不動産鑑定士試験の受験を検討しているものの、大学生でも取得できるか、就職に役立つのかなどで悩んでいませんか。

不動産鑑定士試験は難関国家資格と言われていることから、不安に思っている方もいるのではないでしょうか。

このコラムでは大学生が不動産鑑定士試験に合格するためのポイント、就職の状況、大学生が不動産鑑定士試験を受験するメリットなどがわかります。

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不動産鑑定士資格は大学生でも取得できる?

不動産鑑定士試験は、年齢、学歴、国籍、実務経験等に関係なく受験できる国家資格であるため、受験において学歴は必要とされませんから、大学に在学中でも受験することが可能です。

難関国家資格であることから、一般的には2,000時間から3,000時間程度の勉強時間が必要とされますが、計画的に学習することで在学中に合格することは十分可能でしょう。

なお、受験のためには受験手数料として12,800円が必要となります。

不動産鑑定士資格を大学生で取得するメリットは?

ここでは大学生が不動産鑑定士の資格を取得するメリットを3つ紹介します。

  • 就職活動に有利
  • 希少価値が高い
  • 勉強時間を確保しやすい

就職活動に有利

在学中に不動産鑑定士試験に合格した場合、就職活動にとても有利となります。

不動産鑑定士の資格は、不動産鑑定会社のみならず、不動産会社、信託銀行などの金融業界、ディベロッパー、鉄道会社などを中心に必要とされている資格です。

なお、在学中に論文式試験まで合格することができなかった場合であっても、短答式試験に合格することができていれば十分なアピールポイントになり、就職において有利に働くでしょう。

また上記のような業界以外に進まれる場合であっても、難関国家資格を受験した経験は、学生時代に力を入れたこととしてアピールポイントになります。

希少価値が高い

平成29年に国土交通省が実施した調査によると、不動産鑑定士の年齢構成は以下のようになっています。

年齢年齢構成
~29歳0.4%
30歳~39歳9.2%
40歳~49歳27.4%
50歳~59歳19.0%
60歳~69歳19.8%
70歳~79歳13.6%
80歳~89歳8.3%
90歳~2.1%
出典:参考資料集

不動産鑑定士は9,000人未満しか存在しない稀少性の高い資格ですが、特に20代の不動産鑑定士が極めて少なく、全体の0.4%程度となっています。

そのため大学在学中に不動産鑑定士試験に合格した方は、極めて希少性が高い存在と言えるでしょう。

就職される会社によっては、将来の幹部候補として採用されることになります。

勉強時間を確保しやすい

大学生は勉強時間を確保しやすく、スケジュールも比較的立てやすいため、不動産鑑定士試験を受験しやすい環境にある方が多いと言えるでしょう。

不動産鑑定士試験はお仕事を続けながら受験される方が多い試験ではありますが、仕事をしながら勉強時間を確保することは中々難しいものです。

大学生は社会人の方と比較した場合には勉強時間を確保しやすい環境にある場合が多いですから、大学在学中に勉強を開始すると他の受験生と比較してかなり有利な環境で争うことができます。

不動産鑑定士に興味がある大学生の方は、このようなアドバンテージがある大学在学中に、不動産鑑定士の資格を目指すべきと言えるでしょう。

理系でも不動産鑑定士を目指せる?文系のほうがいい?

不動産鑑定士試験は文系資格とされてはいますが、文系理系に関係なく目指せる資格と言えるでしょう。

そもそも文系と理系を明確に区別できるわけではありませんが、不動産鑑定士試験で問われる内容は理系の方のほうが理解しやすい場合も多くあります。

特に論文式試験で出題される経済学は、グラフや関数、微分等を用いる科目であることから、理系の方のほうが得意とされる傾向にあると言って良いでしょう。

なお、日本において経済学は文系に分類されているのが通常ですが、世界的には理系科目として分類されている例も多く見られます。

一方で、不動産鑑定士試験は暗記しなければならない内容が多くありますから、暗記が得意な文系の方には適している資格とも言えるでしょう。

結局のところ不動産鑑定士試験は、文系の方でも理系の方でも挑戦しやすい国家試験と言えます。

不動産鑑定士の就活はどんな感じ?

