埼玉県吉川市の政策室で人事関連の仕事をされている、平成25年度入庁の新里開さんにインタビューを行いました。

人事の仕事内容や吉川市に入庁しようと思った理由など、詳しくご回答いただいています。

これから公務員を目指す方は、ぜひ参考になさってください。

現在どのような業務をされていますか?

現在私は「人事」に関する仕事をしています。

「市役所」と聞いて想像する、または馴染みのある仕事とは少し違うと思いますが、市役所への就職を考えている方と密接に関わる仕事なのでご紹介したいと思います。

「人事」といっても、その仕事は多岐に渡ります。

職員の働きやすい環境づくりのための様々な制度を作ったり(条例や規則)、職員の給料を支給するための事務、職員を育成するための研修の実施、人の配置の検討、そして採用試験の実施などです。

私はその中でも、特に採用試験の実施に携わっています。

試験内容の検討から試験の周知、試験当日の対応など、自分が受験生だったころを思い出しながら取り組んでいます。

市民の方と直接接する機会は少ないため、「市民の方の役に立っている」という実感を得にくい仕事ではありますが、採用は市の未来をつくる仕事であり、そこに大きなやりがいを感じています。

大学時代はどんな生活をされていましたか?

大学時代は、勉強はそこそこに、部活やアルバイトに明け暮れていました。

体育会系の部活だったことや、アルバイトも引越しの手伝い等力仕事が多かったため、体力は無駄にあった気がします。(今では見る影もありません笑)

大学時代は就活や公務員試験対策に力を入れることも大切ですが、その時にしかできないこと(部活やサークル、勉強、アルバイト、遊び等)に思い切り取り組むことをオススメします。

その経験、エピソードが就職活動にもきっと活きますので。

吉川市への入庁を志した理由は?

元々住民と一番近い距離で仕事をしたいと考えており、ぼんやりと市町村職員を志していましたが、お恥ずかしい話、最初は「他市町村と試験日程が違う」という理由だけで吉川市を受験しました。

それまでは吉川市を訪れたこともなく、願書を提出する時に初めて訪れたくらいです。

しかしながら、選考が進むにつれ、出会った採用担当の職員や、面接官の優しい人柄、それでいて吉川市へのアツい思いに触れ、「こういう人達と一緒に働いてみたい」と感じるようになり、吉川市役所への入庁を決意しました。

市町村職員の仕事は団体によってそんなに大きくは変わりませんので、実際に就職先を決めるときに大事なのは、一緒に働く「人」だと思っています。

ぜひ、面接など様々な機会を通じて、皆さん自身にも見極めてもらいたいと思います。

入庁する前と後でギャップを感じる部分はありますか?

市町村職員というと、デスクワーク中心、融通のきかないお堅い仕事というイメージを持っていました。

しかし、実際に入庁してみると、数多くの市民向けのイベント実施や、福祉サービスを利用する世帯への家庭訪問、工事現場の視察等、実際に現場に足を運ぶ機会が多いことに驚きました。

実際に見てみないと「何が住民にとって重要か」がわからないため、大事な仕事です。

また、公務員というと定時退社、土日休みが保障されると幻想を抱いていましたが、繁忙期は残業があることや、土日の市民向けイベントへの参加、選挙、災害への対応など、思ったよりも通常の勤務時間以外に仕事があることに驚きました(もちろん代わりに代休、有給休暇も取得できます。)。

これから公務員を目指される方は、あらかじめ覚悟を持って入ってきて欲しいと思っています。

業務にやりがいを感じるのはどのような時ですか?

一番は、「市民の役に立っているな」と実感した時です。

私は以前生活保護の担当をしていました。

生活保護を申請する方の中には経済的な困窮はもちろん、肉体的、精神的に辛い思いをしている方も多くいるため、「毎日が楽しい」と言えるような仕事ではありませんでした。

そのような中でも、生活保護の受給が決定した方からの「これで生きることができる、助かった」という安堵の言葉や、「死にたい」と電話があった方の話を聴き、悩みを共有することで、「少し気が楽になった。ありがとう。」という言葉をいただきました。

市役所職員は、多かれ少なかれこのように住民に感謝される機会があり、人の役に立っているという実感は、働く上で大きなモチベーションとなります。

また、私は現在職員の採用を担当しているので、入庁した職員が職場で活躍している話を聞くと、我が子を誉められているようなとても嬉しい気持ちになります(親子程の年の差はないですが笑)。

「新里さんがきっかけで吉川市役所に入りました」と言ってくれるのも励みとなりますので、これからもそのような言葉をいただけるよう頑張りたいです。

採用のことで知りたいこと、聞いてみたいことがあれば、いつでもご相談ください!

吉川市に入庁して良かったことは?

吉川市は正職員が430人程度と小さな組織で、その分職員同士の距離は近いです。

単純に仲良くなりやすいというのもありますが、仕事を進めていく上でも市役所の仕事は複数の部署で協力して進めていくことが多く、お互いの顔が見えやすいことで相互の調整がスムーズに進むメリットもあります。

また、市長をはじめとした、役職が上の人達との距離も近いです。

市長自身が運営しているブログには、職員と一緒に活動している様子が多く掲載されており、近い距離で仕事をしている様子がわかっていただけると思います。

これから挑戦してみたいことはありますか?

職員の働き方改革を積極的に進めていきたいです。

昨今共働き世帯や要介護者の増加など、様々な事情を抱えながら仕事をしなければならない人がますます増えていくと考えています。

そんな人たちが、育児・介護と仕事を両立できるよう、休暇の充実や勤務時間の柔軟化などの取り組みを進め、働く職員みんなが活躍できるような職場環境の整備をしたいと思っています。

また、市役所職員は人事異動がつきもので、今までとは全く違う分野の部署に配属されることもあります。

その都度一から勉強するので大変ですが、新たな知識を身につけられることや、職員・市民との人間関係を広げることができます。

私は現在4か所目で、いろいろな部署を渡り歩いてきましたが、これからも新しい分野の仕事に挑戦し、知識と人脈を広げたいと思っています。

最後に

吉川市で人事関連の仕事をされている新里開さんにお話を伺いました。

吉川市に興味を持たれた方は、ぜひ吉川市のホームページをご覧ください。

埼玉県吉川市

この記事の著者 埼玉県吉川市 新里開

平成2年(1990年)生まれ。
埼玉大学経済学部卒業後、平成25年度(2013年)に吉川市役所に入庁し、現在12年目。
入庁後、生涯学習課中央公民館→地域福祉課保護係→埼玉県市町村課行政担当(派遣)→政策室職員担当を経験。

市外出身であり、受験するまで吉川市を訪れたこともなかったが、入庁を機に吉川市に在住。
今では市内に家を買い、休日は子供と市主催のイベントに参加するなど、吉川市にどっぷり浸かった生活をしている。

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