不動産鑑定士試験は、難易度が高い国家試験です。

不動産鑑定士に興味をお持ちの方は、どの程度試験の難易度が高いのかを知りたいのではないでしょうか。

実際の難易度や、必要な勉強時間の目安を把握し、今後の対策に役立てたいですよね。

本コラムでは、不動産鑑定士試験の合格率や、難易度について解説します。

短答式試験・論文式試験のそれぞれの合格点や、過去の合格率なども記載しているため、ぜひ参考にしてください。

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不動産鑑定士の合格率・倍率は?難易度は高い?難しすぎる?

不動産鑑定士試験の合格率は、短答式試験が約33〜36%・論文式試験が約14〜17%、最終合格率が5~6%程です。

令和6年不動産鑑定士試験における短答式試験の合格率は36.2%、論文式試験の合格率は17.4%、最終合格率は6.3%です。

倍率に換算すると、短答式試験の倍率は約3倍、論文式試験の倍率は約6~7倍となります。

短答式試験の科目は「不動産に関する行政法規」および「不動産の鑑定評価に関する理論」であり、不動産鑑定士に求められる基礎的な知識が問われます。

また、短答式試験はマークシート方式で出題されます。

出題範囲は広いものの、受験者の約3人に1人が合格しているため、あまり難易度は高くないといえるでしょう。

対して、論文式試験では、不動産鑑定に関する専門的な知識が求められます。

論文式試験の出題科目は、以下の通りです。

  • 民法
  • 経済学
  • 会計学
  • 不動産の鑑定評価に関する理論(論文)
  • 不動産の鑑定評価に関する理論(演習)

論文式試験では、不動産鑑定における実践的な内容が出題されるため、基礎知識だけでなく、応用力が必要です。

また、論文式試験の合格率は例年約15%であり、難易度が高い試験であるといえます。

なお、不動産鑑定士試験に合格するためには、最低2,000時間の勉強時間が必要であると言われています。

毎日3時間の勉強を続けた場合でも、約1年半〜2年を要すると考えれば、難易度の高さが伺えるでしょう。

参考:土地・不動産・建設業:不動産鑑定士試験 試験結果情報 – 国土交通省

短答式試験の合格率は例年33~36%

不動産鑑定士試験における短答式試験の合格率は、例年約33〜36%で推移しています。

令和6年不動産鑑定士試験における短答式試験の合格率は、36.2%でした。受験者数が1,675人に対し、合格者が606人です。

過去6年間における短答式試験の平均合格率は、約34.7%となっています。

また、過去6年間における短答式試験の最低合格率は32.4%・最高合格率は36.3%です。

年度受験者数合格者数合格率
令和6年1,67560636.2%
令和5年1,64755333.6%
令和4年1,72662636.3%
令和3年1,70962136.3%
令和2年1,41546833.1%
令和元年1,76757332.4%
参考:土地・不動産・建設業:不動産鑑定士試験 試験結果情報 – 国土交通省

論文式試験の合格率は例年14~17% 

不動産鑑定士試験における論文式試験の合格率は、例年約14〜17%で推移しています。

令和6年不動産鑑定士試験における論文式試験の合格率は、17.4%でした。受験者数847人に対し、合格者数が147人です。

過去6年間における論文式試験の平均合格率は、約16.6%となっています。

また、過去6年間における論文式試験の最低合格率は14.9%・最高合格率は17.7%です。

年度受験者数合格者数合格率
令和6年84714717.4%
令和5年88514616.5%
令和4年87114316.4%
令和3年80913516.7%
令和2年76413517.7%
令和元年81012114.9%
参考:土地・不動産・建設業:不動産鑑定士試験 試験結果情報 – 国土交通省

不動産鑑定士試験の合格点・合格ラインは?

