公務員試験も就職試験である以上、人物本位・面接重視なのは民間企業となんら変わりません。

ですが、民間の就職活動と違って、一斉に試験が実施され、民間企業ほど多く併願もできない公務員試験では、第一志望先の面接が最初の経験になる可能性もあります。

そこで、今回は公務員試験の面接のスタイルやよく聞かれる質問例、対策についてご説明したいと思います。
このコラムを読んで、いち早く面接準備をして万全の体制を整えてください!

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面接試験が実施されるタイミングは?

公務員試験では、筆記試験の合格者に対して面接試験を実施することがほとんどです。

面接試験は、1回だけでなく、2回3回、スタイルを変えて実施するところもあります。

ただ、京都市の京都方式のように、第1次試験から受験者全員と個別面接を行う職種もあります。
また、市役所の中には、受験願書受付を手渡しに限定し、願書提出時に簡単な面接を実施するところもあります。

国家総合職や国家一般職では、筆記試験合格者に対して人事院が面接試験を実施しますが、最終合格(人事院の面接試験合格)=採用ではありません。
その後、就職を希望する官庁の面接試験(官庁訪問といいます)に合格して初めて内定となります。

同様に、東京特別区も、筆記試験合格者に対して特別区人事委員会が実施する面接試験に合格後、各区の面接試験に合格して初めて内定となります。

公務員試験の面接のスタイル

公務員の面接スタイルの基本は「個人面接」です。
採用人数が多い職種だと「集団面接」を実施するところもあります。

また、近年増加傾向にあるのが、「集団討論」や「グループディスカッション」といったコミュニケーション能力を測るスタイルです。

個人面接

受験者1人に対して、面接官が複数人で質問するスタイルです。

1回あたりの所要時間は15〜30分が一般的で、事前に提出した面接カードやエントリーシートに即して質問されることが多いです。

面接官が十数人も(!)いる自治体もあります。
これは、各部署の担当者が「これ」といった人材に面接段階からいち早く目をつけるためのようです。

個人面接を複数回実施する場合もあります。

集団面接

受験者が複数人に対して、面接官が複数人で質問するスタイルです。

回答する順番は、挙手制、指名制、端から順番…と様々です。

自分が答えようと思った内容が他の受験者と被った場合に慌てたり、他の受験者の回答を聞いて緊張したりしないように注意する必要があります。
この意味で、挙手制の場合はいち早く手を挙げた方が得策です。

集団討論・グループディスカッション

5〜10人ほどのグループに分けられて、与えられた課題について制限時間内に意見をまとめるスタイルです。
協調性や、コミュニケーション能力、タイムマネジメントの能力など試されます。

以上の他に、事前にテーマが与えられて、面接官の前でホワイトボードなどを利用してプレゼンすることを要求されるスタイルもあります。

経験者採用枠で多く課されていますが、特別枠でも採用する自治体があります。

変わり種としては、体育館に受験者が集められてグループ分けし、指示された模様のドミノ作りを課す自治体もありました。

「個人面接」以外にどのようなスタイルの面接が実施されているのか、情報収集と準備はしっかりしておきましょう。

面接試験のウェイトは?

公務員試験の大きな特徴として、試験方法が公開され非常に公平に実施されることです。

特に、国家公務員試験と一部の自治体は、各筆記試験と面接試験の配点割合を公表しています。

参考までに、いくつかの国家公務員・自治体のデータをご紹介しましょう(いずれも大卒程度)。

教養択一専門択一教養記述専門記述人物試験(面接)
国家一般職2/94/91/92/9
国税専門官2/93/92/92/9
裁判所事務官(一般職)2/102/101/101/104/10
神奈川県Ⅰ種100/550100/55050/550300/550 ※1
横浜市(事務)一次510/510
横浜市(事務)二次100/300200/300
横浜市(事務)三次15/66015/660630/660 ※2

※1 第一回個別面接50点・第二回個別面接250点の合計
※2 二次の面接30点・三次の面接600点の合計

表から見ると、国家公務員(上から3つ)は、神奈川県や横浜市に比べて、筆記試験のウェイトが高いように思えます。
実際、公務員試験に関するサイトの中には、国家一般職は筆記試験重視で合否が決定すると豪語するものも見受けられます。

