本コラムでは、文部科学省に就職するための方法や採用試験の難易度、および入省後の待遇について解説しています。

文部科学省の職員は国家公務員であるため、文部科学省で働くためには、まず国家公務員試験に合格しなければなりません。

公務員試験は難易度が高いため、自分が目指したい職種に合った試験対策が必要です。

そこで、公務員試験合格者の体験談や、内定者の出身大学などが参考になるでしょう。

文部科学省で働きたいと考えている方は、ぜひ本コラムを参考になさってください。

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文部科学省に就職するには?

文部省に就職するためには、国家公務員採用総合職試験、または国家公務員採用一般職試験に合格し、官庁訪問によって内定を得る必要があります。

公務員試験申込から内定を得るまでの一般的な流れは、以下の通りです。

  1. 試験申込
  2. 一次試験
  3. 一次合格発表
  4. 官庁訪問(国家一般職の受験生)
  5. 二次試験
  6. 最終合格発表
  7. 官庁訪問(国家総合職の受験生)
  8. 内定

国家公務員試験に合格すれば、官庁訪問を受けるための資格を得られます。

国家一般職の官庁訪問は、一次試験の合格発表後に実施されます。

対して、国家総合職の官庁訪問が行われるタイミングは、最終合格発表後です。

官庁訪問のタイミングや、試験の内容は職種によって異なるため、自分が目指したい職種のスケジュールを把握し、適切な対策を立てましょう。

文部科学省採用試験の試験概要【2024年】

文部科学省に採用されるためには、国家公務員試験を受験し、合格する必要があります。

以下に、各試験の概要を記載します。

  • 国家総合職の試験概要
  • 国家一般職の試験概要

国家総合職の試験概要

国家公務員採用総合職試験を受験し、一次試験・二次試験の両方に合格すれば、文部科学省の官庁訪問を受ける資格を得られます。

最新の国家公務員採用総合職大卒程度試験の日程および受験資格は、以下の通りです。

  • 日程

第一次試験:2024年3月17日(教養区分を除く)

第二次試験(筆記試験):2024年4月14日

第二次試験(人物試験):2024年4月22日〜5月15日

  • 受験資格

採用日時点で22歳以上30歳以下の方

国家公務員採用総合職試験は、大学院修了者を対象とした院卒者試験と大卒程度試験に分かれており、大卒程度試験には学歴による受験資格がありません。

国家公務員採用総合職大卒程度試験の試験内容は、以下の通りです。

試験試験種目解答題数
解答時間
配点比率内容(行政区分)
第一次試験基礎能力試験
(多肢選択式)
30題
2時間20分
2/15公務員として必要な基礎的な能力(知能及び知識)についての筆記試験
● 知能分野24題
  文章理解⑩
  判断・数的推理(資料解釈を含む)⑭
● 知識分野6題
  自然・人文・社会に関する時事、情報⑥
専門試験
(多肢選択式)
40題
3時間30分
3/15各試験の区分に応じて必要な専門的知識などについての筆記試験
次の選択Ⅰ、Ⅱ、Ⅲ、Ⅳからいずれかを選択し解答
〔選択Ⅰ 政治・国際系〕 55題出題 40題解答
〔選択Ⅱ 人文系〕    55題出題 40題解答
〔選択Ⅲ 法律系〕    49題出題 40題解答
〔選択Ⅳ 経済系〕    46題出題 40題解答
※必須・選択問題は受験案内をご確認ください
第二次試験専門試験
(記述式)
2題
3時間
5/15各試験の区分に応じて必要な専門的知識などについての筆記試験
17科目から2科目選択
※詳細な科目は受験案内をご確認ください
政策論文試験1題
2時間
2/15政策の企画立案に必要な能力その他総合的な判断力及び思考力についての筆記試験
人物試験3/15人柄、対人的能力などについての個別面接
英語試験外部英語試験(TOEFL(iBT))、TOEIC Listening & Reading Test
(公開テストに限る)、IELTS、実用英語技能検定)を活用し、
スコアに応じて総合点に15点又は25点を加算

