【最新】2023年度国家総合職試験の6つの変更点を分かりやすく解説
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2023年(令和5年)度公務員試験から国家総合職・国家一般職(大卒程度)の試験制度が一部変更されます。
日程・スケジュールの変更、受験可能年齢の引下げによる大学在学中に受験できる回数の増加など受験生に大きく影響する変更点もありますので、細かく解説していきます。
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国家総合職の6つの主な変更ポイント
人事院から発表された国家総合職試験の試験制度の主な変更点、告知があったものは以下の6点です。
- 申込受付期間の前倒し
- 総合職試験(教養区分)の受験可能年齢の引下げ及び試験地の拡充
- 合格有効期間の延長
- 国税専門官採用試験「国税専門B(理工・デジタル系)」区分の新設
- 官庁訪問の日程の前倒し、5クール目の廃止
- 国家総合職(院卒者)法務区分は2023年秋は実施せず、2024年春試験として実施予定
一つひとつ紹介します。
変更点①申込受付期間の前倒し
1つめの変更点は、国家公務員採用総合職試験(春)の「申込受付期間の前倒し」です。
2022年度は3月18日から申込みがスタートしたのに対し、2023年は3月1日からと2週間以上早くなっています。
スケジュール | 2024年 | 2023年 | 2022年 |
---|---|---|---|
申込受付期間 | 2月5日(月)~26日(月) | 3月1日(水)~20日(月) | 3月18日(金)~4月4日(月) |
第1次試験日 | 3月17日(日) | 4月9日(日) | 4月24日(日) |
第1次合格者 発表日 | 4月1日(月) | 4月21日(金) | 5月6日(金) |
第2次試験日 (筆記) | 4月14日(日) | 5月7日(日) | 5月22日(日) |
第2次試験日 (人物試験等) | 4月下旬~5月中旬 | 5月15日(月)~31日(水) | 6月2日(木)~6月10日(金) |
最終合格者発表 | 5月下旬 | 6月8日(木) | 6月20日(月) |
申込受付期間の前倒しの理由として、国家公務員の志望者が減少していること、民間企業の内々定解禁日と合格発表を同時期にし優秀な人材を囲い込むために採用時期を5月下旬に早める過程にあると考えられます。
年々少しずつ申込み開始日が早まってきており、2022年春と2024年春では、6週間程度スケジュールが前倒しになるため注意が必要です。
変更点②総合職試験(教養区分)の受験可能年齢の引下げ及び試験地の拡充
2つめの変更点は、教養区分受験資格の年齢要件が19歳に引き下げられ、試験地が拡充された点です。
2023年度から秋に行われる教養区分(秋試験)が19歳から受験可能になります。
(受験する年の4月1日時点の年齢)
そのため、18歳で大学に入学した方であれば、大学2年生から教養区分(秋試験)を受験することができます。
国家総合職試験が在学中に最大3回受けられる!
年齢要件が1歳引き下げられたことにより、これまでは大学在学中最大2回しか受験できなかった国家総合職試験を3回受験することができるようになりました。
国家総合職試験は、この大学2年の教養区分、大学3年の教養区分、大学3~4年春試験、の3回の試験のうち、どこかで1回合格すれば最終合格となり、大学4年次の5月に行われる官庁訪問に参加できるようになります。
受験回数 | 年次 | 試験・行事 |
---|---|---|
1回目 | 大学2年秋 | 教養区分 |
2回目 | 大学3年秋 | 教養区分 |
3回目 | 大学3~4年春 | 春試験 |
内定 | 大学4年 | 官庁訪問 |
なお、受験資格はあくまで年齢要件です。
例えば1浪して大学に入学した場合は、大学1年から試験を受けることができ、最大5回のチャンスがあります。
大学2年生(19歳)で国家総合職の内定をもらった場合すぐに入庁できる?
