「宮城県庁への入庁に興味がある」などと考えていますか。

宮城県庁に入庁できれば、東北地方で最も人口が多い宮城県の運営や発展に携わることができます。

しかし試験の内容は幅広く、倍率も決して低くはありません。

公務員試験に合格して内定を得るためにも、試験の内容や求められる人材を理解して、効率的な対策方法を確立する必要があります。

本記事では、宮城県庁の仕事や試験の内容、公務員試験対策の進め方などを解説しています。

宮城県庁への合格に向けて何をすべきかが明確になるため、ぜひご覧ください。

宮城県庁の仕事内容・給与・福利厚生・求められる人材

宮城県庁の採用試験では、個別面接と集団討論が課されるため、仕事内容や求められる人材、地域の特徴などの理解が重要です。

また、宮城県庁とほかの自治体、もしくは民間企業で受験先を迷っている方は、給与や福利厚生といった雇用環境を比較することがおすすめです。

ここでは、宮城県庁の仕事内容や給料、福利厚生、求める人物像などを解説します。

宮城県庁の仕事内容

宮城県庁に採用されると、宮城県の運営・発展にかかわる以下のような業務に従事できます。

・県内の市町村や企業、国などのさまざまな団体との連絡調整業務
・市町村の範囲を超える広域的な業務
・県が主導する事業の企画・運営 など

しかし、個々の職員が携わる業務は、配属される部署によって異なります。

基本的には異動をしながら幅広い仕事を経験できますが、採用される職種によっては異動の範囲が限定的であるため「宮城県庁に入庁して何をしたいか」を明確にしましょう。

宮城県庁で採用されている職種は、大きく「事務職」「技術職」「資格免許職」の3種類です。

事務職

宮城県庁の事務職の中でも、中心となる職種が「行政職（一般事務職）」です。

大卒程度で採用されると行政職、高卒程度で採用されると一般事務職の扱いとなります。

行政職（一般事務職）で採用されると、県の将来を考える計画策定や産業振興、情報管理、県税の賦課徴収といった幅広い業務に従事することとなります。

また、約3年に1回の頻度で異動がある点も特徴です。

異動を繰り返しながら幅広い部署でキャリアを積めるため、多様な経験やスキルを習得できます。

宮城県庁ではほかにも、公立学校で事務全般を行う「学校事務」や、警察本部や警察署に配属される「警察事務」の採用も行われています。

技術職

宮城県庁の技術職とは、土木や水産といった特定分野の業務を専門的に行う職員です。

理系分野を専攻する大学生や、各業界に勤務する社会人による受験が多いです。

行政職と同様に定期的な異動がありますが、異動先は比較的限定的となっています。

ひとつの分野における専門性を高めたい人や、自分が有する専門性を活かしたい人などにもおすすめです。

宮城県庁では、以下の技術職が採用されています。

・総合土木
・水産
・林業
・園芸
・農業
・畜産
・建築
・機械
・電気
・農芸化学

資格免許職

宮城県庁の資格免許職とは、採用の条件に所定の資格の所持が定められている職種です。

受験の段階で資格の所持、もしくは取得見込みの状態が求められています。

宮城県庁の職員という安定した雇用の下で、資格が必要な専門性の高い業務に従事できる点が魅力です。

宮城県庁では以下の資格免許職が採用されています。

・獣医師
・薬剤師
・福祉
・心理
・保健師
・埋蔵文化財担当技術職員

宮城県庁の給料・年収

宮城県が公表している「職員の平均給与月額，初任給等の状況」によれば、宮城県庁の職員（一般行政職）の平均給料月額は「321,390円」です。

ここに、時間外勤務手当や通勤手当などの各種手当を加えた平均給与月額は「413,589円」となっています。

そして、平均給料月額と平均給与月額から想定できる平均年収は「670万円〜700万円」です。

ここには、6月と12月に支給される期末・勤勉手当が含まれています。

また、宮城県庁の行政職に大学卒で採用された場合の初任給は「203,800円（地域手当を含む）」です。

通勤手当や住居手当などを加えた金額が、最終的な給与月額となります。

平均給料月額	321,390円
平均給与月額	413,589円
平均年収	670万円～700万円
初任給	大学卒：203,800円 高校卒：172,000円

ただし、公務員の給与は、手当の受給状況や年齢、役職によっても大きく変動します。

また、上記の平均年収は、弊社で独自に算出した金額であるため、参考として考えてください。

※「平均給料月額」とは、各職種ごとの職員の基本給の平均
※「平均給与月額」とは、給料月額と毎月支払われる扶養手当、地域手当、住居手当、時間外勤務手当等の全ての諸手当の合計
※参考：職員の平均給与月額，初任給等の状況

