1級建築施工管理技士は、建築施工管理技士試験に合格して取得できる資格です。

受験を控えていると、「独学で合格できるのか」「どれくらい勉強すれば合格できるのか」と悩んでいる方は多いのではないでしょうか。

本コラムでは、2025年最新の1級建築施工管理技士試験の合格に必要な勉強時間と勉強方法について解説します。

勉強時間の内訳まで詳しく紹介するため、受験を検討している方はぜひ参考にしてください。

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1級建築施工管理技士試験の勉強にかかる時間は?

1級建築施工管理技士試験に合格するために必要な勉強時間は、100〜400時間と言われています。

勉強時間に差が出る要因は、勉強を始める時点でのレベル差が考えられます。

現場経験が浅い初心者の場合、幅広い知識やスキルが身に付いていないことが多く、合格するためには多くの勉強が必要となる可能性が高いです。

中には、目安の400時間以上かかってしまう場合もあるでしょう。

対して実務経験を何年も積んで試験を受ける場合、100時間程度の勉強で合格できる可能性があります。

1級建築施工管理技士試験の勉強にかかる期間の目安は?

1日2時間で勉強を進める場合、レベルによって以下の期間が必要です。

レベル必要な勉強時間1日2時間勉強した時の日数
初心者約400時間約200日(約6.6か月)
中級者約200〜300時間約100〜150日(約3.3か月〜5か月)
上級者約100時間約50日(約1.6か月)

無理のない学習ペースを確保したいなら、初心者の方は約半年前から勉強を始めるのがおすすめ。

中級者の方は約4~5か月前、上級者の方は約1〜2か月前から受験対策をスタートすれば、余裕をもって学習を進められます。

1級建築施工管理技士試験の独学はおすすめできる?

