【公務員試験】「行政法」とは?勉強法は?実務で役立つ科目!
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行政法って、馴染みの用語がオンパレードでイメージをつかみにくくて勉強しにくい。
でも出題数も多いみたいだし、得点源にしたい。
そんな悩みをお持ちだからこそ、これを読んでみようと思ってくださったのでしょう。
本稿では、行政法を短期間でマスターするコツを徹底解説いたします。
ぜひ参考にして、行政法を得意科目にしてください!
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「行政法」とはどんな科目?
専門試験の法律系の3本柱は、憲法、民法、行政法です。
専門試験が出題される公務員試験では必須解答か選択解答の違いこそあれ、ほぼ確実に行政法は出題されます。
それほど行政法は公務員とういう職務に必要な知識なのです。
なぜなら、行政法は行政権と国民の関係を規律した法律の束だからです。
そうです、この世に「行政法」という法律はありません。
民法なら民法典、憲法なら憲法典という法令がありますが、行政法は、行政に関する法律の束なのです。
現在に日本で施行されている法令の約1/3が行政法の仲間です。
このように、多くの行政に関する法令の体系的整理が、行政法な中身の多くを占めるので、いろんな概念・用語が飛び交い、行政法をとっつきの悪いものにしています。
ですが、ちょっと(ちょっとです!)先の話になりますが、合格した後も行政法に関する知識は必須ですし、受験勉強した科目の中では、一番実務で役に立つ科目です。
行政法の分類
行政法は大きく分けて3つの分野に分けられます。
【組織法】
国家行政組織法、内閣法、地方自治法など、行政の組織に関する分野
【作用法】
行政手続法、行政代執行法、個人情報保護法など、行政の活動に関する分野
【救済法】
行政不服審査法、行政事件訴訟法、国家賠償法など、行政の活動によって被害を被った国民を救済する方法に関する分野
行政法の出題数
東京都以外は5肢択一式
職種 | 行政法/総出題数 |
国家一般職 | 2科目(10題)/16科目(80題)→8科目(40題)選択解答 |
特別区Ⅰ | 2科目(10題)/11科目(55題)→40題選択解答 |
東京都ⅠB (記述式) |
1科目/10科目→3科目選択 |
国税専門官 | 3題/70題→40題選択解答 (行政法は憲法と合わせて6題選択解答) |
地方上級 全国型 |
5題/40題→全問必須解答 |
行政法の出題数は、概ね憲法や民法と同じくらいで、地方上級全国型は憲法や民法より多めです。
頻出分野
職種を問わず、ダントツの頻出分野は【救済法】分野です。
救済法分野だけで出題数の50%を占めることも珍しくありません。
特に、行政事件訴訟、国家賠償法からは必ず出題があると考えて良いでしょう。
職種による顕著な偏りがあるのが組織法分野です。
地方自治法は国家公務員での出題は皆無ですが、地方公務員では頻出です。
自治体によっては、行政法とは別に「地方自治」というカテゴリーで出題されることもあります。
他方、国家行政組織法や内閣法など国の行政組織に関する問題は、地方公務員ではほぼ出題がありません。
もっとも、国家公務員でも組織法分野は出題頻度が低い分野ではあります。
難易度は低め安定!
全般的に難易度は低めで、勉強しやすい科目です。
前述のとおり、行政法は行政に関する法律の束で、数多くある行政法規を学者が整理したものです。
例えば、各法令は様々な時代に、様々な人が立法作業に携わったので、用語の意味も統一されていません。
なので、学者が用語の整理をしたので、試験でも単純な用語の意味が出題されたりします。
民法で「代理の意味として正しいものは次のうちどれか?」なんて単純用語説明の問題なんて考えられませんが、行政法は違います。
したがって、行政法は最初は馴染みの薄い世界の話(合格後は馴染みまくりですが)なので、とっつきが悪いのですが、一度取り組めば勉強しやすい科目です。
頻出分野も出題パターンも決まっているので、ほとんどの受験生が最終的には得点源にします。
判例の出題に関しても、憲法だと問題が長文であったり、視点を変えて出題されたりして、深い理解がないと正解が難しいことがあります。
ですが、行政法だと、判例のキーワードさえ知っていれば理解がなくても正誤の判断ができる場合がほとんどです。
行政法の対策をしよう!
