就職を考えたときに安定した公務員を考える方も少なくはないでしょう。

介護福祉士でも公務員になることは可能です。

今回は介護福祉士として公務員となった場合、どのような仕事があってメリット・デメリットは何なのか、公務員になるためにはどうしたらよいのかを解説していきます。

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介護福祉士が公務員として働く場所

介護福祉士が公務員として働く場合にはどのような仕事があるのでしょうか。

  • 部署や省庁など所属場所
  • 仕事内容

に分けてみていきましょう。

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地方公務員は福祉施設、障がい者施設、福祉保健局等

介護福祉士として公務員となる場合、まずは地方公務員と国家公務員に分けて考えます。

地方公務員は公立の福祉施設や障がい者施設などに勤務することとなります。

また行政機関である福祉保健局(都道府県によっては福祉保健部など)にも配属されることもあります。

就業を希望する自治体の「地方公務員試験」を受験することとなり、合格すると配属先が決まっていきます。

国家公務員は厚生労働省、法務省等

国家公務員の所属場所は厚生労働省や法務省が主です。

介護福祉士が国家公務員試験を受験する場合には「国家公務員総合職」として受験します。

国家公務員総合職の中の人間科学区分や法務省専門職員(人間科学)などを受験することになります。

しかしこの区分は介護福祉士だけではなく、教育関係の職種や心理職などを希望する方も受験するため、採用のハードルは極めて高めです。

介護福祉士が公務員として働く場合の仕事内容

地方公務員と国家公務員で仕事内容が大きく変わることはありません。

介護業務

一番多いのが、特養や障害支援施設などの施設に介護職員として配属されることです。

国や地方自治体が運営する、介護施設や障がい者施設に配置され、介護業務にあたることとなります。

生活の介助ですので、食事介助や入浴介助、レクリエーションなど民間経営の介護施設や障がい者施設と同様の業務となります。

デスクワーク

その他には行政で福祉保健局などの所属になることもあります。

行政では介護の相談や提出書類の確認などのデスクワークが多くあります。

相談業務では経験や知識を活かし、介護技術の指導や介護の相談に対応します。

また地域での行事で介護に関する啓蒙活動や介護に関する相談会の企画・運営なども行うことがあります。

職場は市町村役所や都道府県庁、厚生労働省、法務局など行政のイメージが強いですが、公的な介護施設での勤務はこれまで培ってきたスキルを発揮できます。

就職先では希望通りの配属になる場合もあれば、関係部署になることもあります。

これも勉強のひとつと思える方は挑戦できればおすすめです。

公務員になるメリット・デメリット

では狭き門を通って公務員になるメリットとデメリットを見てみましょう。

公務員として働くメリット

公務員として働くメリットは、

  • 給料が民間事業所よりもいい
  • 収入が安定している
  • 年間休日数が多い(カレンダーの土日祝日の数であることが多い)
  • 異動があるため介護以外の仕事もやることができる

です。

経営が国や地方自治体の場合には手厚い福利厚生が期待できます。

民間経営の施設で働く介護職員の平均年収は約250〜400万円に対し、公務員の平均年収は約600万円と大きく差が出ています。

休日が多いのもメリットのひとつです。

休日は公務員の働き方に準ずるため、シフト勤務であっても土日祝日の数だけ休日になります。

有給などをいれると120日を超える年間休日数になるため、プライベートの時間も確保しやすくなります。

公務員のため異動もありえます。

現場で経験をつんで、その後の異動により行政に密着した仕事もできる可能性もあります。

公務員として働くデメリット

  • 初任給は低い傾向にある
  • 専門スキルが身につきにくい

入職して数年は民間企業より給与が少ないこともあります。

それは公務員は給与テーブルが一律で決まっているので学歴など反映されません。

これまで勤めていた施設などで給与に不満があり、収入アップを目指しつらい試験勉強を越して公務員となった場合は、モチベーションが上がりづらいかもしれません。

最初から高収入を期待して入職するとギャップを感じてしまうことも多いです。

しかし年数を重ね、昇格すれば年収を確実にあがっていきます。

人事評価で良い評価が得られれば、昇給スピードも早くなりますのでスキルアップ、キャリアアップを目指していくとよいでしょう。

公務員になるには

入職するためには受験資格を満たしたあとに試験を受験して合格する必要があります。

公務員試験は幅広い科目の勉強をしなくてはなりません。

地方公務員(福祉区分)の場合を例に見てみましょう。

試験内容は1次試験と2次試験があります。

1次試験では教養試験と専門試験が各40問ずつあり、中には課題式論文が課せられているところもあります。

専門試験は人間科学系区分を全問必答しなければなりません。

教養問題には、一般知能(数的処理、文章理解)と一般知識(人文科学、自然科学、社会科学、時事問題)が出題されます。

一部の自治体では一般知能のみということもあるため、受験する場所の試験概要をしっかりと読みましょう。

2次試験では面接(個人または集団)が行われ、適正検査なども含まれます。

年齢制限は自治体によって違いがありますが、「高卒程度が20代前半」「大卒程度が30前半」「社会人が無制限(定年を超える年齢は不可)」となっているところが多くあります。

また国籍が日本にあるか、社会福祉士や介護福祉士、社会福祉主事任用資格など資格を保有しているかなども要件にあります。

詳細は試験要綱を確認して、間違えないようにしていきましょう。

関連コラム:公務員試験の対策って何をすればいい?最初にやること・決めること

まとめ

以上見てきた通り、介護福祉士が公務員として働く場所としては、地方公務員は福祉施設、障がい者施設、福祉保健局等、国家公務員は厚生労働省、法務省等などが挙げられます。

そして、そこでの仕事内容としては介護業務はもちろんのこと、介護の相談や提出書類の確認などのデスクワークも考えられます。

公務員として働くメリットは、

  • 給料が民間事業所よりもいい
  • 収入が安定している
  • 年間休日数が多い(カレンダーの土日祝日の数であることが多い)
  • 異動があるため介護以外の仕事もやることができる

などが挙げられます。一方、公務員として働くデメリットとしては

  • 初任給は低い傾向にある
  • 専門スキルが身につきにくい

などが挙げられます。

公務員として介護福祉士関連業務を担いたいと考える場合、こうしたことなどを踏まえて検討してみましょう。

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この記事の監修者 遠藤 愛 講師

遠藤 愛 講師

全くの異業種から介護の世界に飛び込み、訪問介護員として介護業界での勤務をスタート。住居環境・経済状況が様々なケースを担当。

現在は、医療ソーシャルワーカーとして、地域の在宅・施設の福祉職と協働しながら、数多くの高齢者・障害者とその家族への退院支援業務にあたる。

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