「高卒で公務員になりたいけど、やっぱり難しいのかな?」「自分でも合格てきそうな職種って何だろう?」

給与や社会的地位の安定した公務員ですが、高卒で目指すとなると「難しいかも……」と不安を感じる人は多いです。今回のコラムでは、高卒で目指せる公務員の職種や倍率、過去問から難易度の解説をします。

本コラムを通じて難易度を理解し、合格に向けて勉強を始めましょう。

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【2024年最新】高卒国家公務員の難易度ランキング

国家公務員の種類別・国家公務員一般職の観点から、難易度をランキング形式で紹介します。

あくまでも合格者数、倍率からランキングを作成しています。試験の内容による難易度ランキングではありませんので、ご注意ください。

【種類別】国家公務員の難易度ランキング

国家公務員の種類別における難易度を確認しましょう。順位が高いほど合格者が少なく、試験の難易度は高いといえます。

順位国家公務員の職種受験者数合格者数倍率
1位皇宮護衛官採用試験(高卒程度試験)405名13名31.15倍
2位入国警備官採用試験1,822名174名10.47倍
3位気象大学校学生採用試験254名29名8.76倍
4位国家公務員採用一般職試験(社会人試験(係員級))299名44名6.80倍
5位海上保安学校学生採用試験(特別)6,067名1,026名5.91倍
6位海上保安大学校学生採用試験469名85名5.52倍
7位海上保安学校学生採用試験3,573名647名5.52倍
8位国家公務員採用一般職試験(高卒者試験)11,191名3,333名3.36倍
9位刑務官採用試験4,115名1,045名3.94倍
10位税務職員採用試験6,523名1,656名3.94倍
11位航空保安大学校学生採用試験390名120名3.25倍

参照:2022年度国家公務員採用試験実施状況

データから、国家公務員の採用試験における競争率の高さがよくわかります。特に皇宮護衛官採用試験は倍率が31.15倍と最も高く、非常に狭き門であることが明らかとなりました。

一方で、航空保安大学校学生採用試験は倍率が3.25倍と他の試験に比べて低めです。入国警備官採用試験や気象大学校学生採用試験も10倍前後と比較的高い倍率を示しており、これらの職種が多くの志願者にとって魅力的であることが伺えます。

全体的に見ると国家公務員として働くことへの関心が高く、多くの人々が限られた職種に挑戦している状況が浮き彫りになります

倍率が最も低い航空保安大学校学生採用試験であっても、3人に1人以上は不合格となる状況です。試験対策をきちんと行わなければ、合格は難しいといえるでしょう。

関連記事:高卒で公務員になれる?種類・倍率・年収・メリット・デメリットを解説

【高卒区分】国家公務員一般職の難易度ランキング

高卒区分における国家公務員一般職の難易度を、倍率を基にランキングにしました。順位が高ければ高いほど、合格が難しい地域だといえます。

順位地域受験者数合格者数倍率
1位沖縄387名71名5.45倍
2位九州1,074名205名5.24倍
3位東北766名190名4.03倍
4位中国411名105名3.91倍
5位四国229名61名3.75倍
6位近畿594名172名3.45倍
7位東海北陸528名154名3.43倍
8位北海道560名172名3.26倍
9位関東甲信越3,701名1,408名2.63倍

参照:国家公務員採用一般職試験(高卒者試験)区分別実施状況 2023年度

日本の各地域における国家公務員試験の競争率に、明らかな地域差があることがわかります。特に沖縄と九州では倍率が5倍を超え、他の地域と比較して非常に高い競争率を示しています。特に九州では合格枠が限られているうえに、志望者が1,000人を超えているため、合格が困難だといえるでしょう

それに対して、関東甲信越地域は最も低い倍率を示しており、受験者数に対して合格者数が多いことが伺えます。関東地域における多様な職種の存在や、より多くの採用枠が設けられているためだと思われます。

全体的に、地域によって国家公務員試験の競争率に大きな差があることが明らかとなりました。地域を問わず、国家公務員一般職として働きたいのであれば、倍率の最も低い関東甲信越での受験をおすすめします。

【都道府県別】高卒地方公務員の難易度ランキング

都道府県庁の高卒公務員採用試験結果に掲載されている情報をランキング形式で紹介します。紹介する情報は受験者数と合格者数、そして倍率です。倍率の高い都道府県から順番に紹介しますので、受験先を決定する参考にしてください。

1位~10位

順位都道府県名受験者数合格者数倍率
1位沖縄県157名7名22.4倍
2位長崎県104名5名20.8倍
3位栃木県72名6名12.0倍
4位埼玉県232名19名12.2倍
5位和歌山県23名2名11.5倍
6位群馬県103名9名11.4倍
7位宮城県220名21名10.5倍
8位長野県55名6名9.2倍
9位神奈川県138名19名7.3倍
10位東京都682名93名7.3倍

11位~20位

順位都道府県名受験者数合格者数倍率
11位佐賀県117名15名7.8倍
12位静岡県31名4名7.8倍
13位岡山県47名6名7.8倍
14位徳島県47名6名7.8倍
15位熊本県74名10名7.4倍
16位兵庫県79名15名5.3倍
17位山口県74名14名5.3倍
18位三重県74名14名5.3倍
19位福島県46名8名5.8倍
20位広島県83名14名5.8倍