過去問に始まり過去問に終わる
他の科目の勉強方法についてのコラムでも、勉強の手順としては、以下の優先順位を推奨しています。
①まず過去問を解く(読む)→②テキストで復習→③講義を受ける。
行政法に関しては特に、特に、オススメします。
出題パターンが決まっているのと、同じ知識が繰り返し出題されるからです。
先ず過去問を「読む」ことから始めてください。
頻出分野の救済法分野から始めてもいいでしょう。
わからなくても止まってはいけません。
内容が頭に入らなくても気にしないことです。
とにかくスピード感を重視して、「過去問を読む」ことです。
その上で、ざっとテキストに目を通すと頭の中で体系的整理ができます。
そして、この段階で理解できた箇所があれば、その箇所の講義はスキップしてください。
全範囲の過去問を先に読むのは時間もかかりますし、先に読んだ内容をすっかり忘れてしまう危険があるので、分野ごとに以上の作業を行なうと良いでしょう。
そして、講義を受けたら、過去問を「解く」ことで、復習をして下さい。
テキストをきっちり読み返したり、いわんやノートにまとめるのは時間の無駄です。
ノートではなく、メモや印をつける
このようにして、過去問で復習した結果、間違った箇所には、後で見直した時に瞬時に(ここ重要です)わかるように印を付けたり、キーワードをメモ(ノートではなく、メモです)すると良いでしょう。
試験勉強は、結局は暗記です。
暗記は繰り返すことで定着します。
繰り返すためには、繰り返すべきことを絞り込む必要があります。
そのためには、情報量の多いノートではなく、一覧性のあるもの、短い言葉で記憶喚起できるものを残していくべきです。
判例のキーワードを量でこなす
判例は、質より量でガンガンにキーワードを覚えましょう。
判例問題で引っ掛けてくるところは決まっているからです。
とにかく過去問をゴリゴリに解いて、キーワードを暗記することです。
条文の素読みが効果的な分野がある
民法だと条文の量も多く、意味がわかりにくいし、条文知識がダイレクトに出題されるのは皆無なので、公務員試験対策では条文を読む必要はありません。
ですが、行政法に出てくる法令は最近制定されたものが多く、条文も読みやすい傾向にあります。
特に、国家行政組織法、国家賠償法、行政手続法は条文の素読みが一番手っ取り早く基礎知識が身につきます。
これらの法令は条文に書かれてあることがベタに出題される傾向にあるからです。
いつから行政法の勉強を始めるべき?
憲法と民法の後に勉強すべき
行政法は憲法の行政権の部分をピックアップしたような内容で、憲法の理解・知識を前提としています。
救済法分野の損失補償は、憲法での勉強と全くといていいほど同じです。
また、行政法の体系整理では、民法の概念を借用した用語の整理が多く、さらに民法の特別法に該当する分野もあります。
以上から、法律3科目の勉強順序は、憲法または民法→行政法です。
また、行政法は理解よりもゴリゴリの暗記がモノをいう科目です。
他方、暗記モノの勉強時期の王道は、できるだけ本試験直前に取り組み、忘れないうちに本試験を受けることです。
したがって、行政法の勉強開始が遅くなっても焦る必要はありません。
年明けになっても大丈夫です。
いわゆる専門書は不要
公務員試験における行政法の出題は、ある種特殊で(難しいという意味ではありません)、学者による専門書は、どれも「帯に短し襷に長し」です。
どんなに分厚い専門書でも、一冊で公務員試験の行政法をカバーするものは皆無といえます。
やはり、行政実務に携わる人選ぶための試験ですから、出題範囲が行政実務よりだからかもしれません。
なので、公務員受験用のテキストを利用するのが、最も効率的です。
時間がなければ救済法分野の過去問だけでも
どうしても、勉強時間が足りなさそうな場合は、頻出分野の救済法の過去問だけでもガンガン読んで、解いて、キーワードを詰め込むことです。
これだけでも行政法で5割得点することは可能です。
※関連コラム:【公務員試験】専門科目の勉強法とおすすめ優先順位~択一&記述~
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- 専門用語に抵抗がある方
- 暗記だけではなく「理解」することで問題を解けるようになりたい方
- 必要な知識に絞られた講義をお求めの方
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