公認心理師の実務経験が積める施設・認定施設一覧
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公認心理師の受験資格を得るには、A~F (Dのみ2区分有)まで7つのルートがあります。
特に注目されているのが、大学卒業後に2年間の実務経験で受験資格を得ることができるBルートとFルートです。
当コラムでは、Bルート・Fルートの概要と他のルートとの違い、この実務経験ルートで受験資格を得る難易度について解説します。
公認心理師の資格取得を検討しているが、受験資格を得るためのルートで迷っているという方は、ぜひ最後まで読んで参考にしてください。
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公認心理師になるには、国家試験に合格しなければなりませんが、試験を受けるには受験資格が必要です。受験資格を得るためには7つのルートがあり、それぞれ区分されています。
この7つの区分は、大きくA~Cと、D~Fの2種類に分けることができます。
区分A~Cは、これから大学や大学院に進学して公認心理師を目指す方のためのルートです。一方、区分D~Fは、すでに心理職の職務に就いている、或いは心理職を目指して既に大学や大学院に在籍している方のためのルートです。
以上の区分の中で、区分Bと区分Fは、4年生大学で所定の科目を修了後、認定施設(プログラム施設)で2年以上の実務経験を積むことで受験資格を得ることが可能となっています。
以下は、2024年3月現在の認定施設の一覧です。プログラムの内容や応募方法等については各照会先にお問い合わせください。
施設名 | 照会先 | |
---|---|---|
1 | 少年鑑別所及び刑事施設 | 法務省矯正局 |
2 | 一般財団法人愛成会 弘前愛成会病院 | 一般財団法人愛成会 弘前愛成会病院 |
3 | 裁判所職員総合研修所及び家庭裁判所 | 最高裁判所事務総局家庭局 |
4 | 医療法人社団至空会 メンタルクリニック・ダダ | 医療法人社団至空会 メンタルクリニック・ダダ |
5 | 医療法人社団心劇会 さっぽろ駅前クリニック | 医療法人社団心劇会 さっぽろ駅前クリニック |
6 | 学校法人川崎学園 川崎医科大学付属病院 | 学校法人川崎学園 川崎医科大学付属病院 |
7 | 学校法人川崎学園 川崎医科大学総合医療センター | 学校法人川崎学園 川崎医科大学総合医療センター |
8 | 社会福祉法人風と虹 筑後いずみ園 | 社会福祉法人風と虹 筑後いずみ園 |
9 | 社会福祉法人 楡の会 | 社会福祉法人 楡の会 |
厚生労働省|公認心理師試験の受験を検討されている皆さまへ
公認心理師試験Bルートの受験資格
公認心理師試験の区分Bの受験資格は、4年生大学で所定の25科目を修了後に、認定施設で2年以上の実務経験を積むことで得られるものです。
区分Aは区分Bと同じように、これから公認心理師を目指す方のためにあるルートですが違いがあります。
区分Aは、4年生大学で所定の25科目を修了後に、大学院で所定の10科目を修了することで受験資格を得ることができます。
区分Aと区分Bで共通する、大学で履修が必要な25科目は以下の通りです。科目には80時間以上の実習も含まれています。
1. 公認心理師の職責
2. 心理学概論
3. 臨床心理学概論
4. 心理学研究法
5. 心理学統計法
6. 心理学実験
7. 知覚・認知心理学
8. 学習・言語心理学
9. 感情・人格心理学
10. 神経・生理心理学
11. 社会・集団・家族心理学
12. 発達心理学
13. 障害者(児)心理学
14. 心理的アセスメント
15. 心理学的支援法
16. 健康・医療心理学
17. 福祉心理学
18. 教育・学校心理学
19. 司法・犯罪心理学
20. 産業・組織心理学
21. 人体の構造と機能および疾病
22. 精神疾患とその治療
23. 関係行政論
24. 心理演習
25. 心理実習(80時間以上)
区分Aの大学院で必要となる履修科目は以下の通りです。450時間以上の実習も必須となります。
1. 保健医療分野に関する理論と支援の展開
2. 福祉分野に関する理論と支援の展開
3. 教育分野に関する理論と支援の展開
4. 司法・犯罪分野に関する理論と支援の展開
5. 産業・労働分野に関する理論と支援の展開
6. 心理的アセスメントに関する理論と実践
7. 心理支援に関する理論と実践
8. 家族関係・集団・地域社会における心理支援に関する理論と実践
9. 心の健康教育に関する理論と実践
10. 心理実践実習(450時間以上)
公認心理師試験Fルートの受験資格
公認心理師試験の区分Fは、2017年(平成29年)9月15日以前に4年生の大学で所定の12科目を修了後に、認定施設で2年以上の実務経験を積むことで得られる受験資格です。
区分Eも区分Fと同じく、すでに大学で受験資格の取得に必要な科目を履修した、又は履修中の方を対象とした特例措置ルートですが一部違いがあります。
区分Eでは、2017年(平成29年)9月15日以前に4年生大学で所定の12科目を修了し、2017年9月15日以降に大学院に入学して所定の10科目を修了することで受験資格を得ることができます。
区分F、区分Eともに、大学での履修科目の読み替え対応が必要です。読み替えとは、2017年9月15日以前に4年制大学に入学し、大学での履修が必要とされている25科目のうち、所定の12科目を履修したと大学がみなすことです。
その上で、区分Fは認定施設での2年以上の実務経験、区分Eでは大学院で所定の10科目を修了することで公認心理師試験の受験資格を得ることができます。
大学院での所定の10科目は、以下に示す通り、区分Aにおける大学院の履修10科目と同じです。
1. 保健医療分野に関する理論と支援の展開
2. 福祉分野に関する理論と支援の展開
3. 教育分野に関する理論と支援の展開
4. 司法・犯罪分野に関する理論と支援の展開
5. 産業・労働分野に関する理論と支援の展開
6. 心理的アセスメントに関する理論と実践
7. 心理支援に関する理論と実践
8. 家族関係・集団・地域社会における心理支援に関する理論と実践
9. 心の健康教育に関する理論と実践
10. 心理実践実習(450時間以上)
実務経験ルートで受験資格を得る難易度は非常に高い
公認心理試験の実務経験ルートで受験資格を得る難易度は非常に高いというのが一般的な評価です。
そもそも認定施設は全国に9つしかなく、限られた選択肢しかないということです。自分が目指したい分野に限定すれば、さらに選択肢は狭まります。
各施設は、公認心理師試験の実務経験のための施設ではないので、実際の職員採用試験と同様の選考に臨む必要があります。
たとえば司法分野で実務経験を積むには、公認心理師試験よりも難しいとされる、公務員試験に合格しなければなりません。その後、「心理技官」や「調査官補」などに上手く採用されれば、実務経験をスタートできるという流れです。
また実務経験は2年以上と規定されていますが、実際の標準は3年以上となっているため、大学院よりも時間がかかることになります。
いずれにしろ公認心理師試験の実務経験ルートは狭き門です。施設の所在地、専門分野、雇用条件などを確認した上で、目指すかどうかは十分な検討が必要でしょう。
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