警察官になるには?仕事内容とは?採用試験の概要や倍率・対策を解説
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「警察官になりたい」このように考えていますか。警察官は国や地域を守るやりがいや責任感を伴う人気の職種です。
警察官になるには、各都道府県や国が行う公務員試験に合格する必要があります。ほかの試験区分では課されない体力試験も実施されるため、試験の内容や対策を理解して、合格の可能性を高めましょう。
本記事では、警察官のなり方や試験の概要、対策の方法などを解説しているため、ぜひ参考にしてください。
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【国家・地方公務員】警察官になるには?
警察官になるには、公務員試験に合格する必要があります。
一言で警察官といっても「国家公務員」と「地方公務員」があります。
国家公務員と地方公務員の違いによって、仕事内容や給料、向いている人材などが異なるため、それぞれの特徴を正しく理解しましょう。
国家公務員の警察官になるには
国家公務員の警察官になるには、国家公務員総合職試験もしくは国家公務員一般職試験に合格し「警察庁」に採用される必要があります。
地方公務員と比較して採用人数が少なく、難易度が高い点が特徴です。
国家公務員の警察官の仕事内容
国家公務員の警察官の主な仕事は、都道府県警察の指揮・監督・調整などです。
警察庁には複数の内部部局が存在し、各所定事務に従事します。
【内部部局の例】
生活安全局
刑事局
交通局
警備局
サイバー警察局
地方公務員とは異なり、基本的に現場での仕事はありません。また、勤務地は基本的に東京都霞ケ関の本庁もしくは各管区局となります。
国家公務員の警察官の給料・平均年収
国家公務員の警察官の平均給与は404,015円で、平均年収は約666万円です。
国家公務員の警察官になった場合の給料は「行政職俸給表(一)」が適応されます。
令和5年度国家公務員給与実態調査によれば、行政職俸給表(一)が適用された職員の平均給与月額は「404,015円」です。平均給料月額の「322,487円」に地域手当や住居手当を含む諸手当を加算して算出しています。
また、大卒の初任給は、総合職での採用で「224,040円」、一般職での採用で「218,640円」です。上記の値は地域手当込みの金額で、ここに扶養手当や住居手当を含む諸手当を加算した額が最終的な給与となります。
ただし、公務員の給与は年齢や勤務地、手当の受給状況によっても大きく異なる点に留意しましょう。
関連記事:警察官の年収とは?年代・学歴・男女別の給与や年収をすべて解説
国家公務員の警察官に向いている人
「規模の大きな仕事をしたい」という方は国家公務員の警察官が向いています。
各地域の現場ではなく、日本国全体の安全と秩序を維持するための仕事が可能です。
また「内部での仕事を中心として日本の安全や秩序に貢献したい」といった方も国家公務員の警察官が向いているといえます。
地方公務員の警察官になるには
地方公務員の警察官になるには、各都道府県の警察本部が行う公務員試験を突破する必要があります。
国家公務員と比較して採用数が多い点が特徴です。多くの方がイメージする警察官のほとんどは地方公務員の警察官といえるでしょう。
地方公務員の警察官の仕事内容
地方公務員の警察官は、各警察本部や警察署、交番や駐在所に勤務し、管轄地域の安全や秩序を守る仕事に従事します。
なお、東京都で採用された警察官は「警視庁」の職員となります。警視庁には以下のような部署が存在します。
【警視庁の部署の例】
- 総務部
- 警務部
- 交通部
- 警備部
- 地域部
- 公安部
- 刑事部
- 生活安全部
- 組織犯罪対策部
