「市役所職員を目指しているけど、年収ってどれくらい?」
「公務員試験どこを受けるか迷っているけど、市役所職員のメリットって?」

そんなお悩みをお持ちの方も少なくないのではないでしょうか。

本稿では、市役所職員の年収と他公務員・一般企業との年収比較結果をご説明したいと思います。

公務員試験を目指す参考にしていただければ幸いです。

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市役所職員の平均年収は約558万円

総務省の令和5年度地方公務員給与の実態によると、市役所職員(市の一般行政職)の平均基本給月額は341,176円、平均給料月額は403,744円で、平均年収は約558万円(5,586,702円)。

平均基本給与月額には扶養手当と地域手当のみが合算されているため、あくまでも参考としてお考え下さい。

大学卒の平均初任給は187,673円という結果でした。

平均年収:約558万円(5,586,702円)
平均基本給:約338,588円
初任給:187,673円
 ※大卒の場合

※平均年収は平均基本給与月額×12ヶ月+(平均基本給与月額×4.5ヶ月)で算出
※出典: 地方公務員給与実態調査

上記の金額は一般職員の平均です。
ですので、これよりも給料が高い人もいますし、低い人もいます。

なお、公務員の給与は開示されています。
働きたい地域がある場合は、その自治体のホームページを検索してみると良いでしょう。

関連記事:市役所で働くには?大卒・高卒・中途採用別に解説!仕事内容や給与・年収

公務員の年収は低い?民間企業と平均年収を比較

国税庁の令和5年分民間給与実態統計調査結果によると、民間企業に勤務した給与所得者の平均年収は460万円(男性569万円・女性316万円)であることを考慮すると、市役所職員の年収は高いと言えるでしょう。

もっとも比較する民間企業の規模によって年収は異なりますので、いわゆる大企業の年収と比較すれば市役所の年収は低いこともあるでしょう。

ただ、地方では民間企業の給料は低い場合が多く、市役所職員の給与は周囲よりも高い傾向にあるようです。

市役所職員の給与・年収モデル

大阪市の「職員のモデル年収額及び職員1人当たりの給料・諸手当一覧(令和6年度見込)」を参考に市役所職員の年収・給与モデルを紹介します。

地域によって年収・給与モデルは変わるため事前に確認を行いましょう。

大阪市の行政職給料表1級の係員(27.4歳)の場合

給料:197,373円
地域手当:31,461円
給与月額:228,834円
期末・勤勉手当:1,026,422円(4.5ヶ月)
年収:3,772,430円

大阪市の行政職給料表2級の係員(34.1歳)の場合

給料:246,116円
地域手当:39,220円
給与月額:285,336円
期末・勤勉手当:1,279,359円(4.5ヶ月)
年収:4,703,391円

※参考:職員のモデル年収額及び職員1人当たりの給料・諸手当一覧

市役所職員の年齢別・男女別の平均年収(大卒・高卒)

つづいて年代別の平均年収と、男女別の平均年収をご紹介します。

市役所職員の年齢別の平均年収

総務省の令和5年度地方公務員給与の実態によると、大卒の市役所職員の平均年収は、20代は約322万円、30代は約377万円、40代は約528万円、50代は約669万円という結果でした。

年代大学卒短大卒高校卒
20代約322万円約290万円約267万円
30代約377万円約347万円約319万円
40代約528万円約486万円約461万円
50代約669万円約635万円約628万円

※年代別の平均年収は経験年数別平均給与月給より算出しているため一部年齢が混合しています
※政令指定都市を除く
※各学歴、年代別の平均年収は平均給与月給×12ヶ月+平均給与月給×4.5ヶ月(ボーナス)で算出
※平均年収はあくまでも目安としてお考え下さい
※参考:地方公務員給与実態調査

20代は民間企業と比較すると、年収はそれほど高くありません。

しかし勤続年数に応じて年収はアップしていくため、30代・40代以降は十分に余裕のある生活を送ることができるでしょう。

20代の市役所職員平均年収

総務省の令和5年度地方公務員給与の実態によると、20代大卒の市役所職員の平均年収は、約322万円でした。20代高校卒の平均年収は、約267万円でした

年齢(歳)大学卒高校卒
18~19約311万円約259万円
20~23約322万円約267万円
24~27約333万円約275万円
28~31約351万円約292万円