ですが、国家一般職は、最終合格=採用ではありません。
勝負しなければならない面接は、官庁訪問です。

希望の官庁に面接予約をして、当該官庁の人事担当者の面接を受けて、内定をもらう必要があります。

各官庁には、これまでの試験成績の情報は伝えられますが、実際には、官庁訪問時の面接内容だけでほぼ内定が出るかどうかが決まるといっていいでしょう。
なぜなら、最終合格できるだけの学力があることはすでに証明されているわけで、採用する官庁としては人物評価を最優先で考えるのが通常だからです。

官庁の人事担当者の中には、内定を出すまで一度も筆記試験の成績表を見なかったと仰る方もいました。

国税専門官や裁判所事務官も、採用面接があり、そこでは人物重視です。
また、一応表のような配点を公表はしていますが、やはり、筆記試験は一定程度の点数を取っていれば、後は人物重視といえます。

そして、神奈川県や横浜市は、いわずもがなの面接重視なのがわかりますよね。

このように、公務員試験は民間の就職試験に比してヘビーな筆記試験があるものの、内定を頂けるかどうかは、筆記試験の順位よりも、面接重視・人物本位で決まります

内定獲得のためには、入念な面接対策に早めから取り組むことが重要ですね。

「個人面接」対策~よく聞かれる質問例26選~

「個人面接」でよく聞かれる質問と、質問の意図、回答の例文をざっと挙げてみましょう。

1.ここまでどうやって来ましたか?

この質問は、受験者の緊張をほぐすため、または面接で話しやすい雰囲気を作るためのアイスブレイクとして質問されることが多いです。
会話のきっかけなので、自然体で、正直に答えましょう。
ただし、「電車できました」とだけ伝える、逆に面接会場までの道順をだらだらと長く話すのではなく、要点をまとめて伝えましょう。

回答例

自宅からここまで電車とバスを利用して参りました。
〇〇駅から●●線の電車に乗り、〇〇駅からは徒歩〇分で到着しました。
自宅から約〇分程度です。

2.今までで一番嬉しかったことは(悲しかったことは)?

この質問は、受験者が「どんなことに喜びを感じたり、悲しかったりするのか」を知るために質問されることがあります。
質問の意図として、自分の感情を素直に話せるのかを見ています。
対策として、自分の人生の棚卸しを行い、嬉しかったこと(悲しかったこと)を書き出してまとめましょう。

回答例

現在所属している大学に合格したことです。
第一志望でしたが、当時の学力から担任の教員には合格可能性は非常に低いと言われていたので、喜びもひとしおでした。
第一志望でしたが、当時の学力から担任の教員には合格可能性は非常に低いと言われていたので、喜びもひとしおでした。

3.今までで一番頑張ったことは?

この質問は、受験者のバックグランドや、どんなことに力をいれて頑張れるのかを知るために質問されることがあります。
奇をてらったりせずに、虚心坦懐に自分の人生で頑張ったことを2〜3洗い出しておきましょう。
まとめる時は、時期と具体的内容をまとめると良いでしょう。

回答例

大学で手芸同好会を作りました。
部員が10名以上になると、サークルに昇格し、大学から助成金が出るので、部員獲得のため奔走しました。
結果、10名を集めることは叶わなかったのですが、一緒に頑張った6人の部員との結束は以前より高まりました。

4.今までで一番大変だったことは?

この質問は、どんなことに大変さを感じるのか、また、大変と感じることにどう対処していけるのかを知るために質問されることがあります。
準備として、これまでの自分の人生で、大変だと思ったことを素直に洗い出し、時期と具体的内容をまとめておきましょう。

回答例

高校1年の時に母が長期入院をしました。
それまで母に頼りきりだった家事を父、兄、妹と分担することになりました。
ですが、父・兄は仕事が忙しく、妹はまだ小学生なので、私が母の代わりをほぼ引き受けることになりました。
普段当たり前のように受けとっていた家事がいかに貴重なことだったのか、母の偉大さを痛感した経験でした。

5.これまでに挫折したことはある?

この質問は、どんなことに挫折感をかんじるのか、挫折を感じた時にどう対応できるのかを知るために質問されることがあります。
この場合は、挫折経験だけでなく、どう乗り越えたのかまで整理しておきましょう。

回答例

小学生時代から、コーラス部に所属していました。
高校のコーラス部で、選抜メンバーだけが全国大会に出場できることになったのですが、努力の甲斐もなく、選抜メンバーに漏れました。
大変落ち込み、一時はコーラスをやめようかと思いました。ですが、自分が何のためにこれまでコーラスをやってきたのかを冷静に考え、友人や先輩の励ましもあって続けていくことにしました。
あの時に諦めず、続けたことが何よりの人生の宝になったと今は感じています。

6.ゼミでのあなたの役割は?

