近年の日本ではデジタル化が急速に進み、IT系の国家試験であるITパスポートや基本情報技術者を取得する学生や社会人が増加中です。

就職・転職のためにIT系の資格を取得したいと考えた時、「ITパスポートと基本情報技術者の違いがよくわからない」「どっちの資格をとれば良いのか知りたい」という方も多いでしょう。

本コラムでは、ITパスポートと基本情報技術者の違いについて詳しく解説します。

取得するために必要な勉強時間、試験の難易度なども比較するため、資格取得に興味がある方はぜひご覧ください。

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ITパスポートと基本情報技術者の違い

ITパスポートと基本情報技術者は、どちらも経済産業省が認定する「情報処理技術者試験」という国家試験に合格すると取得できる資格です。

業界や業種にかかわらずIT化が進んでいるため、ITリテラシーが高められるIT関連の資格は近年人気があります。

中でも、IT初心者レベルかつ知名度のあるITパスポートと基本情報技術者の人気が高いです。

以下、ITパスポートと基本情報技術者の基本情報をまとめた表です。

ITパスポート試験基本情報技術者試験
受験対象者      すべての社会人およびこれから社会人になる学生ITを利活用する人材に必要な基本的知識・技能をもち、実践的な活用能力を身につけた者
レベルレベル1レベル2
試験日・
試験会場
・随時実施
・全国47都道府県のCBT試験会場 
・随時実施
・全国47都道府県のCBT試験会場
受験料7,500円(税込)7,500円(税込)
出題範囲・ストラテジ系(経営全般)
・マネジメント系(IT管理)
・テクノロジ系(IT技術)
・科目A:テクノロジ系、マネジメント系、ストラテジ系
・科目B:プログラミング全般に関すること
プログラムの処理の基本要素に関すること
データ構造およびアルゴリズムに関すること
プログラミングの諸分野への適用に関すること
情報セキュリティの確保に関すること
出題形式四肢択一式・科目A:四肢択一式
・科目B:多肢選択式
出題数・
合格基準
・100問
・総合評価点600点以上であり、かつ分野別評価点もそれぞれ300点以上であること
・科目A:60問、科目B:20問
・各科目の評価点が基準点600点以上であること
合格率
(令和5年度)    
50.3%47.1%
必要な勉強時間20~18050~200
※参考:【ITパスポート試験】試験内容・出題範囲試験要綱・シラバスについて | 試験情報 | IPA 独立行政法人 情報処理推進機構

ITパスポートと基本情報技術者は、どちらも受験資格はありません。

また、受験料も同額です。

令和5年度より基本情報技術者試験もCBT方式になったため、試験は両資格とも随時実施されています。

ITパスポートも基本情報技術者も申し込みをして受験料を支払えば、いつでも誰でも受験可能な試験です。

ITパスポートと基本情報技術者の違いは、以下のとおりです。

  • 受験対象者・レベル
  • 出題範囲
  • 試験形式
  • 難易度・合格率
  • 必要な勉強時間の目安

それぞれの違いを詳しく解説します。

受験対象者・レベルの違い

ITパスポートと基本情報技術者では、受験対象者と試験のレベルが異なります。

ITパスポートの受験対象者は、IT化された社会で働くすべての社会人およびこれから社会人になる学生です。

現在、どのような業種や職種でも、ITと経営全般に関する総合的な知識が不可欠となっています。

ITパスポートは、ITを利活用する社会人が備えておくべきITに関する基礎的な知識が得られる資格であるため、受験対象者の範囲が広く設定されています。

対して、基本情報技術者の対象者は、「ITを活用したサービス、製品、システム及びソフトウェアを作る人材に必要な基本的知識・技能をもち、実践的な活用能力を身に付けた者」です。

ITパスポートよりも対象者が限定され、ITを活用した戦略の立案、システムの企画・要件定義、設計・開発・運用に関しての業務を行うエンジニアが必要な知識や技能が身につく試験内容となっています。