21位~30位

順位都道府県名受験者数合格者数倍率
21位秋田県91名16名5.7倍
22位奈良県17名3名5.7倍
23位福岡県345名63名5.5倍
24位青森県51名10名5.1倍
25位宮崎県185名39名4.7倍
26位愛知県141名30名4.7倍
27位新潟県78名17名4.6倍
28位石川県45名10名4.5倍
29位岩手県276名62名4.5倍
30位千葉県674名166名4.1倍

31位~40位

順位都道府県名受験者数合格者数倍率
31位山形県66名16名4.1倍
32位鹿児島県160名45名3.6倍
33位茨城県237名67名3.5倍
34位大分県112名18名6.2倍
35位滋賀県19名3名6.3倍
36位岐阜県42名13名3.3倍
37位大阪府241名72名3.3倍
38位愛媛県73名32名2.3倍
39位福井県8名4名2.3倍
40位京都府22名10名2.2倍

41位~47位

順位都道府県名受験者数合格者数倍率
41位富山県17名6名2.8倍
42位鳥取県44名16名2.8倍
43位高知県71名26名2.7倍
44位山梨県19名3名2.7倍
45位香川県22名3名7.3倍
46位北海道412名248名1.7倍
47位島根県37名22名1.68倍

上記のデータからは、各都道府県の試験倍率には顕著な差があることが読み取れます。沖縄と長崎が最も競争が激しい地域で、それぞれ22.4倍と20.8倍の高い倍率です。栃木や埼玉、和歌山なども10倍を超える厳しい競争率を記録しています。

特に宮城や長野のような地域では、受験者数に対して合格者数が少なく、競争が非常に激しい状況が見て取れます。

一方で、東京や神奈川のような大都市圏では受験者数が多いにもかかわらず、比較的低い倍率が見られます。これらの地域が多くの受験者を惹きつけるとはいえ、採用する人数も多いためでしょう。

全体的に、地域によって試験の競争率に大きな差があることが明らかです。採用人数が多く、倍率の低い北海道が最も合格しやすい地域の1つだといえるでしょう。

高卒公務員はどれくらい難しい?【過去問解説あり】

高卒公務員試験の一次試験では、主に教養試験と作文が課されます。教養試験は一般知能と一般知識を測る内容で、数的処理や文章理解、人文科学、自然科学、社会科学などが含まれます。

出題は、高校で学んだ英数国理社の知識を基にした多肢選択型の問題が中心です。また、一部の自治体ではES(エントリーシート)と面接のみで合否を決定する場合もあります。

二次試験では主に人物試験(面接試験)が行われ、受験生の協調性や積極性、表現力などを評価します。面接試験は個別面接、集団面接、集団討論の形式で実施され、受験生の人物面での適性を判断します。

面接では志望理由や自己PRが問われることが多いため、事前に解答を準備しましょう。公務員としての適性を確かめるために、適性検査を参考にする自治体も存在します。

【過去問を解いてみる】高卒区分の公務員試験(数的処理)の過去問

あるクラスの学生40人が受験した英語、数学、国語の3科目のテストの結果について、合格点を取ることができたかどうかを調べたところ、次のア~オのことが分かった。

 ア 数学が合格点だった学生は23人であった。
 イ 数学が合格点だった学生は31人であった。
 ウ 国語が合格点だった学生は33人であった。
 エ 3科目中2科目以上が合格点だった学生は31人であった。
 オ 1科目も合格点を取ることができなかった学生は4人であった。

このとき、3科目とも合格点を取ることができた学生の人数として、正しいのはどれか。

1.18人 2.19人 3.20人 4.21人 5.22人

【以下、解説】

まず、ベン図を描きます。このベン図をもとにして、問題文で与えられている条件を式にしていきます。「学生40人」が受験しているので、それで式を立てます。

a+b+c+d+e+f+g+h=40

「英語が合格点だった学生は23人」なので、それで式を立てます。

a+b+c+d=23

「数学が合格点だった学生は31人」なので、それで式を立てます。

b+c+e+f=31

「国語が合格点だった学生は33人」なので、それで式を立てます。

c+d+f+g=33

「3科目中2科目以上が合格点だった学生は31人」「1科目も合格点を取れることができなかった学生は4人」なので、それで式を立てます。

+c+d+f=31 h=4

立てた式を連立させ、計算します。

②+③+④ー①を計算します。

b+2c+d+f-h=47…⑦

⑦に⑤⑥を代入します。

31+c-4=47
c=20

以上より、3科目とも合格点を取ることができた学生は20人だとわかります。

正解:3

高卒公務員の試験対策にはアガルートがオススメ!

国家公務員試験の競争率は地域によって大きく異なり、特に沖縄や九州では高い倍率が見られます。一方、関東甲信越地域は比較的低い倍率を示し、多様な職種や多くの採用枠が存在することが考えられます。

都道府県別では沖縄と長崎が最も競争率が高く、栃木や埼玉、和歌山も10倍を超える厳しい状況が見られます。大都市圏では受験者数が多いものの、相対的に低い倍率が特徴です。

高卒公務員試験の一次試験では教養試験と作文が主な内容で、高校レベルの英数国理社の知識を問う多肢選択型の問題が中心です。二次試験では個別面接、集団面接、集団討論を通じて受験生の協調性や積極性などの人物面での適性が評価されます。

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関連記事:【高卒向け】公務員試験いつから勉強始める?何ヶ月必要?合格する勉強法4選

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