この質問は、集団における自分の立ち位置を把握しているのか、また、集団における自分の役割を客観視できているかを見るために質問されることがあります。
この場合、集団活動に慣れておくことが大切です。
また、集団活動での一つ一つの役割を把握し、自分にはどの役割が適切かを認識しておきましょう。

回答例

大学のゼミではサブリーダーを担当しています。
ゼミ長であるリーダーをサポートする役割です。私は、リーダーシップを発揮して団体をまとめたり・引っ張っていくことは得意ではありません。
ですが、リーダーのサポート役として、隙間を埋め、結果、メンバー全員の幸福度や満足度を高めることに貢献できる力があると考えます。

7.サークル活動は何をしていたの?

この質問は、どんなことに興味があるのか、興味のあることに対する行動力などを見るために質問されることがあります。
この場合は、サークル活動の内容、自分のポジションをわかりやすく的確に伝えられるようまとめておきましょう。

回答例

高校までは剣道部に所属していましたが、大学ではサークルには所属していません。
理由は2つあります。まず、大学在学中に留学したかったので、その準備、大学での勉強、アルバイトなど運動部サークルを続けるのは時間的に無理があること、次に、剣道以外のことも経験したいと考えたからです。
剣道の練習は個人的に続けていますし、留学先での有効なコミュニケーションにもなりました。

8.ボランティアの経験はありますか?

この質問は、公務員になる前段階でも社会貢献にどれくらい興味をもっているか、社会活動に対する興味の程度を知るために質問されることがあります。
準備として、ボランティア経験の内容を簡潔かつ的確に伝えるための準備を行いましょう。もしボランティア経験がない場合、その理由をまとめましょう。

回答例

近所の小学校で勉強を教える活動をしていました。
子どもと人に教えることが好きなのと、自分が学校の勉強で苦労したのでサポートをしたいと考えたからです。
この活動が、公務員として教育行政に関わりたいと考えるようになったきっかけでもあります。

9.自己PRをしてください

この質問は、受験者のいいところを知りたい、受験者の自己分析と自己表現、論理性を見るために質問されることがあります。
準備として自己分析を行い、内容を1分、30秒など制限時間に応じて話ができるようにまとめましょう。

回答例

私の性格を一言でいいますと「世界一の寂しがりや」です。
勉強もスポーツも、遊びも、一人だとつまらなく感じてしまいます。
なので、寂しくならないために、仲間を作る努力を一生懸命考えてきました。結果、初対面の方でも物怖じせず話をするスキルが高まりました。

10.長所と短所をあげてください

この質問は、受験生の性格の特徴を知りたい、自分自身を客観視できているかどうかを見るために質問されることがあります。
自己分析と、短所も含めて自分の魅力を伝えられるような表現の研究を行いましょう。

回答例

計画性があることが私の長所です。
大学での課題やゼミ準備も締め切りから逆算して日々やるべきことを計画して滞りなく完了できるように心がけています。
他方で、計画にないことが起きると慌てがちなのが短所でもあります。
社会に出ると自分の計画通りではないことが多々起きるとおもうので、臨機応変に物事に対処できる力もつけて行こうと思っています。

11.苦手な人とどう付き合いますか?

この質問は、人間関係でつまづいた時、ちゃんと乗り切れるかどうか、コミュニケーション能力を見るために質問されることがあります。
自分の気持ちに正直に苦手な人を想定して、どう付き合うべきか具体的に考えておきましょう。実際に苦手な人と付き合うときに気をつけた事、意識したことなどエピソードがあればそれをまとめましょう。

回答例

自分の考えを一方的に押し付けてくる人が苦手です。
でも、よく考えると私に対して親切でアドバイスしてくれているのかもしれないし、その方の考え方の中で取り入れらる部分は受け入れ、賛同できない場合は正直に伝えるようにしたいと考えています。

12.ストレス発散の方法は?

この質問は、ストレスで心が病んでしまうことがないか、ストレス耐性があるかどうかを見るために質問されることがあります。
どんな仕事であっても、ストレスを感じることがあるのは当然なので、自分なりのストレス発散方法を説明できるようにしておきましょう。

回答例

サウナに行くことです。
最近流行りのサウナですが、自宅の近所だけでなく、時には遠出をしたり、一人で行くことも友人と行くこともあります。
いわゆる「ととのう」ことで、心身ともにスッキリします。

13.最近気になったニュースは?

