公務員に転職するには?経験者(社会人)採用と一般採用の2ルート
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「公務員への転職のために試験情報や対策方法を知りたい」と考えている人もいるのではないでしょうか。
多くの官公庁では民間企業等経験者採用が実施されており、社会人でも公務員になるチャンスがあります。
しかし採用枠が少ない傾向にあり、入念な試験対策は必須です。また社会人が受験できる試験種も複数あるため、試験の概要や対策方法を適切に理解しましょう。
本記事では公務員の社会人採用の流れや日程、対策方法などを解説しているため、ぜひご覧ください。
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公務員の社会人採用試験(民間経験者)の流れ
ここでは公務員の社会人採用(民間企業経験者)試験の流れを解説します。
ただし、以下で紹介する流れはあくまでも一般的なものです。自治体によって異なる場合があるため、詳細は受験先の募集要項を確認してください。
出願
公務員の社会人採用試験の受験には、受験先への出願手続きが必要です。
受付時期は自治体によって異なりますが、一次試験の2〜3ヶ月前ほどから始まることが多いです。
また、申込はウェブシステムを用いるケースが一般的となっています。
一次試験の日程が被っていなければ、複数の自治体の併願も可能です。
公務員試験を受験する
公務員試験は一次試験と二次試験で構成されることが一般的です。
ここでは、それぞれの内容や特徴を紹介します。
一次試験(筆記、論文)
公務員の社会人採用の一次試験は、筆記試験と論文試験で実施されることが多いです。
筆記試験は公務員試験独自の教養試験(択一式)での実施が多いですが、近年はSPIを用いた試験も増えています。
教養試験は数的処理や文章理解を含む「一般知能分野」と歴史や法律、経済などを含む「一般知識分野」で構成されています。
また、論文試験の内容は自治体にもよりますが、政策や社会人経験を踏まえた内容などが出題されることが多いです。
ほかにも、エントリーシート試験などが実施される自治体もあります。
二次試験(面接)
一次試験の合格者を対象とした二次試験では、20~30分程の個別面接が行われることが一般的です。
志望動機や自己PRなどの一般的な質問に加え、社会人として身に付けた能力なども問われます。
ほかにも、プレゼンテーションや集団討論などが実施される場合もあります。
最終合格・採用される
二次試験に合格すると、採用候補者名簿に登載されます。
自治体は採用候補者名簿に登載された受験者から採用する職員を決定します。
そのため、厳密には「採用候補者名簿への登載=内定」ではありませんが、内定を得られる可能性は高いです。
ただし、中には三次試験や独自の試験内容を実施する自治体もあるため、詳細は募集要項を確認してください。
社会人採用で公務員試験を受験する3つの方法
ここでは、社会人が公務員試験を受験する方法を3つ解説します。
各受験方法で試験内容や受験資格、日程などが異なるため、最も適した方法を判断しましょう。
社会人から公務員になる2つの方法
社会人が受験できる公務員試験は、大きく以下の2つです。
- 一般枠の大卒程度試験
- 民間企業等経験者向けの社会人採用試験
上記では社会人採用試験の流れを紹介しましたが、大卒程度試験の受験資格を満たしている場合は両方を検討しましょう。
大卒程度試験は6月中旬に行われるケースが多く、社会人でも年齢要件を満たしていれば受験できます。
社会人枠よりも採用数が多く、倍率も低めな点が大きなメリットです。
また新卒者も対象とした試験であるため、自身の社会人経験をアピールできる分、面接対策がしやすい可能性もあります。
ただし社会人採用試験にはない専門試験(法律や経済など)が課されるため、必要な学習時間は倍以上になることが多いです。
一方で社会人採用試験の年齢要件は大卒程度よりも緩やかですが、民間企業等での勤続年数を求められることが一般的です。
教養試験やSPIだけで受験できるため、仕事で忙しい社会人でも受験しやすい点がメリットといえます。
ただし採用数が少なく高倍率な傾向にあるため、試験の対策は簡単でも合格の難易度は高いです。
また、中には社会人採用が実施されない自治体もある点に留意してください。
大卒程度 | 社会人枠採用 | |
---|---|---|
対象者 | ・大学を卒業見込みの方 ・20代の方 など | ・民間企業等の勤務経験がある方 |
受験資格 | 年齢要件のみ(22歳~30歳など) | 年齢要件+勤続年数(5年以上/7年以上 など) |
受験日 | 6月中旬 | 9月下旬 |
試験内容 | 【一次試験】 ・教養試験(数的処理/文章理解/歴史/経済など) ・専門試験(法律科目/経済科目など) ・論文試験※教養試験やSPIだけで受けられる自治体あり 【二次試験】 個別面接など | 【一次試験】 ・教養試験(数的処理/文章理解/歴史/経済など) ・論文試験※SPIで受験できる自治体あり 【二次試験】 個別面接など |
