不動産系資格として需要が高く、試験難易度も高い不動産鑑定士と司法書士。

どちらを取得すれば良いのか迷っている方はいませんか?

また、既にどちらかの資格を取得済みの方の中で、次のような疑問をお持ちの方も多いのではないでしょうか。

  • どっちの試験が難しい?
  • どのくらいの勉強時間が必要なの?
  • ダブルライセンスのメリットは?

このコラムでは、不動産鑑定士と司法書士の違い、それぞれの試験の難易度について解説します。

ダブルライセンスのメリットについてもまとめていますので、これから不動産鑑定士・司法書士の受験を考えている方や、ダブルライセンスを目指す方はぜひ最後までご覧ください。

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不動産鑑定士と司法書士の違いは?

不動産鑑定士は不動産の価値や評価を専門的に査定する専門家で、司法書士は法的手続きや文書作成、法的アドバイスを専門とする法務の専門家です。

どちらも不動産の売買契約や贈与、相続手続きなどの取引に関するサポートを行いますが、それぞれ異なる専門性を持ち、業務範囲も違います。

ここでは、不動産鑑定士と司法書士の仕事内容・年収・試験内容の違いを解説していきます。

 仕事内容の違い

不動産鑑定士の主な仕事内容は、不動産鑑定と調査・分析・コンサルティングです。

不動産鑑定は、市場経済や物件の状態・法規制・地域特性などを考慮して鑑定評価を行い、鑑定評価額を決定する業務です。

査定結果をまとめた「鑑定報告書」の作成は不動産鑑定士の独占業務となります。

不動産の調査・分析・コンサルティングは、不動産を客観的な視点から調査・分析し、その結果を基に相談やコンサルティングを行い、顧客のニーズに応える業務です。

不動産鑑定士は幅広い種類や規模の不動産に対応しています。

顧客は個人から企業まで、扱う不動産の対象は国内外と多岐にわたるため、不動産業界はもちろん、銀行や金融機関・ 地方自治体や官公庁など幅広い分野・業界で活躍できる資格と言えるでしょう。

司法書士の主な仕事内容は、法的な専門知識に基づき、不動産や会社の登記手続きの代理や、相続手続きや遺言書の作成など裁判所等に提出する書類の作成を行うことです。

具体的な業務内容は以下の通りです。

  • 不動産手続代理業務
  • 会社設立の登記手続代理業務
  • 成年後見業務
  • 遺言書や相続手続のサポート
  • 債権回収や競売手続代理業務
  • 供託に関する手続代理業務
  • 経営コンサルティング業務 

また、法務大臣の認定を受けた司法書士は、民事訴訟手続・即決和解手続・支払督促手続・民事調停手続・裁判外の和解等の代理業を行うことができます。

このように司法書士の仕事内容は多岐に渡り、活躍できるフィールドは非常に広いです。

さらに近年は、高齢化社会の進展や遺言・相続手続きのデジタル化推進などに伴い、司法書士の需要はさらに高まっています。

 年収の違い

一般的に年収は司法書士の方が高い傾向があります。

令和4年賃金構造基本統計調査によると、司法書士の平均年収は971.4万円です。 

参考:司法書士 – 職業詳細 | job tag(職業情報提供サイト(日本版O-NET))

不動産鑑定士の平均年収は、2019年の賃金構造基本統計調査によると、約754万円となっています。

参考:令和元年賃金構造基本統計調査 

これより、217.4万円ほど司法書士のほうが年収が高いことが分かります。

なお、令和4年賃金構造基本統計調査によると給与所得者の平均年収は458万円です。

不動産鑑定士・司法書士の年収は、日本の平均年収と比較して高い傾向にあると言えます。

参考:令和4年分 民間給与実態統計調査

 試験内容の違い

不動産鑑定士試験は1次2次の二段階の試験です。短答式試験と論文式試験があり、短答式試験に合格すると、論文式試験に進めます。

短答式試験は2科目(不動産に関する行政法規、不動産の鑑定評価に関する理論)、論文式試験は4科目(民法、経済学、会計学、不動産の鑑定評価に関する理論(論文及び演習))となります。