この質問は、受験者の社会に対する興味の方向性や、社会のどんなことに興味と持ち、どんな感想を抱き、どう行動するのかを見るために質問されることがあります。
日頃から、ニュースを見聞きした際に、自分の感想を簡単でいいのでメモするように心がけましょう。

回答例

「全国高校生料理コンクール」で群馬県太田市の高校生の「太田特産大和芋の焼きクリームピロシキ〜世界平和を願って〜」が、全6941点の中から最優秀賞をとったことです。
私の地元である太田市から最高賞受賞者が出たことで興味を持ちましたが、特に①太田市特産品大和芋を活用していること、②ウクライナで犠牲になっている子どもたちを食で元気付けたい、の2点に感動しました。

14.最近読んだ本は?

この質問は、本を読むのか、読むとしたらどんな分野に興味があるのか、また読んだ本の内容で、受験者がどんなことに興味を持ち、思考をめぐらせているのかを見るために質問されることがあります。
普段から本を読むこと、読んだ本の内容を端的に伝えられるように準備しましょう。

回答例

「影裏」という芥川賞受賞小説です。
大友啓史監督の映画を見たので、原作を読んでみたいと思ったのがきっかけです。
物語の展開はもちろんですが、岩手のどこまでも透明な水と空気に、実際に触れているかのような錯覚に囚われる筆致に感動しました。

15.併願していますか?

この質問は、併願状況を知りたい、内定を出した際に、来てくれるのかどうかを見るために質問されることがあります。
併願状況を理由とともに伝えられるように準備しましょう。

回答例

出身地で県内の市役所を併願しています。
絶対に地元で働きたい、住民との距離感の近い職場で働きたい、の2点が併願理由です。

16.第一志望はどこですか?

この質問は、志望度合いの強さを知りたい、志望度合いはどの程度なのかを、理由とともに論理的に回答できるかを見るために質問されることがあります。
第一志望先を自分の中で整理しておく。第二志望、第三志望の面接ではどう答えるかの準備を行いましょう。

回答例

御庁(国税専門官)です。
税の査察・調査・徴収を通じて、日本の社会の生活基盤を支えることに何よりもやりがいを感じるからです。

17.前職で経験したことをどう活かせると思うか?

この質問は、受験者が有する即戦力としてのスキルを知る、前職で培ったスキルにはどんな内容・レベルなのかを見るために質問されることがあります。
前職での仕事内容、仕事を通じて得たスキルを客観視して整理しておきましょう。

回答例

前職では営業職を担当していました。
地元の信用金庫なので、お客様の生活や経済状況を把握して適切な提案をして差し上げることに努めました。
ここで培った傾聴力、提案力、クレーム処理能力は、御市役所における市民対応にも活かせると考えております。

18.◯◯を受験することをご両親はなんて言っているの?

この質問は、就職先に関して両親の理解が得られているかどうか、両親との関係性、就職に対する意思の強さを見るために質問されることがあります。
受験先・就職先について両親に話をして理解を得ておきましょう。

回答例

私が果たして務まるのかどうか心配はしていますが、就職先としては諸手を挙げての大賛成で、応援してくれています。

19.志望動機を教えてください

この質問は、志望度合いの強さを知りたい、具体的に志望理由や、就職後の将来像を具体的にイメージしているかどうかを見るために質問されることがあります。
自己分析と業界研究を行い、自分とどうマッチングするかをしっかりと考えましょう。

回答例

教育学部で教育に関して学びました。
民間の教育機関で働くこと、教員として教育の現場で児童に接すること、国全体の教育行政に関わること、様々な選択肢があります。
私は、生まれ育った地元の市で、初等教育の条件整備や教員の労働環境整備に関わりたいと考え、御市を志望しました。

20.なんで地方公務員なの?

この質問は、受験者の本気度を知りたい、公務員にもさまざまなフィールドがあり、働き方、仕事があることをきちんと理解しているか。適性があるのかを見るために質問されることがあります。
「とにかく公務員」ではなく、職種ごとの具体的な仕事内容について理解しましょう。

回答例

何かの専門分野に特化するよりも、広く○○県の地方行政に関わり、○○県から日本を元気にしていきたいと考えたからです。

21.なぜうちの自治体を受けたの?

