公務員試験は一次試験や二次試験など、複数の日時で選考が行われます

また、一日の中でも教養試験や専門試験といった複数の試験内容が課される点も特徴です。

そのため、公務員試験の適切なスケジュール管理や、安心した気持ちに繋げるためにも試験の流れを知ることは必須といえるでしょう。

今回は公務員試験の流れや受験時のポイントなどを解説しているため、ぜひ参考にしてください。

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公務員試験の採用までの流れ

公務員試験の基本的な流れは以下のようになっています

  1. 出願
  2. 一次試験(筆記試験)
  3. 一次試験合格発表
  4. 二次試験(面接試験)
  5. 最終合格発表
  6. 入庁

なお受験先によっては三次試験や採用面接が課される場合もあります。

また、国家公務員試験では、公務員試験の他に「官庁訪問」を経て内定を得る必要がある点も特徴です。

地方公務員と国家公務員の公務員試験は、官庁訪問の有無が大きな違いです。

また、地方公務員の場合、日程が「A日程」「B日程」「C日程」とわかれている点も特徴です。

ここでは公務員試験の流れを国家公務員と地方公務員に分けて詳しく解説します。

関連記事:公務員試験とは?試験概要と勉強方法、倍率や難易度を解説

国家公務員の採用までの流れ

国家公務員の試験で主なものは「総合職試験」と「一般職試験」です。

ここでは国家公務員の総合職と一般職の試験の流れを解説します。

なお国家公務員専門職など、別の日程や流れで試験が行われるケースもあるため、受験先の情報を必ず確認しましょう。

国家公務員総合職の場合

国家公務員総合職試験の主な流れは以下の通りです。

受験案内がホームページに掲載2月1日
受験申込期間3月中旬~4月上旬
一次試験(筆記試験)4月下旬
一次試験合格発表5月上旬
二次試験(筆記試験)5月下旬
二次試験(人物試験)5月下旬~6月中旬
最終合格発表6月下旬
官庁訪問6月下旬~
採用内定10月1日
採用翌年4月1日

国家公務員の総合職として採用されるには「公務員試験の合格」のうえ「官庁訪問での内定」を得る必要があります。

官庁訪問は複数の機関を訪問可能です。

また、二次試験の人物試験は、第2次試験通知書で指定された日時となり、原則変更はできない点に留意しましょう。

なお、上記日程には記載されていませんが、各官庁で業務説明会が開催されます

公務員試験の合否に直接的な影響はありませんが、業務の理解や面接試験対策として参加することをおすすめします。

国家公務員一般職の場合

一方で、国家公務員一般職試験の試験日程は以下の通りです。

受験案内がホームページに掲載2月1日
受験申込期間3月中旬~4月上旬
一次試験(筆記試験)6月中旬
一次試験合格発表7月上旬
官庁訪問7月上旬~(1次試験合格発表後)
二次試験(人物試験)7月中旬~7月下旬
最終合格発表8月中旬
採用内定10月1日
採用翌年4月1日

総合職試験との大きな違いは、官庁訪問のタイミングです。

総合職の場合、二次試験の合格発表後に官庁訪問が行われますが、一般職では二次試験の前から開始されています。

つまり、官庁訪問と二次試験を並行して行い、最終合格と内定を得る必要があるということです。

また総合職試験と同様に、各機関での業務説明会が適宜開催されているため、特段の理由がなければ参加することをおすすめします。

地方公務員の採用までの流れ

地方公務員の採用までの流れは概ね以下の通りです。

  1. 出願
  2. 一次試験
  3. 一次試験合格発表
  4. 二次試験
  5. 最終合格発表
  6. 採用内定
  7. 採用

なお自治体によっては複数回の面接試験や最終面接を実施する場合もあります。

また、一言で地方公務員といっても「A日程」「B日程」「C日程」「D日程」があり、それぞれ試験の日程が異なります。

※各日程の一次試験

日程名主な自治体試験日程
A日程A日程:県庁や県庁所在地の市といった比較的大きな自治体6月下旬
B日程中~大規模な自治体(目安)7月中旬
C日程小~中規模な自治体(目安)9月下旬
D日程小~中規模な自治体(目安)10月下旬

