インテリアコーディネーター資格試験は独学で合格できる?合格するためのポイント7つ
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理想の住まいや暮らしを提案するインテリアコーディネーターは、人気の職業です。
インテリアの専門家として活躍するため、インテリアコーディネーターの資格取得を検討している方も多いでしょう。
インテリアコーディネーター資格試験は、幅広い専門知識が必要です。はたして独学で合格が可能なのか、気になるところ。
この記事では、インテリアコーディネーター資格試験に独学で合格できるのか、必要な勉強時間や方法ついてお伝えします。
独学のメリットやデメリット、他の勉強法との比較などもご紹介しますので、ぜひ参考になさってください。
インテリアコーディネーター資格試験は独学でも合格できる?
結論から言いますと、インテリアコーディネーター資格試験は独学でも合格が可能です。
しかし、合格を勝ち取るためには、しっかりとした計画と対策が必要です。その理由を、試験の合格率や試験範囲の点から説明します。
インテリアコーディネーター資格試験の合格率
インテリアコーディネーター資格試験を主催するインテリア産業協会の資料では、直近の試験の合格率は次の通りです。
2017年 | 2018年 | 2019年 | 2020年 | 2021年 | 2022年 | 2023年 |
22.5% | 23.8% | 25.1% | 24.1% | 23.5% | 24.5% | 24.9% |
合格率の推移は22~25%で、これは資格試験の難易度としては「やや高め」といえます。
「インテリア」という言葉の印象を上回る広範囲からの出題
インテリアコーディネーター資格試験は、非常に広範囲から出題されます。
インテリアコーディネーター資格試験の試験範囲は、初心者の方が「インテリア」という言葉から受ける印象を、はるかに上回っています。
一次試験は、インテリアの歴史から、建物の構造や建材の知識、建築基準法などの法律に関することまで、二次試験は製図や論文といった、実際のお客様を想定した提案能力が求められます。
このように、インテリアコーディネーター資格試験は難易度も高めで、幅広い知識とスキルが必要です。
独学で合格するためには、計画性をもって着実に勉強に取り組むことが大切です。
独学で合格するためのポイント7つ
インテリアコーディネーター資格試験に独学で合格するためには、どのような対策が必要でしょうか。
合格を実現するためのポイントをまとめました。
1.300時間を目安とした勉強時間を確保する
インテリアコーディネーター資格試験の合格に向けて、必要な勉強時間を確保しましょう。
初心者の方が、インテリアコーディネーター資格試験に合格するために必要な勉強時間は、難易度から考えて300時間が目安です。
仮に、1日1~2時間程度の勉強時間を設けた場合、半年から1年程度の期間を有します。
インテリアコーディネーター資格試験の一次試験は、毎年10月に行われます。300時間をこなすため、いつから、1日どのくらいの勉強時間を確保できるか、自分にあったペースで計画していきましょう。
2.自分に合ったテキストや問題集を選ぶ
自分のレベルや勉強のスタイルにあったテキストを選びましょう。
インテリアコーディネーター資格試験を主催する、インテリア産業協会が発行する『インテリアコーディネーターハンドブック』をはじめとして、試験に対応したテキストや問題集は数多くあります。
その中でも自分のレベルにあったものを選ぶことが重要です。
テキストや問題集の選び方で、ポイントとなる点をあげていきます。
テキストや問題集の選び方
・専門用語の解説があるか。
専門用語が詳しく解説されていれば、理解しやすい。
・索引付きか。
索引があれば、用語を逆引きできるので便利。
・問題の解答解説があるか。
解説が詳細であれば、根拠をしっかり理解できる。
・図や写真での説明があるか。
図解が豊富なら実際の形状をイメージしやすい。
・カラーかモノクロか。
カラーの方が、モノクロより印象に残り、覚えやすい。
インテリアや建築には多くの専門用語があります。特に初心者の方は、はじめのうちは聞きなれない専門用語に苦戦してしまうかもしれません。
その点、用語の解説が丁寧なテキストなら、安心して取り組めます。
言葉だけでは分かりにくい部分は、図や写真が豊富なテキストならイメージしやすく、理解も早まります。
さらに、モノクロよりカラーの方が、記憶に定着しやすいという効果があります。
また、家でじっくり勉強するなら大型のテキスト、通学や通勤中に勉強するならハンディタイプのテキストと、勉強のスタイルと合わせた形態を選んでみるのもいいでしょう。
関連コラム:インテリアコーディネーターの独学におすすめテキスト&問題集6選
3.一時次試験・二次試験それぞれのポイントを知る
インテリアコーディネーター資格試験について、内容をよく理解しておきましょう。