国家公務員の警察官とは異なり、多くの方が実際に現場に出て仕事に従事する点が特徴です。中には、事件や事故、災害といった危険が付き纏う仕事もあります。
階級名称 | 仕事概要 |
---|---|
巡査 | 交番・駐在所などで勤務し、各部署で担当する事件の捜査、 パトロールや事務作業に従事。 |
巡査長 | 基本的には巡査と同様だが、担当課の指導係員として巡査の指導を行う。 |
巡査部長 | 警察本部等の係員、警察署の主任として担当業務に従事しつつ、 警部や警部補を補佐、巡査の指導監督を行う。 |
警部補 | 警察庁・警察本部の主任、警察本部の係長などに就き、 巡査部長や巡査の指導監督を行うとともに現場責任者として指揮命令を発する。 |
警部 | 警察庁・警視庁の係長、道府県警察本部の課長補佐、警察署の課長などに就き、 各担当分野の責任者として部下を指揮する。 |
警視 | 警察庁の課長補佐、警視庁の課長・管理官、道府県警察本部の課長・管理官、 警察署の署長・副署長などに就き、担当所属の業務を掌握して、 部下を指揮監督する。 |
警視正 | 警察庁の室長・理事官、警視庁の参事官・課長、道府県警察本部の部長、 警察署の署長に就き、組織の管理運営の責任者として部下を指揮監督する。 |
警視長 | 警察庁の課長、警視庁の部長、道府県警察本部の部長・本部長などに就き、 指揮監督にあたる。キャリアは22年目以降、勤務成績優秀者から順次昇任。 |
警視監 | 警察庁の次長・局長・審議官、警視庁の部長・副総監、 道府県警察本部の本部長などの役職に就き、指揮監督を行う。 キャリア組は原則として全員警視監に昇任するよう。 |
警視総監 | 警視庁のトップとして警視庁の事務を統括し、所属の警察職員を指揮監督する。 全国の道府県警察本部長が警視監ないし警視長であるのに対し、 首都警察の長である警視総監は、特別重要な地位にある。 |
都道府県警察のうち「警視正」以上が国家公務員で、それ以外は地方公務員です。
都道府県の試験を受け、警察官になると最初は「巡査」から始まり、数年ごとに昇任試験を受け合格すれば昇進していきますが、最高階級は「警視長」止まりです。
都道府県警察官(地方公務員)として採用されても、警視正からは国家公務員となります。
警視正以上の割合は全体の1%未満で、99%は地方公務員(警視以下)として活躍しています。
他方、国家総合職や国家一般職に合格して、警察庁に採用されると、「巡査」ではなく、総合職は「警部補」から、一般職は「巡査部長」からスタートします。
地方公務員の警察官の給料
地方警察官の平均給与は約465,679円で、平均年収は768万円程度です。
地方公務員の警察官の給与は、原則として公安職俸給表(一)が適用されます。公安職俸給表(一)は行政職俸給表よりも俸給が高額な点が特徴です。
総務省の令和4年地方公務員給与実態調査によれば、警察職の平均給与月額は「465,679円」となっています。平均給料月額の「325,987円」に地域手当や扶養手当などの諸手当を加算して算出します。
ここから想定できる平均年収は「700万円〜750万円程度」です。
ただし、地方公務員の給与は年齢や手当の受給状況以外にも、勤務地によって大きく変動します。東京23区を含む物価の高い地域では、高い割合の地域手当が支給されるため、給与も高額となります。
一方で、地域手当が支給されない地域の場合、平均よりも低い給与となる可能性が高いです。
地域手当については以下の記事で詳細に解説しています。警察官の給与についての理解を深めたい方はぜひご覧ください。
地方公務員の警察官に向いている人
「特定の地域の安全や秩序を守りたい」「自分の力で直接人を助けたい」といった方は地方公務員の警察官が向いています。
国家公務員の警察官と比較して直接現場で働く仕事であるため、それだけ使命感ややりがいを感じられる方も多いでしょう。
警察官になるには?採用試験の概要(地方公務員)
ここでは、警察官(地方公務員)の試験概要を解説します。