国家一般職の試験概要

国家公務員採用一般職試験に合格し、官庁訪問で内定を得られれば、文部科学省で一般職として働くことができます。

最新の国家公務員採用一般職大卒程度試験の日程、および受験資格は、以下の通りです。

  • 日程

第一次試験:2024年6月2日

第二次試験(人物試験):2024年7月10日〜7月26日

  • 受験資格

採用日時点で22歳以上30歳以下の方

国家公務員採用一般職試験は、大卒程度試験・高卒者試験・社会人試験に分かれており、大卒程度試験には学歴による受験資格がありません。

また、行政職以外は試験内容の一部が異なるため、注意しましょう。

国家公務員採用一般職大卒程度試験の試験内容は、以下の通りです。

試験試験種目解答題数
解答時間
配点比率内容(行政区分)
第一次試験基礎能力試験
(多肢選択式)
30題
2時間20分
2/15公務員として必要な基礎的な能力(知能及び知識)についての筆記試験
● 知能分野24題
  文章理解⑩
  判断・数的推理(資料解釈を含む)⑭
● 知識分野6題
  自然・人文・社会に関する時事、情報⑥
専門試験
(多肢選択式)
40題
3時間30分
3/15各試験の区分に応じて必要な専門的知識などについての筆記試験
次の選択Ⅰ、Ⅱ、Ⅲ、Ⅳからいずれかを選択し解答
〔選択Ⅰ 政治・国際系〕 55題出題 40題解答
〔選択Ⅱ 人文系〕    55題出題 40題解答
〔選択Ⅲ 法律系〕    49題出題 40題解答
〔選択Ⅳ 経済系〕    46題出題 40題解答
※必須・選択問題は受験案内をご確認ください
第二次試験専門試験
(記述式)
2題
3時間
5/15各試験の区分に応じて必要な専門的知識などについての筆記試験
17科目から2科目選択
※詳細な科目は受験案内をご確認ください
政策論文試験1題
2時間
2/15政策の企画立案に必要な能力その他総合的な判断力及び思考力についての筆記試験
人物試験3/15人柄、対人的能力などについての個別面接
英語試験外部英語試験(TOEFL(iBT))、TOEIC Listening & Reading Test
(公開テストに限る)、IELTS、実用英語技能検定)を活用し、
スコアに応じて総合点に15点又は25点を加算

文部科学省に採用された人の出身大学

令和5年度版文部科学省内定者の声によると、令和5年度における文部科学省総合職内定者の出身大学・学部は、以下の通りです。

  • 東京工業大学生命理工学院生命理工学系
  • 東京大学教育学部教育実践・政策学コース
  • 東京大学工学系研究科技術経営戦略学専攻
  • 東京大学大学院学際情報学部
  • 東京大学大学院教育学研究科
  • 東京大学大学院教育学研究科総合教育科学専攻
  • 東京大学大学院工学系研究科精密工学専攻
  • 東京大学法学部法学科
  • 京都大学教育学部教育方法学
  • 京都大学公共政策大学院
  • 京都大学法学部
  • 神戸大学経済学部
  • 北海道大学法学部
  • 大阪公立大学大学院 工学研究科 電子物理系専攻
  • 筑波大学大学院生命地球科学研究群生物専攻
  • 一橋大学社会学部教育社会学専攻
  • 慶應義塾大学経済学部
  • 慶應義塾大学大学院理工学研究科基礎理工学専攻物理学専修
  • 国際基督教大学大学院 アーツ・サイエンス研究科公共政策社会研究専攻 
  • 中央大学大学院理工学研究科物理学専攻
  • 中央大学法学部政治学科
  • 東北大学法学部法学科
  • 日本大学大学院理工学研究科機械工学専攻
  • 立命館大学大学院・生命科学研究科
  • お茶の水女子大学大学院人間文化創成科学研究科比較社会文化学専攻
  • ブリティッシュコロンビア大学大学院理学研究科レーザー分光学専攻

文部科学省内定者の出身大学は多岐にわたり、国公立・私立を問わず採用が行われていることがわかります。

また、官庁訪問の面接官には受験者の出身大学が知らされないため、出身大学が評価に影響することはないでしょう。

文部科学省の難易度・倍率と採用実績

国家総合職の採用人数と倍率【2023年】

2023年度における国家公務員総合職の採用倍率、および文部科学省の総合職の採用実績は、以下の通りです。

区分受験者数最終合格者数倍率文部科学省実績
政治・国際993名211名4.7倍0名
法律6,363名352名18.1倍9名
経済813名142名5.7倍1名
人間化学258名33名7.8倍0名
デジタル111名49名2.3倍0名
工学640名294名2.2倍2名
数理科学・物理・地球科学124名21名5.9倍1名
化学・生物・薬学234名32名7.3倍0名
農業科学・水産368名116名3.2倍0名
農業農村工学126名55名2.3倍0名
森林・自然科学175名55名3.2倍0名
教養2,531名423名6.0倍5名
合計12,736名1,783名7.1倍18名

