介護福祉士の転職先とは?資格が活かせる転職先11選と転職が有利な理由
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この記事では、介護福祉士が転職に有利となる理由を解説するとともに、主な転職先・仕事内容について紹介します。
「介護福祉士は転職に有利?」「介護福祉士におすすめの転職先は?」「介護福祉士はどうやって取れるの?」という疑問をお持ちの方も多いのではないしょうか?
介護福祉士とは福祉系国家資格の1つで、自立した生活を送ることの難しい方々(高齢者、障害者等)の身体介護、身の回りのお世話等を行う専門職です。
主に高齢者福祉施設を始めとした様々な施設・機関で活躍できるため、自分に合った転職先を探している方も多いはずです。
就職を成功させるためのポイントも解説していますので、ぜひ参考にして下さい。
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介護福祉士資格が転職に有利な理由
介護分野は適切なステップを踏めば、キャリアを向上させていくことができる業界です。
介護職員として、長い期間、様々な施設・機関で仕事をしたい方は介護福祉士の取得がお勧めです。
以下、介護福祉士資格が転職で有利になる理由を挙げます。
専門の知識・技術を持つ証拠となる
当然のことながら、資格試験の勉強を通して専門的知識・技術を身につけることができ、介護に関する専門知識及び技術をもって業務に当たることが求められる役割であり、国が認めたプロフェッショナルです。
資格名を名刺に載せることができ、提供する介護の質を高めることが期待されます。
施設から高評価を得られる
介護福祉士は、他の介護系資格(初任者研修や実務者研修)を持っている方よりも給料が高いです。
厚生労働省による「令和4年度介護従事者処遇状況等調査結果」によれば、無資格者や他の介護系資格を持つ人と比べると、約3~6万円の差があります。
介護職員の平均給与額等(月給・常勤の者)
資格の有無 | 平均給与額 |
---|---|
介護福祉士 | 331,690円 |
介護福祉士実務者研修 | 302,500円 |
介護職員初任者研修 | 302,910円 |
保有資格なし | 270,530円 |
上記の調査結果から、介護福祉士資格を取得すれば、施設から待遇面での評価を得られやすいということが分かります。
つまり、転職市場においても有資格者は重宝される傾向にあるといえるため、国家資格を持っていることで自身の転職を有利に進めることが可能となります。
役職に就くことができる
介護福祉士は専門の知識・技術を用いて質の高い介護を提供する専門職であるため、役職(フロアリーダーやサービス提供責任者等)に就任して、他の介護職を指導する立場になることがあります。
現場で提供される介護の質を担保する立場であることから、昇進や給料UPが見込めます。
介護福祉士の主な転職先
ここからは、介護福祉士の主な転職先について紹介していきます。
介護老人福祉施設
自宅での生活が困難になった要介護者(原則として要介護3以上)が入所する施設で、食事、入浴、排泄の介護を提供します。
介護福祉士は、フロアにおける管理者の役割を担い、ユニットリーダーや介護リーダーとして、他の介護職員を指導・助言する立場であることが多いです。
「高齢者と関わるのが好き」「気配りができる」「コミュニケーション能力が高い」「気持ちの切り替えが早い」という人に向いています。
介護老人保健施設
要介護1以上の利用者が入所している施設で、介護サービスを受けながら、自宅復帰のためのリハビリテーションを提供します。病院に併設されていることが多く、医療体制が整っている点に特徴があります。
介護福祉士はフロアリーダー、ユニットリーダーの役割を担うことが多く、自身が要介護者へ介護を提供するだけではなく、フロア全体の介護業務を管理する立場になることがあります。
向いている人は、上記の介護老人福祉施設と同じです。
有料老人ホーム
要介護者の介護度や状態に合わせて施設内または外部の介護サービスを提供する施設です。