警察官になるまでの流れ
地方公務員の警察官になるには、各警察本部が行う採用試験に合格する必要があります。試験の流れは大きく以下の通りです。
- 採用試験申込
- 一次試験の受験
- 二次試験の受験
- 最終合格
- 翌年4月から採用
また、採用されてすぐに警察官として配属されるわけではありません。採用後は警察学校で6か月間(大卒の場合)業務に必要な基礎知識や技能、体力などを習得します。
警察学校は全寮制となっており、給与を受け取りながら知識やスキルの習得が可能です。
警察学校を卒業したら、配属された警察署に管轄される交番で働く流れとなります。
警察官(地方公務員)の受験資格
地方公務員の警察官の採用試験では一定の受験資格が定められています。
行政職とは異なり、年齢制限に加えて身体要件が定められている点が特徴です。詳細な受験資格は各警察本部によっても異なりますが、東京都(警視庁)の受験資格は以下のようになっています。
【年齢・学力要件】
大学卒業程度(Ⅰ類):「22歳以上35歳以下で大学卒業程度の学力を有する」もしくは「翌年3月までに大学を卒業または卒業見込みの方」
高校卒業程度(Ⅲ類):「18歳以上35歳以下で高校卒業程度の学力を有する」もしくは「翌年3月までに高校を卒業または卒業見込みの方」
【身体要件(男性)】
以下の要件をすべて満たす方
- 身長:概ね160cm以上
- 体重:概ね48kg以上
- 視力:裸眼視力が両眼とも0.6以上もしくは、矯正視力が両眼とも1.0以上
- 色覚:警察官としての職務執行に支障がないこと
- 聴力:警察官としての職務執行に支障がないこと
- 疾患:警察官としての執務執行に支障のある疾患がないこと
- その他身体の運動機能:警察官としての職務執行に支障がないこと
ただし、日本国籍がない方や、禁固以上の刑に処せられ執行が終わらない方などの方は受験ができない点に留意しましょう。
警察官(地方公務員)の試験日【2024年】
地方公務員の警察官の試験日程は、各都道府県によっても異なります。以下では東京都(警視庁)の採用日程を紹介します。
詳細は警視庁のホームページを確認しましょう。
スケジュール | 第1回(Ⅰ類) | 第2回(Ⅰ類・Ⅲ類) | 第3回(Ⅰ類・Ⅲ類) |
---|---|---|---|
申込期間 | 3月11日(月)~3月25日(月) | 8月13日(火)~8月23日(金) | 11月29日(金)~12月10日(火) |
一次試験 | 4月13日(土) | 【Ⅰ類】9月15日(日) 【Ⅲ類】9月14日(土) | 令和7年1月12日(日) |
二次試験 | 【男性】5月11日(土)・18日(日) ・19日(日) 【女性】5月25日(土) | 【男性】10月5日(土)・6日(日) 【女性】10月12日(土) | 【男性】令和7年2月1日(土) 【女性】令和7年2月2日(日) |
男性と女性で二次試験の日程が異なる点が特徴です。二次試験は試験日程のうち、指定の1日で受験を行う仕組みです。
東京都(警視庁)以外の警察官を受験する方は、各警察本部のホームページを確認しましょう。
※出典:令和6年度警視庁採用サイト
警察官(地方公務員)の採用試験概要
警察官の試験は基本的に一次試験と二次試験で構成されています。
一次試験の主な内容は筆記試験です。行政職の試験とは異なり、専門試験は課されません。教養試験や作文試験などで合否が決定されます。
また、二次試験は個別面接に加えて腕立て伏せや上体起こしといった体力検査が行われます。体力検査も行政職にはない特徴的な試験です。
さらに、武道やスポーツ、外国語などの一定の資格や経歴がある方は加点される制度も存在します。
試験内容の詳細は以下で解説しています。
警察官(地方公務員)の採用倍率・難易度
地方公務員の警察官の倍率は、平均で5倍~6倍程度です。令和5年の東京都の警察官の採用倍率は6.0倍でした。