不動産鑑定士試験の合格基準は、短答式試験で約7割・論文式試験で約6割です。

ただし、不動産鑑定士試験では科目ごとに最低得点が設けられているため、すべての科目において一定以上の得点が必要です。

合計点が合格基準に達していても、極端に点数が低い科目があれば合格できない場合があるため、注意しましょう。

また、免除科目がある場合は、免除科目以外の科目の合計得点を基準に、偏差値などを用いて総合点が計算されます。

短答式試験の合格ライン

過去6年間における短答式試験の合格点の平均は、約139点です。

令和6年不動産鑑定士試験における短答式試験の合格点は、140点でした

また、最も高い合格点は150点・最も低い合格点は132.5点です。

年度満点合格ライン
令和6年200点140点(70%)
令和5年200点132.5点(66.25%)
令和4年200点150点(75%)
令和3年200点140点(70%)
令和2年200点133点(66.5%)
令和元年200点140点(70%)
参考:土地・不動産・建設業:不動産鑑定士試験 試験結果情報 – 国土交通省

論文式試験の合格ライン

過去6年間における論文式試験の合格点の平均は、約377点です。

令和6年不動産鑑定士試験における論文式試験の合格点は、400点でした

また、最も高い合格点は400点・最も低い合格点は353点でした。

年度満点合格ライン
令和6年600点400点(67%)
令和5年600点369点(61%)
令和4年600点380点(63%)
令和3年600点380点(63%)
令和2年600点380点(63%)
令和元年600点353点(59%)
参考:土地・不動産・建設業:不動産鑑定士試験 試験結果情報 – 国土交通省

不動産鑑定士の難易度・合格率に関するよくある質問

ここでは、不動産鑑定士の難易度・合格率に関するよくある質問を紹介します。

  • 不動産鑑定士試験の合格に必要な勉強時間は?
  • 不動産鑑定士試験の偏差値は?
  • 大学別の合格率は?

不動産鑑定士試験の合格に必要な勉強時間は?

不動産鑑定士試験の合格に必要な勉強時間は、最低2,000時間と言われています。

ただし、必要な勉強時間は、勉強開始時の学習レベルや、実務経験の有無によって異なります。

例えば、不動産鑑定士試験には科目免除制度が設けられているため、公認会計士試験および司法試験に合格している方は、一部の科目が免除されます。

また、特定の科目における教授職の方や、博士の学位を授与された方も、免除の対象となります。

免除制度を活用すれば、勉強時間を短縮できるでしょう。

対して、科目免除を受けられない初学者の方は、3,000時間以上かかる場合もあると考えましょう。

2,000時間の勉強で合格できると仮定した場合、1年で合格するためには、週42時間程の学習時間が必要です。

毎日約6時間の勉強時間を確保しなければならないため、試験日から逆算し、余裕をもった計画を立てましょう。

不動産鑑定士試験の偏差値は?

資格の難易度を偏差値で表した場合、不動産鑑定士試験の偏差値は74と言われています。

この偏差値を大学入試の偏差値に置き換えると、京都大学や東京大学などの難関国公立大学に合格できるレベルに該当します。

大学入試と資格試験は条件が異なるため、一概には比較できませんが、不動産鑑定士試験は、数ある国家試験の中でもかなり難易度が高いといえるでしょう。

大学別の合格率は?

不動産鑑定士試験合格者の出身大学は、現在公表されていません。

合格者の出身大学の公表は、平成14年をもって終了しています。

なお、不動産鑑定士試験は学歴に関係なく受験できるため、出身大学によって結果が左右されることはありません。

そのため、過去の合格者の出身大学については、参考程度に考えましょう。

平成10年における不動産鑑定士試験合格者の出身大学は、以下の通りです。

出身校合格者数
明治大学8名
関西学院大学6名
同志社大学5名
京都大学5名
青山学院大学5名
名古屋大学5名
法政大学4名
立命館大学4名
一橋大学4名
神戸大学4名
東京大学4名
日本大学4名
関西大学4名
参考:平成10年不動産鑑定士試験第3次試験合格者の発表について

まとめ

本コラムでは、不動産鑑定士試験の難易度や合格率について解説しました。

不動産鑑定士試験における短答式試験の合格率は約33〜36%・論文式試験の合格率は約14〜17%です。

また、短答式試験の合格基準は約7割・論文式試験の合格基準は約6割であり、さらに科目ごとの最低得点が設けられています。

なお、不動産鑑定士試験に合格するためには、一般的に最低でも2,000時間の勉強が必要であるとされています。

長期的な学習が求められるため、自分に合った学習方法を選ぶことが重要です。

初学者の方や、最短距離で合格を目指したい方は、通信講座の利用を検討してみてはいかがでしょうか。

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