メリット | ・採用数が多く倍率が低い ・面接対策がしやすい可能性がある | ・試験範囲が狭い(必要な学習時間が短い) |
デメリット | 試験範囲が広い(必要な学習時間が長い) | ・採用数が少なく倍率が低い |
ただし、これらはあくまでも一般的な情報です。
受験資格や試験内容、日程などは各自治体で異なる場合があるため、詳細は募集要項を確認してください。
氷河期世代採用試験で公務員になる
上記の2つの試験区分に加えて、氷河期世代採用が実施されている自治体もあります。
氷河期世代採用とは、その名の通り氷河期世代に生まれた方が対象の試験です。
例えば東京都の「就職氷河期世代採用試験(1類B・3類)」では、35~50歳の方が対象となっています。
通常の社会人経験者採用とは異なり、職務経験を問われない点が大きな特徴です。
氷河期世代採用の仕事内容や試験内容については、以下の記事で詳細に解説しています。
氷河期世代の公務員試験とは?採用はいつまで?倍率・試験対策を解説
社会人採用の公務員試験の倍率・難易度
社会人採用の公務員試験は大卒程度と比較して採用枠が少なく、倍率は高めの傾向にあります。
専門科目がないため対策は比較的短時間で行えますが、合格の難易度は高卒程度や大卒程度よりも高めです。
例として東京都と特別区における採用試験の実施状況を確認してみましょう。
【東京都 令和5年試験】
受験者数 | 最終合格者数 | 倍率 | |
---|---|---|---|
大卒程度(行政 一般方式) | 1,525名 | 626名 | 2.4倍 |
社会人採用(キャリア活用採用 全体値) | 301名 | 104名 | 2.9倍 |
【特別区 令和5年試験】
受験者数 | 最終合格者数 | 倍率 | |
---|---|---|---|
大卒程度(行政 春試験) | 7,668名 | 3,013名 | 2.5倍 |
社会人採用(1級職 一般事務) | 1,146名 | 289名 | 4.0倍 |
社会人採用の公務員試験の対策方法とポイント
上述した通り社会人採用の倍率は高いため、入念な試験対策は必須です。
ここでは、社会人採用の公務員試験の対策方法を解説します。
一次試験(教養・論文)の対策方法
ここでは一次試験(教養・論文)の対策方法を解説します。
教養試験の対策方法
社会人採用の教養試験対策は、過去問中心の学習がおすすめです。
公務員試験では同じ論点の問題が繰り返し出題されるため、過去問が最も効率的に合格水準の知識を得る方法となります。
また、最初にすべきことは「過去問を読む」です。
過去問を読むことで頻出分野を把握でき、学習の全体像も把握できます。
次に過去問と参考書を対応させながらインプットとアウトプットを繰り返します。
「参考書を一周してから問題集も一周する」といった学習方法は、知識が定着しない原因となるためおすすめしません。
また、科目ごとに優先順位を付けることも大切です。
特に数的処理や文章理解は出題数が多く、力が付くまで時間がかかるため、最も優先的に学習しましょう。
一方で人文科学や社会科学、自然科学などは数的処理や文章理解の学習がある程度進んでからで問題ありません。
個々の知識量や得意分野によっては対時間効果が低い教科も生じるため、取捨選択しながらメリハリをもって学習してください。
論文の対策方法
論文試験で高評価を得るには、以下の2つが重要となります。
- 出題内容についての知識を身に付ける
- 読みやすい文章のコツをつかむ
出題内容の知識は、頻出用語の暗記から始めてください。
ただし参考資料の丸暗記は効率が悪いため、各論点の「背景・原因」「問題点」「解決策」を自分の言葉で説明できるようにしましょう。
具体的な数字や最新の情報、受験先の取組みなどまで把握できれば、より説得力のある答案を作れます。
また読みやすい文章を作るためにも、参考答案や模範答案、エッセイ、評論などを読み込んでください。
そして実際に出題されたテーマや予想問題を活用して、実際に答案を作成してみましょう。
作成した答案が完成したら、以下の4点に注目して読み返します。
- 信憑性があるか
- 論理性があるか
- 誤字脱字の有無
- 答案用紙のルールを守っているか
この際に、第三者の客観的な視点で評価をもらえれば理想です。
専門家である公務員予備校から添削を受けることをおすすめしますが、勉強仲間や家族などに読んでもらうだけでも十分に効果があります。
二次試験(面接)の対策方法
二次試験の面接対策では、最初に「志望動機の明確化」を行います。
志望動機はどの自治体でも必ず聞かれる質問です。
ぼんやりと頭に思い浮かんでいる方は多いですが、明確かつ説得力をもたせた志望動機でないと面接では評価されません。
