公務員試験において教養択一の「一般知能」は出題数が半端ないのはわかっている。
でも、現代文はともかく、英語は苦手だし、数的処理はできるようになる気がしない……


そんな悩み(愚痴?)を訴える受験生は少なくありません。

本稿では、一般知能の対策について徹底解説いたします。

ぜひ参考にして、教養科目対策に弾みをつけましょう!!

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そもそも一般知能はどんな問題?

「一般教養」の中の「一般知能」

ほとんどの公務員試験の筆記試験では、教養択一試験が出題されます。

教養択一は、高校までに勉強した内容が出題され、大きく分けて「一般知能」と「一般知識」の2分野があります。

「一般知識」では公務員に必要な知識と教養を、「一般知能」では公務員に必要な事務処理能力が問われます。

「一般知能」は、数的処理・現代文・英文の3科目で構成されています。

一般知能のウェイトは高い

一般知能は、数的処理・現代文・英文の3科目だけなのにもかかわらず、教養択一試験全体の5〜7割を占めます。

これに対して、一般知識は全体の3〜5割なのに科目数は10科目以上にも及びます。

他方、教養択一の合格ラインは、一般的に5〜6割です。

したがって、一般知能でできるだけ点を稼ぎたいところですし、一般知能で得点できそうになければ、一般知識で勉強する科目が増えることになります。

(一般知能の詳しい出題科目や科目数についてはこちら!)

勉強の開始時期、順番は?

一般知能の勉強をいつから始めるべきか

一般知能は真っ先に勉強を始めるべきです。

出題科目の多い公務員試験では、どの科目から勉強するか、どれくらい勉強時間を割くかが、重要ポイントになります。

「点を取りやすい科目・分野だけに勉強時間を割く」

これが公務員試験の鉄則です。

一般知能は出題数が圧倒的に多いので、教養科目における勉強の優先順位は高くなります。

前述のように、一般知能でどれくらい得点できるかが、一般知識で勉強すべき科目数を左右します。

一般知能で満点近く得点できるようなら、教養択一の合格ラインの5〜6割に達することになるからです。

そうなれば、一般知能以外の科目はほとんど勉強する必要がなくなります。

以上から、教養択一における勉強の優先順位はこのようになります。

①数的処理
②文章理解
③時事
④人文科学
⑤社会科学
⑥自然科学

一般知能(①数的処理と②文書理解)は、出題数が圧倒的に多いこと、マスターするのに時間がかかることから、真っ先に勉強すべきです。

③時事は、比較的出題数が多く、教養記述や面接対策にもつながります。

したがって、一般知能の得意不得意に関わらず勉強すべき科目ですし、科目の性格上(試験間近になるほど、時事ネタは増える)、直前期にまとめて学習すべき範囲もあります。

④人文科学等を何科目勉強するかどうかを決めるのは、数的処理、文章理解、時事をひととおり勉強した後になります。

仮に、一般知能で合格ラインの5〜6割を稼げるようなら、④人文科学等はほぼ勉強する必要がないからです。

これら教養科目に加えて、専門科目も勉強しなければならない場合の優先順位は以下のようになります。

①憲法、民法、行政法、経済原論/数的処理、文章理解
②時事対策
③①以外の専門科目
④人文科学
⑤社会科学で専門科目と重ならない分野
⑥自然科学(捨て科目としないのならば)
⑦社会科学で専門分野と重なる分野

