【介護福祉士国家試験】「介護の基本」の基本情報と勉強法
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「介護の基本」は利用者にケアを提供する上で必要な知識を問われます。
安全なケアを提供するための倫理観や、感染対策についての知識も問われるので問題を解くには幅広い知識が必要になります。
科目の難易度としてはやや難しい部類です。
要点を1つひとつ整理して行けば問題を解くのは難しくないので、知識を整理しながら勉強していきましょう。
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「介護の基本」科目とは?
「介護の基本」の問題数は例年10問出題されます。科目の難易度としてはやや難しい部類です。
本科目が介護福祉士国家試験の科目に入っている理由は、正確な介護の知識を理解するためです。
介護の現場では介助を拒否されるなど、辛い経験をすることもあります。
しかし拒否されたからといって、利用者と関わりを避けていては良い介助を提供できません。
そのため、介護福祉士は自分たちの介助が、なぜ必要かを理解している必要があるのです。
そうすることで利用者から拒否をされたときも冷静な判断ができます。
「介護の基本」科目は、介護福祉士合格後も重要になる科目と言えるので、しっかり勉強しましょう。
本科目を学習することで介護をする必要性が理解でき、より良いケアを提供できるようになります。
「介護の基本」とは?
「介護の基本」は、介護福祉士に求められる専門性と職業倫理を基として、介護を必要とする人たちの理解を深めるとともに、職務におけるリスク等を学ぶ科目です。
具体的には、次のような内容です。
- 私たちの生活に対する理解
- 介護を必要とする人の理解
- 介護の専門性
- 介護福祉士の歴史・職業倫理
- 介護の実践現場における多職種との連携
- 介護現場における安全の確保とリスクマネジメント
- 被災地域、福祉避難所等における介護福祉士の役割 ほか
このように、利用者に対して安全な介護を提供するための環境整備、介護の提供に伴う倫理観や、昨今では重要課題となっている感染症対策についての知識も学びます。
つまり、「介護の基本」は、介護に関する幅広い知識を問う問題が出題されやすい科目です。
これらの問題が出題される背景には、現代における複雑化・多様化・高度化する介護ニーズの高まりがあると考えられます。
介護現場で大切にしなければならない基本理念(尊厳の保持、自立支援)を理解することが、この科目の攻略法です。
【介護の基本】覚えておきたい5つの考え方
介護職が提供する介護の基本として覚えておきたい5つの考えを紹介します。今すぐ介護現場で実践できる内容ですので、ぜひ参考にして下さい。
利用者さんに安心感を抱いてもらう
質の高い介護を提供するためには、介護者と利用者との間に信頼関係があり、利用者に安心感を持ってもらうことが重要です。
では、どのようにして信頼関係を築き、安心感を持ってもらえばいいのでしょうか。
それは、介護現場における「傾聴」です。
介護者が利用者の話を決して遮ったり、否定したりせず、話す内容とその気持ちに共感して聴いて差し上げることです。
相手の立場を想像して肯定的な反応を示すのがポイントです。
介護の技術と一緒に人間性を磨く
介護現場における事故や虐待の発生は、知識や技術の不足だけでなく、介護職員の意識やモラルなどの「人間性」が課題として指摘されています。
介護者に求められる能力は、ただ単に介護技術を駆使し、介護サービスを提供することだけではありません。
介護技術の向上とともに人間性を磨いていく「資質向上」が求められています。
利用者さんの尊厳を守る
介護現場では、利用者の「その人らしい生活・生き方」を尊重し、生活を支援することが求められています。
私たち介護職は、支援を必要とする高齢者・障害者の一人ひとりが、尊厳を保ち、生涯を穏やかに暮らしていくためには、どのような支援が必要なのか、深く考える機会を持つことが大切です。
具体的には、虐待や身体拘束に対する理解を深め、どのような行為・介護が尊厳を損なうのかを学習することも一つの方法です。
特に虐待は、虐待をしている人が「虐待している」という自覚が無いためにエスカレートしているケースが少なくありません。
