香川県庁の公務員面接試験は、どのような雰囲気、流れで行われているのか気になる方も多いのではないでしょうか。

そこで今回は、香川県庁の公務員面接試験に合格した方の面接を再現します。
再現した面接内容を参考に面接対策をしましょう。

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【香川県庁】公務員試験の面接再現【2022年】

試験日・試験時間・面接官

試験日:2022年8月8日
試験時間:20分程度
面接官:6名
(うち1名、少し横柄な態度で腕を組み姿勢を崩している強面の男性職員。その方から質問をされることはなかった。クレーム対応力を測るためのパフォーマンス?)

場所・雰囲気

かなり大きな会議室。受験者の目の前にはアクリル板があるが、なかったとしても密が気にならない程度には距離が離れている。

面接内容・再現

私:失礼いたします。(椅子の横まで行き、一礼)

受験番号〇〇〇〇、〇〇〇〇と申します。本日はよろしくお願いいたします。

面接官A:お座りください。

私:ありがとうございます。失礼します。

A:今から面接を始めます。緊張せずに、リラックスしてお答えください。

私:はい。

A:ではまず、研究テーマの 「意志を表す複合辞」 について、どんな研究をしているのか簡単に説明してください。

私:はい。日本語には色々と意味の似通った表現があると思うのですが、それらの表現、例えば私が今扱っているものですと「〜するつもりだ」や「〜する気だ」になりますが、このような類似の表現が、ではどのように異なっているのか、ということを分析しています。国語辞書には言葉の意味が書かれていますが、このような表現が実際にどのような違いがあるのか、どういう使い分けがされているのかといった深い内容については、実は辞書には何も記載されていません。このような表現が実際の本や新聞の中で使われている用例を集め、それらを比較分析することで、より詳しい内容の辞書を作ることができるくらいの調査を行うというのが、私が行なっている研究になります。

A:なるほど。では「〜するつもりだ」と「〜する気だ」はどのように違うのですか。

私:そうですね。例えば「私は〜する気だ」という表現は、ちょっとおかしいんですよね。でも、「私は〜するつもりだ」は自然な表現になります。ではこの違いはどこから来ているんだろう、と考える。また、肯定文ではおかしい表現になってしまうものでも、「私は〜するつもりでない」という否定文や、「彼は〜する気だ」といった三人称の文にすると、これも普通に言えてしまいます。これは何故か? といったことを、まさに今研究しているところです。

A:卒業論文のテーマなんですか。

私:そうです。

A:なるほど。では質問を変えます。他の就職試験の受験状況について、国家公務員の総合職や国家一般職を受けているとありますが、そちらについては今どのような状況ですか。

私:総合職については、一次試験で不合格となり終了しました。一般職については、面接と官庁訪問まで終えて今は結果待ちの状態です。

A:官庁はどこをうけましたか。

私:行政四国の区分で受けていたので、四国厚生支局さんと四国行政評価支局さんに官庁訪問を行いました。

A:わかりました。では私からは以上となります。

私:ありがとうございました。

面接官B:では、私の方から質問させていただきます。

私:よろしくお願いいたします。

B:一般職も受けられているとのことですが、それぞれの官庁はなぜ受けようと思ったのですか。

私:はい。それぞれ違う方向からの志望理由になるのですが、まず厚生支局については、私の大学生活の大部分がコロナ禍の中にあったということもあり、色々な場面で心身の健康の重要性を痛感したことで、地元の人々の健康福祉を支える仕事ができればやりがいにつながると感じたことが理由です。また、行政評価支局につきましては、まず私の所属している研究室が国語研究室というところでして、日本語についてであれば現代語から古代語までなんでも扱っていいという幅広い研究室なんですね。そこから、自分で研究テーマを設定して、分析方法も自分で考えて、といった研究を行うのですが、そのやり方が、行政評価支局での行政上の問題を調査テーマとして取り上げて調査を行うといった部分につながるなと感じまして、そのような仕事は私の興味関心に沿っているなと思ったことが志望理由になります。

B:分かりました。もしどちらからも内定が出ればどちらの採用を受けますか。

私:香川県庁です。

B:それはなぜですか。

私:はい。私は、大学で県外に出たことから、改めて地元香川が好きであるという強い気持ちを自覚しました。そのため、ここ香川県で、香川のためになる仕事がしたいということを就職活動においての一つの軸にしております。色々と職業はありますが、香川県のための仕事ということを考えれば、香川県庁での仕事が最も私の希望に当てはまると思いました。また、厚生支局や行政評価支局では拠点を高松に置いているとはいえ、本省への出向や四国内転勤があり、やはり四国全域のために仕事をする機関であるのだなと思います。香川のために、という私の軸には、やはり香川県庁が一番であると感じているため、香川県庁を第一志望にさせていただいております。

