【介護福祉士国家試験】「社会の理解」の基本情報と勉強法
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今回は「社会の理解」の基本情報と勉強法を解説します。
社会の理解は法律や制度関係の知識が問われるため、苦手に感じる人も多いと思います。
しかし、実際は基本的な部分を理解し、対策すれば難しい科目ではないです。
例年の出題傾向なども解説していくので、焦らずに勉強しましょう。
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「社会の理解」は全部で12問出題され、法律や制度などの出題が多い科目です。
法律関係や制度に関する問題が多くでるため、現場で得た知識や経験が活かせる科目ではなく、難しい部類に入ります。
本科目が、介護福祉士国家試験の科目になっている理由は、要介護者やその家族が置かれている状況を理解することに繋がるためです。
現在、介護を取り巻く社会の状況は複雑になっており、従来の考え方では対応できないような事例も出てきています。
そのような状況の中で、介護職員は1人ひとりにあった、ケアを提供していかなければなりません。
そのためには、常に社会でどのようなことが起きているのか気を配り、備える必要があるのです。
本科目で得た知識は、利用者のアセスメントに役立ち、より良いケアを提供するのに役立ちます。
また将来的に、事業所の相談員やケアマネジャーになるために、必須の科目とも言えるので、キャリアアップのためにも本科目を学びましょう。
関連コラム:【科目別】介護福祉士国家試験問題の出題傾向と勉強の優先度
「社会の理解」の勉強法
ここからは「社会の理解」の勉強法や学習するさいの、ポイントを解説していきます。
「社会の理解」大項目・中項目・小項目
初めに科目の大項目・中項目・小項目について説明します。
介護福祉士国家試験では、各科目に大項目、中項目、小項目という項目が設定されており、基本的にこの項目を出題されるため、意識して勉強を行うと効率良く、勉強ができるようになります。
以下は社会の理解の大項目・中項目・小項目をまとめた表です。
大項目 | 中項目 | 小項目(例示) |
1 生活と福祉 | 1)家庭生活の基本機能 | ・生産・労働、教育・養育、保健・福祉、生殖、安らぎ・交流、その他 |
2)家族 | ・家族の概念とその変容 ・家族の構造や形態 ・家族の機能、役割 ・家族観の多様化 |
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3)地域 | ・地域の概念・コミュニティの概念 ・都市化と地域社会 ・過疎化と地域社会 ・地域社会の集団・組織 |
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4)社会、組織 | ・社会、組織の概念 ・社会、組織の機能、役割 ・グループ支援、組織化 ・エンパワメント |
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5)ライフスタイルの変化 | ・雇用労働の進行、女性労働の変化、雇用形態の変化 ・少子化、健康寿命の延長 ・余暇時間 ・生涯学習、地域活動への参加 ・その他 |
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6)社会構造の変容 | ・産業化・都市化 ・地域社会の変化 |
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7)生活支援と福祉 | ・生活の概念 ・福祉の考え方とその変遷 ・自助、互助、共助、公助 |
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2 社会保障制度 | 1)社会保障の基本的な考え方 | ・社会保障の概念と範囲 ・社会保障の役割と意義 ・社会保障の理念 |
2)日本の社会保障制度の発達 | ・日本の社会保障制度の基本的な考え方、憲法との関係 ・戦後の緊急援護と社会保障の基盤整備 ・国民皆保険、国民皆年金 ・社会福祉法 ・福祉六法 ・社会保障費用の適正化・効率化 ・地方分権 ・地域福祉の充実 ・社会保障構造改革 |
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3)日本の社会保障制度のしくみの基礎的理解 | ・社会保障の財源 ・社会保険、社会扶助 ・公的保険制度、民間保険制度 |
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4)現代社会における社会保障制度 | ・人口動態の変化、少子高齢化 ・社会保障の給付と負担 ・持続可能な社会保障制度 |
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3 介護保険制度 | 1)介護保険制度創設の背景及び目的 | |
2)介護保険制度の動向 | ・介護保険制度改革 | |
3)介護保険制度のしくみの基礎的理解 | ・介護保険の保険者と被保険者 ・介護保険の保険給付と利用者負担 ・受給権者(要介護者・要支援者(政令で定める特定疾病を含む。) ・介護サービス利用までの流れ ・介護サービス等の種類・内容 ・介護サービス情報の公表 ・介護予防の概念 |
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4)介護保険制度における組織、団体の機能と役割 | ・国の役割 ・都道府県の役割 ・市町村の役割 ・指定サービス事業者の役割 ・国民健康保険団体連合会の役割 |
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5)介護保険制度における専門職の役割 | ・介護支援専門員の役割 ・関連専門職種の役割 |
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4 障害者自立支援制度 | 1)障害者自立支援制度創設の背景及び目的 | ・社会福祉基礎構造改革と障害者施策 ・障害者基本計画、新障害者プラン ・支援費制度 ・障害者の日常生活及び社会生活を総合的に支援するための法律(障害者総合支援法)の目的 |
