不動産鑑定士試験の学習で用いる教材について悩んでいませんか?

市販されている教材の数が少ないことから、不安な方もいるのではないでしょうか。

このコラムでは不動産鑑定士試験の学習で使用するのに適した教材や、市販の教材の選び方などがわかります。

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目次

不動産鑑定士試験の勉強を始める前に読んでおきたい本

ここでは、不動産鑑定士試験の勉強を始める前に読んでおきたい本を、2冊ご紹介します。

黒沢泰「まるごと知りたい不動産鑑定士」税務経理協会

引用:amazon

「まるごと知りたい不動産鑑定士」では、特に不動産鑑定士の仕事内容について詳しく記載されています。

不動産鑑定士が活躍するフィールドや業務の類型、仕事のやりがいについての記述が中心として書かれていることから、不動産鑑定士という職業のイメージが湧きやすくなるでしょう。

不動産鑑定士の仕事内容は世間一般としては認知度が高いとは言えないですが、本書を読むと様々な場面で不動産鑑定士が活躍する事がわかると思います。

また、試験制度についても触れられています。

著者の黒沢先生は不動産鑑定士の先生であり、不動産鑑定士試験の試験委員等を歴任されています。

鑑定評価に関する数多くの著書を執筆されている先生ですから、不動産鑑定士になった後の実務等で参考にするために、黒沢先生の著書を手に取る機会も多いのではないでしょうか。

余談ではありますが、「まるごと知りたい不動産鑑定士」の中で黒沢先生が不朽の名著として紹介されている、櫛田光男(1966)「不動産の鑑定評価に関する基本的考察」は、絶版ではあるものの不動産鑑定士試験に合格された後に図書館等でぜひ読んでいただきたい書籍です。

公益社団法人日本不動産鑑定士協会連合会広報委員会(編)「不動産鑑定士の仕事図鑑」中央経済社

引用:amazon

「不動産鑑定士の仕事図鑑」では、現役の不動産鑑定士の先生が、資格取得のきっかけや、現在の仕事内容について語ってくださっています。

海外の案件を扱っている先生、信託銀行で活躍されている先生、不動産の証券化の分野で活躍されている先生、大学教員として研究分野で活躍されている先生など、様々な分野で活躍されている先生のお話しに触れることができ、不動産鑑定士を目指すモチベーションになるでしょう。

本書ではその他にも、不動産鑑定士の人数や市場規模、首都圏と地方都市での違い、年収、不動産鑑定士試験の難易度等、多様なデータが記載されています。

これから目指す不動産鑑定士という職業についてより詳しく知ることができるでしょう。

短答式試験の科目別おすすめ教材・テキスト・参考書

短答式試験のおすすめ教材・テキスト・参考書を、科目別に紹介します。

鑑定理論:鵜野和夫「新版 不動産の鑑定評価がもっとよくわかる本」プログレス

引用:amazon

「新版 不動産の鑑定評価がもっとよくわかる本」では、不動産の鑑定評価とはどのようなものなのかを、初学者の方でもわかるように丁寧に説明がなされています。

試験科目である、不動産の鑑定評価に関する理論(以下、鑑定理論)において学習の中心となるのは、不動産鑑定評価基準及び不動産鑑定評価基準運用上の留意事項(以下併せて、基準)となります。

基準では難解な専門用語も多く使われていますが、本書ではそれらの専門用語が平易な言葉で説明されていることから、基準それ自体を読む前に本書を読むことで理解がより進むでしょう。

また、イメージが持ちにくい不動産の鑑定評価について、本書では具体例を用いて説明がされていることから、初めて鑑定理論を学習する人が最初の一冊として手に取るのに適した書籍です。

行政法規:新藤延昭「不動産鑑定行政法規の知識 第6版」住宅新報出版

引用:amazon

「不動産鑑定行政法規の知識 第6版」は、不動産に関する行政法規(以下、行政法規)の知識を網羅的に解説した本です。

行政法規の試験範囲は広範ですが、本書は試験対策として必要十分な解説がされています。

また、各法令の特徴や要点の整理も掲載されており、学習の参考になるでしょう。

本書は行政法規を学ぶに当たって有益な書籍ですが、注意しなければならない事として、2014年を最後に改訂されていない点があります。

行政法規は法改正が多くある科目ですから、2014年以降の法改正を過去問集等を用いてフォローする必要があります。

しかし長らく改訂されていない点を差し引いても、独学で行政法規を学ぶ場合には有力な候補となるテキストでしょう。

なお、宅地建物取引士の試験範囲である「法令上の制限」などは、不動産鑑定士試験における行政法規と学習範囲が重なりますから、宅地建物取引士試験用のテキストと行政法規の過去問集を併用する事も考えられます。