気づかないうちに、不適切なケアや、尊厳を守らない介護になっていないかチェックする機会を持ちましょう。
また、介護者のストレスチェックと、ストレス解消のための取り組みも合わせて重要です。
利用者の体にはやさしく触れる
利用者とコミュニケーションを取る際には、穏やかに声をかけ、適度なスキンシップで安心させると良いでしょう。
まずは利用者の話をよく聴き、「それは大変でしたね」「大丈夫ですよ」と穏やかに声をかけて、落ち着いてもらえるようにします。
また、適度なスキンシップ(背中をさする、手を握る等)を行って、「私はあなたに関心があります」というメッセージを態度で示しましょう。
スキンシップを行う際には、利用者をびっくりさせないために、介護者は利用者の正面に位置して、やさしく触れることを心がけましょう。
思いやりをもって前向きに取り組む
利用者の「その人らしい生活」を支援していくうえでは、介護者はできるかぎり「思いやりの心」を持つことが重要です。
利用者の中には、言葉をうまく発することができなかったり、思うように身体を動かすことができなかったりする方が少なくありません。
ここで介護者が見放してしまうと、利用者の尊厳を傷つけることになるのです。
よって、根気強く利用者とコミュニケーションを取り、信頼関係を少しずつ築き上げていくことで利用者も段々と心を開いてくれるでしょう。
これも思いやりがあるからこそ実現できる関係性だといえます。
「介護の基本」頻出範囲
「社会福祉士及び介護福祉士」についてはよく出題されるので対策しましょう。
特に介護福祉士の
- 定義
- 義務
- 登録
については理解しておく必要があります。
2007年と2011年に「社会福祉士及び介護福祉士法」の改正がありました。
このときの改正内容もよく出題されるので覚えておきましょう。
また、最近は感染症に対する対応が重要になってきていますので、感染症が発生した場合などの対応方法も押さえておきましょう。
ウイルスによってどの薬品を使えばいいのか、感染が疑われる入居者が出た場合の対応をまとめておくと覚えやすいです。
この他にもICFや各施設形態に適した介護の方法なども問われます。
「介護の基本」勉強法
「介護の基本」の勉強方法に関しては、知識を1つひとつ整理して勉強しましょう。
「介護の基本」で出題される問題の多くが、その場で考える問題ではなく知識があるか問われる暗記問題です。
例えば頻出範囲で触れた「社会福祉士及び介護福祉士法」の義務をまとめる際は以下のようにまとめましょう。
誠実義務 (第44条の2)
その担当する者が個人の尊厳を保持し、自立した日常生活を営むことができるよう、常にその物の立場に立って、誠実にその業務を行わなければならない。
引用元:社会福祉士及び介護福祉士法
原文のまま読むと内容が入ってこないので、項目毎に区切って横に文章を書くと分かりやすいです。
ウイルスの対応についてまとめる際も
ウイルス名 | 症状及び対応方法 |
ノロウイルス | ・急な嘔吐・下痢・腹痛が主な症状 ・吐物や排泄物から感染が広まる可能性がある ・消毒をする際は次亜塩素酸ナトリウムを使用する |
MRSA (メチシリン耐性黄色ブドウ球菌) | ・接触感染をおこすため保菌者は他者との接触を少なくする ・アルコール消毒薬が有効・入浴時は最後に入浴させる |
などウイルス毎にまとめることで理解しやすいです。
特にウイルスはそれぞれ対応が違ったりするので、項目毎にまとめることをおすすめします。
まとめ
ここまで介護福祉士国家試験「介護の基本」の解説をしてきました。
出題範囲が広いので苦手意識がある人も多いと思います。
しかし科目名に基本と入っているように難しい内容は問われません。
この科目を勉強すると、現場で対応が決まっていることなどを深く理解できます。
1つひとつ整理して学んでいけば分かりやすい内容なので、本試験では慌てず問題を解くことができるよう、丁寧に学ぶことを心がけてください。
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全くの異業種から介護の世界に飛び込み、訪問介護員として介護業界での勤務をスタート。住居環境・経済状況が様々なケースを担当。
現在は、医療ソーシャルワーカーとして、地域の在宅・施設の福祉職と協働しながら、数多くの高齢者・障害者とその家族への退院支援業務にあたる。