本コラムでは、実用イタリア語検定の資格を取得するメリットや、どのように役に立つのかについて解説しています。

実用イタリア語検定は5級から1級までに分かれており、各級で求められるイタリア語のレベルが異なります。

実用イタリア語検定を取得することで、レベルに応じたイタリア語のスキルを証明できるでしょう。

イタリア語のスキルを就職に活かしたい方や、何級から履歴書に記載できるのかを知りたい方は、ぜひ本コラムを参考になさってください。

実用イタリア語検定の資格は役に立つ？取得するメリットとは

実用イタリア語検定の資格は、さまざまな場面で役に立ちます。

実用イタリア語検定を取得するメリットは以下の4つです。

• 自分のイタリア語のレベルを証明してもらえる
• 就職などの自己アピールに使える
• 全国通訳案内士を目指している人に有利
• 自分のイタリア語の実力を試せる

順番に詳しく解説していきましょう。

自分のイタリア語のレベルを証明してもらえる

実用イタリア語検定の資格を取得する最大のメリットは、自分のイタリア語のレベルを客観的に証明してもらえることです。

すでにイタリア語を話せる方は、今更イタリア語の検定を受ける必要はないと考えているかもしれません。

しかし、イタリア語の能力がどの程度なのかを客観的に証明することは困難です。

特に、普段ネイティブのイタリア人と話している場合は、相手が自分のレベルに合わせてくれているという可能性も否定できません。

このようなケースでは、自分のイタリア語に対する客観的なフィードバックを得られないため、正しいイタリア語を学べていない可能性もあります。

実用イタリア語検定の資格を取得すれば、一定の基準によって自分のイタリア語のレベルを証明できます。

また、検定試験を通して正しいイタリア語を学べるため、スキルの向上にも繋がるでしょう。

就職などの自己アピールに使える

実用イタリア語検定の資格を取得する2つ目のメリットは、就職などの自己アピールに使えることです。

履歴書の資格欄に実用イタリア語検定の取得級を記載すれば、企業に対してイタリア語のスキルをアピールできます。

イタリア語は、英語・フランス語・スペイン語などと比べてマイナー言語であるため、イタリア語を話せる日本人の人数は限られています。

企業がイタリア語のスキルを求めている場合は、有利な状態で選考に臨めるでしょう。

全国通訳案内士を目指している人に有利

実用イタリア語検定の資格を取得すると、全国通訳案内士を目指している方にもメリットがあります。

実用イタリア語検定1級に合格し、必要な申請書類を提出した方は、全国通訳案内士試験における筆記試験の語学科目が免除されます。

そのため、実用イタリア語検定の資格がない方よりも有利な条件で試験を受けられるでしょう。

参考：2024 年度全国通訳案内士試験(国家試験)

自分のイタリア語の実力を試せる

自分のイタリア語の実力を試せることも、実用イタリア語検定の資格を取得するメリットのひとつです。

日ごろからイタリア語の勉強をしていても、イタリアに足を運んだり、イタリア人と会話したりする機会が少ないと感じている方も多いでしょう。

自分のイタリア語がどの程度通用するかわからないと、勉強のモチベーションを保つことが難しくなる場合があります。

実用イタリア語検定を受けることで、自分のイタリア語の実力を把握できます。

また、実用イタリア語検定は5級から1級までのレベル別に分かれているため、目標を持って勉強に取り組めるでしょう。

実用イタリア語検定は履歴書に書ける資格？英検と比較！

結論から述べると、実用イタリア語検定は履歴書に書ける資格です。

ただ履歴書で自分の語学力をアピールするという意味で、一般的に実用イタリア語検定は3級以上から履歴書に書くことが望ましいとされています。

国内でもっとも知名度が高い英語検定試験「英検」においては、2級以上から履歴書に書くことが一般的と言われていますが、なぜ実用イタリア語検定は3級から書いてもアピールになるのでしょうか。

