介護福祉士に向いている人は?必要な能力や基本・職場別の適性を解説
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社会問題でもある少子高齢化の時代を支えるのに必要不可欠な職業の一つである介護福祉士。
では実際に介護福祉士に向いている人はどのような人なのでしょうか。
今回は職場別の介護福祉士に向いている人や必要なスキル・能力について解説していきます。
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介護福祉士に向いている人 基本編
では介護福祉士として向いている人について解説していきましょう。
介護福祉士は介護業界では唯一の国家資格になります。
以前は介護福祉士でも「学校を卒業できれば取得できる」など簡単に思われているイメージですが、現在は見直されてきています。
現に国は賃金の値上げなど処遇改善に力を入れています。
関連コラム:介護福祉士の平均的な年収・給料は?雇用、施設形態、年齢、性別ごとに紹介
介護福祉士に向いているのは、下記のような人です。
- 観察力がある人
- 育成に興味がある人
- コミュニケーションが上手に取れる人
では一つずつ見ていきましょう。
1 観察力がある人
まずひとつ目は「観察力がある人」です。
施設や訪問介護で勤務している介護福祉士は、少しの変化でも気が付いてきちんと対応しています。
介護職は生活に密着して支援を行いますので、「いつもと違う」という違和感に敏感です。
「いつもより食事の量が少ない」
「歩く速さが少し遅い」
「トイレに行く回数が次第に多くなっている」
など些細な変化を見逃さずに他の職員へ伝達していきます。
そのおかげで入院するまで悪化しないうちに治療ができたり、転倒する前に手すりをつけたりと早期対応ができ、生活を維持していくことが可能になります。
悪い変化だけではありません。
「今日はむせなかった」
「トイレで立っている時間が伸びた」
「職員の名前が覚えられていた」
など良い変化も見逃さず、それがやりがいになっている介護福祉士も少なくありません。
2 育成に興味がある人
ふたつ目は「育成に興味がある人」です。
介護福祉士はサービス提供責任者や管理者など責任がある仕事に就くことができる資格です。
また学生の実習指導や新卒・新任職員の教育などにも携わることができます。
介護の楽しさややりがいを伝え、無事に介護福祉士を取得したり自分の職場へ就職してくれることもあるでしょう。
自分のこれまで経験してきたことや勉強してきたことを後世に伝える役割や一緒にレベルアップしていくのが楽しみな方も少なくありません。
また育成に携わることで、自分自身も振り返ったり気が付いたりする機会にもなります。
そこで新たな発見や自分に気が付けたりすることで、さらにモチベーションがあがる人もいます。
3 コミュニケーションが上手に取れる人
最後、3つ目は「コミュニケーションが上手に取れる人」です。
あらゆる職業でコミュニケーションは重要ですが、介護業界では特に重要視されます。
コミュニケーションが上手に取れることで、利用者からの信頼が得られるのはもちろん、他の職員とも上手に付き合うことができ、業務も円滑に回ります。
好循環の人間関係を持つことができるのでとても重宝されます。
利用者の生活を支えているのは介護福祉士を始めとする職員です。
介護福祉士は実務者研修修了者や初任者研修修了者のお手本になる必要もあります。
介護技術だけでなく、コミュニケーションなどの目に見えない技術も得る必要があるのです。
また利用者へ安心感を与えることも可能です。
しっかりコミュニケーションが取れていると、いざというときに頼ってもらえたり、内に秘めた気持ちを聞き出すことなども可能になります。
介護福祉士に向いている人 職場別
では介護福祉士が活躍する職場別に向いている人を紹介していきましょう。
介護福祉士が活躍する職場は次の通りです。
- 病院
- 特別養護老人ホーム
- 認知症グループホーム
- 介護老人保健施設
- 介護付き有料老人ホーム
- 軽費老人ホーム
- デイサービス
- 訪問介護事業所
- 障がい者施設
このような施設で介護福祉士は活躍しています。
それでは一つずつ見ていきましょう。
1 病院
病院でのお世話は看護師が行うと思う方も多いと思います。
しかし慢性期病棟や回復期病棟、地域包括病棟などある程度病状が安定している患者さんや在宅復帰を目指す患者さんのお世話は介護福祉士も行います。
病院に向いている方は医療に興味があったり在宅支援に興味がある方です。
麻痺などを患っている患者ができなかった生活行動ができるようになるのが嬉しかったり、患者とゆっくりと関わりたい方には向いています。
2 特別養護老人ホーム
特別養護老人ホームは要介護度3以上の方が主に入所されています。
要介護度3以上となると介護を要する時間が長く、全ての生活行動を援助しなければならない方もいます。
学んできた技術をしっかりと使いたい方は特別養護老人ホームが向いています。
また看取りを積極的に行っている施設もあるので、看取り介護を極めたい方も向いています。
3 認知症グループホーム
認知症グループホームは認知症と診断された方が共同生活をする施設です。
特養のような身体介護は少ないですが、認知症について学びたい人に向いています。
また身体介護が少ないので腰を痛めている人やゆっくり少人数で関わりたい方も向いている傾向があります。
4 介護老人保健施設
医療と介護が半分ずつ役割を持っている老人施設になります。
在宅復帰が目的ですので、介護福祉士には自宅での生活環境を考えながら指導していく必要があります。
無事に在宅復帰できたときのやりがいを感じたい方や応援したい方に向いています。
5 介護付き有料老人ホーム
有料老人ホームにもいくつか種類がありますが、介護付き有料老人ホームは施設専属で介護福祉士を常勤として雇用しています。