B:分かりました。では、香川が好きという言葉がありましたが、具体的に香川のどんなところが好きですか。

A:はい。たくさんありますが、まずは慣れ親しんだ方言などからも感じる香川の人々の暖かさが好きです。また、香川県は街の中心にいても山が近いため、どこにいても緑を身近に感じられます。そのような自然豊かなところも好きだなあと思うところです。また、コロナの影響が大きいのですが、東京ではご近所付き合いがほとんどなかったため、香川にいると散歩をした時などにちょっとすれ違った人とでもこんにちはーと挨拶ができるのがほっと安心できて、いいなあというふうにも思います。

B:なるほど、分かりました。では、公務員になろうと思ったのは何故ですか。

私:そうですね。先ほど申し上げました、コロナ禍の中で大学生活を送ったということにも関係するのですが、当たり前の生活を当たり前に送れることの大切さを痛感したということがありまして、日常生活の基盤を支えるような仕事に興味を持ったことが大きな理由です。民間の就活も考えていたのですが、民間企業の仕事は生活の基盤は前提とした上で、そこからどのようにすればより豊かな生活を送れるかということを考えるものだと思います。それぞれに良さはありますが、私にとってはその前提の部分を整える公務員の仕事がより魅力的であったため、公務員を志望しました。また、公務員は数年ごとの異動によってさまざまな仕事をすることができるという点も魅力に感じております。

B:ありがとうございます。では、私からの質問は以上です。

私:ありがとうございます。

面接官C:ここからは私から質問させていただきます。

私:よろしくお願いいたします。

C:クラブ活動のところに吹奏楽とありますが、これはどのくらいの期間やっていたのですか。

私:しっかりと部活動という形でやっていたのは中学の時になります。中学時代は本当に、夏休み中も全ての時間を部活に捧げる! といった感じで、吹奏楽に全力で取り組んでおりました。中学を卒業してからは、同じ吹奏楽部に所属していた友達と会う時に、みんなで楽器を持ち寄ってちょっとした演奏会を行ったりして、中学の時ほどがむしゃらにやっていたわけではないですが、コミュニケーションのツールとしてずっと楽器と音楽には触れていました。

C:なるほど。では、高校や大学ではどんな部活やサークルに入っていたのですか。

私:高校の時は演劇部と英語部と美術部を兼部しておりました。大学ではサークルには入っていなかったのですが、学習塾での講師のアルバイトをやっておりまして、週五日ほど、かなりのペースで勤務していたので、サークルよりも担当の生徒さんの成績向上に全力を尽くしておりました。

C:分かりました。ではそれらの活動では何かの役職についていたりしましたか。

私:はい。中学の吹奏楽部では部長をやっておりまして、高校の英語部では副部長をやっておりました。

C:リーダーとしてみんなを引っ張っていくのは大変ではなかったですか。

私:はい。中学の時の吹奏楽部は非常に大規模な部活だったこともあって、三学年合わせると90人以上という人数を引っ張っていくことはとても大変でした。部内で揉め事もありましたし、コンクール前になってあの子がコンクール出ないかも、といったギスギスした雰囲気になることもありました。しかし、部長は私だったのですが、他に二人の副部長と、各楽器のパートリーダーもいたため、みんなで話し合って情報共有をすることで、全員で部を支えていこうと頑張っていました。とにかく相互にコミュニケーションをとることを心がけて、基本的にはいい雰囲気で部活動に励めていたと思います。

C:なるほど。中学は、全校生徒は何人ぐらいだったのですか。

私:全校生徒! えぇっとですね……たぶん数百人? 200人とか……その程度だったかなと思いますが……。

C:ああ、そうなんや。

私:はい。曖昧ですみません。

C:いやいや、その90人っていうのが何人学校におる中での90人なんかなと思ってね。じゃあかなり大きな部活やね。

私:はい。学校内では一番大所帯の部活だったかなと思います。

C:なるほど、分かりました。では私からは以上です。

私:ありがとうございました。

面接官D:では私から質問します。

私:よろしくお願いいたします。

D:ボランティア活動のところに団地の清掃活動とありますが、これはどのくらいの期間やっているのですか。

私:毎年夏に1ヶ月くらい期間を決めて自治体がやっている活動なのですが、私は小学生くらいの頃から今まで参加しています。

D:今もやっているんですか。

私:はい。大学に入ってからも、長期休暇中はできるだけ香川にいたくて1ヶ月以上は帰ってきているので、そのタイミングで参加しております。

D:他に参加している団地の人となかよくなったりもしますか。

私:はい。同じ区内の人でないとあまり掃除中は話す機会はないのですが、同じ区内の人であれば一緒に掃除をして、終わった後は自治会長さんにお茶をもらって飲みながらちょっと話したりってことはありますね。

