不動産鑑定士は、土地や建物などの不動産の価値を鑑定するプロフェッショナルです。

不動産鑑定士の仕事には専門的なスキルが求められるため、自分に適性があるのかどうか気になっている方も多いのではないでしょうか。

本コラムでは、不動産鑑定士に向いている方の特徴や、仕事のやりがいについて解説します。

不動産鑑定士に求められる適性や、不動産鑑定士になるメリットなどについても触れているため、不動産鑑定士の仕事に興味をお持ちの方はぜひ参考にしてください。

不動産鑑定士に向いている人・適性がある人の6つの特徴 

不動産鑑定士に向いている人の特徴として、以下の6つがあげられます。

• 論理的思考力がある人
• 判断力がある人
• 責任感がある人
• レポート作成が得意な人
• 継続的に勉強できる人
• コミュニケーション能力が高い人

それぞれについて、詳しく解説します。

論理的思考力がある人

論理的な思考が得意な人は、不動産鑑定士に向いていると考えられます。

不動産の鑑定評価を行う際は、一定のルールに加え、自分なりの解釈が求められます。

また、説得力のある結論を導き出すためには、客観的な事実に基づく分析力や、論理的な思考力が不可欠です。

筋道を立てて、自分の考えを論理的に整理できる人は、不動産鑑定士としての適性を備えていると言えるでしょう。

判断力がある人

判断力がある人は、不動産鑑定士に向いている可能性が高いです。

不動産の価値を判断するためには、さまざまな調査を行い、判断に必要な情報を集める必要があります。

また、集めた情報をもとに、複数の条件を考慮して、最終的な価値を判断しなければなりません。

実務に携わるうちに判断力が身に付く場合もありますが、基本的な判断力が高い人は、スムーズに仕事を進められるでしょう。

責任感がある人

責任感がある人は、不動産鑑定士としての適性を備えていると言えます。

不動産鑑定士の仕事は公共性が高く、地価公示をはじめとする公的評価に携わる機会も多いと考えられます。

また、社会的な影響力が大きい仕事であるため、公正かつ中立な立場から、鑑定評価を行わなければなりません。

自分の判断が多くの関係者に影響を及ぼすことを自覚し、強い責任感を持って仕事に取り組める人は、不動産鑑定士に向いているでしょう。

レポート作成が得意な人

レポート作成が得意な人は、不動産鑑定士に向いているでしょう。

不動産鑑定士は、不動産の鑑定評価に加え、鑑定評価書やレポートを作成する必要があります。

また、不動産に関する調査や分析などの業務を行う際は、調査結果をわかりやすくまとめる能力が求められます。

レポート作成をはじめとする事務的なスキルは、不動産鑑定士の仕事に役立つでしょう。

継続的に勉強できる人

地道な勉強を継続できる人は、不動産鑑定士に必要な適性を備えていると言えます。

不動産鑑定士試験は非常に難易度が高く、最低でも約2,000時間の勉強時間が必要であると言われています。

また、試験に合格後、さらに1〜2年の実務修習を受け、修了考査に合格しなければなりません。

勉強を長期間継続する必要があるため、向上心と忍耐力が求められるでしょう。

コミュニケーション能力が高い人

コミュニケーション能力が高い人は、不動産鑑定士として活躍できる可能性が高いです。

企業内鑑定士として働く場合、社内のメンバーとのコミュニケーションが不可欠です。

また、独立開業する場合は、新規顧客を獲得するための営業活動などにおいて、コミュニケーション能力の高さが有利に働くでしょう。

さらに、不動産の鑑定結果を顧客に伝える際は、わかりやすい表現が求められます。

コミュニケーション能力が高く、相手の立場に立って考えられる人は、不動産鑑定士としても成功しやすいでしょう。

不動産鑑定士の楽しい点とは？やりがい・メリット・魅力を解説

「不動産鑑定士の仕事は楽しい」という意見が見受けられますが、どのような点に魅力があるのでしょうか。

ここでは、不動産鑑定士になるメリットや、不動産鑑定士としてやりがいを感じられるポイントを紹介します。

• 資格がなければできない鑑定業務に携われる
• 責任感を持って働ける
• 社会に貢献していることを実感できる
• 平均年収が高い

資格がなければできない鑑定業務に携われる

資格がなければできない独占業務に携われることは、不動産鑑定士として働くメリットのひとつです。

「不動産の鑑定評価」は不動産鑑定士の独占業務であり、不動産鑑定士の資格を持っていない人が鑑定業務を行うと、罰則が科せられます。

また、不動産鑑定士試験は非常に難易度が高く、登録を行うまでのハードルが高いため、資格保有者の人数が少ないことでも知られています。

少数の人しか行えない独占的な業務に携われるため、やりがいを感じられるでしょう。

責任感を持って働ける

不動産鑑定士は、社会的な責任が大きい仕事に携われるため、やりがいを感じやすいと言われています。

不動産鑑定士は、地価調査・路線価の評価・地価公示をはじめとする公的な評価業務に携わる機会が多く、高い責任感が求められます。

また、不動産の評価額は、多くの関係者に影響を与えるため、やりがいのある仕事に就きたいと考えている方に適しているでしょう。

社会に貢献していることを実感できる

不動産鑑定士は、社会に貢献していることを実感しやすいと言われています。

依頼者の悩みを解決したり、公益性の高い仕事に携わったりした際に、やりがいを感じられる可能性が高いでしょう。

平均年収が高い

平均年収が高いことも、不動産鑑定士の魅力のひとつです。

2019年における「賃金構造基本統計調査」によると、不動産鑑定士の平均年収は約754万円です。

対して、令和4年分民間給与実態統計調査における国民全体の平均年収は、458万円となっています。

不動産鑑定士の資格を取得し、スキルが評価されれば、キャリアアップを目指せます。

企業内鑑定士として就職すれば、平均を上回る年収が期待できるでしょう。

さらに、不動産鑑定士として独立開業すれば、より高い収入を得られる可能性があります。

まとめ

本コラムでは、不動産鑑定士に向いている人の特徴や、不動産鑑定士のやりがいについて解説しました。

不動産鑑定士の仕事は非常に専門性が高いため、資格保有者しか携わることができません。

そのため、日々の仕事にやりがいを感じられるでしょう。

また、不動産鑑定士は平均年収が高いため、収入面においてもメリットがあります。

一方で、不動産鑑定士として働くためには、論理的な思考力や、適切な評価を下すための判断力が欠かせません。

また、不動産鑑定士の仕事は社会的な影響力が高いため、責任感をもって取り組む必要があります。

加えて、不動産鑑定士になるためには、長い時間がかかるため、勉強を継続する力が求められるでしょう。

不動産鑑定士になりたいと考えている方は、通信講座や予備校などを活用し、スムーズな資格取得を目指しましょう。