なお試験日程は年によって異なる場合があるため、事前に必ず確認しましょう。

また、自治体で開催される説明会などがあれば業務の理解のために参加するのがおすすめです。

公務員試験当日(筆記・面接)の流れ

上記では大まかな公務員試験の流れを解説しましたが、試験当日の流れはどうなるのでしょうか

ここでは、一次試験と二次試験の試験当日の流れを解説します。

なお、自治体によって公務員試験の流れが違うため、下記内容は目安として考えましょう。

一次試験(筆記試験)の流れ

公務員試験の一次試験では主に以下の3つの試験が行われます。

  • 教養試験(教養科目)
  • 専門試験(専門科目)
  • 論文試験

なお、専門試験は自治体によっては課されない場合があり、論文試験は2次試験で課されるケースもあります。

多くの場合は9時前後に受付が行われます。
心に余裕を持たせるためにも、時間に余裕をもって受付を済ませることがおすすめです。

そして、10時前後から教養試験が行われます。
その後お昼休憩を挟み、専門試験と論文試験が行われる流れです。

試験時間や詳細な流れは各自治体によっても異なるため、事前に公式ページを確認しましょう。

公務員試験に合格するためには、教養試験と専門試験の対策が非常に重要となります。

以下のページではそれぞれの詳細や試験概要を解説しているため、ぜひ参考にしてください。

二次試験(面接試験)の流れ

二次試験では主に面接試験が行われますが、その形式はさまざまです

複数回の面接試験を行う自治体もあれば、集団討論を課す自治体も存在します。

それに伴って、二次試験を2日以上の日程で行う場合もある点に留意しましょう。

また、二次試験では適性検査が行われるケースも多いです。

二次試験の大まかな流れは以下のようになります。

  1. 適性検査(開催する自治体のみ)
  2. 論文試験(一次試験で行っていない自治体のみ)
  3. 面接試験

二次試験は複数の日程で開催する自治体や、複数回の来庁が必要な自治体などさまざまであるため、必ず事前に試験要領を確認しましょう。

現在の地方公務員試験は、面接試験の重要度が増してきています。

対策が難しい試験内容でもあるため、自身に合った対策を見つけましょう

以下の記事では公務員試験の面接対策を質問例付きで解説しているためぜひ参考にしてください。

公務員試験を受験する時のポイント・注意点

公務員試験で思わぬ失敗をしないためにも、受験の際のポイントを押さえましょう

ここでは公務員試験を受験する際のポイントを解説します。

試験日程が被っていなければ併願するのがおすすめ

公務員試験は試験日程が被っていなければ複数個所を併願することができます

例えば「国家一般職」「国家専門職」「特別区」「A日程」「B日程」などは試験内容も近いため併願しやすいです。

公務員試験は一定の倍率があり、決して簡単な試験ではないため、保険の意味を込めて併願するのがおすすめです。

また、本命の試験の前に試験本番を経験しておくことで、予行練習のような経験ができるでしょう。

しかし、一次試験の日程が別であっても、二次試験の面接の日程が被る可能性は十分にあるため、優先順位をつける必要があります。

また、公務員試験と民間企業の就職活動を併願する選択肢もあります

それぞれにリソースを割く必要がある点がデメリットですが、万が一の備えになるでしょう。

国家公務員試験は「最終合格=内定」ではない

国家公務員試験の場合「最終合格=内定」ではない点に注意が必要です。

公務員試験の合格のほかに、官庁訪問による内定を得る必要があるためです。

実際に公務員試験の最終合格をしていても、内定が出ていない方も存在するため、最後まで気を抜かないようにしましょう。

また、地方公務員の場合も「最終合格=内定」ではありません。

最終合格後「採用候補者名簿」に載ったあとに、その中から内定者を決定するためです。

しかし実際は、最終合格者名簿に載れば内定が出るケースがほとんどです。

最終合格後に追加の面接が行われるケースもありますが、国家公務員ほど不安になる必要はありません。

中途の場合は10月から勤務スタートになるケースもある

原則として公務員試験に合格すると翌年4月に採用となります。しかし中途募集の試験に合格した際は、10月から勤務がスタートになるケースもあります。

そのため、勤務スタートのタイミングを正しく理解し、余裕を持って身辺整理を行いましょう

まとめ

今回は公務員試験の流れや受験の際のポイントを解説しました。

公務員試験の流れは概ね以下の通りです。

  1. 出願
  2. 一次試験(筆記試験)
  3. 一次試験合格発表
  4. 二次試験(面接試験)
  5. 最終合格発表
  6. 入庁

しかし国家公務員では官庁訪問が課され、地方公務員でも自治体によって流れや試験内容が変わる可能性があります。

そのため、上記の流れを基本としながらも、受験先の日程を個別に把握し、適切なスケジュール管理に努めましょう。

試験の流れや日程を正しく理解できれば、公務員試験での失敗の防止に繋がるため、ぜひ参考にしてください。

関連記事:公務員試験は独学合格できる?3つの勉強法と合格する7つのポイントを紹介

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この記事の執筆者 渡邉新太

渡邉新太(わたなべ あらた)

大学現役時に以下の公務員試験に独学で合格。
・国家公務員一般職
・国税専門官
・東京特別区
・地方上級(地元県庁)

そして、公務員としての勤務を経た後に、フリーランスのWebライターとして独立。
現在は公務員時代の知識や経験を活かして、多くの方の人生の選択に役立てるよう日々奮闘しています。

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