一例として、東京都(警視庁)の近年の試験結果を紹介します。
【男性(Ⅰ類)】
年度 | 受験者数 | 合格者数 | 倍率 |
---|---|---|---|
令和5年 | 4,978名 | 824名 | 6.0名 |
令和4年 | 5,379名 | 886名 | 6.1倍 |
令和3年 | 5,845名 | 1,027名 | 5.7倍 |
令和2年 | 2,960名 | 643名 | 4.6倍 |
※参考:採用案内(警察官) | 採用情報 | 令和6年度警視庁採用サイト
ただし、警察官の倍率は各都道府県によっても大きく異なります。自身が志望する都道府県の公式ページを確認しましょう。
【男女共通】警察官の採用試験内容【一次・二次・体力試験】
ここでは警察官(地方公務員)の試験内容について詳しく解説します。
ただし、警察官の試験内容は各警察本部によって若干異なる点に注意が必要です。ここでは東京都(警視庁)の警察官採用試験を例に解説を行います。
一次試験の概要
東京都の警察官(警視庁)の一次試験では以下の6つの試験が実施されます。
- 教養試験
- 作文(論文)試験
- 国語試験
- 資格経歴等の評定
- 第1次身体検査
- 第1次適性検査
教養試験は2時間の5肢択一式試験です。50題必須解答となっており、大きく以下の2分野が出題されます。
教養試験 | 詳細内容 |
---|---|
知能分野 | 文章理解/判断推理/数的処理/資料解釈/図形判断 |
知識分野 | 人文科学/社会科学/自然科学/一般科目(国語・英語・数学) |
作文(論文)試験は80分の記述式試験です。1,000字程度の文章で、ひとつの課題に即した内容で解答を行います。
また、別途20分の国語試験が実施されます。業務で必要な漢字の読み書きが中心です。
そのほかに、直接の点数化はされませんが、受験資格を満たしているか否かの身体検査と、警察官として必要な適正があるかの検査が実施されます。
「資格経歴等の評定」とは
資格経歴等の評定とは武道やスポーツ、語学などの資格や実績を評定して、試験の成績に加点する制度です。
東京都(警視庁)の資格経歴等で加点される資格の例は以下の通りです。
武道:初段以上など
スポーツ歴:全国大会の出場経験など
情報処理:ITパスポート、基本情報技術者、応用情報技術者など
語学:実用英語技能検定2級以上、TOEIC470点以上、中国語検定3級以上、ハングル能力検定4級以上など
上記の資格・経歴は一例であり、ほかの資格・経歴も資格経歴等の評定の対象となる場合があります。
なお、資格経歴等の評定を受けるには、認定書や賞状、合格証などの証明書類の提出が必要です。
二次試験の概要
東京都の警察官(警視庁)の二次試験では以下の4つが課されます。
・面接試験
・第2次身体検査
・第2次適性検査
・体力検査
面接試験は面接官が3名程度の個別面接です。面接カードの内容などを中心に30分程度行われます。
第2次身体検査の内容は、視力や色覚、聴力、運動機能、レントゲン、血液、尿検査などです。
第2次適性検査ではクレペリン検査やYG性格検査で、警察官としての適性があるか否かを検査します。
体力試験の概要
体力検査が課される点も警察官採用試験の特徴です。東京都(警視庁)では以下の項目が課されます。ただし、種目は変更される可能性がある点に留意しましょう。
- 腕立て伏せ
- バービーテスト
- 上体起こし
- 反復横跳び
東京都(警視庁)の試験の場合、明確な合格ラインが公表されていません。しかし、中には体力試験で合できる格基準が公表されている警察本部もあるため、個別で確認しましょう。
また、体力試験の内容も県によって異なる場合があります。具体的には以下のような試験が課されるケースもあります。
- 握力
- 20メートルシャトルラン
- 立ち幅跳び
- 垂直飛び など
共同試験制度とは?