有料老人ホームはあくまでもアパートなどの集合住宅のイメージですので、生活に直結しています。
有料老人ホームでは他スタッフも同じ施設内にいますので、自宅に訪問するのは抵抗があるけれど在宅に興味がある方に向いています。
6 軽費老人ホーム
イメージは有料老人ホームと一緒ですが、少人数で経済的な負担を少なくしたい方が入所しています。
シェアハウスのようなつくりのため、入所者とアットホームな空間で仕事がしたい方に向いています。
入所者から調理や生活の困りごとなどのいろいろな知恵を教わることもできるでしょう。
7 デイサービス
通所介護と呼ばれるサービスになりますので、自宅から来られる方をお世話します。
レクリエーションが盛んなところでは、入所者と一緒に楽しんだり企画することが好きな方に向いています。
また送迎にも同行するため、ずっと施設内にいることが苦になる方も向いています。
8 訪問介護事業所
施設とことなり、実際に自宅へ訪問して身体介護や生活援助を行います。
施設に閉じこもって仕事をするのが合わない方や運転が苦にならない方が向いています。
また子育て世代など空き時間に仕事がしたい方などはスポットで入ることが可能です。
働き方としては時間を有効利用したい方にも向いています。
9 障がい者施設
介護保険が利用できない64才以下の身体障がいや知的障がい、精神障がいをもった方が入所されている施設で介護を提供しています。
高齢者ではなく、障がいがあるがために自宅での生活が難しいため入所されています。
老人のイメージが強い介護ですが、障がい者の方と関わることで新しい世界に触れたい方や、社会への自立や成功体験を一緒に喜ぶことができる方に向いています。
よい介護福祉士になるために必要な能力・スキル
では最後に介護福祉士として活躍するために必要なスキルや能力を紹介します。
介護福祉士として質を上げるために必要になってくるスキルが以下になります。
- 安全に行う介護技術
- 広い視野
- 前向きな気持ち
- 判断力
この4つが主に必要になってきますので詳しく見ていきましょう。
1 安全に行う介護技術
介護福祉士は何かしら生活に障がいを持っている方が自立した生活を継続できるように支援することが主な業務です。
身体介護を行う場合、たとえば立ち上がる援助をするとき一緒に転倒する、服を脱ぐ援助のときに皮膚を傷つけるというように怪我を負わせる危険性が伴います。
ゆっくり行えばいいということでもないため、安全を確保しながら援助する必要があります。
生活援助を見ても、本人にあった食事を提供して誤嚥や窒息を防ぐ必要もあります。
掃除を行う際も廊下に危ないものがないか、衛生的に掃除ができているかなど環境面を考慮しながら掃除を行う必要があります。
安全に介護を提供することは基本的なことですが、ヒューマンエラーを少しでもなくすスキルは養っていく必要があります。
2 広い視野
次に介護福祉士は広い視野が必要になります。
目の前の障がいや疾患だけにとらわれて考えていては的確なアセスメントができません。
現在の状況だけでなく、未来の状況を考えたうえで介護を提供しなければなりません。
身体的、精神的、社会的、経済的などいろいろな視野でものごとを見るスキルが必要となります。
また施設系で他の職員と一緒に働く際にはチームワークも大切です。
周りの業務がどのように進んでいるか、利用者は安全で安楽な状態かなど周りの状態も把握しながら、必要であればリーダーシップを発揮する必要があります。
指導できる立場だからこそ状況を把握できる広い視野も大切となります。
3 前向きな気持ち
介護現場にいるとさまざまなネガティブな感情になりやすくなります。
たとえば利用者の逝去や家族からのクレーム、業務が滞る、利用者がけがをしてしまうなどネガティブな感情になる出来事がさまざまあります。
ネガティブな感情になると全体の雰囲気まで悪くなり、良質な介護が提供できません。
無理に明るく振る舞う必要はありませんが、ポジティブな思考に切替られるように自分をコントロールする必要があります。
利用者から不満を言われることや家族からクレームが来た場合には、勉強できると思い不満を感謝に切り替えられるようにします。
また一人でもポジティブになることができれば周りも巻き込んで好循環でいい雰囲気を作ることができます。
4 判断力
最後に判断力です。
介護福祉士は介護の専門職です。
高齢者や障がい者の急変時の対応はもちろん、利用者に必要な援助と不必要な援助は何なのか、家族との関係性はどうかなど、さまざまな場面で判断することがあります。
急変時の対応は人と関わる専門職であれば身につけておかなければならず、心肺蘇生法や窒息時の対応は身に着けておきましょう。
利用者の援助を考えるときアセスメントを行います。
過剰な援助は利用者にとってはできることを減らしてしまう可能性があるため、何ができて何が難しいのか、どこまで援助をするべきなのかなど判断する必要があります。
また家族との関係性がどうなのかによって、利用者にかけられる介護のマンパワーが変化します。
適切に判断して入所者や利用者が自分らしく生活をすることが介護福祉士には求められます。
関連コラム:介護福祉士とは?仕事内容、働く場所、なり方を紹介
まとめ
介護福祉士に向いている人はどんな人?
- 観察力がある人
- 育成に興味がある人
- コミュニケーションが上手に取れる人
介護福祉士に向いている人の職場の背景
- 病院
- 特別養護老人ホーム
- 認知症グループホーム
- 介護老人保健施設
- 介護付き有料老人ホーム
- 軽費老人ホーム
- デイサービス
- 訪問介護事業所
- 障がい者施設
よい介護福祉士になるために必要な能力・スキル
- 安全に行う介護技術
- 広い視野
- 前向きな気持ち
- 判断力
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