この質問は、志望度の強さを知りたい、内定を出した際に、辞退することなく働いてくれるのかどうかを見るために質問されることがあります。
まずは、なぜその自治体で働きたいと思うのかの自己分析と自治体研究をしっかり行いましょう。

回答例

とにかく鹿児島県が好きだからです。
桜島をはじめとした鹿児島の自然、明治維新の偉人たちを輩出した土壌、そんな鹿児島県で住民と力を合わせて、産業、教育、生活などさまざまな面で鹿児島を盛り上げたいです。
生涯かけて、鹿児島を「世界一行きたい・住みたい場所」にしたいと考えています。

22.◯◯県の施策の中で気になっているものは?

この質問は、どれだけ自治体(県)に興味をもっているのかを知りたい、どれだけ真剣に、自治体(県)のことを考えているのかを見るために質問されることがあります。
自分の生きたい自治体(県)のことを徹底的に調べ、知ることから始めましょう。

回答例

〇〇県独自のご当地イクメン&イクボスの取り組みです。
特に、2014年度より実施されている「育休カフェ」に興味があります。
ともすれば孤独に陥りがちな子育てにおいて、育休世代・子育て世代が、気軽に意見交換・情報交換できる制度は当事者にとって非常にありがたい制度だと考えます。
生涯かけて、鹿児島を「世界一行きたい・住みたい場所」にしたいと考えています。

23.今回落ちたらどうしますか?

この質問は、今後の人生設計をどう考えているのか聞きたい、やや意地悪な質問だが、それに対しても自分の意見をしっかり伝えることができるかどうかを見るために質問されることがあります。
合格した場合だけでなく、不合格だった場合の対処方法も考えて準備をしましょう。

回答例

第一志望なので、「また来年も受験します。」と答えたいところではあります。
ですが、大学卒業後は就職することが必須ですし、正社員として一歩を踏み出すことが自分にとっては優先事項です。
なので、ご縁があったところに就職します。社会人としての経験を積んで、将来的にまた再チャレンジするかもしれません。

24.採用されたらやってみたい仕事は?

この質問は、志望動機を具体的に考えているのかを知りたい、採用された後の仕事を、就職するということを具体的にイメージしているのかを見るために質問されることがあります。
どんな仕事ができるのか、自分がやりたい分野の仕事ができるのか、調べましょう。

回答例

児童福祉の業務に従事したいと考えています。
子ども達の笑い声が溢れる街は、その街の豊かさ、幸福度を示す指標であると考えるからです。
また、子どもを育てるのは、親だけでなく社会でもあると考えるので、広く住民福祉にも携わることができればとも考えています。

25.希望する部署は?

この質問は、志望動機を具体的に考えているのかを知りたい、採用された後の仕事を、就職するということを具体的にイメージしているのかを見るために質問されることがあります。
自己分析(自分がやりたい仕事内容)、業界研究(受験先でできる仕事内容)をしっかり研究しましょう。

回答例

観光課です。
九州の中で、一番名前が浮かばない佐賀県の魅力をもっともっと国内外にアピールし、佐賀県の有する観光資源を最大限に活用して、もっともっと元気な県にしたいです。

26.何か質問(聞きたいこと)はありますか?

この質問は、受験生の疑問に答えておきたい。不安を解消してあげたい、受験先に興味があるのかどうか、働く気があるのかどうかを見るために質問されることがあります。
事前に、いくつか質問を用意しておきましょう。

回答例

・採用されるまでに勉強しておいたほうがいいことがあれば教えてください。
・職員として一番やりがいを感じたのはどんな時ですか?

これらの質問から、面接官が知ろうとするのは、

  • 受験生はどういう人間なのか
  • 合格すれば辞退することなく働く意欲があるか
  • 採用されればどういった仕事ができそうか

この3点と言えます。

まず、どういう人間かを伝えるためには、行動を具体的に示すことが必要です。

たとえば、初めて会った人に「私は優しい人です」と言われても、「本当に?」と突っ込みたくなります。
優しさを感じさせるような、具体的な行動(過去のエピソード)を示さないと説得力がありません。