なお、大学2年もしくは3年で最終合格した場合の官庁訪問は、春ではなく夏実施のものに参加することになります。
例えば、2023年度の総合職試験(大卒程度試験)(教養区分)に最終合格した後、2024年4月ではなく、2025年4月の採用を希望するのであれば、2024年度の夏の官庁訪問に参加する必要があります。
試験地の拡充
これまで、教養試験の第1次試験の試験地は、北海道札幌市、東京都、大阪府大阪市、福岡県福岡市の4会場のみでした。
2023年から拡充され国家総合職の試験地は、北海道札幌市、宮城県仙台市、東京都、愛知県名古屋市、大阪府大阪市、広島県広島市、香川県の高松市、福岡県福岡市、沖縄県那覇市の7都市から選べるようになりました。
2023年以降の試験地 | 従来の試験地 |
---|---|
北海道札幌市 宮城県仙台市 東京都 愛知県名古屋市 大阪府大阪市 広島県広島市 香川県高松市 福岡県福岡市 沖縄県那覇市 | 北海道札幌市 東京都 大阪府大阪市 福岡県福岡市 |
総合職試験全体の申込者数が減少し続ける中、専門分野に関係なく受験できる「教養区分」の申込者数は堅調に推移しており、会場を増やすことでより多くの志望者が教養区分を受験しやすくなるようにと決められました。
変更点③合格有効期間の延長
3つ目の変更点は、国家総合職試験最終合格の有効期限の延長です。
これまで3年だった採用候補者名簿の有効期間が、2023年度の試験から、春の総合職試験、一般職試験(大卒程度試験)、財務専門官採用試験、国税専門官採用試験及び労働基準監督官採用試験は合格有効期間が5年に、総合職試験「教養区分」の合格有効期間は6年6ヶ月に延長されました。
試験種類 | 2023年度以降 | 2022年度以前 |
---|---|---|
総合職試験(春) 一般職試験(大卒程度試験) 財務専門官採用試験 国税専門官採用試験及び労働基準監督官採用試験 | 5年 | 3年 |
総合職試験「教養区分」 | 6年6ヶ月 | 3年 |
これには、採用試験合格後に、民間企業や博士課程等で経験を積んだ後でも官庁訪問ができるようにする目的があり、それまで何をしていても最終合格の有効期限内であれば官庁訪問に参加できます。
例えば、大学4年次に総合職試験(春)に最終合格の場合は、大学卒業後4年間、大学2年次に秋試験に最終合格した場合は、大学卒業後も4年間は官庁訪問にエントリーすることができます。
大学生のうちに国家総合職試験に最終合格しておき、大学院では研究に専念する、民間企業に一度就職してみてマッチしないと判断した場合の保険にするなど、20代の働き方の選択肢が大きく広がります。
なお、2022年度までの採用試験に合格した場合の合格有効期間は、延長前のものなので注意が必要です。
変更点④国税専門官採用試験「国税専門B(理工・デジタル系)」区分の新設
4つ目の変更点は、国税専門官採用試験「国税専門B(理工・デジタル系)」区分の新設です。
経済社会のICT化が進む中、国税庁においても、税務行政のデジタル・トランスフォーメーションの取組が進められており、基幹システムの刷新や税務・徴収におけるデータ分析を行うことができる人材を確保する観点から、「国税専門B(理工・デジタル系)」区分が新設されました。
試験内容 | 国税専門A(法文系) | 国税専門B (理工・デジタル系) |
||
第一次 試験 |
基礎 能力 試験 |
多肢 選択式 |
公務員として必要な基礎的な能力(知能及び知識) についての筆記試験 出題数は40題 知能分野 27題(文章理解⑪、数的推理⑤、資料解釈③) 知識分野 13題(自然・人文・社会⑬(時事を含む)) |
|
専門 試験 |
多肢 選択式 |
<必須> 2科目16題 |
<必須> 3科目16題 |
|
民法・商法⑧ 会計学(簿記含む)⑧ |
基礎数学⑫ 民法・商法② 会計学② |
|||
<選択> 7科目42題中 4科目24題選択 |
<選択> 42題中 24題選択 |
|||
憲法・行政法⑥ 経済学⑥ 財政学⑥ 経営学⑥ 政治学・社会学・社会事情⑥ 英語⑥ 商業英語⑥ |
情報数学・情報工学⑩ 統計学⑥ 物理⑧ 化学⑥ 経済学⑥ 英語⑥ |
|||
記述式 | 5科目(各1題)中1科目選択 | 1題必須 | ||
憲法、民法、経済学、会計学、社会学 | 科学技術に関連する領域 | |||
第二次 試験 |
人物試験 | 人柄・対人的能力などについての個別面接 | ||
身体検査 | 主として胸部疾患(胸部エックス線撮影を含む。)、 尿、その他一般内科系検査 |
新試験区分「国税専門B(理工・デジタル系)」は、基礎数学、情報数学・情報工学、物理、化学等が試験科目に設定されており、理工・デジタル系の方が受験しやすい試験となっています。
なお、従来の国税専門官採用試験は「国税専門A(法文系)」区分として実施しますが、専門試験(多肢選択式)において情報数学・情報工学からの出題はありません。
変更点⑤国家総合職・国家一般職の官庁訪問のルールが変更
5つ目の変更点は、官庁訪問の日程の前倒し、5クール目の廃止です。
試験の前倒しに合わせて、2023年度の官庁訪問は開始時期が早まっています。
また、2023年度から5クール目の廃止が廃止されました。
クール | 2023年度以降 | 2022年度以前 |
---|---|---|
第1クール | 6月12日(月)~14日(水) | 6月22日(水)~24日(金) |
第2クール | 6月15日(木)~19日(月) | 6月27日(月)~29日(水) |
第3クール | 6月20日(火)~21日(水) | 6月30日(木)~7月1日(金) |
第4クール | 6月22日(木) | 7月4日(月) |
第5クール | 廃止 | 7月5日(火) |
変更点⑥国家総合職(院卒者)法務区分の2023年秋は実施せず2024年春試験に実施予定
最後は、2023年秋は総合職試験(院卒者試験)「法務区分」を実施しない、という点です。
司法試験日程の変更を踏まえたもので、2024年秋の総合職試験として実施される予定です。
※関連:国家公務員総合職とは?春試験・秋試験の内容と気になる疑問を講師が解説!
※出典:2023年度国家公務員採用試験の日程等について~総合職試験(春)、一般職試験(大卒程度)などは3月1日(水)から申込受付開始!~
※出典:総合職試験採用情報|国家公務員試験採用情報NAVI
※出典:総合職試験(院卒者試験)法務区分|国家公務員試験採用情報NAVI
※出典:2023年の国家公務員採用総合職試験(春)等の日程について
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