地方公務員初級とは?仕事内容や試験内容、難易度を解説
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この記事では、公務員試験における「地方初級」とは何を表すのか、具体的にどのような仕事を行うのかを解説したうえで、いくつかの自治体を例に挙げ、採用後の待遇や試験情報を紹介します。
「高校を卒業したら、公務員になろう」
そう思って公務員試験のことを調べてみても、上級・中級・初級の違いなど、わかりにくいことが多いかもしれません。
自分がどの情報を参考にすれば良いのか迷っている方は参考にしてください。
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地方公務員の「初級」とは?中級・上級との違い
地方初級とは、地方公務員試験において「高卒程度」の方が受験する試験のことを指します。
地方公務員試験の初級は、特定地域の試験のことだと思われているかもしれませんが、実はそうではありません。
各自治体における「採用枠の違い」を表している言葉なのです。
地方初級とその他の級の違いは?
地方公務員試験の採用枠は、大きく「地方上級」「地方中級」「地方初級」の3つに分かれていますが、それぞれの違いは、“受験時の学力の目安”です。
上級:大卒程度
中級:短大卒程度
初級:高卒程度
といった枠に分かれていると考えていただくとわかりやすいでしょう。
つまり、高校生のあなたが公務員試験を受験する場合は、各自治体の「初級」の受験条件などを確認すれば良いというわけです。
ただし、受験要項などで記載されいてる名称は、自治体によって異なります。
初級ではなく、高卒程度・3種・3類などと書かれていることも多いため、初級試験の受験を考えている場合は、受験する自治体がどんな名称で募集しているのか確認しておかなければなりません。
なお、地方公務員初級の試験は9月末に行われるのが一般的で、7〜8月頃に申込の受付が始まります。
※2024年の試験日は9月29日(日)実施予定
大卒でも初級の試験は受けられる?
先ほどお伝えしたように、上級・初級などの区分は、あくまで受験時の学力の“目安”です。
そのため、自治体側が制限を設けていなければ、大卒の方でも初級の試験は受けられます。
ただし、実際は「受験できるのは18歳〜21歳まで」といった年齢制限を設定している自治体も多く、その条件を満たしていない場合は当然受験することはできません。
過去に年齢制限が設けられている自治体で、大卒にもかかわらず、学歴を詐称して初級試験を受けていた職員がおり、後々発覚した際に懲戒処分になった事例もあります。
受験する自治体の要項は、しっかりと目を通すようにしておきましょう。
地方公務員初級の仕事内容とは?
初級試験に合格して入庁した場合の仕事内容は、簡単な事務や窓口業務から始まることが一般的です。
市役所に行って住民票などを受け取ったことがあれば、仕事内容をイメージしやすいかもしれません。
住民の申請を受け付けて対応する、課内の書類整理を担当する、などのルーティン業務に携わることが多いでしょう。
ただし、地方公務員は3~4年程度で部署が変わることが多く、どの部署に配属されるかで仕事内容が変わります。
そのため、長い公務員生活で見てみると、携わる業務は多岐にわたるのです。
以下のページで、さらに具体的に地方公務員の仕事内容を紹介しているので、参考にしてみてください。
地方公務員初級の給料・手当・福利厚生
地方公務員初級の概要等を紹介してきましたが、初級で合格した人の給与や手当が、実際のところどうなっているのか気になりますよね。
ここからは、2つの自治体を取り上げて、初級試験合格者の初任給や勤続年数ごとの給与の目安などを紹介します。
札幌市役所の初任給・給与・年収・福利厚生 (令和5年)
令和5年度、札幌市役所の高校卒の初任給は154,000円です。
勤続年数別(高卒区分) | 給与 | 年収 |
---|---|---|
10年 | 213,295円 | 約351万円 |
20年 | 305,565円 | 約504万円 |
25年 | 343,357円 | 約566万円 |