また、レベルも両資格で異なっています。

IPA(独立行政法人情報処理推進機構)では、情報処理技術者試験をITスキル標準(ITSS)で分類しています。

ITパスポートは、レベル1です。

レベル1は、ITに関する入門的なレベルで、情報技術に携わる際に必要最低限必要な基礎的な知識を有する段階です。

対して、基本情報技術者は、レベル2とされています。

レベル2は、一定の範囲内の作業であれば一人で担当できるレベルです。

また、上位者の指導のもとで、ITに関するさまざまな知識・スキルを使った作業に参加できる段階、プロフェッショナルになるために必要な基礎的知識・スキルが身についている段階とされています。

レベルで比較すると、ITパスポートより基本情報技術者のほうが専門性が高い資格だといえるでしょう。

出題範囲の違い

ITパスポート試験と基本情報技術者試験では、出題範囲が異なります。

以下、両試験の出題範囲です。

【ITパスポート】

分野大分類中分類
ストラテジ系企業と法務企業活動、法務
経営戦略経営戦略マネジメント、技術戦略マネジメント、ビジネスインダストリ
システム戦略システム戦略、システム企画
マネジメント系開発技術システム開発技術、ソフトウェア開発管理技術
プロジェクトマネジメントプロジェクトマネジメント
サービスマネジメントサービスマネジメント、システム監査
テクノロジ系基礎理論基礎理論、アルゴリズムとプログラミング
コンピュータシステムコンピュータ構成要素、システム構成要素、ソフトウェア、ハードウェア
技術要素情報デザイン、情報メディア、データベース、ネットワーク、セキュリティ

【基本情報技術者】

  分野 大分類 中分類
科目A ストラテジ系 企業と法務 企業活動、法務
経営戦略 経営戦略マネジメント、技術戦略マネジメント、ビジネスインダストリ
システム戦略 システム戦略、システム企画
マネジメント系 プロジェクトマネジメント プロジェクトマネジメント
サービスマネジメント サービスマネジメント、システム監査
テクノロジ系 基礎理論 基礎理論、アルゴリズムとプログラミング
コンピュータシステム コンピュータ構成要素、システム構成要素、ソフトウェア、ハードウェア
技術要素 ユーザーインタフェース、情報メディア、データベース、ネットワーク、セキュリティ
開発技術 システム戦略、システム企画
科目B 1. プログラミング全般に関すること
2. プログラムの処理の基本要素に関すること
3. データ構造およびアルゴリズムに関すること
4. プログラミングの諸分野への適用に関すること
5. 情報セキュリティの確保に関すること
※参考:試験要綱・シラバスについて | 試験情報 | IPA 独立行政法人 情報処理推進機構

