不動産鑑定士と弁護士のダブルライセンスはおすすめ?試験の免除制度はある?
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各業界のスペシャリストとして仕事ができる不動産鑑定士や弁護士。
ダブルライセンスを取得すると、さらに活躍の幅が広がります。
しかし、両方の資格を取るには時間をかけて試験を突破しなければなりません。
ゆえに「時間や労力以上のメリットはあるのか」と踏み出せない方も多いでしょう。
本コラムでは不動産鑑定と弁護士のダブルライセンスのメリットを詳しく紹介します。試験の免除制度についても紹介しているので、検討中の方はぜひ参考にしてください。
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不動産鑑定士と弁護士のダブルライセンスはおすすめ?2つのメリット
不動産鑑定士と弁護士は相性が良いため、ダブルライセンスにおすすめです。
以下の2つのメリットを見ると、ダブルライセンスの良さがわかります。
- 業務の幅が広がる
- 専門性を高められる
業務の幅が広がる
不動産鑑定士と弁護士の資格を両方取得すると、できる業務の幅が広がります。
例えば不動産分野に関する相談を弁護士として受けた場合、外部の不動産鑑定士に依頼する鑑定評価を自分で行うことが可能です。
不動産取引や不動産関連争訟などでは、対象となる不動産の正しい価値がわからないと請求額や経済的利益が算定できません。
さらに専門家に依頼せずに間違った評価をしてしまうと、裁判の結果が違ってくるリスクも生じます。
そのため、弁護士資格しかなければ不動産の評価を不動産鑑定士に依頼する必要がありますが、ダブルライセンスであれば、依頼せずに自分だけで完結できます。
不動産鑑定士資格が役立つ具体的な業務は、借家権や立退料の査定、賃料の増額改定、遺留分像減額請求、相続財産の分割などさまざまです。
専門性を高められる
ダブルライセンスを取得すれば専門性が高まり、自身の強みができます。
例えば、不動産鑑定士が弁護士資格を持つことで、クライアントに法的な視点でアドバイスできれば「法律系に詳しい不動産鑑定士」として社会的評価があがるでしょう。
また、弁護士として働きながら不動産鑑定もできれば「不動産分野に強い弁護士」として、不動産業界から重宝されます。
ほかの一般的な不動産鑑定士や弁護士と差別化できるため、仕事を紹介してもらう機会が増えるでしょう。
将来的に弁護士として独立開業したい場合も、さまざまな不動産分野の案件を任せられる事務所としてアピールできます。
特色を活かすことでほかの事務所と差別化でき、顧客の獲得もしやすくなるでしょう。
不動産鑑定士試験と司法試験はどっちが難しい?
不動産鑑定士試験の難易度と、司法試験の難易度は、どちらも高いです。
しかし、合格のために必要な学習期間や試験の合格率を比較すると、司法試験のほうが難しいといえます。
一般的に不動産鑑定士試験の受験期間は1年半〜2年です。
合格のために必要な勉強時間は最低2,000時間といわれており、1日あたりの勉強時間を平均約5時間とすると、約1年半必要です。
一方で司法試験の合格には、最短でも4〜5年かかるといわれています。
合格までに必要な勉強時間は一般的に3,000〜8,000時間、多い方は10,000時間以上です。
個人差が大きく、環境によって司法試験合格までにかかる期間は変わりますが、年単位の勉強を継続しなければならないことから、司法試験のほうが難しいと言えるでしょう。
また不動産鑑定士試験は、1次試験に合格したあとに2次試験が受けられる2段階試験となっており、最終合格率は約4.6〜6.1%です。
対して、司法試験の合格率は例年約20〜40%で、比較すると不動産鑑定士のほうか合格率は低くなります。
しかし、司法試験は受験資格があり、法科大学院を卒業するか、予備試験に合格しないと受験できません。
つまり、司法試験の合格率は一定の法的知識がある受験者しか受けていない中での数値です。
不動産鑑定士試験には受験資格がないため、司法試験と不動産鑑定士試験では受験者のスタートラインが違います。
合格率だけに注目すると不動産鑑定士試験のほうが難関なことには間違いありませんが、学習期間の長さや受験資格の条件から分析すると司法試験のほうが難しいという見方ができます。
参考:土地・不動産・建設業:不動産鑑定士試験 試験結果情報 – 国土交通省
参考:2024最新】司法試験の難易度・合格率をアガルート講師がお答えします | 司法試験・予備試験コラム
弁護士資格があると不動産鑑定士試験が免除される?免除制度を解説
弁護士の資格を持っている場合、不動産鑑定士試験の2次試験で1科目免除になります。
免除対象は、2次試験である論文式試験の民法です。
論文式試験は4科目あり、民法は600満点中100点の配点になります。
司法試験に合格していれば一般の受験者よりも優位となり、合格する可能性も高まるでしょう。
また、免除は民法だけですが、1次試験の短答式試験でも司法試験の知識が活かせます。
短答式試験での受験は2科目となり「不動産に関する行政法規」という科目では不動産に関する法令が出題されます。
短答式試験は200点満点で「不動産に関する行政法規」の配点は100点です。
司法試験に合格していればすでに身についている知識のため、弁護士の資格を持っている方は勉強時間の短縮に繋がります。
まとめ
本コラムでは不動産鑑定士と弁護士のダブルライセンスのメリットを解説しました。以下、要点をまとめます。
- 不動産鑑定士と弁護士のダブルライセンスは業務の幅が広がり、自身の専門性が高まるためメリットが大きい。
- 合格までの期間や受験資格を考慮すると、不動産鑑定士試験より司法試験のほうが難易度が高い。
- 弁護士資格があれば不動産鑑定士試験の論文式試験で1科目免除になる。短答式試験での科目でも司法試験の知識が活かせる。
結論、不動産鑑定士と弁護士のダブルライセンスはおすすめです。
弁護士資格をお持ちの方は試験の免除制度もあるため、短期間での合格も可能でしょう。
仕事などで勉強時間が取りづらい方は、通信講座の利用もひとつの手です。プロから学びながら、効率的にダブルライセンス取得を目指しましょう。
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