本コラムでは、介護福祉士養成施設の種類やカリキュラム、および通信制の介護福祉士養成施設の有無について解説しています。

介護福祉士を目指している方は、介護福祉士養成施設とはどのような施設なのか、知りたいと考えているのではないでしょうか。

介護福祉士養成施設にはいくつかの種類があるため、それぞれの特徴を把握しておきたいですよね。

介護福祉士養成施設に興味をお持ちの方は、ぜひ本コラムを最後までご覧ください。

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介護福祉士養成施設とは

介護福祉士養成施設とは、介護福祉士の育成を目的とした施設であり、文部科学大臣および厚生労働大臣などの指定を受けた養成機関のことです。

介護福祉士になるための方法はいくつか存在しますが、介護福祉士養成施設を卒業後、必要な条件を満たすことで、介護福祉士の資格を取得できます。

ただし、介護福祉士養成施設の卒業によって介護福祉士を目指す場合は、介護福祉士養成施設を卒業したタイミングによって必要な条件が異なるという点に注意しましょう。

各卒業年度における介護福祉士資格を取得するための条件は、以下の通りです。

平成28年度までに介護福祉士養成施設を卒業した方は、国家試験を受けずに介護福祉士資格を取得できます。

また、平成29年〜令和8年度に介護福祉士養成施設を卒業する方は、国家試験を受験するかどうかを選択することが可能です。

国家試験を受けなかった場合、もしくは不合格となった場合は、介護福祉士養成施設を卒業後、5年間の期限付きで介護福祉士資格を取得できます。

その後、再度国家試験を受けるか、5年間継続した実務経験を積むことで、介護福祉士として登録できます。

対して、令和9年以降に介護福祉士養成施設を卒業する方は、介護福祉士養成施設を卒業後、必ず国家試験を受けなければなりません。

なお、介護福祉士養成施設ルート以外で介護福祉士になるための方法としては、実務経験ルート・福祉高校系ルート・経済連携協定(EPA)ルートがあります。

介護福祉士になるためのルートについて詳しく知りたい方は、以下のコラムをご覧ください。

関連コラム:【図解あり】介護福祉士試験の受験資格と対象者をわかりやすく紹介

通信制の介護福祉士養成施設はある?

結論から述べると、通信制の介護福祉士養成施設はありません。

介護福祉士として働くためには、実技の習得が不可欠です。

そのため、通学によって介護福祉士としての知識や技術を学ぶ必要があります。

ただし、すでに介護福祉士試験の受験資格を満たしている方を対象とした通信講座は存在するため、必要に応じて利用すると良いでしょう。

介護福祉士養成施設にはどんな種類がある?

介護福祉士養成施設には、大学・専門学校・短期大学などの種類があり、それぞれ卒業(修了)までにかかる年数が異なります。

ここでは、社団法人日本介護福祉士養成施設協会の公式サイトに掲載されている2024年現在の養成施設一覧を参考に、介護福祉士養成施設の種類について解説します。

介護福祉士養成施設の種類と修了年数

大学

大学の介護福祉士養成施設は、全国に56校存在します。

大学のほとんどは4年制ですが、一部の大学は2年制となっています。

大学は介護福祉士養成施設の中で最も学習期間が長いため、福祉に関する総合的な知識を得られるでしょう。

一方で、学習期間の長さに伴い、学費が高額になりがちであるというデメリットもあります。

短期大学

短期大学の介護福祉士養成施設は全国に45校あります。

ほとんどの短期大学は2年制ですが、1年制または3年制の短期大学も存在します。

短期大学のメリットは、4年制大学よりも短期間で効率よく学べることです。

また、4年制大学よりも学習期間が短いため、学費を抑えられるでしょう。

専門学校

専門学校の介護福祉士養成施設はもっとも施設数が多く、全国に177校存在します。

専門学校の多くは2年制ですが、1年制のものや、3年制または4年制の専門学校もあります。

専門学校では実践的な知識を学べるため、実務に役立つスキルを身に付けたい方におすすめです。

1年制養成施設とは?