2)障害者自立支援制度のしくみの基礎的理解 | ・障害者総合支援法に基づく自立支援給付と利用者負担 ・障害者自立支援制度における事業者及び施設 ・障害者自立支援制度における専門職の役割 ・障害福祉サービス利用の流れ ・障害福祉サービスの種類・内容 |
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3)障害者自立支援制度における組織、団体の機能と役割 | ・国の役割 ・都道府県の役割 ・市町村の役割 ・指定サービス事業者の役割 ・国民健康保険団体連合会の役割 |
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5 介護実践に関連する諸制度 | 1)個人の権利を守る制度の概要 | ・社会福祉法における権利擁護のしくみ ・個人情報保護に関する制度 ・成年後見制度 ・消費者保護に関する制度 ・虐待防止に関する制度 |
2)保健医療福祉に関する施策の概要 | ・生活習慣病予防その他健康づくりのための施策 ・高齢者医療制度と特定健康診査等 ・結核・感染症対策 ・難病対策 ・HIV/エイズ予防対策 |
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3)介護と関連領域との連携に必要な法規 | ・医療関係者に関する法規 ・医療関係施設に関する法規 |
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4)生活保護制度の概要 | ・生活扶助、介護扶助 |
基本的な問題は、ここから出題されることが多いですが、決してここに記載がある事項しか出題がないわけではないので、あくまで出題の目安程度に捉えましょう。
特に社会の理解は、その年にあった社会問題などを、踏まえて問題が出題されるので注意が必要です。
1.具体的な勉強法
法律関係や制度からの出題が多く、法律の範囲や制度の対象者などを理解していないと問題を解くことができません。
勉強方法としては、例年同じような問題も出題されるので、テキストを読み込み問題集を解いて、知識を深めるのがおすすめです。
ポイントとして、解けない問題があったら、分からない法律名や制度名を調べてその都度内容を確認してください。
内容を確認する際は、その法律や制度は
- いつ出来たのか
- 対象者は誰か
- 内容
など意識して確認すると、覚えやすいです。
また、問題を解く際は、時間を測って問題を解きましょう。
介護福祉士国家試験では、1問を午前は1分30秒強、午後は1分50秒強のスピードで解く必要がありますが、慣れていないと焦ってしまい実力を発揮出来なくなってしまいます。
そのため、本試験でも慌てずに対応するためにも、過去問題を解く際には時間を測り、時間の感覚をつかむようにしてください。
2.頻出範囲
試験でよく出題される範囲について解説していきます。
介護保険制度
社会の理解で例年出題されるのが、介護保険制度です。
そのため入念に対策をしておく必要があります。
出題される問題に関しては、基本的な問題が出題されることが多いので、
- 保険者は誰か
- 被保険者の範囲(第1号、第2号被保険者の内容)
- 介護保険を利用するための手順
などしっかりと理解しましょう。
2021年以降は、介護保険法の改定があり、変更点を問われる可能性が高いので確認しておいてください。
改正の主なポイントは以下の5点です。
- 感染症や災害への対応力強化
- 地域包括ケアシステムの推進
- 自立支援・重度化防止の取り組みの推進
- 介護人材の確保・介護現場の革新
- 制度の安定性・持続可能性の確保
上記5つの改定内容に関しては、内容も踏まえて目を通しましょう。
3.障害者の支援等
障害者関連の法律も例年出題されています。
2021年以降は、障害者総合支援法も改正されるため、変更点などについて理解しましょう。
障害者総合支援法で変わったところは以下の項目です。
1 障害者の重度化・高齢化を踏まえた障害者の地域移行・地域生活の支援。質の高い相談支援を提供するため報酬体系の見直し等
2 効果的な就労支援や障害児者のニーズを踏まえたきめ細やかな対応
3 医療的ケア児への支援などの障害児支援の推進
4 精神障害にも対応した地域包括ケアシステムの推進
5 感染症や災害への対応力の強化等
6 障害福祉サービス等の持続可能性の確保と適切なサービス提供を行うための報酬等の見直し
その他にも障害者関連では
- 障害福祉サービスを受けるための手順
- 各法律の障害者の定義
- ノーマライゼーション
などについても出題されることがあるので、知識をつけておきましょう。
4.共生型サービス
最近は「共生型サービス」に関する出題も続いています。
共生型サービスは、介護保険と障害福祉のサービスを同一の事業所で提供できるよう、
2018年にできたサービスです。
出題が多い、介護保険制度と障害者関連の両方が関連している制度なので対策が必要です。
勉強する際は、制度の趣旨やどのサービスが対象になるのかを、意識して勉強するといいでしょう。
共生型サービスは、地域包括ケアシステムを進めるため創設された制度でもあるため、併せて地域包括ケアシステムについても、勉強しておくとより理解が深まると思います。
5.まとめ
社会の理解では法律や制度などについて問われるため、設問などを読んでいると難しく感じると思います。
しかし、実際問われていることは、基本的なことが多いので、苦手意識を持たずに勉強していきましょう。
また、過去に出た問題と類似した問題も出題されるので、過去問を繰り返し解いて知識を深めましょう。
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▶資料請求して特典を受け取るこの記事の監修者 遠藤 愛 講師
全くの異業種から介護の世界に飛び込み、訪問介護員として介護業界での勤務をスタート。住居環境・経済状況が様々なケースを担当。
現在は、医療ソーシャルワーカーとして、地域の在宅・施設の福祉職と協働しながら、数多くの高齢者・障害者とその家族への退院支援業務にあたる。