施設によっては、介護福祉士がフロアリーダーや生活相談員の役割を担うだけではなく、施設長候補としてマネジメント業務に従事している場合があります。
向いている人は、介護老人福祉施設と同じですが、これに加えて「生産性の意識が高い」「利益追求が性に合う」があります。
通所介護事業所(デイサービス)
自宅で生活する利用者が、食事、入浴、レクリエーション等のサービスを日帰りで受けることができます。
介護福祉士は利用者の食事・入浴、排泄等の身体介助を行うだけでなく、介護に関する相談に乗り適切な支援・助言を行います。
また、必要に応じて担当の介護支援専門員(ケアマネジャー)と情報交換・共有を行い、利用者のQOL(Quolity of Life=生活の質、人生の質)を高めるための支援に繋げます。
デイサービスの利用者はさほど介護が必要でなくお元気な方が多いので、活発なコミュニケーションが行われます。
また、生活意欲を向上するレクリエーションが行われる現場でもあるので、社交的な方や人と話すのが好きな方が向いています。
訪問介護事業所(ホームヘルプサービス)
訪問介護事業所とは、介護が必要な高齢者や障害者(以下、要介護者)のお宅を訪問し、日常生活上の介護サービスを提供する事業所です。
介護福祉士国家資格を保有していると介護を提供するヘルパー、もしくはサービス提供責任者としてヘルパーの勤務管理、提供されるサービスの品質管理を行う役割を担うことがあります。
訪問介護の現場では、介護福祉士が一人で利用者のお宅を訪問してサービスを提供することがあります。
限られた時間内にサービスを提供する必要があるため、テキパキと仕事を進めることができる方に向いています。
障害者福祉施設
障害者の暮らしの場の提供と、生活上の支援を一体的に提供するサービスです。
介護福祉士は、障害者支援施設に入所する障害者に対し、入浴、排泄、食事の介助などのサービスを提供するとともに、生活に関する相談に応じ、適切なアドバイスを行います。
障害の特徴や程度は、一人ひとり異なります。それぞれ利用者を尊重した介護が大切なので、思いやりがある、入所者の家族のことまでフォローできる人に向いています。
その他介護福祉士資格が活かせる転職先
ここからは、既に介護福祉士資格を持っている人、また介護福祉士の経験を活かせる転職先について紹介します。
保育士・保育補助
保育士は、専門的知識と技術をもって児童の保育及び児童の保護者に対して保育に関する指導を行う専門職です。
乳児~小学校就学前の子どもの年齢や発達に応じて、保護者に代わって基本的な生活習慣を身につけさせたり、健康管理に取り組んだりします。
人の世話をするという意味では、保育士も介護福祉士も同じような職種です。
対象者を観察し、状況に合わせた判断をするという点では介護福祉士の経験を活かすことができます。
介護福祉士が保育士を目指す場合、保育士の養成校に通学し卒業するか、国家試験の受験資格を満たしたうえで、保育士国家試験に合格する必要があります。
看護師・看護助手
看護師は、病気やケガに苦しむ人々の療養生活を支える専門職です。
主に病院などの医療機関に勤務し、医療・看護に関する専門知識・技術をもとに患者にとって必要なケアの内容・方法を的確に判断することが求められます。
看護師は介護福祉士と親和性の高い職種なので、これまでに培った知識・技術を十分に活かすことができます。
また利用者に対する身体介護、身の回りのお世話などの経験を活用することが期待されます。
介護福祉士が看護師を目指す場合、看護師の養成校に通学し、国家試験に合格する必要があります。
心理カウンセラー・公認心理師
心理カウンセラーは、心理学に関する専門的知識及び技術をもって、悩みを持つ人の心理に対してアプローチを行う専門職です。
対象者の心理状態の観察と分析、精神障害に関する相談支援、本人・家族に対するカウンセリング等を行います。
心理カウンセラーの国家資格には「公認心理師」があり、介護福祉士の有資格者がこれを取得するためには、新たに大学・大学院などで教育を受ける必要があります。
介護福祉士の養成施設教員
介護福祉士を取得して、介護の実務経験5年以上があるうえに、介護教員講習会という必要な研修を修了すれば、介護福祉士を養成する学校(専門学校や短期大学等)の教員になることができます。
