不動産鑑定士試験に独学で合格は無理?勉強法を短答式と論文式に分けて解説
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不動産鑑定士試験の勉強方法で悩んでいませんか?
独学で受験をするか、それとも通信講座や受験予備校を利用するかで悩んでいる方もいるのではないでしょうか。
このコラムでは不動産鑑定士試験を独学で受験する場合の注意点や、独学で受験する場合の勉強方法などがわかります。
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不動産鑑定士試験に独学で合格は無理?難易度を解説
結論として、不動産鑑定士試験に独学で合格することは可能です。
ただし、通信講座や受験予備校を利用する場合に比べると、どうしても合格の可能性が低くなってしまったり、合格まで長期間を要してしまう場合が多くあります。
特に論文式試験は、通信講座や受験予備校を利用したほうが効率的に学習できるでしょう。
短答式試験の合格率は例年33~36%と約3人に1人が合格できる試験ですが、論文式試験の合格率は例年14~17%と合格率がとても低い試験になっています。
合格率の低さから、論文式試験の難しさがわかるかと思います。
また、試験に合格するために必要な教材を入手することが難しいのが現状です。
独学で学習する場合には、市販の書籍等を用いる事になりますが、不動産鑑定士試験対策用の書籍は大変数が少なく十分な教材を揃えることが難しいです。
そして、独学で学習する場合は過去問演習によって試験の傾向を掴みます。
しかし不動産鑑定士試験の論文式試験は、出題の見直しによって過去の本試験問題と大きく傾向が異なっています。
そのため、比較的新しい過去問以外は出題の傾向が異なることに注意が必要でしょう。
短答式試験に独学で合格するための勉強法は?
ここでは短答式試験に独学で合格するためのポイントを2つ紹介します。
- 鑑定理論で高得点を目指す
- 行政法規は過去問演習を学習の中心にする
鑑定理論で高得点を目指す
短答式試験は不動産の鑑定評価に関する理論(以下、鑑定理論)と不動産に関する行政法規(以下、行政法規)の2科目で実施されますが、鑑定理論で高得点を目指しましょう。
合否の判定は2科目の合計得点で判定されますが、通常は鑑定理論の方が得点が取りやすい傾向にありますし、行政法規は論文式試験では出題されない科目であるため、鑑定理論を得意科目にすることが重要です。
短答式試験の問題を解答するだけであれば、不動産鑑定評価基準及び不動産鑑定評価基準運用上の留意事項(以下併せて、基準)の暗記が不十分でも問題ありません。
しかし最終目標は論文式試験の合格ですから、可能な限り短答式試験の学習時から基準の暗記を心がけるようにしましょう。
短答式試験の学習時から鑑定理論を得意科目にすることが早期の論文式試験合格に繋がります。
行政法規は過去問演習を学習の中心にする
短答式試験は過去問が繰り返し出題される傾向にあるため、過去問演習が重要です。
なお論文式試験とは異なり、出題傾向に大きな変更はありません。
各科目1年当たり40問出題されることから多くの過去問が存在し、必要十分な演習を行うことができるでしょう。
特に行政法規は試験範囲が膨大ですから、独学で学習する場合には過去問で出題されている範囲を優先的に学習するようにしなければ効率のよい学習をすることができません。
行政法規は過去問で出題されたことがある知識であれば漏れなく正解できるというのが、短答式試験合格の近道となります。
ただし行政法規は毎年改正があるため、独学で学習する場合にはご自身で改正論点についてのフォローをしなければならないことには注意が必要です。
論文式試験に独学で合格するための勉強法は?
ここでは論文式試験に独学で合格するための勉強法のポイントを2つ紹介します。
- 鑑定理論の学習が最優先
- 演習の学習時間を多めに確保する
鑑定理論の学習が最優先
論文式試験では新しく民法、経済学、会計学が追加されますが、鑑定理論の学習を最優先させましょう。
独学で学習する場合には、他の受験生がどれくらい学習が進んでいるのかが、なかなかわかりません。
ついつい新しい科目の学習を優先してしまいがちですが、多くの不動産鑑定士試験受験生は鑑定理論のレベルが極めて高く、他の科目はそれほど手が回らないのが一般的です。
鑑定理論の答案では多くの受験生は正確に基準の文言を記載してくるため、基準において用いられている専門用語について間違えてしまうと、他の受験生に差をつけられてしまいます。
鑑定理論は配点が高いため、他の受験生に書き負けないように優先的に学習する必要があり、細かい減点がされないような精度の高い基準の暗記を心がけましょう。
演習の学習時間を多めに確保する
独学で合格するためには演習を得意科目にするのがよいでしょう。
演習は細切れ時間を用いて学習することが難しい科目であるため、独学で学習する方はついつい後回しにしがちです。
しかし、演習は他の科目と異なり数字で解答する箇所が多いため、客観的な採点が可能です。
そのため点差がつきやすく、得意科目にすることで他の受験生に大きな差をつけることも可能となりますし、反対に苦手科目としてしまうと合格が難しくなってしまうでしょう。
なお、演習を得意科目とするためには典型論点の解答スピードを上げることが重要であり、電卓の入力にも十分慣れておく必要があります。
通信講座や受験予備校を用いている受験生は電卓の使用方法や効率的な解答パターンなど、時間短縮のテクニックを身に着けている方も多いため、スピードでも負けないような準備が必要です。