30代の市役所職員平均年収

総務省の令和5年度地方公務員給与の実態によると、30代大卒の市役所職員の平均年収は、約377万円でした。30代高校卒の平均年収は、約319万円でした

年齢(歳)大学卒高校卒
28~31約385万円約372万円
32~35約432万円約419万円
36~39約484万円約477万円

40代の市役所職員平均年収

総務省の令和5年度地方公務員給与の実態によると、40代大卒の市役所職員の平均年収は、約528万円でした。40代高校卒の平均年収は、約461万円でした

年齢(歳)大学卒高校卒
40~43約549万円約538万円
44~47約599万円約590万円
48~51約636万円約621万円

50代の市役所職員平均年収

総務省の令和5年度地方公務員給与の実態によると、50代大卒の市役所職員の平均年収は、約669万円でした。50代高校卒の平均年収は、約628万円でした

年齢(歳)大学卒高校卒
48~51約636万円約621万円
52~55約665万円約643万円
56~59約691万円約661万円

市役所職員の男女別の平均年収

男女別の平均年収は総務省が5年ごとに実施する基幹統計調査(令和5年地方公務員給与の実態)を参考にご紹介します。

総務省の令和5年度地方公務員給与の実態によると、男性の平均基本給月額は352,505円で、平均年収は約581万円、女性の平均基本給月額は311,322円で、平均年収は約513万円という結果でした。

区分平均基本給月額  平均年収  
男性324,331円5,351,461円
女性286,913円4,734,064円

公務員は女性も働き続けやすい環境であるため、それほど男女の年収の差に開きはありません。

※平均年収は平均基本給月額×12ヶ月+平均基本給月額×4.5ヶ月(ボーナス)で算出
※平均年収はあくまでも目安としてお考え下さい
※参考:地方公務員給与実態調査

市役所職員と他の公務員職と年収比較

よく比較される国家一般職、地方公務員(指定都市)、地方公務員(都道府県)の年収も見てみましょう。

人事院の令和6年度国家公務員給与等実態調査と、総務省の令和5年度地方公務員給与の実態を参考に国家公務員、地方公務員の平均年収をまとめました。

区分平均年収平均初任給
地方公務員(市)約558万円約187,673円
地方公務員(都道府県)約567万円約190,966円
地方公務員(指定都市)約600万円約186,699円
国家一般職約668万円約235,440円

平均年収は地方公務員(指定都市)のみが600万円で抜けていますが、実際他はそこまで変わりません。

年収ではなく仕事内容や働き方などで選ぶのがよいでしょう。

※参考:国家公務員給与等実態調査結果
※参考:地方公務員給与実態調査

市役所職員の給与形態

ここからは市役所職員の給与体系をご紹介します。

市役所職員の給与の決まり

市役所職員の給与は自治体ごとに用意されている「給料表」に基づいて決定する仕組みです。

基本給は「級」と「号」によって定められており、それらに諸手当をプラスした額が基本月額となります。

市役所職員のボーナス

近年の市役所職員のボーナス平均月数は、約4.5~4ヶ月分となっています。

令和5年度の市役所職員のボーナスは、1,524,239円でした。期末手当820,601円、勤勉手当703,638円。

※令和5年4月1日地方公務員給与実態調査結果の団体区分が「市合計」で一般行政職の場合

市役所職員のボーナスは「勤勉手当」と「期末手当」を合算した額で、就職した年から夏と冬の年2回、ボーナスが支給されます。

市役所職員のボーナスは、民間企業のボーナス支給基準と程度が同じになるように調整さています。

市役所職員の初任給

市役所職員の初任給は、各自治体で異なります。

そして、大卒、高卒、短大卒など学歴に応じて初任給に差が設けられています。

総務省の令和5年地方公務員給与の実態によると、東京都を除く市で働く地方公務員の大卒の平均初任給は約187,665円、短大卒は約169,518円、高校卒は約157,157円という結果でした。

区分大学卒短大卒高校卒
最高198,500円185,200円169,800円
最低175,300円158,800円146,900円
平均約187,665円約169,518円約157,157円

市役所職員の初任給は、大手民間企業の初任給よりもやや低い傾向にあります。

市役所職員の退職金

市役所職員の退職金は、各地方公共団体の条例によって決められており、以下の計算式によって算出されます。

基本額(退職日の給料月額×退職理由別・勤続年数別支給率)+調整額

退職金額は自治体によって異なりますが、2000万円以上受け取ることが可能です。(社会に出てから定年まで公務員として働いた場合)