受験する試験がどういったものか分からないと、対策を立てることができません。
インテリアコーディネーターの概要と一次試験、二次試験のポイントをまとめます。
インテリアコーディネーター資格試験概要
インテリアコーディネーター試験には、一次試験と二次試験があります。受験資格は特になく、誰でも受験ができます。
一次試験(9月~10月) | 二次試験(12月) |
学科(解答選択式) | プレゼンテーション・論文(記述式) |
36問(120分) | インテリア計画(180分) |
1.インテリアコーディネーターの誕生とその背景に関すること 2.インテリアコーディネーターの仕事に関すること 3.インテリアの歴史に関すること 4.インテリアコーディネーションの計画に関すること 5.インテリアエレメント・関連エレメントに関すること 6.インテリアの構造・構法と仕上げに関すること 7.環境と設備に関すること 8.インテリアコーディネーションの表現に関すること 9.インテリア関連の法規、規格、制度に関すること | <プレゼンテーション> インテリアの基礎知識をもとに、 住まいなどのインテリアに関する与えられた課題について、 与条件を理解した上でインテリア計画を⾏い、 図⾯作成や着彩により必要な情報を分かりやすく表現し、 伝達できる能⼒を有していること。 <論⽂> 住まいなどのインテリアに関する与えられた課題について、 インテリアコーディネーターとして、 これを理解し、判断した上で、 的確な解答を⽂章で明瞭に表現できる能⼒を有していること。 |
【一次試験のポイント】
一次試験の合格ラインは明示されていません。受験者全体の相対評価で決められていると言われています。
合格圏内に入るには、全体の70〜75%の正答率を目指していきましょう。
【二次試験のポイント】
二次試験は図面や論文形式のため、自分で正解不正解の判断をつけることは難しいです。
二次試験では、与えられた条件に沿った答案になっているかが重要です。
例えば、論文は既定の文字数になっているか、図面は建築基準法を前提としているかなど、前提条件を満たすことは必須です。
奇抜な提案は必要ありませんが、意図を正確に読み取り答案を完成させることが重要です。
また時間内に必ず製図を完成させることが重要です。製図が未完成の場合には採点すらされず、即不合格です。
4.過去問・出題傾向を知る
インテリアコーディネーター資格試験の過去問を確認しましょう。
実際の出題形式や傾向を分析して、重点ポイントを抑えていくことが勉強の効率アップにも役立ちます。
一次試験の出題傾向と対策
一次試験の出題範囲からは、まんべんなく出題があります。
とはいえ、これまでの過去問をみていくと、次の分野は比較的出題数が高い傾向があります。
- インテリアエレメント・関連エレメントに関すること
- インテリアの構造・構法と仕上げに関すること
- 環境と設備に関すること
- インテリア関連の法規、規格、制度に関すること
インテリアコーディネーター資格試験の出題傾向をつかむには、過去問の演習が必要不可欠です。
過去5年を目安に過去問に取り組めば、出題傾向を把握できます。中でも出題頻度の高いものを重点的に理解していくと効率的です。
200満点である必要はありませんが、過去問学習では160点代が安定して取れるまで繰り返し解くと良いでしょう。
解答は選択肢から正しい答えを選ぶ選択式なので、正答以外の選択肢についても理解して、万全の対策をとりましょう。
二次試験の出題傾向と対策
二次試験は、実際のお客様からの依頼を想定して、インテリアコーディネートのプランを作成します。
二次試験は、与えられた条件に沿った提案になっているかがポイントです。
条件を的確に読み取るため、指定されているインテリアの特徴や、家具の名称、適切な寸法を理解しておきましょう。
また、製図のスキルは短期間で身につけることは難しいため、一次試験の対策と並行して進められるように計画を組むことをおすすめします。
5.最新情報を知る
試験や、インテリアのトレンドについて、最新情報をチェックしましょう。
インテリアコーディネーター資格試験については、試験を主催するインテリア産業協会のホームページに試験の概要が告知されます。
試験の日程や受験の申し込み方法など、詳細な内容が記載されていますので、早めにチェックしておきましょう。
また、インテリアに関する最新情報は、インテリア雑誌やインテリア商材メーカーのホームページ、SNSなどを通じて得ることができます。
家具、照明、使いやすい収納など、快適に過ごすにはどんなインテリアが最適か、日々の生活の中でアンテナを貼って情報を仕入れておくようにしましょう。
6.自分で学習スケジュールを立てる
インテリアコーディネーター資格試験の合格を勝ち取るには、無理のないスケジューリングで着実に勉強を進めることがポイントです。
