活指導など幅広いテーマが扱われます。
面接試験
面接では、受験者の人間性や教育観、指導力を評価。
個人面接やグループ面接、模擬授業を実施する場合もあり、複数回行われることもあります。
近年は、面接試験の重要性が非常に高まっています。
実技試験
面接官の前で水泳、マット運動、デッサンなどの実技を行います。
ただし近年、小学校の教員採用試験において実技試験を廃止する自治体も増えています。
参考:水泳・シャトルラン…体育の実技「負担」 教員採用試験で7割が廃止:朝日新聞デジタル
まとめ
以上、小学校の教員採用試験の難易度や倍率、採用者の学歴、試験内容について解説しました。
令和5年度の小学校教諭の採用試験では、受験者38,952人に対し、合格者は17,034人で、倍率は2.3倍でした。
過去数年の倍率は徐々に低下していますが、2倍を超える倍率が続いており、決して難易度は低くありません。
小学校教諭の倍率は中学校や高等学校よりも低く、試験の難易度も緩やかです。
しかし、自治体によって倍率は異なり、都市部では高く、地方では低くなる傾向があります。
2024年度の教員採用試験において、最も倍率が低かったのは秋田県で1倍、最も高かったのは高知県で4.4倍でした。
2023年度の教員採用試験における、小学校教諭の学歴別の採用者割合は、「一般大学・学部」出身者が64.8%で最も多く、次いで「国立教員養成大学・学部」出身者が多く、28.5%となっています。
教員採用試験の小学校区分の試験内容は、自治体によって異なります。
一般的には、筆記試験(教職教養、一般教養、専門教養)、論文試験、面接試験、実技試験が実施されます。
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