D:なるほど。では次に趣味についてお伺いしたいのですが、デジタルイラストとありますが、これはいつから始めたんですか。

私:始めたのは中学生の頃ですね。ちょうどその頃にペンタブレットという、デジタルイラストを描くためのデバイスを手に入れる機会がありまして、そこから始めました。

D:どのようなものを描いているのですか。

私:そうですね。幼稚園の頃のお絵かきの延長線上でやっているところもあったので、そんな風な、いわゆるイラストっぽいものを描くこともありますし、高校に入ってからは美術部に所属していたこともあり、デザインっぽいポスターを描いたりもしておりました。高校の文化祭の時には、学校から依頼をいただいて宣伝用のポスターを描いたこともあります。

D:なるほど。何かの賞をもらったりしたことはあるんですか。

私:賞は、デジタルイラストでは頂いたことはないんですけれども、アナログの、水彩でしたら、夏休みの宿題で毎年ポスターを描いて出しておりまして、1、2回は賞をいただいたことがあります。一度海保さんの方でやってらしたポスターコンクールで少し大きな賞をいただいた時は、招待をいただいて寄港している艦を見せてもらうという体験をしました。

D:分かりました。私からの質問は以上です。
私:ありがとうございました。

面接官E:では私から質問します。県産品に関する仕事に興味があるとのことですが、その他にはどんな仕事に関心があるでしょうか。先ほど、様々な仕事をやってみたいとも仰ってましたので、何かあれば教えてください。

私:はい。たくさんあるのですが、まずはアートに関心があるため、瀬戸芸をはじめとした芸術による観光促進事業に興味があります。また、自分が女性ということもあり、結婚から妊娠・出産・子育て、さらには塾講師の経験から子供の教育に関しても関心があります。さらに、県産品のPRに興味を持ったきっかけでもあるのですが、人に対して情報を伝えることの難しさ、またそれゆえの面白さについても考える機会があったため、広報公聴といった分野でも仕事をしてみたいという気持ちがあります。

E:なるほど。色々な分野に興味を持っておられることが分かりました。では逆に、この部署に配属されたら嫌だなと思うところはありますか。

私:えー、そうですね、嫌だなと思うところですか……どの部署に配属されたとしても、精一杯頑張りたいとはもちろん思っているんですけれども……そうですね、土木の分野ですと、今まであまり関心を持ったことがないので、もし配属されたとなると勉強するのが大変かな、とは思いますね。

E:ありがとうございます。では面接はこれで終了です。

私:ありがとうございます。

面接を終えての印象

他の自治体や官庁に比べると、全体的に少し堅い印象を感じました。

面接中は面接シートに沿った内容の質問を淡々と聞かれるといった感じで、少し怖い雰囲気の面接官の方がいらしたこともあり、あまり柔らかな雰囲気というわけではありませんでした。しかし、その分笑顔を意識して朗らかに答えられたのは良かったかなと思います。

こちらが笑顔で話していると、面接官の方も笑って頷いてくださることもあったので、あの堅い雰囲気はそういった状況にどのように対応するかを見るためにわざと作り出されていたものだったのだろうかとも思いました。

模擬面接と比べて実際はどうだったか

面接シートに沿った質問ばかりであったため、模擬面接の時のように、面接シートから派生した内容について深く聞かれるということはありませんでした。また、県庁の仕事や取り組みについての知識を聞かれることも一切なく、少し拍子抜けをした部分はありました。

逆に、受けている自治体・官庁の志望順位については、模擬面接時よりもストレートに聞かれた上で、深掘りのための質問も多かったです。

一方で、面接という場の雰囲気は模擬面接でも感じるものがあったので、その空気に慣れるために模擬面接をさせていただけたことは非常に有益であったと感じました。

他の受験生の印象

個別面接のときには、他の受験生の皆さんが面接室に入る際におっしゃる「失礼します」という声がとてもハキハキしていらっしゃるなと感じました。

控室では、それぞれにノートや資料などを読んでいて、皆がみんな優秀な方であるように思えて、自分は大丈夫だろうかと少し不安も感じました

また、個別面接より先に実施されていた集団討論では、どの受験生も自分の意見を積極的に発表されていて、良い刺激を受けましたし、非常に楽しい討論ができました。

受験生へのアドバイス

面接中は、お一人ちょっと怖そうな面接官の方がいらっしゃいましたが、六人いらっしゃる面接官の中でその方だけはこちらに対して質問をなさることもなかったので、おそらくこちらの対応力を見るためのパフォーマンスなのだろうなと思いました。もしそのような面接官がいたとしても、あまり気にしないで笑顔でいれば良いと思います。

また、順番にもよるとは思いますが、私は控室での待ち時間が1時間弱はありました。

何もしないでただ時間が過ぎるのを待つというのも緊張すると思いますので、その自治体のパンフレットや面接のためのノートなど、なにか見たり読んだりちょっとした作業ができるものを持って行ってみても良いのではないかなと思いました。

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