心理系の資格を取得しようと考えている方のなかには、公認心理師の資格取得を目指すべきか、臨床心理士の資格取得を目指すべきか悩んでいる人もいるのではないでしょうか。

実際、臨床心理士の資格と公認心理師の資格は、取得までのプロセスが異なるものの、実際の現場において与えられる仕事に大きな違いがあるわけではありません。

そのため、資格取得までのプロセスの違いをしっかりと理解しておくことが重要です。

  • 公認心理師と臨床心理士の資格の違いは?
  • 公認心理師と臨床心理士の資格ならどちらの資格をとるべき?
  • 公認心理師と臨床心理士の資格では就職時にどちらが有利なの?

こうした悩みを抱えている人に向けて、本記事では、公認心理師と臨床心理士の資格の違いを解説していきます。

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公認心理師と臨床心理士の違いは?

公認心理師と臨床心理士は、日本において心の健康に関わる重要な専門職であり、それぞれが持つ特徴や資格取得までのプロセスには大きな違いがあります。

以下では、その違いを解説し、これらの資格を目指す方々に有用な情報を提供していきます。

まずは、公認心理師と臨床心理士の主な違いは次の表のとおりです。

特徴 公認心理師 臨床心理士
資格の種類 国家資格 民間資格
資格の誕生年 2017年に法律施行、2018年から試験開始 1988年に資格制度開始
カリキュラム 学士課程で心理学を学び、大学院や実務経験を経て受験資格を得る 指定大学院で臨床心理学を専門的に学び、修士課程を修了する必要がある
資格更新 なし あり(5年ごと)
業務内容 心理状態の観察・分析、相談に応じた助言・指導、心の健康に関する教育・情報提供 心理査定、面接援助技法の適用、人的援助システムのコーディネーティングやコンサルテーション、心理臨床実践に関する研究・調査
活動分野 医療・保健、教育、福祉、産業、司法など広範囲 医療・保健、教育、福祉、産業、司法など広範囲
実務経験 大学で指定科目を履修後、実務経験を経て受験資格を得るパスもあり 修士課程修了後、特定の実務経験が必要な場合もある

公認心理師は国家資格、臨床心理士は民間資格

公認心理師と臨床心理士の最も基本的な違いは、公認心理師が国家資格であり、臨床心理士が民間資格である点です。

公認心理師は2017年に施行された公認心理師法に基づき設置された、心理学に関する専門的知識及び技術をもって、心理に関する支援を行う資格です。

これは、心理職としては日本初の国家資格であり、医療、福祉、教育、産業、司法など多岐にわたる分野での活動が期待されています。

一方、臨床心理士は1988年に設立された、心の問題にアプローチする専門家としての民間資格です。長年にわたり信頼と実績を積み重ねてきた背景があり、心理学の臨床現場で広く認知されています。

臨床心理士は、主に精神保健や教育現場での支援活動に従事し、個人の心理的な問題を解決するための専門的援助を提供してきました。

資格を得るまでのカリキュラムが違う

公認心理師と臨床心理士、これら二つの資格を目指す過程において、受験資格を得るための教育カリキュラムには大きな違いがあります。

これらの違いを理解することは、どちらの資格を目指すかを決める上で重要なポイントです。

公認心理師資格を取得するためには、厚生労働省が定めた特定のカリキュラムを修了する必要があります。

このカリキュラムには、心理学の基礎から応用に至るまでの広範な分野が含まれ、受験資格を得るためには、大学および大学院で指定された科目を履修し、さらに一定の実務経験が必要とされます。

具体的には、大学で心理学関連の科目を学び、その後大学院でより専門的な心理学の知識と技術を深め、実践的な能力を磨かなければなりません。

このプロセスを通じて、公認心理師は多様な心理学の知識と技術を習得し、様々な場面での心理支援に対応できる能力を身につけます。

一方で、臨床心理士資格の取得には、日本臨床心理士資格認定協会が認定する大学院の修了が求められます。

大学院を修了することで受験資格が得られ、資格試験に合格することで臨床心理士の資格を取得できます。

臨床心理学に特化した教育プログラムを通じて、心理査定やカウンセリング技術など、臨床現場で直接活用できる専門知識と技術が身につけられるのが特徴です。

臨床心理士は、特に精神保健や教育、福祉の現場での心理支援に重点を置いており、個人や集団の心理的な問題に対して科学的根拠に基づいた支援を提供することが期待されています。