関連記事:国家公務員・地方公務員の退職金はいくら?平均額・計算方法を解説

市役所職員の残業代

市役所職員の勤務時間は、8時30分〜17時15分(昼休憩60分)が基本です。

この勤務時間を超えた部分に残業代が支給されます。

具体的には以下のような仕組みで残業代が支払われます。

  • 17時15分〜22時:時給×1.25倍
  • 22時〜5時:時給×1.5倍
  • 5時〜8時30分:時給×1.25倍

残業代は自治体の予算の範囲内で支給されます。無制限で残業ができるわけではありません。

市役所職員の手当

市役所職員には、給料とは別に手当として扶養手当、地域手当、通勤手当、特殊勤務手当、時間外手当、その他の手当)があります。

住んでいる場所によって寒冷地手当や地域手当がつくこともあります。

市役所職員の福利厚生

市役所職員の福利厚生は、一般的に以下のような福利厚生があります。ただし、自治体によって福利厚生の内容が異なることがあります。

  • 健康保険
  • 厚生年金
  • 退職金制度
  • 休暇制度
  • 教育支援
  • 住宅手当
  • 家族手当

休暇制度には、年次休暇をはじめ特別休暇や介護休暇などがあります。

市役所職員の年収が上がる仕組み

市役所職員の給与は年齢や勤続年数に応じて、年々上がっていく仕組みです。

真面目に仕事をしていれば、毎年一定の割合で確実に年収が上がっていきます。

役職がついたタイミングでも、年収はアップします。

30代以降は役職がつくこともあるため、管理職手当などによって年収が上がることが多くなります。

家庭を持った場合にも給料は上がります。
家庭を持つ職員に対して、家族手当が支給されるためです。

子どもがいる職員には、子どもの年齢に応じて扶養手当が支払われます。

ただし、市役所職員の年収が上がる仕組みには、個人差があるので注意が必要です。
また、地域差や社会の情勢によって昇給するかどうかも異なってきます。

年収が上がる仕組みは、あくまでも参考程度にとどめておくと良いでしょう。

市役所職員のメリット

メリットは大きくわけて5つあります。
市役所職員のメリットをそれぞれご紹介します。

ワークライフバランス

1つ目はワークライフバランスを実現しやすいことです。

基本的に残業が少なく、仕事以外の時間が取りやすいためです。

近年では職員のプライベートの充実に取り組む市も増えています。

実際に大阪府寝屋川市では、午前8時〜午後8時までの間で働く時間を自由に選択できる「完全フレックスタイム制」を導入しています。

市役所職員(公務員)は民間企業のお手本になる立場。

働きやすい環境が整備されているのは、公務員ならではの魅力です。

福利厚生が充実

2つ目は福利厚生が充実していること。

市役所職員には扶養手当や地域手当といった、さまざまな手当が支給されます。

休暇制度も充実しており、年次有給休暇は入社した年から20日間の有給が付与されます。

育休や産休も取りやすく、職場に復帰した後は短時間勤務や、子どもの疾病等による急な休みにも対応できるような制度が整っています。

結婚や出産、育児、介護などで離脱することなく、職員が長く働き続けられるよう手厚いサポートがあります。

転勤の心配がない

3つ目は転勤の心配が少ないことです。

市役所職員の移動は基本的に市内となりますので、転居を伴った移動はほとんどありません

知らない土地や知らない人との人間関係に関する不安がない、というメリットがあります。
また、転勤がないので単身赴任の心配もありません。

家族のために離れられない人も、市役所職員であれば安心して働き続けられるでしょう。

直接市民の声を聴きながら働くことが可能

4つ目は直接市民の声を聴きながら働けることです。

市役所の仕事は地域に密着した仕事が多く、直接市民の意見を聞く機会が多々あります

市民との距離が近いため、自分の仕事がダイレクトに市民の役に立っていると実感しやすいでしょう。

これは市役所で働く上で、大きなやりがいとなります。

収入が安定している

5つ目は収入が安定していること。

民間企業のように景気に左右されることがなく、ボーナスや各種手当がカットされることがありません。

年収は勤続年数に比例して上がっていく仕組みであるので、年収も右肩上がりです。

さらに不祥事を起こさない限り解雇されることはないため、働き続ける限り安定した収入を得ることができるでしょう。

関連記事:【地方公務員】市役所の公務員試験とは?試験概要・難易度・倍率・試験対策

最後に

市役所職員は、年収や安定性を考慮するとかなり優良な就職先と言えます。

もし仕事内容や働き方に魅力を感じるのであれば、躊躇せずチャレンジしてみてください。

本稿が、皆さんの悩み解決のお役に立てば幸いです。

最後までご覧いただき、ありがとうございました。

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