科目数の多い公務員試験では、1科目1科目を仕上げていくのでなく、複数科目を並行して勉強すべきです。

でないと、先に勉強した科目の内容を忘れてしまうからです。

優先順位の高い専門科目と、一般知能は並行して勉強するように計画を立ててください。

一般知能の勉強順序

一般知能の中でも数的処理を優先すべきです。

数的処理は出題数も出題パターンも多く、習うことも慣れることも必要とする科目だからです。

数的処理はどの科目と並行して勉強する場合でも、少しずつでもいいので、毎日勉強するようにしましょう。

文章理解は、できれば毎日、そうでなくても数日に数日毎に継続して勉強しましょう。

もっとも、高校時代まで現代文が得意だった方、英文科出身など英語が得意な方であれば、その分の勉強時間を他の科目に割り当てること可能です。

いずれにせよ、勉強開始の早い時期に、過去問に目を通して、一般知能のどの分野に時間をかけるべきか判断して計画を立てることです。

勉強するにあたって大切なポイント

一般知能の勉強ポイント

  1. 基礎知識
  2. 諦めない
  3. 毎日やる
  4. 時間配分
  5. 繰り返す
  6. 過去問命

「解説を読んだり、講義を聞いて、理解したはずなのに、1人で解こうとするとうまく解けない」

「時間をかけると解けるけど、4〜5分で解くのは無理」

こんな声をよく耳にします。

一般知能の問題を解くことは、本格的な料理を作るのと似ています。

例えば、「ビーフシチューを作ってください」と言われたとしましょう。

必要な食材・調味料、人数に合わせた食材・調味料の量、必要な調理器具とその使いかた、作業手順etc.

何も見ずにこれらを考え、手際よくビーフシチューを作れる人は、相当料理に慣れている人ですよね。

レシピを見たり、料理教室に通ったり、料理系のYouTubeを見たりした時は、「なるほど、こうやって作るのか」と理解できます。

料理教室で先生の言う通りに作れば、美味しいものが作れます。

でも、すぐに1人でレシピも見ずに、同じように作れるかというと、違いますよね。

最初は手際が悪く、時間もかかります。

何回か同じ料理を作ってみて、やっと自分1人で作れるようになります。

やがて、手際もよくなり、アレンジしたものも作れるようになります。

そして、いくつかの料理をこうやって作るうちに、料理をみるだけで、自分でレシピを考えられるようになります。

つまり、どんな素材、調味料、調理道具を用意して、どんな火加減、タイミングで調理すれば料理が完成するのかが判断できるようになります。

包丁さばきもふくめ、手早く料理できるようになります。

問題集の解説や、講師が語る解法テクニックは、いわば料理のレシピなのです。

講義を受けるのは、お料理教室で先生の言う通りに作っているのと同じです。

本格的な料理を作るためには、食材の味や性質、調味料やスパイスの味・香り、役割といった基礎知識が必要です。

一般知能でも、最低限の計算能力(加減剰余)、公式、英語の語彙力といった「基礎知識」が必要です。

レシピを覚えても、実際にうまく料理が作れるようになるまで、繰り返し作らなければ、包丁さばきも含めうまく作れるようにはなれません。

一般知能も、問題を一度解いただけ、解説を読んだだけ、講義を聞いただけでなく、何度も「繰り返す」ことが必要です。

そして、「毎日やる」ことで知識が自分の地肉となります。

最初は解答までに時間がかかっても、やがて「時間配分」を意識して問題を解くようにしましょう。

時間を計って問題を解くのです。

また、一般知能にはたくさんの過去問があります(毎年、多数出題されるからです)。

特に数的処理は、必ず過去問とそっくりの問題が出題されます。

もしかしたら同じ問題が出るかもしれない、「過去問命」と考えて、日々過去問を解いていってください。

それでも時には理解できなかったり、覚えたことを忘れたり、投げ出したくなることがあるかもしれません。

でも大丈夫です。それは過去の合格者の全てが通って来た道です。

「諦めない」これが合格者とそうでない人の違いです。

必ず、自分は合格する。そう信じて、日々計算練習をし、公式を覚え、語彙力をつけ、過去問を解いていってください。

「努力が実る」これが公務員試験です。

最後まで読んでくださってありがとうございます。

ぜひ、一般知能を得意科目にして、合格を勝ち取ってください。

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この記事の著者

小林 美也子講師 (講師紹介はこちら


大手資格予備校・地方自治体・企業・教育機関等様々な場所で,長年にわたり公務員試験,宅建試験の受験指導,職員研修を行う。

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