公認心理師と臨床心理士、それぞれのカリキュラムには明確な違いがあり、資格取得後の活動範囲や専門性にも影響を与えるものです。

公認心理師は心理学全般にわたる広範な知識を持つ専門家として、医療、福祉、教育、司法など多岐にわたる分野で活動します。

一方、臨床心理士は心の健康に特化した専門知識と技術を持ち、主に臨床現場での心理支援に従事します。

臨床心理士には資格更新制度がある

臨床心理士資格の持続には、5年ごとの資格更新が義務づけられています。更新制度は、臨床心理士が常に最新の知識を身につけ、専門性を保持し続けることを目的としたものです。

更新を行うためには、公益財団法人日本臨床心理士資格認定協会が定める研修への参加や、心理臨床に関する研究活動の実績が求められます。

このようにして、臨床心理士は定期的な自己研鑽を通じて、その専門性を維持・向上させることが期待されています。

一方、公認心理師として活動する上で、資格の更新制度は設けられていません。しかし、公認心理師も心理学の専門家として、継続的な学習や研修への参加が強く推奨されています。

特に多様な心理学関連の学会や研修プログラムが提供されているため、公認心理師はこれらの機会を活用して専門知識の更新やスキルアップに努めることができます。

公認心理師と臨床心理士の仕事内容の違い

公認心理師と臨床心理士の資格を持つ専門家は、医療、教育、福祉、産業、司法といった幅広い分野で活動しています。

実際の業務内容や就労先に大きな差があるわけではなく、どちらの資格も心理学の専門家として多様なニーズに対応している職業です。

公認心理師の業務内容は、厚生労働省によって以下の4つの行為が定められています。

  • 心理に関する支援を要する者の心理状態を観察し、その結果を分析すること。
  • 心理に関する支援を要する者に対し、その心理に関する相談に応じ、助言、指導その他の援助を行うこと。
  • 心理に関する支援を要する者の関係者に対し、その相談に応じ、助言、指導その他の援助を行うこと。
  • 心の健康に関する知識の普及を図るための教育及び情報の提供を行うこと。

出典: 公認心理師 |厚生労働省

臨床心理士の専門業務は、日本臨床心理士資格認定協会により以下のように定義されています。

  • 種々の心理テストや面接査定に精通していること。
  • 臨床心理学的に関わる面接援助技法を適用して、的確な対応・処置能力を持っていること。
  • 地域の心の健康活動にかかわる人的援助システムのコーディネーティングやコンサルテーションにかかわる能力を保持していること。
  • 自らの援助技法や査定技法を含めた多様な心理臨床実践に関する研究・調査とその発表等についての資質の涵養が要請されること。

出典: 臨床心理士の専門業務

これらの定義からも分かるように、公認心理師はより広範な心理学の知識と技術を活用して、様々な場面で心理支援を提供することが期待されている職業です。

一方で、臨床心理士は、特に臨床現場での深い心理学的理解と対応能力が求められ、より専門的な心理支援に重点を置いています。

どちらの資格も重要であり、それぞれの専門性を活かして多岐にわたる分野で活躍しています。

公認心理師と臨床心理士、資格を取得するならどっちがいい?

公認心理師と臨床心理士の資格を取得しようかと考えている方は、自分のキャリアプランやどのような分野で活躍したいかによって、どちらの資格が適しているかが変わってきます。