前述したように、インテリアコーディネーター資格試験の勉強に必要な時間は、300時間です。
試験日から逆算して、いつから、どのくらいのペースで勉強をしたらよいかを計画していきましょう。
勉強の順番としては、まずは出題範囲の全体に目を通してくのがおすすめです。
インテリアコーディネーター資格試験の内容を、ある程度把握してから、各章の理解を深めていきましょう。
【学習スケジュールの例】
一次試験対策 | 二次試験対策 | |
1か月目 |
概要を掴む。 インテリアコーディネーター資格試験の範囲の大枠を掴む。 どんな知識が必要かざっくりと把握する。 |
|
2か月目 |
テーマごとに勉強する。 テーマごとの確認問題に取り組む。 |
|
3か月目 |
テーマごとに勉強する。 テーマごとの確認問題に取り組む。 |
|
4か月目 |
過去問に取り組む。 分からないところはテキストをチェックし確認する。 |
製図の基本について学ぶ。 製図のルールや仕様を理解する。 |
5か月目 |
弱点に取り組む。 理解が浅いところを重点的にチェックし確認する。 |
図面を描く練習をする。 |
6か月目 | 過去問の反復学習。 | 図面を描く練習をする。 |
一次試験 | ||
7か月目 | 過去問の演習。 | |
8か月目 | 過去問の演習。 | |
二次試験 |
7.モチベーションを維持するための工夫を盛り込む
独学で行うインテリアコーディネーター資格試験の勉強は、モチベーションを持続することが大きなポイントです。
途中で挫折することのないよう、楽しみながら勉強ができるような考え方や工夫を盛り込んでいきましょう。
モチベーション持続のための工夫
計画通りに進められなくても焦らない。
毎日の勉強を計画していても、用事や仕事の都合で予定していた勉強ができない日もあるでしょう。
そんな時は、1日単位で一喜一憂せずに、1週間単位で計画を調整していきましょう。
「1週間でここまでやれればOK。」といった具合に計画を調整していけば、焦ることなく勉強を継続できます。
勉強仲間をつくる
インテリアコーディネーター資格試験を目標に勉強している仲間がいれば、ともに頑張れそうです。
最近では、SNSで勉強の様子を発信している方もいらっしゃいます。
勉強中の情報交換や、悩み事の共有、息抜きのおしゃべりなど、共通の話題でつながった仲間をもつのも楽しいものです。
頑張りを見える化する
計画通りに勉強ができたら、達成した日付にシールを張るなど、頑張りを「見える化」してみましょう。
単純な方法かもしれませんが、シールが増えると達成感が上がり、勉強に自信が持てます。
第三者に宣言する
インテリアコーディネーター資格試験の勉強を始めたことを、第三者に宣言しておきましょう。
誰かに宣言することで、後戻りせず頑張ろうという気持ちが湧いてきます。
目標に向かって前進するあなたを、周りのみんなもきっと応援してくれることでしょう。
独学のメリット・デメリットは?他の方法と比較
ここからは、インテリアコーディネーター資格試験を独学で勉強するメリットとデメリットをお伝えします。
また、独学以外の勉強方法についてもご紹介します。あなたにぴったりの勉強法を見つけるため、独学以外のスタイルも、ぜひ参考にしてください。
独学のメリット
インテリアコーディネーター資格試験を独学で勉強するメリットをお伝えします。
コストが低くて済む
独学のメリットは、コストが低く抑えられることです。
インテリアコーディネーター資格試験に必要なテキストや、受験料など、最低限の出費ですみます。
自分のペースで進められる
独学なら、場所や時間に拘束されることなく、自分のペースで勉強ができます。
自宅はもちろん、カフェや図書館など、好きな場所で好きな時間に学習できるのが魅力です。
独学のデメリット
次に、インテリアコーディネーター資格試験を独学で勉強するデメリットをお伝えします。
モチベーションが続かない
独学では、自分のペースで学習できる反面、モチベーションが続かないというデメリットがあります。
分からない問題があっても一人で解決しなくてはならないため、時間がかかります。
勉強がめんどうになってしまい、やる気が失われることがあるでしょう。
勉強の計画が立てにくい
独学では、自分で勉強の計画をたてなくてはなりません。
何にどのくらい時間が必要なのかが分からずに、試験日までに試験範囲の勉強が完了しないこともあります。
習熟度が分かりにくい
独学で勉強していると、習熟度や到達度が分かりにくくなります。
特に、二次試験は図面や論文となるため、自身では合格レベルに達しているかどうかの判断が難しくなります。
大学・短大・専門学校のメリット
インテリアについて勉強するには、大学・短大・専門学校に入学するという方法があります。専門的に大学や短大、専門学校で学ぶメリットをお伝えします。
広い知識、知見が得られる
大学・短大・専門学校では、インテリアや建築について広い知識が得られます。