2023年度における文部科学省の総合職の採用実績は、合計18名でした。

最も採用者が多かった法律区分では、9名が採用されています。

また、次いで採用者が多かった教養区分の採用実績は5名でした。

国家一般職の採用人数と倍率【2023年】

2023年度における国家公務員一般職の採用倍率、および文部科学省の一般職の採用実績は、以下の通りです。

区分受験者数最終合格者数倍率文部科学省実績
北海道793名457名1.7倍2名
東北1,221名594名2.1倍1名
関東甲信越5,787名2,098名2.8倍26名
東海北陸1,922名712名2.7倍0名
近畿2,312名822名2.8倍1名
中国1,071名580名1.8倍0名
四国764名360名2.1倍0名
九州1,994名692名2.9倍0名
沖縄449名161名2.8倍0名
合計16,318名6,476名2.5倍30名

2023年度における文部科学省一般職の採用実績は、合計30名でした。

30名のうち26名は関東甲信越区分で採用されており、それ以外の4名は、北海道・東北・近畿の各区分で採用されています。

文部科学省に合格した人の特徴・傾向

総合職内定者の約4分の1が予備校を利用

令和5年度版文部科学省内定者の声によると、アンケートに回答した総合職内定者の約4分の1が予備校を利用しています。

公務員試験の勉強方法は人によって異なり、適切な対策を行えば独学で合格することも可能です。

しかし、予備校や通信講座を活用すれば、最短かつ確実に合格を目指せるでしょう。

アガルートの公務員試験講座は、豊富なカリキュラムが提供されています。

自分が勉強を始めるタイミングや、希望する職種に合ったコースを選べるため、試験対策に役立ててみましょう。

【体験談】公務員試験に合格した人の合格体験談をチェック!

アガルートの公務員試験講座では、令和5年の公務員試験において210名の内定者を輩出しています。

210名のうち、国家総合職の内定者は10名・国家一般職の内定者は36名です。

また、31名が労働基準監督官や国税専門官をはじめとする国家専門職の内定を得ています。

以下に、アガルート公務員試験講座を利用した合格者2名の合格体験記を紹介します。

大学2年の2月から学習を始め、夏頃までに専門科目の主要5科目と呼ばれる民法、憲法、行政法、ミクロ経済学、マクロ経済学と、教養科目の文章理解と数的処理の講座を視聴し、問題集を解いていました。

秋頃からは、教養論文や専門科目の刑法や労働法、財政学や行政科目の講座を視聴していました。

秋頃も、主要5科目や文章理解と数的処理は毎日少しずつ問題集を解き、年内には3周していました。

合格者の声|地道な努力を積み重ね厚生労働省に合格! 堀田 楓さん | 公務員試験コラム

公務員試験を振り返ってみて合格の決め手は、それ一つに集中する環境を作れたことと、司法試験の失敗を踏まえて独学を続けるのではなく、合格のノウハウを持ったアガルートさんに頼ることができたところだと感じています。

秋より後まで、公務員と民間就職をどっちも続けていたら、ここまでいい結果を出すことはできませんでしたし、最短の勉強法を取ることができたからこそ、この時期から学んで何とか間に合ったのだろうと感じています。