介護教員はこれから介護福祉士を目指そうとしている人に対し、専門的な知識・技術を教えるだけでなく、介護のやりがいや素晴らしさを伝える大切な仕事です。
最近では国内で介護の仕事を希望する外国人留学生が増えていることから、実際の教育現場では介護技術だけでなく、日本式のホスピタリティを教える役割が求められます。
福祉用具専門相談員
利用者が介護保険制度を使って福祉用具をレンタル・購入する際に、その方にあった福祉用具を選定・提案する役割を担います。
介護福祉士を始めとする保健・医療・福祉の国家資格の保有者は、新たに福祉用具専門相談員を取る必要はありません。
なぜなら、「福祉用具に関する知識を持っているもの」とみなされるためです。
よって、介護福祉士はこれまでの知識・技術、経験を生かして福祉用具の分野でも活躍することができます。
転職を成功させる4つのポイント
ここまでは介護福祉士の優位性について解説してきましたが、ここからは転職を成功させるポイントについて紹介します。
安易に退職を決めない
転職する際の悪いパターンとして代表的なのは、今の勤務先が嫌だと感じた時点で退職を決めて、それから転職先を探すことです。
あまりにも唐突に退職を決めて、無計画に転職を進めても、その場しのぎで時間的にタイトスケジュールであり、良いチャンスを獲得するとは限りません。
複数の応募先を挙げる
介護職員・介護福祉士の求人は数多くあるため、応募先を複数ピックアップして比較して吟味しましょう。
施設によって給与の水準、夜勤手当の金額が違ううえ、残業手当・資格手当などの有無を確認すると良いでしょう。
新しい勤務先で長く働くことを想定しているのならば、研修・教育制度の充実度や退職金規定の有無、年間休日数や特別休暇の有無を確認するとなお良いです。
上記の内容を複数の求人票を並べて比較し、何を優先して何を妥協するのかじっくりと検討しましょう。
常にアンテナを張っておく
お仕事のご縁はどこに転がっているか分かりません。いつでも転職ができるように準備を怠らないようにしましょう。
福祉系の求人は年間を通じて出ているため、常にアンテナを張っておき、情報収集することが大切です。
転職する・しないに関わらず、求人情報等に目を通しておき、条件の「相場」を確認しておくと良いでしょう。そのなかで、良い条件の求人を見つけた時に決断し行動することが大切です。
自分の強み(ストロングポイント)を明確化する
転職先の面接試験を受ける際聞かれる質問として「あなたの長所と短所を教えて下さい」「あなたのストロングポイントについて教えて下さい」があります。
人事担当者はこの質問に対する回答を通して、自分自身の強みをしっかり理解しているか、また職場に順応できるか否かを確認しています。
よって、これまで携わってきた仕事で心がけていること、やってきたことを整理して自分の強みを明確化しておきましょう。
特に定量評価(満足度の高さ、役職に就いた経験年数、マネジメントしてきた部下の数等)があると分かりやすい強みになります。
また、有用な資格や研修修了(国家資格、認知症ケア専門士、介護支援専門員等)が強みになるのはいうまでもありません。
転職以外で介護福祉士資格を取るメリット
ここでは転職をする以外に介護福祉士資格を取得するメリットについて紹介します。
国が認めたプロフェッショナル
介護福祉士は国家資格であり、資格試験に合格した者でなければ名乗ることのできない「名称独占資格」です。
国家試験の合格者は、専門の知識・技術を持ち合わせている証拠となり、国が認めたプロフェッショナルとなります。
一般的に国家資格の保有者は、持たない人よりも社会的な信用度が増すだけでなく、給与が高い傾向にあります。
景気動向に左右されにくい
介護職は景気の動向に左右されず安心して働くことができます。
国内外の経済動向によって業績が悪くなることで給料が下がり、解雇されるような職業がありますが、介護職はこのような影響を受けにくいです。
社会情勢や産業構造が変わったとしても、景気の良し悪しに関わらず介護の仕事は存在し続けるでしょう。
解雇されにくい