宮城県庁の福利厚生

宮城県庁は福利厚生も充実しており、ワーク・ライフ・バランスを達成しやすい環境となっています。

給与面では、ボーナスに相当する期末・勤勉手当が支給されます。

給料月額の約4.5か月分の金額が年2回に分けて支給される手当です。

また、年20日の年次休暇のほか、病気休暇や夏季休暇、産前・産後休暇、育児休業、介護休暇といった休暇制度も充実しています。

更に、公務員宿舎や健康管理、レクリエーション、共済制度などの福利厚生が実施されている点も魅力です。

新任職員研修を含む公務研修所での研修に加えて、派遣研修や自主研修の機会も設けられているため、職員としても成長しやすい職場といえるでしょう。

宮城県庁で求められる人材

宮城県庁で求められる人材は、明確に掲げられていません。しかし、職員採用パンフレットを要約すると、以下のような人物が求められているといえます。

「常に変化し続ける状況の下、宮城県を発展させられるように、豊かな創造性や自律的な行動力、県民の視点に立った政策立案能力といったさまざまな能力を有した人材」

「宮城県をより良くしたい、宮城県のために働きたいという「揺るぎない信念と情熱」を有した人材」

特に「揺るぎない信念と情熱」があれば、入庁後でも多様な能力を身に付けられると説明されています。

そのため「宮城県庁で何をしたいか」「宮城県をどのようにしたいか」などを明確にして、面接試験に臨むことが重要といえるでしょう。

宮城県庁の職員になるには

宮城県庁の職員になるには、宮城県が行う採用試験に合格する必要があります。

採用試験では教養試験や専門試験、面接試験など、幅広い内容が課されるため、試験の特徴を理解して、自分に合った対策方法を確立することが重要です。

また、公務員試験対策を始めるにあたって、実際に試験に合格した方が取った対策方法や試験期の過ごし方を参考にすることも大切です。

以下のコラムでは、通信講座のアガルートで実際に公務員試験に合格した方の体験談を紹介しています。

対策の方向性や試験期の過ごし方なども触れているため、公務員試験のイメージ作りに役立ててください。

合格者の声｜地元の宮城で働きたい！遅めのスタートでも計画的に対策し、宮城県庁に合格！ 沼田 栞さん | 公務員試験コラム

宮城県庁の職員になるには？採用試験の日程・倍率・試験内容

宮城県庁ではさまざまな区分で職員採用が実施されています。

各区分で受験資格や試験内容、日程が異なるため、対策を始める前に自分が受験する区分を明確にしましょう。

ここでは、宮城県庁の各採用区分の日程や試験内容などを解説します。

宮城県庁の採用試験日程

公務員試験は一次試験から逆算して勉強を進めることが重要であるため、受験する区分の試験日を必ず確認しましょう。

以下では、宮城県庁で行政職（一般事務職）の採用がある主な区分の試験日程をまとめています。

令和6年の試験日程ですが、翌年以降も同時期の実施になる可能性が高いです。

詳細は宮城県庁のホームページを確認しましょう。

ただし、行政職（一般事務職）以外の職種は別日程で行われる場合もあるため注意してください。

日程	大学卒	中途/社会人 （氷河期世代採用）	高校卒・短大卒
受付期間	5月2日～5月24日	10月25日～11月15日	8月2日～8月30日
一次試験	6月16日	12月8日	9月29日
一次合格発表	未公開	未公開	未公開
二次試験	7月中旬～下旬	1月中旬	10月下旬～11月上旬
最終合格発表	8月上旬	1月下旬	11月中旬

宮城県庁の試験概要（大卒）

宮城県庁では、大学を卒業見込みの方や20代、30代中盤までの方を主な対象とした大卒程度試験が実施されています。

ここでは、試験の概要や倍率などを解説します。

宮城県庁 大卒の採用区分・受験資格

宮城県庁の大卒程度試験では、行政職や幅広い技術職などが募集されています。

【宮城県庁 大卒程度 採用職種（令和5年）】

行政：40名程度
総合土木：20名程度
建築：1名程度
農業：5名程度
水産：1名程度
林業：10名程度
電気：2名程度
機械：1名程度
畜産：10名程度
園芸：2名程度
農芸化学：2名程度
福祉：1名程度
心理：1名程度
保健師：2名程度
警察保健師：1名程度