なので、学生時代や前職での経験やエピソード、つまり過去についての質問に答えることは、あなたがどんな人間、どんな性格なのかを面接官に伝える手段だと考えてください。

ですから、過去に関する質問には、自分はどういう人間・どういう性格かを意識して回答を準備してください。

次に、面接官が心配するのは、せっかく内定を出しても併願先に行かれてしまうことです。

なので、「私はここで働きたい」という意欲を、これまた具体的に示す必要があるのです。

たとえば、知人が、自分の好物や、誕生日などを覚えてくれていると、「この人は自分に興味があるな」と思いますよね。
同じように、各自治体・省庁にも個性がありますから、受験先の特徴的な政策・施策や、数字などを調べておくのは当然のことですし、採用されたらどういう仕事をしたいのか、自分との相性がいいことも具体的に話せるようにしておくといいでしょう。

さらに、これまで学んだこと、経験したことを具体的に語ることで、自分にはどんな能力があって、それを採用された暁にはどのように活かすことができるのかを考えておきましょう。

転職者であれば前職の経験をどう活かせるか、学生であればゼミやサークル活動、ボランティア、アルバイトでの経験をどう活かせるか、将来の可能性を面接官に感じさせることが重要です。

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採用する側の求める人物像とは

人事担当者の方に「どんな人物を採用したいか」とお聞きすると、異口同音に答えられるのが

  1. ストレス耐性のある人
  2. 人とお話ができる人

この2点です。

国民・住民の生活の様々な場面にかかわる公務員の職務は、その業務内容や時期によって激務になることも多々あります。
したがって、ストレスに強く、心も体も丈夫な人であってほしいわけです。

また、チームで進める業務が多く、住民・国民対応、議員対応等、人と接することが非常に多い公務員は、内外を問わず「人と話すこと」なしに業務を進めることはできません。
なので、人と話ができることが重視されるわけです。

ですから、面接全体を通じて、この2点をアピールすることは重要です。

趣味やストレス発散方法はどんなことでもいいので、答えられるようにしておけばいいです。

また、決して饒舌である必要はありませんが、沈黙してしまうことだけは避けるようにしておきましょう。
回答に困った時は、とりあえず質問をおうむ返ししましょう。
答えを考える時間稼ぎと落ち着きを取り戻すことができるはずです。

「集団面接」対策

「集団面接」は、受験者が複数人に対して、面接官が複数人で質問するスタイルです。

「集団面接」を実施する理由としては2つ考えられます。

まず、受験生が多い場合に「個人面接」をすると時間がかかるので、「集団面接」で時短を狙っていることが考えられます。
すると、「集団面接」が実施される場合は、面接を受ける人数(つまりライバル)が多いと考えていいかもしれません。

つぎに、面接官としては比較検討がしやすいというメリットがあります。

「個人面接」が続くと、何人か前の受験生との比較検討がしにくくなってきますが、一度に数人面接すると比較検討しやすくなるわけです。

質問内容は、「個人面接」に比べて突っ込んだ内容にはならないのが通例で、回答に窮するような質問はほぼないといっていいです。

ただ、他の受験生と比べて、溌剌とした印象を与えるよう、とにかく元気よく答えることを心がけましょう。

それと、これは見落とされがちなポイントですが、集団面接では横に受験生が並ぶので、個人面接に比べて、受験生と面接官の距離が開きます。
なので、個人面接以上にハキハキとボリュームアップして話す必要があります。

また、面接官との距離が開くということは、受験生の頭の先から足の先までバッチリ視野に入ります。
足の揃え方や向き(貧乏ゆすりは論外です)にも注意を払うようにしましょう。
とはいえ、必要以上に構える必要はなく、だらしなく見えないように気をつければいいだけです。

「集団討論」対策

「集団討論」とは、5〜10人ほどのグループに分けられて、与えられた課題について討論させるスタイルです。
協調性や、コミニュケーション能力、タイムマネジメントの能力など試されます。

会場のテーブルには、メモ用紙が用意されており、メモ用紙は提出するよう命じられることがほとんどです。
また、メンバーどうしは、本名で呼び合うのではなく、A〜Cなど与えられた記号で呼び合うことが多いです。

制限時間は40〜90分です。
試験官が最初にシンキングタイムを設けてくれてから討論に入るパターンもあれば、いきなり始めてくださいと言われるパターンもあります。

テーマは、事前に提示されて準備しておき、当日自分の意見をプレゼンしてから討論に入るパターン、当日発表され、その場で集められたメンバーで討論に入るパターンの2通りあります。

テーマに対する課題も、①テーマに対する解決策をまとめる、②テーマに対して賛成か反対かをグループでまとめる、③テーマに対するグープの意見をまとめる、の3パターンが考えられます。

