大規模な工事現場を取り仕切る管理者として欠かせない存在である1級建築施工管理技士。

建築現場に携わる技術者として受験を検討しており、資格試験の難易度や合格率について気になっている方もいるでしょう。

当コラムでは1級建築施工管理技士試験について、第一次・第二次検定それぞれの合格率や難易度、勉強方法について解説します。

2025年現在の最新情報をまとめたので、ぜひ参考にしてください。

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1級建築施工管理技士の合格率は?

2024(令和6)年実施の最新試験における1級建築施工管理技士資格の合格率は、第一次検定で36.2%、第二次検定で40.8%でした。

ここでは、より詳しい合格率の推移について以下の内容で解説します。

  • 第一次検定の合格率
  • 第二次検定の合格率
  • 実質的な合格率は高くない
  • ストレート合格率はさらに低い 

第一次検定の合格率

2024年に実施した第一次検定の合格率は36.2%でした。

下記の表は、直近6年分の合格率をまとめたものです。

年度合格率受験者数合格者数
2024(令和6)年36.2%37,65113,624
2023(令和5)年41.6%24,07810,017
2022(令和4)年46.8%27,25312,755
2021(令和3)年36.0%22,2778,025
2020(令和2)年51.1%22,74211,619
2019(令和元)年42.7%25,39210,837

合格率は35%〜50%付近を推移しており、今年度の合格率はやや低めなことがわかります。

受験者数が前年以前と比べて増加しており、受験者数の母数が多かったことで合格者数も増えていますが、合格率自体は低い数値となりました。

第二次検定の合格率

最新の2024年試験における第二次検定の合格率は40.8%でした。

年度合格率受験者数合格者数
2024(令和6)年40.8%14,8166,042
2023(令和5)年45.5%14,3916,544
2022(令和4)年45.2%13,0105,878
2021(令和3)年52.4%12,8136,708
2020(令和2)年40.7%16,9466,898
2019(令和元)年46.5%15,8767,378

