本コラムでは、ITパスポート試験におけるテクノロジ系分野の出題範囲や攻略方法について解説しています。

ITパスポート試験では、ストラテジ系・マネジメント系・テクノロジ系の3つの分野の問題が出題されます。

テクノロジ系の分野は最も配点の割合が高いため、苦手な場合は十分な対策が必要です。

テクノロジ系の問題が難しいと感じる方や、効果的な勉強方法を知りたい方は、ぜひ本コラムを参考にしてください。

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ITパスポートのテクノロジ系とは?

テクノロジ系とは、ITパスポート試験における出題分野のひとつです。

テクノロジ系の分野では、ネットワークやセキュリティ、およびデータベースなどをはじめとするIT技術に関する知識や、基本的な考え方などが問われます。

また、IT用語や概念に対する理解に加え、論理的な思考力なども求められる分野です。

ITパスポート試験は「ストラテジ系」「マネジメント系」「テクノロジ系」3つの分野に分かれており、分野によって問題の割合が異なります。

テクノロジ系は3つの分野の中で最も多くの問題が出題される重要分野であり、100問中約45問が出題されます。

テクノロジ系の出題割合は全体のほぼ半分を占めているため、いかにテクノロジ系を攻略するかがITパスポート試験に合格するための鍵となるでしょう。

ITパスポート試験の概要について詳しく知りたい方は、以下のコラムをご覧ください。

関連コラム:ITパスポートとは?試験内容・難易度・合格率・必要な勉強時間を簡単に解説

ITパスポートのテクノロジ系の出題範囲

ITパスポート試験におけるテクノロジ系の出題範囲は、以下の3つに分類されます。

  • 基礎理論
  • コンピュータシステム
  • 技術要素

それぞれについて、詳しく解説します。

基礎理論

基礎理論の出題範囲には、以下の2つの中分類が含まれています。

  • 基礎理論
  • アルゴリズムとプログラミング

テクノロジ系分野における3つの大分類のうち、基礎理論の項目は最も出題数が少ないと言われています。

また、高度な知識を要する問題は出題されないため、対策を行いやすいでしょう。

以下に、中分類の詳細を記載します。

基礎理論

基礎理論の範囲では、2進数に関する表現や演算に加え、集合と論理演算に関する基本的な考え方に対する理解が求められます。

また、確率と統計の基本的な考え方や、数値解析および数値計算などに関する問題が出題されます。

さらに、情報量の単位や情報のデジタル化に関する基本的な考え方や、AI技術に関する知識なども問われるでしょう。

アルゴリズムとプログラミング

アルゴリズムとプログラミングの範囲では、データおよびデータ構造に関する問題が出題されます。

順次・選択・繰り返しといったアルゴリズムの基本構造や代表的なアルゴリズムに加え、アルゴリズムの表現方法に関する理解を深めておく必要があるでしょう。

また、CやFortranおよびJavaやC++に加え、PythonやJavaScriptといったプログラム言語の種類や特徴を把握し、適切な言語を選択する力が求められます。

加えて、コーディング標準の目的やプログラムの構造についても問われるでしょう。

コンピュータシステム

コンピュータシステムの出題範囲には、以下の4つの中分類が含まれています。

  • コンピュータ構成要素
  • システム構成要素
  • ソフトウェア
  • ハードウェア

コンピュータシステムの項目は、基礎理論よりもやや出題数が多い傾向にあります。

コンピュータシステムに関する幅広い知識が求められるため、十分な対策を行いましょう。

以下に、中分類の詳細を記載します。

コンピュータ構成要素

コンピュータ構成要素の範囲では、コンピュータの構成やプロセッサの基本的な仕組みに関する知識が問われます。

また、メモリや記録媒体の種類や特徴、および記憶階層に関する問題も出題されるでしょう。

さらに、入出力インターフェースの種類や特徴、およびIoTデバイスを構成する要素や用語などを理解しておく必要があります。

システム構成要素

システム構成要素の範囲では、システム構成の方式や、代表的な処理形態の特徴などに関する知識が必要です。

また、システムの性能や信頼性を図るための評価指標に関する理解が求められます。

加えて、サーバの役割や特徴に関する項目も出題範囲に含まれます。

ソフトウェア

ソフトウェアの範囲では、OSやOSSの種類や機能に関する問題が出題されます。

ファイル管理やデータのバックアップに関する考え方や、ファイルの共有およびアクセス権の設定などの基本的な操作を理解しておく必要があるでしょう。

また、オフィスツールの基本操作や、各ツールの特徴に関する知識も必要です。

ハードウェア

ハードウェアの範囲では、パソコンやスマホ、タブレットといったコンピュータの種類や特徴に関する知識が問われます。

パソコンの部品や役割に関する理解を深めるとともに、キーボードやプリンター、バーコードリーダーやディスプレイといった入出力装置の特徴についても把握しておきましょう。