また、行政職の基本的な受験資格は「22歳以上35歳以下の方（翌年4月1日時点）」です。

「大卒程度」とは試験の難易度を表すものであり、学歴の要件は定められていません。

最終学歴が高校卒や短大卒の方でも受験が可能です。

宮城県庁 大卒の試験内容

宮城県庁の大卒程度（行政）の一次試験では、択一式の教養試験と専門試験が課されます。

配点は「教養試験：100点」「専門試験：100点」です。

また、二次試験の内容は、記述式の論文試験と適性検査、人物試験（集団討論・個別面接）です。

適性検査は点数化されず「論文試験：100点」「人物試験：300点」の配点で最終合格者が決まります。

一次試験	【教養試験（150分）】50題解答の択一式試験 （社会科学/人文科学/自然科学/文章理解/判断推理/数的推理/資料解釈） 【専門試験（120分）】40題解答の択一式試験 （政治学/行政学/憲法/行政法/民法/刑法/労働法/ 経済学/財政学/経営学/社会政策/国際関係）
二次試験	【論文試験（120分）】 公務員として必要な識見や判断力、思考力などについての1,600字の記述式試験 【適性検査】職務遂行に必要な適性についての検査 【人物試験】公務員としての適格性についての人物面からの個別面接および集団討論

宮城県庁 大卒の採用倍率

宮城県庁の大卒程度（行政）の倍率は、例年5倍〜7.5倍程度となっています。

一次試験の倍率と二次試験の倍率は、概ね同水準となっています。

過去3回の試験結果は以下の通りです。

年度	一次受験者	一次合格者	最終合格者	倍率
令和6年	330名	171名	93名	3.5倍
令和5年	330名	165名	63名	5.2倍
令和4年	365名	141名	51名	7.2倍

宮城県庁の試験概要（氷河期世代採用）

宮城県庁では、30代後半から53歳以下の方が対象の氷河期世代採用が実施されています。

大卒程度の年齢要件を満たしていない場合でも、氷河期世代採用ならば受験ができる可能性があるため、要件を満たす方は確認してください。

ここでは、試験の内容や倍率などを解説します。

宮城県庁 氷河期世代採用の採用区分・受験資格

宮城県庁の氷河期世代採用で募集されている職種は以下の通りです。

【宮城県庁 氷河期世代採用 採用職種（令和5年）】

一般事務：5名程度
学校事務：2名程度
警察事務：1名程度
土木：2名程度

また、基本的な受験資格は「38歳以上53歳以下の方」です。

学歴や職歴の要件は定められていないため、年齢要件を満たしていれば幅広い方が受験できます。

宮城県庁 氷河期世代採用の試験内容

宮城県庁の氷河期世代採用（一般事務）の一次試験では、択一式の教養試験が課されます。

試験の難易度は高卒程度となっており、配点は100点です。

また、二次試験では作文試験と適性検査、個別面接が課されます。

配点は「作文試験：100点」「人物試験：200点」となっており、一次試験の点数と総合して最終合格者が決まります。

一次試験	【教養試験（120分）】40題解答の択一式試験（高卒程度） （時事/社会科学/人文科学/自然科学/文章理解/判断推理/数的推理/資料解釈）
二次試験	【作文試験（60分）】公務員として必要な文章による表現力や判断力、 思考力などについての800字の記述式試験 【適性検査】職務遂行に必要な適性についての検査 【人物試験】公務員としての適格性についての人物面からの個別面接

宮城県庁 氷河期世代採用の採用倍率

宮城県庁の氷河期世代採用（一般事務）は、非常に高倍率な試験となっています。

特に一次試験の倍率は10倍〜25倍程度あるため、入念な対策が必要です。

過去3回の試験結果は以下のようになっています。

年度	一次受験者	一次合格者	最終合格者	倍率
令和6年	265名	22名	–	–
令和5年	273名	27名	5名	54.6倍
令和4年	331名	25名	6名	55.2倍
令和3年	438名	23名	9名	48.7倍