直近6年の合格率は、40%〜52%付近を推移。

2024年試験の合格率は例年と比較すると低い結果になりました。

実質的な合格率は高くない

1級建築施工管理技士の第一次・第二次それぞれの合格率は30〜50%ほどと高めに見えますが、実質的な合格率はさほど高くありません。

資格取得には第一次・第二次検定の両方を突破する必要があるため、実質的な合格率は例年10〜20%ほど。

例えば2024年試験の場合、第一次合格率36.2%に第二次合格率40.8%をかけた14.8%が最終合格率となります。

特に、第二次検定は第一次検定の合格者を対象に実施されているにもかかわらず、毎年半数以上の受験者が不合格となっています。

例年2万〜3万人が受験しながら最終合格者は6,000〜8,000人なことを考えても、かなり難易度の高い試験といえるでしょう。

ストレート合格率はさらに低い

1級建築施工管理技士試験にストレート合格できる確率は、最終合格率10〜20%よりもさらに低くなります。

第一次・第二次検定は個別の試験なため、例年集計される第二次検定の結果には「第二次検定だけを受験した人数」「再受験者数」も含まれています。

つまり両検定を初回で突破できる確率は低下し、推定で5〜15%ほどの合格率しかないと考えられるでしょう。

ストレート合格を目指す難易度は非常に高いため。通信講座を利用したり知識を深めてから受験したりと自分に合った勉強方法を見つけましょう。

1級建築施工管理技士の試験内容から見た難易度

総合的に見ると、1級建築施工管理技士の試験内容から見た難易度は高いです。

一定の受験資格の制限が設けられており、一次検定・二次検定ともに簡単に解ける設問内容ではないため、生半可な努力では合格できません。

ここでは、項目別に1級建築施工管理技士の試験内容から見た難易度が高いといえる理由を解説します。

受験資格を満たす難易度は高い

1級建築施工管理技士試験の受験資格から見た場合、資格取得の難易度は高めです。

最大の理由は、第二次検定の受験資格として一定の実務経験が求められること。

以下の表は、第二次検定を受験する際に必要となる実務経験をパターン別にまとめたものです。

  • 第二次検定の受験資格一覧
区分必要実務経験
区分1】1級第一次検定合格者
1-11級建築第一次検定合格後、実務経験5年以上
1-21級建築第一次検定合格後、特定実務経験1年以上を含む実務経験3年以上
1-31級建築第一次検定合格後、管理技術者補佐として実務経験1年以上
【区分2】1級第一次検定、および2級第二次検定合格者
2-12級建築第二次検定合格後、実務経験5年以上
2-22級建築第二次検定合格後、特定実務経験1年以上を含む実務経験3年以上
【区分3】1級第一次検定受験予定、および2級第二次検定合格者
3-12級建築第二次検定合格後、実務経験5年以上
3-22級建築第二次検定合格後、特定実務経験1年以上を含む実務経験3年以上
【区分4】一級建築士試験合格者
4-1一級建築士試験合格後、実務経験5年以上
4-2一級建築士試験合格後、特定実務経験1年以上を含む実務経験3年以上

参考:令和6年度 1級建築施工管理技術検定のご案内

いずれのパターンで第二次検定を受験する場合も、最短で1年以上の実務経験が求められます。

1級施工管理技士は、大規模工事の現場を取り仕切ることもできる資格です。
有資格者となるためには知識だけでなく、実地体験に基づく経験が問われます。

第一次・第二次検定の両方を同年に受験して合格を目指す場合は、事前に2級第二次検定に合格しているか、一級建築士の資格を取得している必要があります。

1級建築施工管理技士として就業すれば、現場監督者として重い責任を負うことになります。

責任感と経験を問われる立場を目指す分、数年がかりで合格する覚悟が必要でしょう。

第一次検定の難易度はやや高い

1級建築施工管理技士試験の第一次検定の難易度は「やや高め」です。

主な理由としては、試験範囲が広いことや、合格基準が厳しいことなどが挙げられます。

合格基準は4科目全体で60%以上、かつ「施工管理法(能力問題)」でも60%以上の正答率です。

試験は4科目共通のマークシートによる多肢選択式で実施されます。

令和3年の試験から内容が一部変更され、従来実地試験で出題されていた記述問題が「施工管理法(能力問題)」として五肢二択形式で組み込まれました。

  • 第一次検定・午前の部(2時間30分)
科目内容出題数回答形式
建築学等建築学15問四肢択一
共通5問四肢択一
施工(躯体工事)10問四肢択一
施工(仕上げ工事)9問四肢択一
施工管理法施工管理法5問四肢択一
  • 第一次検定・午後の部(2時間)
科目内容出題数回答形式
施工管理法施工管理法10問四肢択一
施工管理法(能力問題)6問五肢択二
法規法規12問四肢択一