※年収は「勤続年数別給与×12ヶ月+勤続年数別給与×4.5ヶ月(ボーナス)」で算出
※年収はあくまでも目安としてお考え下さい。
手当 | 期末手当、勤勉手当、地域手当、扶養手当、住居手当、通勤手当等 |
福利厚生 | 共済組合加入による給付制度、健康診断・検診、貸付制度、 提携施設の割引サービス等 |
※出典:人事行政の運営等の状況(札幌市の給与・定員管理等について)/札幌市
福岡県庁の初任給・給与・年収・福利厚生(令和5年)
令和5年度、福岡県庁の高校卒の初任給は158,600円です。
勤続年数別(高卒区分) | 給与 | 年収 |
---|---|---|
10年 | 233,868円 | 約385万円 |
20年 | 319,850円 | 約527万円 |
25年 | 362,386円 | 約597万円 |
30年 | 381,010円 | 約628万円 |
※年収は「勤続年数別給与×12ヶ月+勤続年数別給与×4.5ヶ月(ボーナス)」で算出
※年収はあくまでも目安としてお考え下さい。
手当 | 期末手当、勤勉手当、地域手当、扶養手当、住居手当、通勤手当等 |
福利厚生 | 共済組合加入による給付制度、健康診断・検診、職員用公舎、貸付制度、 提携施設の割引サービス、庁内保育所(本庁のみ)等 |
※出典:福岡県の職員給与・定員管理等の状況について
※出典:勤務条件等
細かい違いはあれど、初級で受験した場合は、どの自治体も給与水準や手当は似たようなものだということがわかります。
地方公務員初級の試験概要・難易度(倍率)
地方公務員初級(高校卒区分)の公務員試験概要と倍率による試験の難易度を紹介します。
地方初級の難易度
地方初級(高卒区分試験)の難易度は、自治体によって異なるため一概に難しい、易しいとは言えません。
令和4年度倍率から見る地方初級の難易度は、市区が6.8倍と最も難易度が高い結果でした。次に、都道府県が5.1倍、町村が4.4倍という結果でした。
区分 | 平成30年 | 令和元年 | 令和2年度 | 令和3年度 | 令和4年度 |
---|---|---|---|---|---|
都道府県 | 6.8倍 | 6.6倍 | 6.1倍 | 6.5倍 | 5.1倍 |
市区 | 7.3倍 | 7.6倍 | 8.6倍 | 7.5倍 | 6.8倍 |
町村 | 4.9倍 | 4.9倍 | 5.4倍 | 4.9倍 | 4.4倍 |
合計 | 6.7倍 | 6.7倍 | 7.0倍 | 6.2倍 | 5.7倍 |
地方初級の試験内容(一次試験)
地方初級試験の一次試験内容は、「教養試験・面接」で合否を判定されるのが一般的です。自治体によっては作文試験などが課されます。
なお、教養試験と一言で言っても、その範囲は非常に広く、以下のような内容が出題されます。
▶一般知識:社会科学・人文科学・自然科学
▶一般知能:判断推理・数的推理・資料解釈・文章理解
一般知識だけでも、国公立大学を受験するほどの学習範囲となるため、計画的に受験勉強を進めることが重要です。
自治体によっては、例題が掲載されていることがあるため、試験案内ページは隅々まで確認しておきましょう。
地方初級の試験内容(二次試験)
地方初級試験の二次試験内容は、自治体によって異なり、個別面接や集団討論、適性検査などがあります。
ただし、自治体によっては出願時にエントリーシートの提出が求められます。そのため、事前にエントリーシートの対策も行いましょう。
公務員試験は採用試験のため、筆記試験だけではなく面接対策も行いましょう。
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公務員試験における地方初級とは、「高卒程度」の方が受験する試験のことを指します。
ただし、初級と言えども勉強するべき範囲は広く、効率良く勉強していかなければ、時間がいくらあっても足りません。
かと言って、学校の勉強と並行しながらだと、どうやって受験勉強の計画を立てれば良いのか、そもそも何から手を付けるべきなのかを判断するのが難しく感じますよね。
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