試験日程は短答式試験が1日、論文式試験は3日です。

参考:令和6年 不動産鑑定士試験受験案内

不動産鑑定士と司法書士はどっちが難しい?試験の難易度を解説

不動産鑑定士と司法書士、どちらの試験も難易度が高く、比較することは難しいです。

両方とも試験範囲が広く、高度な専門知識の習得が求められるため、「不動産鑑定士のほうが難しい」という意見と「司法書士のほうが難しい」という意見が両方あります。

受験者の実務経験や試験対策の取り組み方によって、難易度の感じ方は異なるため、一概にどちらが難しいと言えないでしょう。

ここでは試験内容・合格率・勉強時間の観点から難易度の比較をします。

 試験内容の比較

科目数が不動産鑑定士より多いという点では、司法書士試験のほうが難しいです。

不動産鑑定士試験は短答式試験で2科目、論文式試験では4科目勉強すればよいですが、司法書士試験は11科目の勉強が必要になります。

また司法書士試験は一度に択一式も記述式も対策しなければならないので、司法書士のほうが難しいという見方ができるでしょう。

不動産鑑定士試験の選抜方式は2段階なので、短答式試験と論文式試験を分けて勉強することができます。

ただし、論文式試験があるという点では、不動産鑑定士試験の方が難しいと言えます。

論文式試験では、専門知識の深い理解と論理的な思考が求められるので、択一式や記述式と違った勉強が必要です。

そのため、論文を書くのが苦手な人にとっては特に、不動産鑑定士試験の方が難しく感じられるでしょう。

 合格率・合格ラインの比較

司法書士試験の例年の合格率は4〜5%で、国家資格の中でも非常に難易度の高い資格となっています。

合格ラインは、午前の部(択一式)、午後の部(択一式)、記述式問題でそれぞれ基準点が設けられています。

基準点は年度によって変わりますが、試験問題の難易度が低い場合、基準点が8割程度と高くなることも珍しくありません。

なお、司法書士試験は相対評価となり、上位5%位に入る高得点を取らなければ合格できません。

基準点を超えれば必ず合格する絶対評価ではないため、学習の到達目標が立てづらい傾向にあるでしょう。

参考:司法書士試験の難易度・合格率は?難しすぎるって本当?

不動産鑑定士の合格率は、例年短答式試験が33〜36%、論文式試験が14〜17%です。

最終合格率は4.6〜6.1%ほどですので、こちらも非常に難易度の高い国家資格と言えるでしょう。

短答式試験と論文式試験にはそれぞれ合格ラインが設けられていますが、相対評価となるため、短答式試験で上位33〜36%、論文式試験で上位14〜17%に入る必要があります。

不動産鑑定士試験と司法書士試験の最終合格率には大きな差がないものの、試験ごとの合格率で見ると、司法書士のほうの難易度が高いという見方ができそうです。

参考:土地・不動産・建設業:不動産鑑定士試験 試験結果情報 – 国土交通省

 勉強時間の比較

合格に必要な勉強時間の目安は、司法書士試験は3000時間、不動産鑑定士試験は2000時間と言われています。

勉強時間は司法書士のほうが1000時間長くなるので、司法書士のほうの難易度が高いという見方ができます。

司法書士試験では、民法、商法、刑法、憲法などの幅広い法律分野の知識が必要です。不動産鑑定士試験よりも求められる法律知識が相対的に多くなるので、必須となる勉強時間も長くなります。

ただし、この勉強時間は最短合格の場合であり、あくまでも目安です。

個人の学習・実務経験や学習スタイルによって、勉強時間は大きく異なります。

不動産鑑定士と司法書士のダブルライセンスはおすすめ?2つのメリットを紹介

不動産鑑定士と司法書士は業務上関わることが少ないため、この組み合わせで取る人は多くありません。

その分、不動産鑑定士と司法書士のダブルライセンスは希少性が高いのでおすすめです。

ダブルライセンスをおすすめする理由は以下の通りです。

  • 仕事の幅が広がる
  • 仕事に資格を活かせる

仕事の幅が広がる

ダブルライセンスを持つことで、不動産鑑定士と司法書士のどちらの仕事もできるようになります。

不動産鑑定、不動産売買や賃借契約、相続、贈与などの法的手続きなど、多岐に渡る業務に対応できるので、他の不動産鑑定士や司法書士と差別化を図れるでしょう。

さらに独立開業した際も、どちらの仕事も請け負えるので、開業が成功する確率も高まります。

幅広い顧客層のニーズに対応可能となることで、どちらか一方の資格のみよりも競争力が強化されるでしょう。

また、鑑定業で上手くいかなくても司法書士の仕事があり、司法書士で上手くいかなくても鑑定業があるので、リスクヘッジができることもダブルライセンスの強みです。

両方の専門性を組み合わせることで、不動産業界、法律業界、金融業界など、様々な業界での活躍の場を広げられるでしょう。

仕事に資格を活かせる

司法書士と不動産鑑定士の両方の資格を持つことで、お互いの業務内容に相互に広がりが生まれる可能性が高いです。

例えば、司法書士の仕事内容に不動産登記がありますが、不動産鑑定士の資格を持っていると決済前の仕事も分かるようになります。

また、不動産鑑定士の方が司法書士の資格を取ることで、不動産の権利登記と同時に、適正な価格を判断できるようになります。

まとめ

不動産鑑定士試験と司法書士試験の合格率はどちらも5%前後です。

最終合格率で比較すると、難易度に大きな差はないでしょう。

ただし、科目数や合格ラインの厳しさ、必要な勉強時間で比較すると、司法書士試験の方が難しいという見方ができます。

どちらも非常に難易度の高い試験ですが、ダブルライセンスの取得はおすすめです。

不動産鑑定士と司法書士のダブルライセンスを取得することで、幅広い業務を受けられるようになります。

仕事の幅が広がることで、さまざまな業界でキャリアを構築する機会も増えるでしょう。

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