インテリアコーディネーター資格試験に必要な知識だけでなく、多くの知見を養えるでしょう。
先生や仲間がいる
大学・短大・専門学校では、先生やクラスメイトといった仲間がつくれます。
インテリアコーディネーター資格試験という共通の目標を持った仲間同士、情報交換や励まし合いながら、勉強を進めることができます。
大学・短大・専門学校のデメリット
大学や短大、専門学校で学ぶメリットをお伝えします。
期間が長い
大学・短大・専門学校は、通学期間が2年~4年と、長期にわたります。学校で授業を受けるため、時間の制約もあります。
また、インテリアコーディネーター資格試験に合格しても、卒業までは実際に仕事に就くことができません。
インテリアコーディネーター資格試験の勉強そのものは別にする必要がある
大学・短大・専門学校は、必ずしもインテリアコーディネーター資格試験そのものの対策授業があるわけではありません。
インテリアコーディネーター資格試験用の勉強は、自身での対策が必要です。
通信講座のメリット
インテリアコーディネーター資格試験は、通信講座で勉強する方法があります。
通信講座のメリットについてお伝えします。
自分の都合に合わせることができる
通信講座は、自分のペースでカリキュラムを進めることができます。
仕事で時間が不規則であっても、空いている時間で勉強のスケジュールを組むことができます。
比較的コストが低くて済む
大学や短大、専門学校などの授業料と比べると、わずかなコストで受講することができます。
質問ができる
通信講座は、分からないことがあれば質問できます。
最近の通信講座は、専用のメールやチャットなどを利用して気軽に質問できる環境が整っています。
貴重な時間をムダに使わずに勉強を進めることができます。
カリキュラムが整っている
通信講座は、インテリアコーディネーター資格試験に必要なカリキュラムがあらかじめ組まれています。
学習の目安となるスケジュールの指針もあります。
カリキュラムに沿って勉強すれば、合格に必要な知識を効率よく身に付けることができます。
教材が多彩
最近の通信講座は、テキストだけでなく動画や音声などを利用した教材の形態が多彩です。
動画講義なら、講師から直接指導を受けている環境をつくることができるので、内容をより早く、深く理解できます。
期間が決まっている
通信講座は、1〜2年といった履修期間が決まっています。
そのため、先送りすることなくインテリアコーディネーター資格試験に向けて照準を合わせていくことができます。
勉強の期間が決まっていないと、中だるみしてしまい、良い結果に結びつかない場合があります。
履修期間が限定されていると、モチベーションの維持にもつながります。
通信講座のデメリット
自己管理が必要
通信講座は、自身でスケジューリングや自己管理を行う必要があります。
通信講座には強制力はありませんので、自分の都合で勉強できる代わりに、つい「明日でいいかな。」と先送りになってしまうこともあります。
モチベーション維持が難しい。
ひとりで勉強を進めていかなけばならないため、モチベーションの維持が難しくなるという人もいます。
継続して学習できるように、自分なりの工夫が必要です。
その場で質問できない
分からないことを質問する際、対面授業と比べたら返答までにタイムラグがあります。
たさい、やりとりは郵送だった昔と比べ、最近はメールやチャットを利用したコミュニケーションが取り入れられてはいるので、そこまでオンラインの質問制度がある講座を選ぶとよいでしょう。
まとめ
今回は、インテリアコーディネーター資格試験は独学で合格できるのか?というテーマでお伝えしました。
インテリアコーディネーター資格試験は、試験の概要やポイントを抑えて計画的に勉強すれば、独学でも合格が可能です。
とはいえ、独学ではやっぱり不安と思った方もいらっしゃるかもしれません。
「ひとりでやり遂げるには、ちょっと難しいかな。」と感じる方や、「コストを抑えて効率的に勉強を進めていきたい。」という方は、今回ご紹介した独学以外の勉強方法も参考にしてみてください。
通信講座を利用するというのもひとつの手段です。通信講座なら、独学のメリットも叶えつつ、効率的に勉強が進められそうです。
合格という目標に一歩前進するために、ぜひ一度、情報収集してみてはいかがでしょうか。
この記事の監修者
インテリア小売業にて家具・カーテンの販売接客、VMD演出、法人デベロッパーへのモデルルームコーディネート提案、インテリア社内講師に従事。
その後ハウスメーカーで新築戸建・分譲住宅のインテリア提案、展示場の設営などを行う。
独立後は、エンドユーザーへの提案をはじめ、御殿場プレミアムアウトレット第四期増床工事内の飲食店舗のインテリアデザイン提案や、海外のクライアントのインテリアコーディネート・デザイン、街づくりの景観に携わるなど活動は多岐にわたる。
現在は虎岩インテリアデザイン事務所にてインテリアコーディネーター、インテリアデザイナーとして活躍している。