東京都(警視庁)の警察官の共同試験制度とは、警視庁の採用試験を1道18県で実施する制度です。
一次試験だけでなく、二次試験も警視庁の面接官が各都道府県まで足を運びます。地方に在住の方であっても、東京まで足を運ばずに採用試験の受験が可能です。
試験内容は上記したⅠ類・Ⅲ類と同様です。
ただし、男性警察官のみが対象で、採用予定人数も通常の採用試験より少ない点に留意しましょう。
試験が実施される都道府県については、参考の警視庁のホームページをご覧ください。
女性が警察官になる方法は?
警察官の採用試験の特徴として、男性と女性の採用枠が別枠である点があげられます。基本的に試験内容は男性と同じですが、一部受験資格が異なるため確認を行いましょう。
詳細は各警察本部で違いますが、ここでは東京都(警視庁)を例に解説を行います。
女性警察官の受験資格
女性の受験者であっても、年齢・学力要件の受験資格は同様です。
ただし、身長と体重の要件の値が異なるため確認をしましょう。
【身体要件(女性)】
以下の要件をすべて満たす女性
- 身長:概ね154cm以上
- 体重:概ね45kg以上
- 視力:裸眼視力が両眼とも0.6以上もしくは、矯正視力が両眼とも1.0以上
- 色覚:警察官としての職務執行に支障がないこと
- 聴力:警察官としての職務執行に支障がないこと
- 疾患:警察官としての執務執行に支障のある疾患がないこと
- その他身体の運動機能:警察官としての職務執行に支障がないこと
女性警察官の試験日【2024年】
女性の警察官採用試験は二次試験の実施日程が男性とは異なります。体力検査や身体検査が行われるためです。
なお申込期間や一次試験の日程は、男性と同様です。
スケジュール | 第1回(Ⅰ類) | 第2回(Ⅰ類・Ⅲ類) | 第3回(Ⅰ類・Ⅲ類) |
---|---|---|---|
申込期間 | 3月11日(木)~3月25日(月) | 8月13日(火)~8月23日(金) | 11月29日(金)~12月10日(火) |
一次試験 | 4月13日(土) | 【Ⅰ類】9月15日(日) 【Ⅲ類】9月14日(土) | 令和7年1月12日(日) |
二次試験 | 5月25日(土) | 10月12日(土) | 令和7年2月2日(日) |
採用試験の概要
採用試験の試験内容については、男性も女性も同じです。筆記試験が中心の一次試験と、面接試験や体力試験が行われる二次試験が実施されます。
ただし、体力試験の合格基準は男性よりも引き下げられている傾向にあります。
東京都(警視庁)は明確な合格基準を公開していませんが、公開している都道府県も存在するため、受験先の情報を確認しましょう。
女性警察官(地方公務員)の採用倍率・難易度
東京都(警視庁)の女性警察官の採用倍率は約5.5倍~9.0倍です。令和5年度の東京都の女性警察官の採用倍率は5.7倍でした。
女性警察官は男性警察官よりも採用人数が少ないため、倍率が若干高い場合があります。
以下では東京都の警察官採用試験(警視庁)における女性の過去3回の試験結果を紹介します。
【女性・Ⅰ類】
年度 | 受験者数 | 合格者数 | 倍率 |
---|---|---|---|
令和5年 | 1,737名 | 304名 | 5.7倍 |
令和4年 | 1,942名 | 261名 | 7.4倍 |
令和3年 | 1,874名 | 303名 | 6.2倍 |
【女性・Ⅲ類】
年度 | 受験者数 | 合格者数 | 倍率 |
---|---|---|---|
令和5年 | 815名 | 136名 | 6.0倍 |
令和4年 | 933名 | 148名 | 6.3倍 |
令和3年 | 506名 | 78名 | 6.5倍 |
ただし、警察官採用試験の倍率は都道府県によっても異なります。希望する受験先の過去の試験結果を確認しましょう。
【学歴別】警察官になる方法は?