よく問われるテーマ

圧倒的に時事問題が多いです。

  • 環境問題
  • 教育問題
  • 少子高齢化
  • 地域振興・観光
  • 防災対策
  • ワークライフバランス
  • 外国人労働者 など

教養択一や、教養記述で出題される時事問題とテーマは共通します。

特に、自治体では、その自治体特有のテーマが出題される傾向にあります。

合格するコツ

集団討論で合格するコツは1つです。

「とにかく課題に向かって協力する姿勢」です。

  1. テーマに対する自分の意見をメンバーに伝える
    臆することなく自分の意見を伝えるようにしましょう。
     
  2. テーマに対する他のメンバーの意見を傾聴する
    他の人の発言内容を一生懸命メモしようとするあまり、討論の最中はずっと下を向いたままにならないようにしましょう。発言している人の方を見るのが鉄則です。
     
  3. メンバー全員が同じくらい発言する
    発言が少ない人がいれば、必ず発言を促す機会を作るようにしましょう。このように意識するだけで違ってきます。
     
  4. タイムマネジメントに気をつける
    討論の初めに大体のスケジュールをみんなで決めて、全員が時間を意識すれば大丈夫です。予定時間が迫ってきたことに気づけば注意を促せばいいのです。

また、「集団討論では役割分担をしましょう」と書かれてある記事をよく目にします。
司会、書記、タイムキーパーが主な役割分担といわれますが、あまりお勧めしません。

まず、書記なんて不要です。
各自がメモを取ればいいのですし、実際の会議のように議事録を残す必要がないからです。
書記になった人は、メモを取ることに集中して発言の機会を失う恐れ大です。

タイムキーパーも、前述のように、全員でタイムマネジメントに気をつければいいだけです。

司会は決めてもいいかも知れませんが、司会を決めると司会に頼りきりになる傾向が往々にしてあります。
しかも、司会が有能でなかった場合、全員で自爆しかねません。

理想の集団討論は、全員が課題に向かって協力する姿勢を持ち、必要に応じて、話の流れ、時間経過、発言の少ない人の存在に気づいた人が、必要な対応をしていくことです。

もちろん、中には「司会やります!」と立候補する人もいるかもしれません。
その時には、否定することなく任せてあげましょう。

でも、頼りきりにならないことです。
「私は司会じゃないから」という考えは厳禁です。

究極の面接対策

「習うより慣れろ」これが面接対策には一番重要なことです。

場数を踏めば踏むほど、面接力は向上します。

筆記試験は模擬試験を受けていなくとも実力はつきますが、面接はそうはいきません。
そこで、めちゃくちゃ効果的な面接練習法をお伝えしましょう。

題して「面接ごっこ」です。

最低3人集まってください。Zoomでもいいです。

1人が面接官
1人が受験生
1人が見学者

となります。

4人以上であれば、面接官役を2人に増やせばいいですし、残りは全員見学者になればいいです。

見学者がタイムキーパーも兼ねて、スマホで撮影もしてあげましょう。
Zoomならビデオ撮影機能をオンにしましょう。

模擬面接が終われば、見学者・面接官は感想を述べてあげてください。

ここでのポイントは、必ず最低1箇所は褒めることです。

もちろん、気をつけるべき点、改善すべき点は伝えてあげましょう。でも、必ず褒めてあげてください。
出来るだけ具体的に。

やってみるとわかりますが、褒めるのは結構難しいものです。

「具体的に褒める」、これが人の話を聞き、理解し、表現する力をつけることになります。
もちろん、受験生役の自信にもつながります。

そして、この「面接ごっこ」の最大のメリットは、面接官の気持ちになれることです。

面接官を経験すると、面接官が何を聞きたいのか、どんな答えを待っているのか、格段に見えてくるようになります。

あとは、1回終了するごとに役割を交代してぐるぐる回せばいいのです。

騙しはしませんが、騙されたと思って、ぜひやってみてください。

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 →テーマごとに、掘り下げて考えるべきポイント、自分の考えをまとめる方法について講義をし、さらに、面接時に話をする流れの組み立て方まで説明していきます。

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この記事の著者

小林 美也子講師 (講師紹介はこちら


大手資格予備校・地方自治体・企業・教育機関等様々な場所で,長年にわたり公務員試験,宅建試験の受験指導,職員研修を行う。

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