イタリア語の勉強を続ける中で、自分の実力を測るために実用イタリア語検定を受けようと考えている方は多いのではないでしょうか。

どの級が自分に合っているのか、そしてどのくらい難しいのか、迷いや不安があって受験を躊躇されている方もいらっしゃるでしょう。

このコラムでは、実用イタリア語検定の各級のレベルや合格率・難易度について詳しく解説し、過去10回分の合格率データも紹介します。

実用イタリア語検定を目指す方にとって有益な情報ですので、ぜひ最後までご覧ください。

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実用イタリア語検定の各級のレベル

実用イタリア語検定は、日本国内の機関が主催する全国的に実施される唯一のイタリア語検定試験です。

国内外で広く認知されており、大学での検定取得の奨励や専門学校の卒業単位として利用されるほか、イタリアの専門学校では日本人のイタリア語能力の証明としても用いられています。

さらに、就職における能力証明にも役立ちます。

実用イタリア語検定は、1級・2級・準2級・3級・4級・5級の6段階。

最上級が1級となります。

試験は春と秋に実施され、春季は3月中の1週間、秋季は10月の第一日曜日に行われます。1級・2級の二次試験は12月第一日曜日の実施となります。

春季の実施級は準2級・3級・4級・5級、秋季の実施級は1級・2級・準2級・3級・4級・5級です。春季は1級・2級が実施されないのでご注意ください。

ただし、2025年春季はイレギュラー的に全級での試験が実施されることとなりました。
詳しくは公式サイトを随時ご確認ください。

各級のレベルと出題形式は次のようになります。

レベル出題形式
5級 初歩的なイタリア語の理解力が求められます。初歩的な挨拶や自己紹介、質問への回答ができるレベル。筆記/リスニング
4級平易なイタリア語を聴く、話す、読む、書く能力が求められます。自己紹介や簡単な道案内、ショッピング、バールでの注文など、日常的な状況での簡単なコミュニケーションができることが必要。筆記/リスニング
3級日常生活で必要な基本的なイタリア語を理解し、使える能力が必要です。これは、大学で2年間の専門課程を修了した程度の知識を持ち、日常レベルの紹介や伝言、簡単な電話や手紙のやり取りといった基本的なコミュニケーションができることを意味します。筆記/リスニング/作文
準2級  イタリア語の基本文法を総合的に理解し、日常生活で必要な会話や表現ができることが求められます。日常的な会話やテレビ、ラジオの内容を聞き取ることができ、一般的な文章を読み解き、自分の意見や様々な出来事、状況を文章にまとめる能力が必要です。筆記/リスニング/作文
2級日常生活や仕事で必要となるイタリア語を理解し、読み書きや会話を無理なくこなすことが求められます。4年制大学でイタリア語を専門的に学んだ程度の知識を持ち、基本的な報告、通訳ができる能力が必要とされます。筆記/リスニング/作文/面接(二次試験)
1級広範な社会生活でのイタリア語の理解力と自己表現能力が求められます。4年制大学のイタリア語専門課程を卒業した程度の学力を持ち、新聞や雑誌、ニュース、映画などを聞き取って要約できる能力が必要です。1級合格者は、全国通訳案内士試験の語学科目の筆記試験が免除となります。筆記/リスニング/作文/面接(二次試験)  
参考:検定概要|[伊検] 実用イタリア語検定試験公式サイト

上記のレベルはあくまでも目安です。難易度を保証するものではないので、個人の習熟度と照らし合わせて受験級を選びましょう。

実用イタリア語検定の合格率・難易度

実用イタリア語検定の例年の各級の合格率は、1級が10%前後、2級が10%前後~20%前後、準2級と3級がそれぞれ30%前後、4級は45%前後、5級が60%前後~70%前後で推移しています。

これらの数値から、1級・2級は非常に高い難易度で、合格が難しいことが明らかです。

準2級・3級は比較的難易度が高いものの、基本文法や日常生活で必要なイタリア語の理解ができれば、合格可能です。

4級は標準的な難易度で、平易なイタリア語が理解できれば合格できるでしょう。

5級は初学者にとっても挑戦しやすいレベルです。

2024年3月に実施された第58回 実用イタリア語検定の合格率は以下のようになっています。

準2級3級4級5級
受験者109人144人215人198 人
合格者数38人54人103人140人
合格率34.9%37.5%47.9%70.7% 
引用:第58回 実用イタリア語検定IBT 試験結果サマリー