ITパスポート試験の問題は、3分野で構成されています。

問題数の詳細は、以下のとおりです。

  • ストラテジ系:約35問
  • マネジメント系:約20問
  • テクノロジ系:約45問

試験問題では、各分野の基礎的な知識が問われます。

対して、基本情報技術者試験は、科目Aと科目Bがあります。

科目Aは午前中に実施される科目であり、ITパスポートと重複している内容が多々あるのが特徴です。

ただし、出題される問題のレベルは、ITパスポートよりも上のレベル2相当になるため注意が必要です。

また、基本情報技術者試験では、午後に科目Bが実施されます。

科目Bは科目Aとは異なり、5つの項目が出題範囲です。

ITパスポートはIT技術を活用する側の知識証明となる試験のため、基本的に知識のみが問われます。

対して、基本情報技術者は、IT技術を用いて業務を行う・問題解決を図るなどITを利用するエンジニアとしての基礎知識の証明となる試験です。

そのため、知識だけでなく技術も求められるため、より専門的な部分が試験で問われます。

なお、IT関連の資格は、IT技術が日々進化しているため、試験範囲が改訂されるスピードも比較的速いです。

2024年10月の試験から出題範囲とシラバスの一部が改訂されています。

そのため、試験範囲については、IPA公式ホームページで公開されている最新のシラバスを確認するようにしましょう。

・試験形式の違い

ITパスポートと基本情報技術者では、試験形式において違いがあります。

以下、試験形式をまとめた表です。

ITパスポート試験基本情報技術者試験
出題形式四肢択一式・科目A:四肢択一式
・科目B:多肢選択式
採点方式IRT(Item Response Theory:項目応答理論)に基づいて解答結果から評価点を算出するIRT(Item Response Theory:項目応答理論)に基づいて解答結果から評価点を算出する
出題数100問・科目A:48問
・科目B:12問
試験時間120分120分
合格基準総合評価点600点以上であり、かつ分野別評価点もそれぞれ300点以上であること各科目の評価点が基準点600点以上であること
※参考:試験要綱・シラバスについて | 試験情報 | IPA 独立行政法人 情報処理推進機構

ITパスポート試験と基本情報技術者試験の科目Aはどちらも、四肢択一式です。

しかし、科目Bは多肢選択式となるため、知識やスキルをより正確に理解する必要があります。

また、採点方式と試験時間は同様ですが、出題数がそれぞれ違います。

合格基準については、ITパスポートでは総合評価点600点以上かつ各分野それぞれ300点以上を取る条件に対し、基本情報技術者では、各科目の評価点がそれぞれ基準点以上であることが条件です。

難易度・合格率の違い

令和5年度に実施された試験の合格率は、ITパスポートが50.3%、基本情報技術者が47.1%でした。

ITパスポートは過去10年間において、例年約50%の合格率をキープしています。

情報処理技術者試験の中でもレベル1に相当する試験のため、難易度も高くはありません。

対して、基本情報技術者の合格率は、ITパスポートより低いです。コロナ禍以前の基本情報技術者試験では、例年20%〜30%を推移していました。

近年、合格率は上昇傾向でしたが、令和6年度現時点では平均合格率は42%前後。令和5年度と比べ合格率が下がっています。(参考:統計情報(基本情報技術者試験) |IPA 独立行政法人 情報処理推進機構

合格率の比較から、基本情報技術者のほうが難易度が高いと予想できるでしょう。

必要な勉強時間の目安の違い

合格に必要な勉強時間は、個人のレベルによって異なります。

以下、ITパスポートと基本情報技術者の試験合格に必要な勉強時間一覧です。

初心者ITパスポート約150〜180時間
基本情報技術者約200時間
知識のある人や経験者
最短取得を目指す場合
ITパスポート20時間〜
基本情報技術者50時間〜

ITパスポートよりも基本情報技術者のほうが、合格するための勉強時間が長くなっています。

ただし、紹介した勉強時間は、一般的に必要とされている勉強時間です。

パソコンに関して全くの初心者という場合、さらに勉強時間が必要になることもあるでしょう。

反対に、普段からIT関連の業務に携わっている方は、より短い勉強時間で合格する可能性もあります。

初心者はITパスポートをとってから基本情報技術者

IT未経験者や学生などの初心者の方は、まずは入門的な資格であるITパスポートを取得し、次に基本情報技術者にチャレンジする流れのダブルライセンスがおすすめです。

ITパスポートは情報処理技術者試験の中でもレベル1相当で、ITや経営、マネジメントに関する基礎知識が身につきます。

ITパスポートで各分野の基礎を習得し、基本情報技術者試験の学習に進むほうがスムーズでしょう。

ITパスポートを足がかりに、さらに上位のIT資格取得を目指せば、キャリアや年収アップにも繋がります。

しかし、学校生活や本業の仕事が忙しく、なかなか勉強する時間を確保できないという方は少なくありません。

スキマ時間を活用して効率的に勉強したいのなら、通信講座の活用が最適です。

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よくある質問

ITパスポートと基本情報技術者に関するよくある質問を3つ紹介します。

  • ITパスポートと基本情報技術者の試験内容は重複していますか?
  • ITパスポートと基本情報技術者に免除制度はありますか?
  • 大学生はITパスポートと基本情報技術者どっちがおすすめですか?