論文式試験の科目別おすすめテキスト・参考書・問題集

ここでは、論文式試験のおすすめテキスト・参考書・問題集を科目別に紹介します。

鑑定理論(論文):鑑定評価基準委員会「要説不動産鑑定評価基準と価格等調査ガイドライン」住宅新報社

引用:amazon

「要説不動産鑑定評価基準と価格等調査ガイドライン」は、基準の詳細な解説書です。

本書は、不動産鑑定士試験の鑑定理論(論文)で必要とされる知識のほとんどが記載されているといってよい位の網羅性が特徴です。

そのため鑑定理論(論文)では、基準に記載されている文言に加えて、本書に解説として記載されている文言があれば、高得点が期待できる答案を作成することができると考えてよいでしょう。

一方で不動産鑑定士試験用に書かれた書籍ではないことから、試験では優先的に押さえる必要がないような難解な論点についての解説も多くあります。

試験で優先すべきはあくまで基準に記載されている内容ですから、本書の全てをマスターしようとするのではなく、基準の学習にプラスするものだと考え、辞書的に用いるのがよいでしょう。

本書は不動産鑑定士試験合格後に実務を行う上で参照する機会もあることから、多くの不動産鑑定士の先生も所持しています。

なお、本書の後半では価格等調査ガイドラインの解説も記載されていますが、こちらは不動産鑑定士試験合格後の実務修習で学習する内容ですから、不動産鑑定士試験を受験する上では読む必要がありません。

鑑定理論(演習):TAC不動産鑑定士講座「不動産鑑定士 論文式試験 鑑定理論 過去問題集 演習」TAC出版

引用:amazon

「不動産鑑定士 論文式試験 鑑定理論 過去問題集 演習」は、過去に出題された鑑定理論(演習)の問題を完全収録した過去問集です。

鑑定理論(演習)は計算が中心として出題される科目ですから、計算練習が必要となります。

そのための題材として過去問は最良の教材ですから、本書を十分に活用することができれば試験合格に必要な計算力を養うことができるでしょう。

なお本書では鑑定理論(演習)が試験科目として追加された平成18年度以降の問題の全てが掲載されていますが、出題形式の変更後である平成28年度以降の問題を優先的に学習し、その後に余裕があればそれ以外の問題を学習するのが効率的です。