第一に警戒すべきは「施工管理法(能力問題)」です。

単問で60%の合格基準が設けられており、6問の出題中、4問以上正解する必要があります。

選択式なため、まずは個々の用語の内容をしっかり覚えてください。

似た語句を確実に見分け、紛らわしい選択肢を提示されても正確に回答できる力を養うことが重要です。

第二次検定の難易度は高い

1級建築施工管理技士の第二次検定の難易度は「高い」です。

二次検定からはマークシートによる選択問題に加えて記述式問題が出題されます。

知識はもちろん、回答を明確に記述するための論理的な文章力や、3時間の長丁場を乗り切る集中力が求められるでしょう。

特に最難関といわれる出題が、第一問目の「経験記述」。

第二次検定の受験資格にもなっている「実務経験」について具体的に回答する必要があります。

  • 第二次検定(3時間)
科目内容出題数回答形式
施工管理法施工管理法(能力問題)4問記述
施工管理法2問五肢択一

経験記述では受験者本人が実際に経験した工事の名称や施工場所、当時の立場や業務内容などの詳細が最初に問われます。

「品質管理」「建設副産物」「施工の合理化」などのテーマに答える方式です。

印象的な実務経験の内容をおさらいすると同時に、テーマごとに「ネタ」をまとめておくとよいでしょう。

記述問題に関しては、受験者本人がいかに自分の経験を把握できているかが問われます。

「品質管理に気を遣った現場」「合理性を重視した現場」などと話題のストックを作り、どのような出題にも対応できるよう備えましょう。

なお、嘘の経験談をでっちあげることはNGです。

参考書の丸写しなどが判明した場合は受験資格を剥奪される可能性もあります。

1級建築施工管理技士に合格するための勉強方法

1級建築施工管理技士試験に合格するための勉強方法は以下のとおりです。

  • 適切なスケジュールを立てる
  • スキマ時間を活用して学習する
  • 独学だけでなく通信講座を検討する

適切なスケジュールを立てる

受験勉強の最初に、適切な学習スケジュールを立てましょう。

1級建築施工管理技士試験の学習時間の目安は、100〜400時間ほどとされます。

現場経験の多寡や苦手分野の有無などで必要な学習量は変わるため、試験日や自分の状況から逆算して無理のないスケジュールを立てることが重要です。

無計画に勉強を始めると、手あたり次第に非効率的な学習を行う・試験に間に合わないから知識を詰め込むといった事態にも陥りがち。

最悪の場合には、ストレスフルな学習を続けて健康を害する恐れもあります。

本業のかたわら受験勉強を続けて合格を目指すためには、無理なくコンスタントに学習を続けることが重要です。

早く合格したいからと焦らず、「続けられる」スケジューリングを目指しましょう。

スキマ時間を活用して学習する

スキマ時間を有効活用した学習を行うことは、スケジュール管理の面で非常に重要です。

特に社会人になってからの受験の場合、本業のかたわらまとまった学習時間の捻出が困難なケースは珍しくありません。

最近では、学習アプリや参考動画など、通勤・通学、家事などの合間に手軽に学習できる教材も充実しつつあります。

自分に合った教材を上手に利用し、短い時間の積み重ねで確実に知識をつけられるよう工夫しましょう。

独学だけでなく通信講座を検討する

独学だけでは対策が難しいと感じたら、通信講座の利用を検討するのがおすすめ。

独学は自分のペースで学習を進められる一方、疑問点の解消が難しい・モチベーションや計画維持が難しいなどデメリットも多いです。

しかし通信講座であれば、手厚い学習サポートや洗練されたカリキュラムなど、合格を後押しするメソッドが揃っています。

オンライン講義であれば受講日時などが柔軟に調整でき、生活ペースが崩れる心配もありません。

また、通信講座によっては最難関の経験記述についても事前に添削を受けられます。

プロ目線で「合格できる記述力」を鍛えられる点は、独学にはない大きなメリットといえるでしょう。

まとめ

当コラムでは、1級建築施工管理技士試験について、以下の内容で解説しました。

  • 2024年試験の合格率は、第一次検定で36.2%・第二次検定で40.8%。最終合格率は14.8%。
  • 第一次・第二次検定ともに試験難易度は高め。特に、第二次検定で出題される経験記述は難関。
  • 第二次検定では受験資格として実務経験が必須となり、受験に至るまでの道のりも長い。
  • 合格のために有効な学習方法としては、「適切なスケジューリング」「スキマ時間の活用」「通信講座の利用」などが挙げられる。

1級建築施工管理技士試験は、最終合格率が例年10〜20%を推移する非常に難易度の高い試験です。

カバーすべき知識範囲が広いことや実務経験が求められることが難易度を底上げし、特に二次検定の「経験記述」の対策は独学では難しいでしょう。

「わからないことを質問できる相手がほしい」「記述問題を添削してほしい」といった場合は、通信講座の活用がおすすめです。

多くの受験生を導いてきたノウハウで、効率よく合格を目指せるでしょう。

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