技術要素

技術要素の出題範囲には、以下の5つの中分類が含まれています。

  • 情報デザイン
  • 情報メディア
  • データベース
  • ネットワーク
  • セキュリティ

技術要素はテクノロジ系分野における3つの大分類の中で最も出題割合が高い項目であり、例年約30問以上が出題されています。

ITパスポート試験全体においても約1/3を占める重要な範囲であり、新しい技術に関する内容が出題されやすいため、しっかりと理解を深めておきましょう。

以下に、中分類の詳細を記載します。

情報デザイン

情報デザインの範囲では、情報デザインのための手法や、ユニバーサルデザインの考え方などが問われます。

また、画面設計や帳票設計、および人間中心設計などの考え方に関する問題も出題される可能性があるでしょう。

情報メディア

情報メディアの範囲では、マルチメディアの仕組みや応用目的、および特徴に関する問題が出題されます。

音声ファイルや静止画ファイルをはじめとするファイルの形式や、グラフィックス処理などの特徴を理解しておきましょう。

また、CGやVRおよびメタバースなどのマルチメディア技術の応用分野に関する知識も必要です。

データベース

データベースの範囲では、主にデータの分析や設計に関する考え方や、基本的なプロセスへの理解が求められます。

データベースおよびデータベース管理システムを使用する目的や考え方について問われるほか、データ操作やトランザクション処理に関する知識も必要になるでしょう。

ネットワーク

ネットワークの範囲では、LANやWANといったネットワークの種類や構成に関する知識が必要です。

また、通信プロトコルの必要性および身近で使用されているプロトコルの役割や、ネットワークアーキテクチャの構造や特徴に関する問題も出題されるでしょう。

さらに、インターネットの仕組みや、電子メールをはじめとするインターネットサービスの特徴についても問われるため、各サービスの特徴や留意点を把握しておきましょう。

セキュリティ

セキュリティの範囲では、情報セキュリティに対する基本的な考え方が問われます。

また、情報セキュリティにおける脅威と脆弱性に関する知識、および攻撃手法に対する理解が求められます。

加えて、情報セキュリティ対策の種類や技術に関する知識も必要です。

※参考:【ITパスポート試験】試験内容・出題範囲

ITパスポートのテクノロジ系の頻出問題は?

テクノロジ系分野の問題は11項目の中分類に分かれており、それぞれ出題頻度が異なります。

過去の試験ではセキュリティに関する問題が最も多く出題されており、次いでデータベース・ネットワーク・基礎理論などの問題が例年4〜8問出題されています。

効率よく試験対策を行いたい方は、頻出問題を把握してから過去問を解くと良いでしょう。

以下に、ITパスポート試験のテクノロジ系分野における頻出問題を紹介します。

ネットワーク

問題:電子メールで使用されるMIME(MultipurposeInternetMailExtensions)に関する記述として、適切なものはどれか。

(平成22年春期 問58)

ア.画像ファイルなどの添付ファイルを電子メールで送る方法
イ.公開鍵暗号方式を用いて、電子メールを暗号化する方法
ウ.電子メールの本文をHTMLで記述することで、Webページのようなレイアウトやデザインを実現する方法
エ.メールサーバから利用者の端末に電子メールを転送する方法

引用:【ITパスポート試験】過去問題 平成22年度春期 問58【ITパスポート試験】過去問題 平成22年度春期 解答例

セキュリティ

問題:ランサムウェアの説明として、適切なものはどれか。

(平成31年春期 問94)

ア.PC内のファイルを暗号化して使用不能にし、復号するためのキーと引換えに金品を要求するソフトウェア
イ.キーボードの入力を不正に記録するソフトウェア
ウ.システムログを改ざんすることによって、自らを発見されにくくするソフトウェア
エ.自ら感染を広げる機能をもち、ネットワークを経由して蔓延していくソフトウェア

引用:【ITパスポート試験】過去問題 平成31年度春期 問94【ITパスポート試験】過去問題 平成31年度春期 解答例

問題:関係データベースのデータを正規化することによって得られる効果として、適切なものはどれか。

(平成29年秋期 問62)

ア.異機種のコンピュータ間でのデータの互換性の確保
イ.データ圧縮処理による格納効率の向上
ウ.データの重複や矛盾の排除
エ.データを格納した装置の障害に備えたバックアップの省略

引用:【ITパスポート試験】過去問題 平成29年度秋期 問62【ITパスポート試験】過去問題 平成29年度秋期 解答例

ITパスポートに合格するにはテクノロジ系の攻略が欠かせない

ITパスポート試験に合格するためには、テクノロジ系分野の攻略が不可欠です。

テクノロジ系の問題は3つの分野の中で最も出題割合が高いため、テクノロジ系分野を攻略できるかどうかが合否のカギとなるでしょう。

ITパスポート試験では、総合評価点および分野別評価点の両方に合格基準点が設けられています。

総合評価点は600点/1000点、分野別評価点は300点/1000点を取得する必要があるため、テクノロジ系で半分しか得点できなかった場合、ほかの分野でそれぞれ7割以上の得点が必要です。

また、テクノロジ系の得点が300点を下回った場合は、分野別評価点の合格基準を満たせないため不合格となります。

一方で、テクノロジ系は出題範囲が広く、さまざまなIT関連の知識が問われるため、最も難易度が高い分野であると言われています。

テクノロジ系を攻略するためには、十分な勉強時間を確保し、用語の意味や考え方に関する理解を深めることが重要です。

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まとめ

本コラムでは、ITパスポート試験におけるテクノロジ系分野の出題範囲や頻出問題について解説しました。

テクノロジ系は、ITパスポート試験の3つの分野の中で最も出題数が多く、重要度が高い分野です。

一方で、最も出題範囲が広く、難易度が高い分野でもあります。

多くの勉強時間が必要であるため、試験日から逆算したスケジュールを立てましょう。

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