警察官の採用試験は学歴や年齢によって受験できる区分が異なります。
ここでは、学歴ごとに受験できる試験区分を解説します。
大学卒業(大卒)の方警察官になる方法
大卒の方が警察官になるには「大卒程度」「Ⅰ類」「警察官A」などの試験区分で受験を行います。
また、受験先によっては大卒であっても「Ⅱ類」「Ⅲ類」の試験が受けられる場合があります。
ただし、Ⅱ類、Ⅲ類で入庁した場合、Ⅰ類で入庁するよりも初任給や昇進のスピードが不利です。試験の難易度は簡単となりますが、倍率自体は大きく変わらないため大卒程度やⅠ類での受験がおすすめです。
高校卒業(高卒)の方が警察官になる方法
高卒の方が警察官になるには「高卒程度」「Ⅲ類」「警察官B」などの試験区分で受験を行います。
また、受験先によっては、大卒程度の受験資格が「大卒程度の学力を有する方」となっている場合があります。この場合は必ずしも大学卒業が必要なわけではない点に留意しましょう。
中学卒業(中卒)の方が警察官になる方法
中卒の方が警察官になるには「高卒程度」「Ⅲ類」「警察官B」などの試験を受験します。
ただし、受験資格の学歴要件には注意が必要です。中には「高校卒業(卒業見込み)」と明確に定められている場合があります。その場合は、最終学歴が中学校卒業の方は受験できない点に留意しましょう。
一方で「高校卒業程度の学力を有する方」などの場合は、必ずしも高校卒業が必要なわけではありません。各都道府県の募集要項を確認しましょう。
警察官の採用試験に合格するための3つの勉強法
警察官の採用試験は「筆記試験」「面接試験」「体力試験」が課されるため、それぞれ対策が必要です。試験の倍率は決して低くはないため、効果的な対策方法を取り入れましょう。
以下では警察官の公務員試験に合格するための勉強方法を解説します。
筆記試験対策
警察官採用試験の筆記試験は、過去問演習を繰り返し行いましょう。
公務員試験は過去問と似た出題内容が多いため、最も効率的な対策方法といえます。
中には全く新しい問題が出題される可能性もありますが、基本的には捨てても問題ありません。警察官の教養択一試験の合格ラインは5割程度と言われているため、すべての問題を完璧に解く必要はないためです。
ただし、各都道府県によって出題の内容が若干異なる場合があります。
例えば警視庁では漢字の知識が問われる国語試験が実施されます。国語テストの合格ラインは8割程度と言われているため、入念な対策が必要です。
そのため、基本的な学習は過去問演習のみで問題ありませんが、各都道府県の試験内容を確認したうえで、追加の学習は必要か否かを必ず判断しましょう。
面接対策
警察官採用試験の面接試験は、模擬面接を受ける対策がおすすめです。模擬面接を受けられれば、第三者の客観的な視点で自身の話の内容やテンポをチェックしてもらえます。
最初に頻出の質問事項の回答を練ったうえで、大学の就職支援やハローワーク、公務員予備校などの模擬面接を積極的に活用しましょう。
【頻出の質問事項の例】
- なぜ警察官になりたいのか
- 警察官になって何がしたいのか
- 警察官としてどのように貢献できるか
- 併願状況
- 長所/短所/自己PR
- 過去の経験 など
完全に独学で対策を行う場合は、自身が話す内容を録音する対策がおすすめです。自分の話のトーンやテンポ、ボリュームなどを確認しましょう。
家族や友人などの第三者からのアドバイスを貰えればより効果は向上するでしょう。
関連記事:公務員試験の模擬面接のやり方とは?対面・オンライン・独学すべて紹介
体力試験対策
各警察官採用試験では、体力試験の内容が公表されています。
また、合格ラインも公表されている場合は、制限時間内に規定の運動ができるように日々訓練を行いましょう。
合格ラインが公表されていない場合は、ほかの都道府県の基準を目安としましょう。ほかの都道府県と大きく基準が異なることはないためです。