1年制養成施設とは、特定の条件を満たす方を対象とした介護福祉士養成施設のことです。

保育士(保母)養成施設の卒業者は、1年制養成施設に入学できます。

また、社会福祉士試験の受験資格をお持ちの方も、1年制養成施設への入学が可能です。

介護福祉士養成施設のカリキュラム

介護福祉士養成施設のカリキュラムは、以下の通りです。

領域教育内容時間数
人間と社会1. 人間の尊厳と自立30時間以上
2.人間関係とコミュニケーション60時間以上
3. 社会の理解60時間以上
人間と社会に関する選択科目
介護4. 介護の基本180時間
5. コミュニケーション技術60時間
6. 生活支援技術300時間
7. 介護課程150時間
8. 介護総合演習120時間
9. 介護実習450時間
こころとからだのしくみ10. こころとからだのしくみ120時間
11. 発達と老化の理解60時間
12. 認知症の理解60時間
13. 障害の理解60時間
医療的ケア14. 医療的ケア50時間以上+演習
参考:介護福祉士養成課程 新カリキュラム 教育方法の手引き

介護福祉士養成施設では、人間と社会・介護・こころとからだのしくみの3つの領域について学びます。

なお、各領域の教育内容のうち、「人間と社会に関する選択科目」については、介護福祉士養成施設によって科目や時間数が異なります。

人間と社会に関する選択科目について

「人間と社会に関する選択科目」の科目の例は、以下の通りです。

  1. 生物や人間等の「生命」の基本的しくみの学習(科目例:生物、生命科学)
  2. 社会生活における数学の活用の理解と数学的・論理的思考の学習(科目例:統計、数学(基礎)、経理)
  3. 家族・福祉、衣食住、消費生活等に関する基本的な知識と技術の学習(科目例:家庭、生活技術、生活文化)
  4. 現代社会の基礎的問題を理解し、社会を見つめる感性や現代を生きる人間としての生き方について考える力を養う学習(科目例:社会、現代社会、憲法論、政治・経済)
  5. 様々な文化や価値観を背景とする人々と相互に尊重し合いながら共生する社会への理解や、国際的な視野を養う学習(科目例:国際理解、多文化共生)
  6. その他の社会保障関連制度についての学習(科目例:労働法制、住宅政策、教育制度、児童福祉)
引用:介護福祉士養成課程 新カリキュラム 教育方法の手引き

介護福祉士養成施設なら最短2年で資格取得できる

最短で介護福祉士資格を取得したい方は、介護福祉士養成施設へ通うことがおすすめです。

独学で介護福祉士を目指す場合は、3年以上の実務経験に加え実務者修習などの修了が必要です。

対して、介護福祉士養成施設へ通うと、高校を卒業してから最短2年で介護福祉士資格を取得できます。

また、介護福祉士養成施設では、実務に必要な知識や技術を効率的に学べるというメリットも得られます。

さらに、介護実習などの授業を通して、現場で役立つ対応力なども身に付くでしょう。

介護福祉士養成施設とは?まとめ

本コラムでは、介護福祉士養成施設の種類やカリキュラムなどの情報を紹介しました。

介護福祉士養成施設とは、介護福祉士の育成を目的とした施設のことです。

介護福祉士養成施設には大学・短期大学・専門学校などの種類があり、それぞれ卒業までにかかる年数が異なります。

種類ごとの特徴を把握し、自分に合った介護福祉士養成施設を選びましょう。

なお、介護福祉士になるためには、通学による実技の習得が必須であるため、通信制の介護福祉士養成施設はありません。

また、介護福祉士養成施設を卒業するタイミングによって、介護福祉士になるために必要な条件が変わるという点に注意しましょう。

介護福祉士養成施設へ通うことで、高校を卒業後、最短2年で介護福祉士を目指せます。

介護福祉士に求められるスキルや知識を効率的に学びたい方や、最短で介護福祉士として活躍したい方は、介護福祉士養成施設の利用を検討してみてはいかがでしょうか。

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