現在の不動産鑑定士業界は売り手市場であると考えられます。

他の国家資格と同様に高齢化が進んでいることから、今後人材の不足がより進んでいくことが懸念されているためです。

そのため、特に20代の合格者の方は比較的スムーズに就職活動を行うことができるでしょう。

なお不動産鑑定会社に就職をお考えの場合は、論文式試験後の8月頃から合格発表がある10月頃までが採用活動の期間となることにご注意ください。

大学生が不動産鑑定士試験に合格するためのポイント

ここでは大学生が不動産鑑定士試験に合格するためのポイントを3つ紹介します。

  • 学習計画を守る
  • 毎日基準に触れる
  • 試験科目に関係がある科目を履修する

学習計画を守る

試験に合格する上で大事なことは、学習計画を守ることです。

大学生は比較的学習時間が取りやすいものの、講義やアルバイト、サークル活動など、人によっては様々な活動を行うため、時間の管理が大変と感じている方も多いかと思います。

そこに不動産鑑定士試験の勉強が追加されることになるため、学習計画をしっかりと立てた上で、その計画を守るようにしなければ、途中で試験勉強をあきらめてしまう原因になるでしょう。

そのためには、1年間だけ短期集中して合格を目指す計画や、短答式試験と論文式試験に分けて2年間かけて合格を目指す計画など、ご自身の置かれている状況を考慮した計画を立てる必要があります。

学生生活は楽しいことも多いと思いますので、そのような楽しい時間を極力あきらめることなく、不動産鑑定士試験の勉強も継続できるような学習計画を立てて実行しましょう。

毎日基準に触れる

不動産鑑定士試験の合格のためには、不動産鑑定評価基準と不動産鑑定評価基準運用上の留意事項(以下併せて、基準)を理解し、暗記する必要があります。

そのためには毎日基準に触れるようにしましょう。

大学生は、講義と講義の間の時間や、アルバイトまでの時間、通学時間など、隙間時間が生じやすいと言えます。

毎日テキストや論証集などを持ち歩くなり、スマートフォンなどを用いて基準を確認するなり、とにかく隙間時間を活用して基準に触れる習慣を身につけましょう。

試験科目に関係がある科目を履修する

大学の講義で不動産鑑定士試験に関係ある科目を履修できる場合、履修することを検討するのも良いかもしれません。

不動産鑑定士試験では、民法、会計学(財務会計)、経済学(ミクロ経済学やマクロ経済学)など、大学で開講されていることが多い科目も試験科目となっています。

大学によりますが、自分が所属する学部とは異なる学部の講義を履修することができる場合も多いですから、不動産鑑定士試験を考えて履修登録するのも良いでしょう。

ただし、本来大学は自分の学びたい分野を学べる貴重な場所ですから、不動産鑑定士試験を中心に考えるのではなく、ご自身の学びたい科目を履修することを優先することは忘れないようにしましょう。

予備校を利用するならアガルートの通信講座がおすすめ

大学生が予備校や通信講座を利用して不動産鑑定士試験の勉強をしたいと考えている場合、アガルートの通信講座がおすすめです。

通信講座ですから、自分の生活スタイルに応じて学ぶことができますし、講義は短時間のチャプターで区切られているため、隙間時間を有効活用して学習することが可能となっています。

試験合格に必要な内容はテキストと論証集に集約されていますから、テキスト・問題集・まとめ用の教材・答練や模試・レジュメなど大量かつ様々な教材を消化しなければならないといった、受験予備校でありがちな心配もアガルートの通信講座であれば必要ありません。

まとめ

不動産鑑定士は、難関試験ではあるものの、希少性の高い資格です。

資格を取得することができれば、就職に有利であったり、資格を活かして独立開業ができたり、今後の人生に役立つであろう様々なメリットがあります。

在学中に不動産鑑定士試験に合格する方は特に希少ですから、チャレンジしてみる価値は十分あると言えるでしょう。

不動産鑑定士に興味のある方に、本コラムが参考になったのであれば幸いです。

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この記事の著者

阿部 美幸

令和元年不動産鑑定士試験 合格
北海道大学大学院経済学院会計情報専攻 卒業
大手資格予備校の講師として公務員試験(経済系科目・法律系科目・会計学等)、日商簿記検定試験を⾧年指導。
効率的な勉強方法を追及するため、自身で様々な資格試験を受験し、合格している。
自身の学習経験に加え様々な合格者の学習方法を分析し、効率性を追及した講義と教材の提供を行っている。

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