結論からいうと、1級建築施工管理技士試験の独学はおすすめできません。

1級建築施工管理技士試験の難易度は高く、誰にも学習方針やわからないことを質問・相談できない独学では必要な知識が身につかない可能性が高いからです。

とはいえ、中にはコスト面の理由などから独学で合格を目指したい方もいるでしょう。

ここでは独学のメリット・デメリットを解説するため、自身に合った勉強方法を決める参考にしてみてください。

独学のメリット

独学のメリットは、受験に必要な費用を削減できる点です。

通学制の予備校に通う場合、コースによっては数十万円の受講費がかかる場合があります。

一方、独学であればテキストや問題集などを購入する費用のみとなるため、1万円以下の費用で合格できる可能性もあるでしょう。

自分のペースで勉強を進められる点も独学の強み。

勉強方法やスケジュールまで決定・管理できるため、無理のないペースで試験勉強を進められます。

独学のデメリット

1級建築施工管理技士試験は、第一次検定・第二次検定の両方に合格しなければならない高難易度の試験です。

そのため独学で1級建築施工管理技士の試験対策を行うと、多くの労力・時間が必要になります。

難易度は、第一次検定と第二次検定で少々異なります。

試験を実施する一般財団法人 建設業振興基金が公開するデータによると、第一次検定の合格率は約35〜50%、第二次検定は約40〜50%です。

第二次検定は、第一次検定合格者や実務経験などの受験資格があり、知識・スキルがある受験生であっても2人に1人は不合格になります。

十分な勉強をしなければ、合格は難しい試験といえるでしょう。

独学で合格を目指す場合、テキスト選びからスケジュール管理などのすべてを自分で管理しなければなりません。

また、独学は質問相手やサポートをしてくれる第三者がいないため、モチベーション維持が難しいデメリットもあります。

一度怠けてしまうとモチベーションが下がり、スケジュール通りに勉強できない状況にもなりかねません。

1級建築施工管理技士試験に独学で受かる勉強方法

1級建築施工管理技士試験に独学で受かるためには、以下のポイントを抑えた勉強法がおすすめです。

  • 学習方針を決める
  • 必要な知識を身につける
  • 模試試験を受ける

学習方針を決める

独学で試験対策を行いたい場合、まず第一次検定・第二次検定それぞれで学習方針を決めることが重要です。

第一次検定の学習方針

一般財団法人建設業振興基金の公式サイトによると、第一次試験の令和6年度では総出題数が72問となり、その中の60問が選択式となります。

また第一次検定は学科試験のマークシート方式で、知識問題は四肢択一式、応用能力問題は令和6年度から五肢択一式に変更されています。

以下、第一次検定の検定科目と出題数をまとめました。

検定科目知識・能力の別出題数解答形式
建築学知識約40四肢択一
施工管理法知識約10四肢択一
応用能力約10五肢択一
法規知識約12四肢択一

※参考:令和6年度 1級建築施工管理技術検定 第一次検定・第二次検定 受験の手引

初心者や実務経験が浅い場合は、出題分野の「建築学等」「施工管理法」「法規」を体系的に学ぶ必要があるでしょう。

「建築学等」は第一次検定の基礎的な部分かつ出題率が30%以上となるため、最も優先順位が高いです。

2番目には「施工管理法」を学習しましょう。

建築学で学んだことを基に、施工管理法の分野を学ぶとスムーズに学習が進みます。

「法規」は建築学や施工管理法を学んだあとに勉強すると覚えやすい特徴があるため、優先度は3番目になります。

第二次検定の学習方針

第二次検定は、記述式およびマークシート方式の問題が出題されます。

二次検定は実地試験の位置づけとなり、テーマに合わせて自分の経験やスキルに基づいた作文を書く経験記述の問題がメインとなります。

穴埋め問題や計算問題なども出題されるため、知識を暗記するだけでなく理解を深めておく必要があるでしょう。

以下、第二次検定の出題分野一覧です。

検定科目知識・能力の別出題数解答形式
施工管理法知識約6問五肢択一
応用能力記述

※参考:令和6年度 1級建築施工管理技術検定 第一次検定・第二次検定 受験の手引

経験記述の問題は配点が高く、現場での経験や技術力が求められる重要な問題です。

第二次検定の学習を勉強する際には、記述式の問題への対策に力を入れましょう。

ただし独学だと難易度が高いため、難しい場合は予備校や通信講座を活用した対策がおすすめです。

なお、第二次検定は第一次検定合格者などの受験資格が設定されています。

第一次検定の合格発表から二次検定の試験日まで例年約3か月期間が空いているため、まずは第一次検定に合格できるよう試験科目の勉強を優先的に進めましょう。

必要な知識を身に付ける

学習方針が決まったら、計画的に必要な知識を身に付けましょう。

独学で知識を身に付けるのに有効な方法は、以下のとおりです。

参考書・過去問を使った勉強方法

独学で知識を身に付けたい場合は、参考書や過去問題集を使用した勉強方法がおすすめです。

参考書や過去問題集での学習は、コストを抑えつつ自分のペースで勉強を進められます。

自分で参考書を選ぶ場合は、前年度の傾向を踏まえて作成されたものだと最新情報が得やすいでしょう。

ただし参考書での学習だけでは自分の実力を把握することは難しいため、定期的に過去問を解いて今の実力や苦手な分野を把握してください。

繰り返すとことで、試験の問題形式に慣れることにも繋がります。

動画(YouTubeなど)を使った勉強方法

YouTubeなどの動画を使った勉強方法も、独学で知識を身に付けることに役立ちます。

無料で視聴できる動画を活用するとコストをかけずに、幅広い情報を集めることが可能です。

またYouTubeなどでは、各スクールの講師などが試験や勉強方法を解説する動画が公開されています。

気になる勉強方法などがあれば、自分に合っているのか試してみましょう。

合格した方の体験談や勉強で活用したおすすめ書籍などを紹介している動画は、受験までのイメージを掴むうえで有効的です。

模擬試験を受ける

必要な知識を身に付けられたら、総仕上げとして模擬試験を受けましょう。

模擬試験を行う際には、実際の試験を想定して時間を測り、本番と同じような環境で問題を解くことが重要です。

模擬試験で本番に近い経験ができるため、試験独特の環境に慣れておくことができます。

また模擬試験を何度か受けると試験傾向の把握や、参考書や過去問演習では気づかなかった弱点を見つける機会にもなります。

まとめ

本コラムでは、1級建築施工管理技士試験の合格に必要な勉強時間と勉強方法について解説しました。

コラムの要点は、以下のとおりです。

  • 試験に合格するために必要な勉強時間は、約100〜400時間
  • 受験する際の実力によって、合格に必要な勉強時間は異なる
  • 1日2時間で学習する場合、初心者であれば約半年前から勉強を始めると無理がない
  • 1級建築施工管理技士試験は、独学での合格はかなり難しい
  • 独学だとコストがかからないメリットがあるが、1人ですべて管理しなければならないため多くの労力・時間がかかるデメリットがある
  • 独学で試験勉強を行うなら、学習方針を決める・必要な知識を身に付ける・模擬試験を受けるの3つのポイントを抑えると良い

独学で1級建築施工管理技士を取得しようとすると、すべて1人で行うため難しいと感じる方が多いです。

独学では不安と感じる、仕事をしながら試験合格を目指したい場合は、通信講座を利用した受験対策が役立つでしょう。

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