公認心理師は、2017年に新設された比較的新しい国家資格。

医師が公認心理師の資格を取得すれば、患者へのカウンセリングを行えます。

心理に関する専門的な知識を習得できるため、公認心理師資格に興味をお持ちの方も多いのではないでしょうか。

本コラムでは、医師と公認心理師のダブルライセンスにおけるメリット・デメリットについて解説します。ぜひ参考になさってください。

医師と公認心理師のダブルライセンスのメリット・デメリット

ここでは、医師と公認心理師のダブルライセンスによって得られるメリットや、デメリットについて解説します。

• 医師と公認心理師のダブルライセンスのメリット
• 医師と公認心理師のダブルライセンスのデメリット

医師と公認心理師のダブルライセンスのメリット

医師と公認心理師のダブルライセンスによって、以下のようなメリットが得られるでしょう。

メリット1　患者やご家族、パートナーの心理を理解し診療に活かすことができる

医師が公認心理師資格を取得すれば、患者への理解を深めやすくなり、診療の質が向上します。

医師は、多くの患者と接する職業です。

また、闘病生活に疲弊した家族や、パートナーへの対応を求められる場合もあるでしょう。

心理に関する知識があれば、心理状態が不安定な方とのかかわりがスムーズになります。

メリット2　患者からの信頼を得やすくなる

医師と公認心理師のダブルライセンスを取得すれば、患者からの信頼を得られやすくなります。

医療の現場では、患者との信頼関係が不可欠です。

しかし、すべての患者から信頼を得られるとは限りません。

医師資格に加え、心理系の国家資格を持っているという事実は、患者に対して一定の安心感を与えます。

また、公認心理師の知識を患者とのコミュニケーションに活用すれば、信頼関係の構築に役立つでしょう。

メリット3　働き方を選びやすくなる

医師が公認心理師の資格を取得すれば、働き方の選択肢が広がります。

例えば、両資格の専門知識を活かした講師業や、記事監修などを行うことも可能です。

また、産業医として勤務している場合は、従業員へのカウンセリングを行うことができるでしょう。

医師と公認心理師のダブルライセンスのデメリット

医師と公認心理師のダブルライセンスを取得する際は、以下のデメリットに注意しましょう。

デメリット1　公認心理師資格取得までに最短6年かかる

医師と公認心理師のダブルライセンスを目指すデメリットのひとつとして、受験資格を得るまでに時間がかかるという点があげられます。

2022年までは経過措置が設けられていましたが、現在は経過措置が終了しています。

そのため、受験資格を得るまでには、最短でも6年を要します。

デメリット2　イメージした働き方ができるとはかぎらない

医師と公認心理師の両資格を取得しても、イメージ通りの働き方ができるとは限りません。

キャリアの実現を目的としてダブルライセンスを取得すると、思うような結果が得られないと感じる可能性があるでしょう。

医師が公認心理師になるには

医師が公認心理師になるためには、まず受験資格を満たす必要があります。

公認心理師の受験資格を得るルートは複数存在します。

例えば、心理系の4年制大学および大学院で必要科目を履修するルート。

また、4年制大学を卒業後、法によって規定された認定施設において、心理関係の仕事に2年従事するルートもあります。

受験資格を満たし、公認心理師試験に合格すれば、公認心理師の登録資格要件を満たせます。

また、所定の登録申請を経て公認心理師登録簿への登録手続きが完了すれば、公認心理師を名乗って働くことが可能です。

参考：公認心理師の資格取得方法について