宮城県庁の試験概要（中途/社会人）

宮城県庁では、民間企業等での勤務経験がある方向けの民間企業等職務経験者試験が行われています。

行政職（一般事務職）の採用はありませんが、技術職を目指す場合は検討しましょう。

ここでは、中途/社会人採用の採用職種や受験資格を紹介します。

宮城県庁 中途/社会人の採用区分・受験資格

宮城県庁の中途/社会人採用では、以下の技術職が募集されています。

【宮城県庁 民間企業等職務経験者試験 採用職種（令和5年）】

総合土木：1名程度
林業：2名程度
保健師：1名程度
土木：5名程度
建築：1名程度
電気：1名程度
機械：1名程度

また、基本的な受験資格は「60歳以下（翌年4月1日時点）」かつ「直近7年中5年以上、関連業界での職務経験を有する」方です。

ただし、保健師については「直近7年」という要件がなくなります。

宮城県庁の試験概要（高卒）

宮城県庁では、高校や短大を卒業見込みの方などを対象とした高卒程度試験が実施されています。

ここでは、高卒程度試験の内容や倍率などを解説します。

宮城県庁 高卒の採用区分・受験資格

宮城県庁の高卒程度試験では、事務職と一部の技術職が募集されています。

【宮城県庁 高卒程度 採用職種（令和5年）】

一般事務：20名程度
学校事務：15名程度
警察事務：5名程度
総合土木：10名程度
水産：1名程度
林業：5名程度
電気：1名程度
機械：1名程度

高卒程度の事務職は「一般事務」「学校事務」「警察事務」から第三希望まで選択して受験が可能です。

第一希望が不合格でも、第二希望や第三希望の職種に採用される可能性があります。

また、一般事務職の基本的な受験資格は「18歳以上21歳以下の方（翌年4月1日時点）」です。

宮城県庁では短大卒程度試験で一般事務職の採用がされていないため、一般事務で入庁したい場合は高卒程度の試験を受験することとなります。

なお、短大卒程度試験でも学校事務と警察事務は募集されています。

宮城県庁 高卒の試験内容

宮城県庁の高卒程度（一般事務）の一次試験では、択一式の教養試験が課されます。

配点は100点です。

また、二次試験は作文試験と適性検査、個別面接で構成されています。

配点は「作文試験：100点」「人物試験：200点」で、一次試験の結果と総合して最終合格者が決定します。

一次試験	【教養試験（120分）】50題解答の択一式試験 （社会科学/人文科学/自然科学/文章理解/判断推理/数的推理/資料解釈）
二次試験	【作文試験（60分）】公務員として必要な文章による表現力や判断力、 思考力などについての800字の記述式試験 【適性検査】職務遂行に必要な適性についての検査 【人物試験】公務員としての適格性についての人物面からの個別面接

宮城県庁 高卒の採用倍率

宮城県庁の高卒程度（一般事務）の倍率は、5倍〜11倍程度です。

また、事務職全体で見た際の倍率は5倍〜8倍となります。

一般事務職に拘らず合格の確率を上げたい方は、事務職を第三希望まで申込むことがおすすめです。

過去3回の試験結果は以下の通りです。

年度	一次受験者	一次合格者	最終合格者	倍率
令和6年	248名	137名	69名	3.6倍
令和5年	202名	125名	35名	5.8倍
令和4年	220名	105名	21名	10.5倍

宮城県庁の採用試験対策・勉強方法

宮城県庁の採用試験では、公務員試験独自の問題が出題されます。

大卒程度の場合、教養試験と専門試験が両方課されるため、入念な試験対策が必須となります。

筆記試験対策は、基本的に過去問演習がおすすめです。

公務員試験の問題は過去問と同じ論点がほとんどであるため、過去問演習のみで効率良く合格水準の知識を得られます。

科目別で考えると、出題数が多い数的処理や文章理解、憲法、民法、経済学などから優先的に学習を進めましょう。

教養科目の学習方法については、以下のコラムで詳しく解説しています。

【公務員試験】教養科目の勉強法！～択一と記述（作文・論文）対策～

また、人物試験も個別面接と集団討論の両方が課されるため、模擬面接や情報収集を積極的に行いましょう。

人物試験対策は模擬面接の活用がおすすめです。

模擬面接はハローワークや大学の就職支援でも受けられますが、おすすめは公務員予備校の模擬面接です。

公務員予備校であれば、公務員試験の出題傾向や回答のポイントを押さえた指導を受けられます。

特に通信講座のアガルートでは、回数無制限の模擬面接を提供しています。

模擬面接は回数を重ねるごとに力が付いてくるため、何度も練習できる環境に身を置きましょう。

また、面接カードの作成指導や、論文の添削も受けられるため、自信をもって二次試験に臨めるようになります。

宮城県庁職員を目指す人へ

今回は、宮城県庁の採用試験の内容や仕事内容、試験対策の進め方などを解説しました。

宮城県庁に採用されれば、充実した福利厚生や高水準な給与の下で、宮城県の運営・発展に貢献できる業務に従事できます。

しかし、対策の範囲が広く、倍率も高いため、十分な時間を取って効率的に学習を進める必要があります。

公務員試験の対策方法はさまざまですが、おすすめは公務員予備校の活用です。

特に通信講座のアガルートであれば、時間や場所に囚われずに専門家からの指導を受けられます。

校舎型の予備校と比較して安価に利用できる点も魅力です。

公務員試験の対策方法で悩んでいる方は、アガルートの無料受講相談を活用してはいかがでしょうか。

電話やメール、Zoomで公務員試験の悩みや学習の進め方などを相談できるため、学習方法を決める際の大きな参考となります。

また、資料請求も無料であるため「自分に合った対策方法か」「どのようなサポートを受けられるか」を確認することもおすすめです。

「家の近くに予備校がない」「費用を抑えて受講したい」「スキマ時間をうまく活用したい」「部活やサークルで忙しい」といった幅広い方におすすめのため、ぜひ検討してください。