不動産鑑定士試験を独学で学習するのに向いていない人の特徴
ここでは、不動産鑑定士試験を独学で学習するのに比較的向いていない人の特徴を解説します。
もちろん個人の生活環境や、他の国家試験等の受験経験等にもよりますので、参考として考えて頂ければ良いでしょう。
初めて論文式試験の学習をする人
初めて論文式試験を学習する方は、不動産鑑定士試験の学習範囲や出題傾向、問題のレベルなどがわかりにくいと思います。
そのため独学で学習するために必要な教材を見極めることが難しく、遠回りな学習をしてしまう可能性が高くなります。
また論文式試験では答案の書き方を学ぶ必要がありますが、独学で答案の書き方を身に着けるのはなかなか難しいです。
科目によっては出題傾向に偏りがある場合がありますが、それが試験制度の変化によるものなのか、試験委員の先生が交替された事が理由なのか、不動産鑑定士試験独特の理由なのかを、過去問を用いてご自身で分析するのは大変でしょう。
通信講座や受験予備校等を利用すれば試験傾向の分析を任せることができ、答案の書き方や試験上のテクニックなども教えてもらえるため時間の短縮になります。
一人で疑問点を解消できない人
論文式試験では科目数も多く、難解な論点も含まれるため、疑問点が多く出てきます。
それらの疑問点をご自身で調べて解決することが得意な方であったり、誰か相談できる人がいらっしゃる場合には良いのですが、そうでなければどうしても学習が非効率になります。
特に不動産鑑定士試験の最重要科目である鑑定理論は、他の科目に比べ情報が少ないため、調べても必要とする情報がなかなか出てこない場合が多いため注意が必要です。
通信講座や受験予備校等を利用すれば、質問によって疑問を解消することができるため、効率よく学習ができるでしょう。
比較的短い勉強時間で合格したい人
通信講座や受験予備校等は最短で合格するためのノウハウがあり、効率よく学習できます。
独学では入手しづらい、不動産鑑定士試験に特化した教材を使えるのは大きなメリットでしょう。
市販の書籍ではわかりにくい専門用語も講義ではわかりやすく説明してもらえるはずです。
また、試験委員の先生対策や重要な過去問の指摘、受験上優先すべき論点など、独学では知ることが難しい情報も入手できます。
短い勉強時間で効率的に学習したい場合には、通信講座や受験予備校等を利用するのが望ましいでしょう。
不動産鑑定士試験対策ならアガルートがおすすめ
アガルートの不動産鑑定士試験対策パックでは、近年の出題傾向を分析し、テキストや論証集には論点ごとに重要度を明記しています。
そのため、初めての方やお忙しい方でもメリハリをつけた学習が可能でしょう。
不動産鑑定士試験の受験業界では、不動産鑑定士試験に合格されていない(そもそも不動産鑑定士試験を受験されたことがない)講師の方が鑑定理論以外の科目の講義を担当されている場合があります。
アガルートでは合格者が全科目の講義を行っているため、試験全体のバランスを理解した講義となっていますし、各科目と鑑定理論に関連する内容について必要に応じて触れていますから、科目間の関連を意識した学習ができるのではないでしょうか。
アガルートでは教材として、論文式試験の各科目について不動産鑑定士試験に対応したコンパクトな論証集をご用意しました。
鑑定理論では基準をそのまま暗記するのが一般的でしたが、近年の小問形式に対応して基準を論点ごとに分解し、基準以外の典型論点も含めて論証の形式で掲載していますし、鑑定理論以外の科目も、近年の出題形式を意識した論証集になっています。
インプットとアウトレット双方を意識した論証集を用いることで、効率的に学習することができるでしょう。
アガルートの講義では受験上想定される典型論点を網羅的に扱うため、テキストと論証集の回転のみで学習を完結させることができるのが特徴です。
そのため、大量の答練の復習を通じて知識を積み上げていくことや、試験の直前期に実施されるいわゆるまとめ講義によって新たな論点をインプットするといった、従来型の歪な学習スタイルから脱却することが可能です。
大量の教材を消化することに不安を感じている方には最適な講座ではないでしょうか。
また、短答式試験講座には、10年分の短答過去問を重要度に応じてA~Cにランク付けされた、過去問集も付属しています。
さらにアガルートアカデミーはオンライン講義をベースとしていますが、質問制度やホームルーム等、学習上の疑問点や不安をすぐに解消できる体制が整っています。
ホームルームでは、必要な試験委員の先生対策や時期的に有用な情報、勉強方法についてのアドバイスなどを扱っていますので、長期間の学習を乗り切るモチベーションを維持することができます。
まとめ
不動産鑑定士試験は独学で合格するのが難しい試験ではあります。
出題範囲も広範囲になりますから、効率的に学習する必要があります。
独学で学習される方は、可能な限り試験の情報を集め、遠回りとなるような勉強をしないように注意しましょう。
また、より短時間で合格するためには通信講座や受験予備校等の活用等を検討するのも良いかと思います。
独学を検討されている方に、本コラムが参考になったのであれば幸いです。
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令和元年不動産鑑定士試験 合格
北海道大学大学院経済学院会計情報専攻 卒業
大手資格予備校の講師として公務員試験(経済系科目・法律系科目・会計学等)、日商簿記検定試験を⾧年指導。
効率的な勉強方法を追及するため、自身で様々な資格試験を受験し、合格している。
自身の学習経験に加え様々な合格者の学習方法を分析し、効率性を追及した講義と教材の提供を行っている。