準2級は合格率が34.9%と最も低く、春季の受験者の多くがこの級で苦戦していることがわかります。

3級の合格率は37.5%。準2級と比較しても依然として難易度が高いままです。

4級は合格率が上昇し47.9%です。準2級・3級よりは合格しやすいものの、十分な学習が必要なレベルでしょう。

合格率が70.7%と最も高い5級は、初学者にも取り組みやすい級と言えます。

次に、第1回(1995年)から第58回(2024年春季)までの受験者数・合格者数を見てみましょう。

なお、準2級は第36回からの新設となります。

1級2級準2級3級4級5級
受験者数3,238人10,162人4,633人29,907人32,739人23,539人
合格者数317人1,349人1,534人7,894人14,109人14,970人
合格率9.8%13.3%33.1%26.4%43.1%63.6%
引用:実用イタリア語検定とは

1995年の検定開始以来の総受験者数と総合格者数から割り出した合格率は、1級が9.8%、2級が13.3%、準2級(第36回以降)が33.1%、3級が26.4%、4級が43.1%、5級が63.6%となっています。

級が上がるにつれて合格率は低下しており、試験の難易度が増していることがわかります。

1級・2級は特に合格率が低く、受験者にはイタリア語の「聴く・話す・読む・書く」能力を高いレベルで求められます。

一方で5級の合格率が63.6%に達していることは、初学者や基礎的な語学力を持つ受験者にとっては、比較的取り組みやすいレベルであることを示唆しています。

次に、過去10回分(第49回〜第58回)の実用イタリア語検定の合格率を参考に、近年の各級の合格率を分析します。

1級2級準2級3級4級5級
第58回34.9%37.5%47.9%70.7%
第57回13.1%19.7%35.2%36.2% 45.8% 68.5%
第56回37.2%38.1% 50.8%71.3%
第55回12.3%18.3%33.2%33.0%45.5%69.2%
第54回35.1%34.8%44.1% 72.6% 
第53回13.9%19.2% 30.1%32.7%42.2%67.3%
第52回33.3% 31.7%43.1%68.4%
第51回11.3%21.1%33.8%34.3%44.7%70.1%
第49回12.5%17.5%30.3%34.8%43.1%67.6%
第48回34.2%32.1%40.7%68.1% 
参考:各試験方法の配点と合否基準など
※第50回実用イタリア語検定は、新型コロナウィルスの影響で中止され、第51回に繰り越しとなっています。

過去10年間の各級の平均合格率は、1級が12.6%、2級が19.2%、準2級が33.5%、3級が34.8%、4級が45.8%、5級が68.9%でした。

やはり1級の難易度が非常に高く、高度な言語運用能力や文法・語彙の深い理解が求められることがわかります。

また、2級も高い難易度で、上級者に近い中上級者向けと言えます。実践的な会話能力や読み書き能力が必須です。

準2級、3級は2級よりも合格率が上がるものの、30%台ですので、十分な学習量が必要なレベルでしょう。

初学者の方で、確実に合格をしてイタリア語学習のモチベーションを高めたい方は、4級・5級からの受験を推奨します。

実用イタリア語検定は、5級〜1級まで徐々に難易度が上がっており、受験者が段階的に語学力を伸ばせる検定です。

合格率の高い級から挑戦することで、イタリア語学習のモチベーションを保ちつつ、無理なく語学力を伸ばせるでしょう。

まとめ

以上、実用イタリア語検定の各級のレベル・合格率・難易度についての解説でした。

5級、4級、3級と級が上がるにつれて合格率が低下し、試験の難易度が増すので、初学者の方は5級もしくは4級から挑戦すると合格しやすいでしょう。

このコラムのまとめ

  • 実用イタリア語検定は、日本国内唯一の全国的なイタリア語検定試験
  • 国内外で広く認知され、大学での検定取得奨励や、専門学校での単位取得、就職時の能力証明に使われている
  • 試験は春季(3月)と秋季(10月)の年2回
  • 1級・2級・準2級・3級・4級・5級の6段階のレベルがあり、最上級が1級
  • 難易度は1級が最難関最上級レベル、2級が難関上級レベル、準2級・3級が中級レベル、4級・5級が初学者向けレベル
  • 例年の各級の合格率は1級が10%前後、2級が20%前後、準2級・3級が30%前後、4級が45%前後、5級が70%前後

合格率や難易度は級ごとに異なり、特に上級になるほど、合格するためには相当な努力と学習時間が必要となります。

イタリア語学習の目標設定やモチベーション向上のために、この検定を活用することをおすすめします。

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