また志望動機が明確であれば「自分の強みや経験をどのように職務に活かすか」も見えてきます。
志望動機を明確化したら、頻出の質問に対する回答のイメージも作りましょう。
そして、王道の個別面接の対策であれば模擬面接の活用がおすすめです。
模擬面接はハローワークや公務員予備校で受けられるため、積極的に活用しましょう。
第三者からの客観的な意見をもらえれば回答の内容をブラッシュアップでき、面接本番のイメージも掴めます。
面接は繰り返し練習することで力が付くため、何度も模擬面接を受けられる公務員予備校や通信講座がおすすめです。
公務員試験社会人採用の試験日
ここでは、主要な自治体の社会人採用の試験日や試験内容を簡単に紹介します。
一次試験日(令和6年) | 試験内容(一次試験) | |
---|---|---|
東京都 | 8月18日 | 書類選考 適性検査(基礎能力試験) 専門試験(記述式) 論文試験 |
特別区 | 9月1日 | 教養試験 論文試験 |
千葉県 | 9月24日(令和5年) | 専門考査 論文考査 |
千葉市 | 9月29日 | 教養試験 集団討論試験 |
埼玉県 | 9月29日 | 教養試験 論文試験 |
さいたま市 | 9月29日(行政事務) | 教養試験 経験論文試験(二次試験で採点) |
神奈川県 | 7月26日~8月13日のうち指定の2週間程度 | 経験小論文 |
横浜市 | 8月30日~9月13日 | 教養試験 論文試験 (二次試験で採点) |
ただし公務員試験の日程や内容は自治体によって異なるため、必ず募集要項を確認してください。
公務員試験社会人採用に合格するならアガルートがおすすめ!
今回は公務員の社会人採用の流れや試験内容、難易度、日程などを解説しました。
各自治体で民間企業等経験者を対象とした試験が実施されていますが、大卒程度よりも倍率は高いため入念な試験対策は必須です。
また社会人でも大卒程度試験を受験する選択肢があるため、募集要項やメリット・デメリットを確認して、自分に合った試験区分を選んでください。
そして公務員試験対策を効率的に行い、合格率をあげたい方は、通信講座のアガルートがおすすめです。
アガルートであれば、全国どこからでも専門家の講義映像やわかりやすいテキスト、回数無制限の模擬面接などを用いた公務員試験対策を受けられます。
またスマホやタブレットで学習できるデジタルブックや、持ち運びしやすいテキストサイズ、音声ダウンロードなどによって、仕事のスキマ時間や通勤時間でも効率的に試験対策が可能です。
さらに学習サポーター制度や質問制度、ホームルームといったフォロー制度が充実している点も魅力です。
オンラインのため費用を抑えて利用でき、社会人採用に合格したい幅広い方におすすめであるため、ぜひご検討ください。
公務員試験社会人採用時によくある質問
ここでは、公務員試験の社会人採用でよくある質問にご回答します。
経験者採用に合格するには何年かかる?
一般的な試験内容であれば、経験者採用の合格には300時間程の学習が必要となります。
仮に毎日1日1時間継続して学習できれば10か月で達成できる計算です。
まずは一次試験の日程から逆算して学習計画を立ててみましょう。
年齢制限は何歳まで?
公務員試験の社会人採用の年齢制限は、自治体によっても異なります。
民間企業等での勤務要件を満たしていれば59歳まで受験できる場合や、50歳を上限としている場合などさまざまです。
そのため、志望先の募集要綱で受験資格を満たしているかを確認してください。
40代でも経験者採用を受験できる?
40代でも公務員に転職することは可能です。民間企業等での勤務要件を満たしていれば、経験者採用を受験できるケースが多いです。
ただし、中には39歳や40歳などが上限の自治体もあるため、志望先の募集要項を確認してください。詳しくは「40代で公務員に転職することは可能?メリット・難易度・転職方法を解説」記事を参考ください。
30代でも公務員への転職や経験者採用を受験できる?
30代でも公務員に転職することができます。ただし、年齢制限により受けることができない自治体なども出てくるため、転職活動をする場合は早めに行動しましょう。
あらかじめ各自治体の受験資格を確認することをおすすめします。
20代で公務員への転職できる?
20代で公務員へ転職することは可能です。40代や30代での転職と比べ自治体や職種の選択が可能です。公務員になるには公務員試験に合格する必要があるため、転職を考えている場合は早めに対策を始めましょう。
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大学現役時に以下の公務員試験に独学で合格。
・国家公務員一般職
・国税専門官
・東京特別区
・地方上級(地元県庁)
そして、公務員としての勤務を経た後に、フリーランスのWebライターとして独立。
現在は公務員時代の知識や経験を活かして、多くの方の人生の選択に役立てるよう日々奮闘しています。