ITパスポートと基本情報技術者の試験内容は重複していますか?

ITパスポート試験と基本情報技術者の科目Aは、出題範囲が重複している分野があります。

ただし、両試験の対象者や到達目標が若干異なるため、出題範囲が重複していても、問題の内容が異なる可能性が高いでしょう。

以下、ITパスポートと基本情報技術者の対象者・到達目標です。

対象者到達目標
ITパスポート    ITを利活用する全社会人・IT技術を活用できる基礎知識を持っている証明をしたい
・ITリテラシーを向上させて、IT技術の活用を進めたい                 
基本情報技術者ITを利活用する人材に必要な基本的知識・技能をもち、実践的な活用能力を身につけた者・ITを活用した作業を行える知識・スキルを証明したい(レベル2相当)
・ITを用いてシステム開発・問題解決を行えるようになりたい
※参考:【ITパスポート試験】iパスとは基本情報技術者試験 | 試験情報 | IPA 独立行政法人 情報処理推進機構

つまり、ITパスポートはITを利用・活用する側の知識証明の資格であり、基本情報技術者はエンジニアなどのITを利用する・作る側の知識証明の資格という違いがあります。

そのため、基本情報技術者は、ITパスポートよりもレベルが高く、複雑な問題が出題されます。

ITパスポートと基本情報技術者に免除制度はありますか?

ITパスポートに免除制度はありません。

基本情報技術者には、科目Aのみ免除制度があります。

免除されるには、IPA認定の講座を受講し、修了試験に合格する必要があります。

詳しい内容は、IPA公式ホームページの科目A試験免除制度に関するページをご確認ください。

大学生はITパスポートと基本情報技術者どっちがおすすめですか?

幅広い業界の就活に役立てたい場合は、ITパスポートがおすすめです。

ITパスポートを取得していれば、どの業界でもITの基礎知識や一定のパソコンスキルの証明として活用できます。

現代においてITを利用していない企業は少ないため、ITの知識がない・パソコンが苦手という人材よりも自分の市場価値や需要を高めることができるでしょう。

エンジニアになりたい、IT企業に就職したいという方であれば、基本情報技術者の取得を目指すもしくはITパスポートと基本情報技術者のダブルライセンスがおすすめです。

まとめ

本コラムでは、ITパスポートと基本情報技術者の違いについて解説しました。

以下、コラムの要点です。

  • ITパスポートと基本情報技術者は、どちらも情報処理技術者試験という国家試験に合格すると取得できる資格
  • ITパスポートはITを利活用する全社会人が対象となり、ITやビジネス、マネジメントなどの基礎知識の証明となる資格
  • 基本情報技術者はエンジニアの登竜門的資格であり、ITを活用して問題解決を図る基礎的知識とスキルが証明できる資格
  • 両試験は出題範囲が重複している部分もあるが、出題範囲やレベル、試験形式などに違いがある
  • 合格率はITパスポートが例年50%、基本情報技術者が約40%のため、基本情報技術者のほうが難易度が高いと考えられる
  • 初心者はITパスポートで基礎を習得してから、基本情報技術者を取得するとスムーズ

ITパスポートと基本情報技術者は、どちらもIT関連の人気の資格です。

また、ITパスポートは全社会人が対象となる資格のため、エンジニアになる・ならないにかかわらず、興味がある方は取得をおすすめします。

仕事や授業が忙しい場合は、効率的に学べる通信講座の利用も検討しましょう。

両試験とも随時実施されているため、「通信講座で学んで1〜2か月で合格」ということも実現可能です。

短期間で合格できれば、その後の就職・転職活動に集中することもできるでしょう。

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