ここでは、実用イタリア語検定のレベルや合格率を英検と比較しながら、3級から履歴書に書ける理由について解説します。

レベル

実用英語技能検定（以下、英検）2級に合格するために必要なレベルは、高校卒業程度とされています。

対して、実用イタリア語講座3級に求められるレベルは、日常生活に必要な基本的なイタリア語を理解・表現できるレベルであり、大学専門課程2年修了程度に相当します。

両者の語学能力を比較すると、実用イタリア語検定3級のレベルは英検2級を上回っていると考えられるでしょう。

合格率

第1回から第58回までの試験の総計において、実用イタリア語検定3級の合格率は26.4%・2級の合格率は13.3%でした。

対して、2015年における英検2級の合格率は25%です。

合格率を比較した場合、実用イタリア語検定3級の合格率は英検2級の合格率に近いことがわかります。

なお、英検の合格率は2016年以降非公開となっているため、2015年の合格率によって比較しています。

参考：検定概要｜[伊検] 実用イタリア語検定試験公式サイト

イタリア語が役に立つ就職先5選

ここでは、イタリア語のスキルが役に立つ業界や、就職先の例を5選紹介します。

旅行・観光業界

旅行・観光業界に就職する際は、イタリア語のスキルが大いに役立ちます。

イタリアは世界でも有数の観光大国であり、イタリアへ観光する日本人が多く見受けられます。

イタリア語のスキルがあれば、旅行会社へ就職する際に一定の評価を得られるでしょう。

また、最近は日本に訪れるイタリア人も多いため、日本国内でイタリア語による対応を求められる場面も増加すると考えられます。

ファッション業界

イタリア語のスキルは、ファッション業界への就職にも役に立つ可能性があります。

日本では、誰もが知っているイタリアの高級ブランドから、比較的新しいカジュアルブランドまで、さまざまなイタリアのブランドが支持されています。

イタリアのファッションブランドは日本人に人気があるため、イタリアと繋がりがある企業も少なくありません。

国内のファッション企業に就職すれば、イタリアの企業と交渉を行ったり、イタリアに買い付けに行ったりする際にイタリア語のスキルを活かせるでしょう。

また、イタリアのファッション企業で働く場合も、イタリア語のスキルがあれば現地のデザイナーや職人とのコミュニケーションをスムーズに行えます。

貿易関連企業

貿易関連企業は、イタリア語のスキルが役に立つ就職先として知られています。

イタリアはヨーロッパの主要な貿易国のひとつであり、農産物・ファッション・車・工業製品などのさまざまな製品を輸出しています。

また、イタリアは日本にとっても重要な輸出先のひとつです。

貿易関連企業は海外メーカーとの橋渡しを行う場面が多いため、英語はもちろん、イタリア語のスキルを持つ方が重宝される傾向があります。

イタリア語のスキルがあれば、輸出入に関する手続きや、現地の企業とのビジネス交渉などの場面で活躍できる可能性があるでしょう。

イタリア語通訳・翻訳

イタリア語のスキルがあれば、イタリア語の通訳や翻訳を行う企業への就職が有利になると考えられます。

イタリアと日本のビジネスを繋ぐためには、イタリア語のスキルが不可欠です。

イタリア語と日本語間の通訳や翻訳を求めている企業は数多く存在するため、イタリア語のスキルによって、仕事の選択肢が広がるでしょう。

ただし、通訳・翻訳の内容によって求められるレベルが異なるため、自分が就きたい仕事に応じたスキルを身につける必要があります。

実用イタリア語検定1級、または全国通訳案内士の資格があれば、多くの企業から評価を得られやすくなるでしょう。

教師

イタリア語を習得すれば、語学教師としても活躍できます。

語学教師として働くためには、日本人に対してイタリア語を教える「イタリア語教師」になるか、イタリア人に日本語を教える「日本語教師」になるかのいずれかの道を選ぶことが一般的です。

日本におけるイタリア語教師はネイティブのイタリア人が優遇される傾向があるため、ややハードルは高いと言えるでしょう。

対して、日本語教師の場合は、日常会話ができるレベルのイタリア語を活かして働ける可能性があります。

まとめ

本コラムでは、実用イタリア語検定が役に立つと言われている理由や、資格を取得するメリットについて解説しました。

本コラムのまとめは、以下の通りです。

• 実用イタリア語検定を取得することで、自分のイタリア語のレベルを客観的に証明できる
• 実用イタリア語検定は就職などの自己アピールに役立つ
• 実用イタリア語検定1級を取得すれば、全国通訳案内士の筆記試験の語学科目が免除される
• 実用イタリア語検定を履歴書に書くなら3級以上がおすすめ
• イタリア語が役に立つ就職先は、観光業界・ファッション業界・貿易関連企業など多岐にわたる

実用イタリア語検定は、就職や転職に役立つ資格です。

また、自分のレベルを客観的に把握できるため、イタリア語のレベルアップを目指したい方にもおすすめです。

仕事に役立つイタリア語の資格が欲しいと考えている方は、実用イタリア語検定に挑戦してみてはいかがでしょうか。