また、当日は回数の不正申告やフォームのごまかしをせずに、真摯に取り組みましょう。単なる回数だけでなく、取り組む姿勢を見られている可能性が高いためです。
体力試験の内容は、実際に自分の力になるまで中・長期的な時間がかかります。筆記試験対策と同様に毎日コツコツと取り組むことが大切です。
警察官の採用試験対策前に知りたい3つのポイント
公務員試験に合格して警察官になるには、戦略性を持った対策が重要です。闇雲に学習を進めても時間帯効果が低いため、まずは試験のポイントを押さえましょう。
ここでは、警察官採用試験の対策前に知っておくべきポイントを3点解説します。
試験の条件・概要は自治体によって変わる
本記事では一般的な対策や試験内容を紹介していますが、上記でも触れた通り、試験の条件や概要は都道府県によって異なります。
具体的には以下のような要素です。
- 受験資格(年齢)
- 試験日程
- 筆記試験の内容
- 体力試験の内容
- 倍率 など
上記の情報をしっかりと確認していれば、受験資格の違いによってより有利な区分で受験できる可能性もあります。また、倍率の関係からより合格しやすい自治体で受験する選択肢が生まれる可能性もあるでしょう。
試験の条件や概要の理解は合格の確率をあげる大きな要因であるため、まずは「自分が受験する自治体はどのような試験をどのようなスケジュールで行うのか」を必ず確認しましょう。
経歴・資格によっては試験に有利になるか点がある
東京都の「資格経歴等の評定」のように、経歴や資格の有無によっては、試験が有利になる制度を導入している自治体も多いです。
そのため、試験まで余裕がある方は「併願先の英語試験の対策と並行してTOEICの学習を行う」「中国語が得意なため、検定試験を受験する」「今は部活動などの課外活動に力を入れる」といった選択もあるでしょう。
もちろん、経歴や資格がなければ合格しないということはありません。直前期で経歴や資格がない方は、目の前の筆記試験や面接対策に集中しましょう。
試験日や試験スケジュールを把握する
自分が受験する試験のスケジュールを最初に確認しましょう。そして、試験日から逆算した対策を行うことが重要です。
一般的に警察官の採用試験では約300時間の学習が必要と言われています。1日2時間学習の時間が取れる方の場合、約半年前から学習をスタートさせれば間に合う計算です。
ただし、ほかの試験区分と併願する場合はさらに早くからの対策を要します。国家公務員や地方上級の行政職を受ける場合は、専門試験の学習を要するため、1,000時間前後の学習が必要になるためです。
そのため「自分が受ける(併願する)受験区分ではどのくらいの学習時間が必要か」「試験日程から逆算するといつから対策を始めれば良いのか」を理解したうえで学習を進めましょう。
警察官を目指す方へ
今回は警察官の採用試験について解説しました。
警察官は国民の安全や地域の秩序を守るやりがいのある職種です。給与水準も高く雇用も安定している点も大きな魅力となっています。
しかし、警察官の試験倍率は決して低くありません。公務員試験に合格して警察官として働くには、試験の内容を理解して効果的に試験対策を行う必要があります。
公務員試験の対策方法はさまざまですが、おすすめは公務員予備校の活用です。
公務員予備校を活用すれば筆記試験対策はもちろん、独学では難しい面接や論文対策も、専門家のサポートの下で対策が可能です。
しかし「公務員予備校が自分に合っているかわからない」「具体的にどのようなポートを受けられるの?」などの不安や疑問を持つ方も多いです。
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大学現役時に以下の公務員試験に独学で合格。
・国家公務員一般職
・国税専門官
・東京特別区
・地方上級(地元県庁)
そして、公務員としての勤務を経た後に、フリーランスのWebライターとして独立。
現在は公務員時代の知識や経験を活かして、多くの方の人生の選択に役立てるよう日々奮闘しています。