万が一、業績悪化などでリストラ等が行われる場合、介護福祉士資格を持っていると対象から外れる可能性が高いです。
なぜなら、解雇や雇い止めはパートタイム労働者、派遣社員などの非正規労働者や、無資格者が対象となることが一般的だからです。
言い換えれば、介護福祉士を保有し且つ正社員であれば、このリスクを軽減することができます。
将来性がある
少子高齢化が進展するなかで、介護を必要とする高齢者や一人暮らしの高齢者は今後も増えていきます。
そんななか、厚生労働省は「第8期介護保険事業計画に基づく介護職員の必要数について」において、2040年度には約280万人の介護職員を確保する必要があると発表しています。
つまり、今後も介護・福祉の人材は求められ続け、将来性は明るいと言うことができます。
ライフスタイルに合わせて就業
介護職はシフト制が主流であるため、自分のライフスタイルに合わせた勤務時間帯を選べる環境だといえます。
例えば、子どもが小さいうちは短時間のパートタイム勤務で働き、子育てが一段落したら正社員としてフルタイム勤務するなどです。
このように、介護業界は自分のライフステージに合わせて働き方を選ぶことができ、子育て後に社会復帰することも比較的簡単です。
人から感謝される仕事
介護福祉士は、利用者や家族からお礼をもらう機会がたくさんあります。
介護施設などに入所する利用者の多くは、自立した生活を送ることが難しい方です。
介護福祉士は彼らのニーズに沿った介護を提供することはもちろんのこと、日頃のコミュニケーションを通して、生活意欲を引き出します。
自身の提供する介護サービスや、発する言葉、笑顔やホスピタリティによって、利用者を笑顔にし、そのうえ感謝してもらえる仕事です。
介護福祉士になるには?
介護福祉士になるためには、年1回開催される介護福祉士国家試験に合格しなければなりません。
介護福祉士の受験資格を得る方法は複数ありますが、代表的なルートは次のとおりです。
- 介護の実務経験が3年以上あり、かつ、介護福祉士実務者研修を修了
- 介護福祉士養成施設(専門学校や短期大学)で2年以上の課程を卒業
介護福祉士の合格率・難易度
第35回介護福祉士国家試験の受験者数は79,151人に対して、合格者数は66,711人で合格率84.3%という結果でした。
この合格率は、過去5年のなかで一番目に高い合格率です(出典:介護福祉士国家試験の受験者数等の推移 厚生労働省)。
受験者100人のうち約84人が合格することを考えれば、この資格試験の難易度はそこまで高くありません。
現に、過去5年間の合格率一覧データを見ると、合格率は69.9%〜84.3%と推移しており、取得しやすい資格だといえます。
国も介護福祉士を始めとした介護人材を増やしたいという意図を持っているため、今後も合格率は維持される、または微増するものと見込まれます。
とはいえ、計画的な勉強をせずに合格できるような簡単な試験ではありません。
介護に関する知識を基礎から学び、国家試験に合格するほどの力を身につけるためには、通信講座の利用がお勧めです。
転職を考えている方へ
以上、このコラムでは介護福祉士が転職に有利となる理由を解説するとともに、主な転職先・仕事内容について紹介してきました。
また、就職を成功させるためのポイントも解説しました。
最後にこれまで述べてきた内容の要点をまとめます。
- 介護福祉士の保有者は転職が有利になる
- 介護施設や訪問介護事業所などで勤務できる
- 介護現場以外(保育、心理、教育)でも経験を活かすことができる
- 安易に退職を決めずに、複数の応募先を比較する
- 介護分野は経済動向や社会情勢に左右されない安定した職業
- 介護福祉士国家試験の合格率は70%程度だが、通信講座の受講が合格への近道
介護分野での転職を考えている人は、介護福祉士国家資格を取得して転職を有利に進めましょう。
介護福祉士試験の合格を
目指している方へ
- 介護福祉士試験に合格できるか不安
- 勉強をどう進めて良いかわからない
- 勉強時間も費用も抑えたい
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