合格者の声|公務員に絞って集中的に学習し国土交通省に合格! 亀井 薫さん

合格者の体験談からは、学習を進めるためのヒントを得られます。

文部科学省の福利厚生

文部科学省の職員には、特別休暇をはじめとするさまざまな福利厚生が提供されます。

ここでは、文部科学省の福利厚生や給与について解説します。

文部科学省で働く公務員の福利厚生

文部科学省で働く公務員は、有給休暇や共済制度を利用できます。

有給休暇

文部科学省の職員には、入省1年目から20日の有給休暇が付与されます。

一般的な民間企業よりも有給休暇日数が多いだけでなく、結婚休暇や夏季休暇などの特別休暇が充実しているため、ワークライフバランスを取りやすいでしょう。

共済制度

文部科学省の職員は、文部科学省共済組合に加入できます。

文部科学省共済の組合員になると、出産費や埋葬料などの短期給付に加え、生涯給付や遺族給付などの長期給付を受け取れます。

また、保養所や健康診断をはじめとするさまざまな福祉事業も利用可能です。

ワークライフバランス推進の取り組み

文部科学省は、「文部科学省における女性職員の活躍と職員のワークライフバランスの推進のための取組計画」に取り組んでいます。

ワークライフバランス推進を支援するための取り組みの例は、以下の通りです。

  • テレワーク勤務
  • 早出遅出勤務
  • フレックスタイムの導入

また、文部科学省では、すべての職員が出産や育児にかかわる制度を利用できるよう、出産休暇や育児休暇の取得を推奨しています。

家庭と仕事を両立しやすい環境が整っているため、生活に変化があっても、自分の能力を最大限に発揮できるでしょう。

文部科学省で働く公務員の給与・年収

令和5年国家公務員給与等実態調査報告書によると、国家公務員(行政職俸給表(一))の平均給与月額、および想定平均年収は以下の通りです。

平均給与月額404,015円
想定平均年収650~670万円

平均年収には、ボーナスに相当する期末・勤勉手当が含まれています。

ただし、期末勤勉手当の支給月数は年度によって異なるため、上記の想定年収はあくまで目安です。

以下に、文部科学省の給与を項目ごとに紹介します。

初任給

文部科学省の職種ごとの初任給は、以下の通り。

区分初任給*
総合職(大卒程度)240,840円
総合職(院卒程度)268,920円
一般職(大卒程度)235,440円
一般職(高卒程度)199,920円
*令和6年4月1日の給与例・東京都23区内地域手当を含む

文部科学省の初任給は、一般職大卒程度で235,440円です。

最も初任給が高い総合職院卒程度の場合は、268,920円となります。

最終的な給与月額は、上記の初任給に諸手当を合計した金額です。

賞与

文部科学省では、賞与として毎年6月と12月に期末・勤勉手当が支給されます。

期末・勤勉手当の支給額は年によって異なりますが、令和5年は給与月額(給与月額・地域手当・扶養手当等の合計)の4.42か月分が支給されました。

令和5年における支給実績の内訳は、以下の通り。

  • 令和5年6月期:2.16か月分
  • 令和5年12月期:2.26か月分

諸手当

文部科学省では、基本給以外に以下の手当が支給されます。

  • 扶養手当
  • 住居手当
  • 通勤手当
  • 地域手当
  • 超過勤務手当
  • 休日手当
  • 夜勤手当
  • 単身赴任手当 など

昇給

文部科学省では、年1回昇給が行われます。

昇給額は人事評価制度に基づいて判断されますが、年間4号俸の昇給が一般的です。

以下のコラムでは、国家一般職・国家総合職の年収について詳しく解説しています。

ぜひ参考になさってください。

文部科学省へ入省後の研修とキャリアパス 

文部科学省での研修やキャリアパスは、採用職種によって異なります。

ここでは、文部科学省一般職のキャリアパスや研修内容を紹介します。

文部科学省入省後の研修内容

文部科学省では、役職や段階に応じたさまざまな研修が行われます。

係員級における必須研修の例は、以下の通りです。

  • 新規採用職員研修
  • 国会研修
  • 広報基礎研修
  • 個人情報の保護に関する研修
  • 再就職コンプライアンス研修
  • 国家公務員倫理に関する職員研修
  • 情報セキュリティ研修
  • 総合的なハラスメント防止研修
  • 3年目フォローアップ研修

文部科学省では、上記以外にも「メタサポ」と呼ばれる文部科学省若手育成サポートシステムや、幹部候補育成課程研修・管理職マネジメント研修などが実施されます。

さらに、さまざまな任意研修を受けられるため、入省後も継続的なスキルアップが見込めるでしょう。

文部科学省でのキャリアパス

文部科学省に一般職として入省した職員は、まず係員級として基本的な実務能力を身に付けます。

その後は約2年ごとにさまざまな業務に携わりながら経験を積み、係長級に昇進する流れが一般的です。

国家一般職として入省した場合も、努力次第で幹部職員を目指せるでしょう。

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本コラムでは、文部科学省に採用されるための方法や、入省後の待遇について解説しました。

文部科学省は所掌分野が広く、さまざまな業務に携わることができます。

また、文部科学省は職員のワークライフバランス推進に力を入れているため、仕事と私生活のバランスを取りやすいでしょう。

文部科学省で働くためには、難関である公務員試験に合格する必要があります。

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豊富なカリキュラムが揃っているため、自分の目的やライフスタイルに合ったコースを選べるでしょう。

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