両資格はそれぞれにユニークな特徴とメリットを持っていますので、以下にいくつかのパターンを紹介します。

国家資格を取得したければ公認心理師

国家資格の取得に興味がある方には、公認心理師が最適です。

2017年に制定され、2018年から実施されている公認心理師は、日本で唯一の心理学に関する国家資格です。

この資格は、心理学の幅広い分野における深い知識と実践的な技術を有する専門家を育成することを目的としています。

公認心理師は、医療、福祉、教育、産業、司法など、人々の心の健康に関わる多岐にわたる領域で活躍することが期待されています。

国家資格であることの大きなメリットは、その信頼性と専門性が公的に認められていることです。

これは、心理職として働く上で非常に重要な要素であり、クライアントや患者さん、そして職場や社会全体からの信頼を築く基盤となります。

また、国家資格というステータスは、職場選びの幅を広げ、キャリアアップの可能性を高めます。

公認心理師は、今後、社会からの需要が高い資格でもあり、社会的な地位や就労環境の改善が見込まれることも大きな魅力の一つです。

公認心理師の制度は比較的新しく、心理学に関する最新の研究成果や実践技術がカリキュラムに反映されています。

そのため、学びたいという強い意欲を持つ方々にとって、刺激的で充実した学習経験を提供することができるでしょう。

さらに、公認心理師の資格は、将来的に心理学の専門家としてのキャリアを積む上で、強固な基盤を築くことにも繋がります。

国家資格としての公認心理師は、心理学のプロフェッショナルとしての道を志す方にとって、非常に魅力的な選択肢です。

専門性の高さと社会からの信頼性を兼ね備え、心の健康を支える貴重な仕事に携わることができます。

心理職としてのキャリアを目指す方々にとって、公認心理師の資格は、その夢を現実に変える重要なステップとなるでしょう。

できるだけ早く仕事に就きたければ臨床心理士

心理職への道を速やかに進みたいと考えている方々にとって、臨床心理士は非常に魅力的な選択肢です。

この資格は、特定の大学院の修了が受験資格となるため、比較的短期間で専門性を高め、資格取得に向けて効率的に進むことが可能です。

1988年に設立されたこの資格は、心理職の中で長い歴史を持ち、広範な実績と信頼を築いてきました

特に、教育、医療、福祉の分野では、臨床心理士の専門性と経験が高く評価され、多くの場で活躍する機会があります。

臨床心理士は、心の問題に対する深い理解と専門的なアプローチを提供できるプロフェッショナルとして認識されています。

民間資格であるにも関わらず、その専門性と実績により、心理学の分野で最も重要な資格の一つとされてきたのです。

学校でのスクールカウンセラー、病院やクリニックでの心理サポート、地域の福祉サービスなど、臨床心理士は幅広いフィールドで求められています。

また、臨床心理士資格は、取得後すぐに実践的な仕事に就くことができるため、早期にキャリアをスタートさせたいと考えている方にとって理想的です。

心理学を専門とする大学院での厳しいカリキュラムを経て、実践的なスキルと理論を兼ね備えた専門家として社会に出ることができるのです。

これにより、即戦力としての価値が高く、就職市場においても高い競争力を持つことになります。

臨床心理士は、専門知識を深め、人々の心の問題に寄り添い、支援を提供することに情熱を持つ方々にとって、充実したキャリアパスを提供します。

そのため、できるだけ早く心理職としてのキャリアをスタートさせたい方は、臨床心理士の資格取得に向けた道を選択することで、専門性の高い職業人としての第一歩を踏み出すことができるでしょう。

公認心理師と臨床心理士を両方取得することもできる

心理学の分野で専門性を高めたい、幅広いキャリアオプションを持ちたいと考える方々にとって、公認心理師と臨床心理士の両方の資格を取得する道は非常に魅力的です。

この二つの資格を組み合わせることで、医療、教育、福祉、産業、司法など様々な分野で活躍するための幅広い知識と技術を身につけることができます。

実際、両方の資格を持つことで、専門性の高い心理職として、より多くのチャンスと可能性を広げることが可能です。

公認心理師の資格は、特定のカリキュラムを提供している大学で学び、その後大学院でさらに心理学に関する深い知識と技術を習得することで取得できます。

一方、臨床心理士の資格は、心理学を専門とする指定された大学院を修了し、その後国家試験に合格することで得られます。

これらのプロセスを通じて、学生は心理学の幅広い分野における深い理解と実践的なスキルを身につけることができます。

さらに、通信制の大学や大学院プログラムを活用することで、社会人でも勉強と仕事を両立しながら資格取得を目指すことが可能です。

確かに、学業と仕事の両立は大変な努力を要しますが、国家資格である公認心理師と長年の実績を持つ臨床心理士の両方を取得することは、心理職としての将来のキャリアにおいて大きなアドバンテージとなります。

公認心理師と臨床心理士の両方の資格を持つことで、より広範な知識基盤を持ち、様々な心理的問題に対してより適切なアプローチを提供できるようになります。

また、資格取得後も継続的な学習と自己研鑽を行うことで、最新の研究や理論を学び続けることができ、専門性をさらに高めることが可能です。

両方の資格を取得することは、確かに大変な努力と時間を要しますが、それに見合うだけの価値があります。

公認心理師と臨床心理士の資格を有することで、心理学の専門家として多方面での活躍が期待できるだけでなく、人々の心の健康を支援するという深いやりがいを感じることができるでしょう。

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