民法:平野裕之「コア・テキスト 民法[エッセンシャル版]」新世社

引用:amazon

「コア・テキスト 民法[エッセンシャル版]」は、民法において重要となる知識をまとめた本です。

本書1冊あれば、不動産鑑定士試験の民法に必要な知識のほとんどを確認することができます。

広範な民法の知識を1冊でまとめている素晴らしい本ではありますが、注意しなければならないこととして、入門書ではないということです。

試験対策として手元に置いておき参照するのに非常に有益ですが、民法初学者の方はより入門的な書籍を読んでから本書を読むほうがよいでしょう。

なお700頁を超える分量の書籍ですので、通読するのではなく辞書的に使用することを想定して用意しておくことも考えられます。

経済学:平口良司、稲葉大「マクロ経済学〔第3版〕入門の「一歩前」から応用まで」有斐閣

引用:amazon

「マクロ経済学〔第3版〕入門の「一歩前」から応用まで」は、コンパクトにマクロ経済学の基本的な理論を学べる本です。

経済学の基本的な用語の説明も詳細になされているため、初学者の方でも安心して読み進めることができます。

また、具体例を用いた説明がなされているため、イメージが湧きやすくわかりやすいテキストとなっています。

ミクロ経済学の学習では、安藤至大「ミクロ経済学の第一歩〔新版〕」有斐閣などが同じような位置づけのテキストとして候補に挙げる事ができるでしょう。

会計学:川本 淳 [他]「はじめて出会う会計学〔第3版〕」有斐閣

引用:amazon

「はじめて出会う会計学〔第3版〕」は、会計学を初めて学ぶ方が会計学の考え方を身に着けるための本です。

コンパクトにまとめられた本であり、基礎から丁寧に説明されているため、いままで会計学に触れたことがない方であっても、わかりやすく読み進めることができます。

すでに日本商工会議所主催簿記検定試験や大学の講義等で会計学に触れたことがある方、会計学を学んだことはないけれど本書を読み終わった方は、より高度な内容を扱っている、梅原秀継「財務会計論」白桃書房などを用いて学習するとよいでしょう。

市販の教科書・問題集などの選び方

ここでは市販の教科書・問題集などを選ぶ際のポイントを3つ紹介します。

  • 民法、経済学、会計学は比較的薄い教科書から選ぶ
  • 試験範囲を意識して選ぶ
  • 他の資格試験用に書かれた書籍も参考になる

民法、経済学、会計学は比較的薄い教科書から選ぶ

民法、経済学、会計学といった科目の学習は比較的薄い本から始めましょう。

これらの科目は学問的に歴史ある科目ですから、分量の多い書籍も多くあります。

例えば民法のとあるシリーズの教科書であれば、書籍が6分冊程度になり、合計すると数千頁になります。

しかし、不動産鑑定士試験の論文式試験では配点の半分が鑑定理論であるため、民法などの科目に時間をかけすぎてしまうのは得策とはいえないでしょう。

これらの科目はとりあえず比較的薄い教科書を用いて概略を押さえた上で、問題演習を通じて試験に必要な知識を集約していきましょう。

それでも時間的に余裕があるのであれば、次のステップとしてより高度な内容を扱っている教科書で学習するとよいでしょう。

試験範囲を意識して選ぶ

不動産鑑定士試験用に書かれた市販の教科書・問題集は少ないです。

そのため市販の書籍を用いる場合には、不動産鑑定士試験の出題範囲には含まれていない内容が記載されていることや、試験範囲に含まれている内容が記載されていない事があります。

例として、民法全範囲が記載されている教科書には親族法や相続法が記載されていますが、不動産鑑定士試験の民法ではそれらのほとんどが出題されないため注意が必要でしょう。

過去問等を参考に、試験範囲や出題の傾向を意識して可能な限り不動産鑑定士試験に合致した書籍を選ぶことが重要です。

他の資格試験用に書かれた書籍も参考になる

公務員試験、税理士試験、宅地建物取引士試験など、他の資格試験用に書かれた教科書や問題集も参考になるでしょう。

経済学や民法であれば、公務員試験用に書かれたテキストを用いて学習するのも参考になるでしょうし、行政法規であれば宅地建物取引士試験用に書かれたテキストや問題集も部分的に参考になります。

会計学であれば、税理士試験財務諸表論対策として書かれた理論問題集は不動産鑑定士試験でも参考となります。

他の資格試験用に書かれた書籍の中には大変わかりやすく書かれたものも多くありますので、自分にあった書籍が見つからない場合には参考にしてみてください。

まとめ

不動産鑑定士試験は試験対策用に書かれた市販の書籍が少ないのが現状です。

そのため独学で学習する場合には、教科書を選択するのが難しいかと思います。

過去問を参考に、試験範囲や傾向にあった教科書を選ぶようにしましょう。

アガルートの論文式試験対策パックでは、近年の出題傾向を分析したテキストや論証集を用意しています。

論点ごとに重要度が明記されているため、効率よく学習することができるでしょう。

本コラムが教科書の選択に悩まれている方の参考になったのであれば幸いです。

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この記事の著者

阿部 美幸

令和元年不動産鑑定士試験 合格
北海道大学大学院経済学院会計情報専攻 卒業
大手資格予備校の講師として公務員試験(経済系科目・法律系科目・会計学等)、日商簿記検定試験を⾧年指導。
効率的な勉強方法を追及するため、自身で様々な資格試験を受験し、合格している。
自身の学習経験に加え様々な合格者の学習方法を分析し、効率性を追及した講義と教材の提供を行っている。

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