保育士になるには?資格の取り方は?主婦・社会人からのなり方も解説
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保育士は、年齢や学歴を問わず取得できる国家資格です。
いつかは保育士を目指したいと思っていても、社会人として働きながら学ぶ自信を持てない方や、主婦業との両立を不安に感じる方は少なくありません。
保育士になる夢を叶えるために、自分に合った無理のない方法を選びたいですよね。
本コラムでは、保育士を目指す方に向けて、保育士資格の取得方法などを紹介します。社会人や主婦におすすめの方法についても触れているので、ぜひ参考にしてください。
目次
保育士になるには?資格の取り方は2通り
保育士になるには、保育士資格の取得が必要です。資格を取得する方法は2種類あり、指定保育士養成施設の卒業、または保育士試験合格のいずれかを選択できます。ここでは、それぞれの概要を解説します。
指定保育士養成施設を卒業する
保育士資格を取得する1つ目の方法は、指定保育士養成施設を卒業することです。
指定保育士養成施設には、4年制大学・2年制の短期大学・専門学校などの種類があります。
指定保育士養成施設の卒業によって保育士資格を得られるため、これらの学校を卒業した場合、保育士試験の受験は不要となります。
指定保育士養成施設への入学においては、高等学校卒業以上であることが求められます。
そのため、最終学歴が高校未満の方は、まず高校卒業程度認定試験を取得してから、指定保育士養成施設への入学を検討しましょう。
保育士試験を受験する
2つ目の方法は、保育士試験を受験し、合格することです。
保育士試験には最終学歴に応じて実務経験などの要件が定められており、要件に該当しない方は受験資格を得られません。
また、筆記試験と実技試験が行われ、両方に合格することで、保育士資格を取得できます。
保育士試験の試験内容や受験資格の概要については、次章で詳しく解説します。
保育士試験とは?試験内容を解説
保育士試験では、9科目の筆記試験に加え、3分野中2分野を選択する実技試験が科されます。筆記試験の全科目に合格しないと、実技試験には進めません。
それぞれの試験内容は以下の通りです。
筆記試験の内容
筆記試験では保育の専門知識だけではなく、社会福祉の法律や保護者・自治体との連携についての知識も問われます。
試験はマークシート形式の5択問題で、記述式問題はありません。一問一答形式の問題よりも語句の組み合わせを選ぶ問題が多く、読解力・思考力も試されます。
試験は以下の9科目です。
- 保育の心理学
- 保育原理
- 子ども家庭福祉
- 社会福祉
- 教育原理
- 社会的擁護
- 子どもの保健
- 子どもの食と栄養
- 保育実習理論
科目ごとの満点は教育原理・社会的養護以外が100点、教育原理・社会的養護は各50点となります。
各科目60点以上が合格で、科目ごとの合格が認められます。ただし教育原理と社会的養護は両方とも30点以上をとらないと合格できず、どちらか一方のみでの合格はありません。
実技試験の内容
実技試験は、保育士に求められる資質・知識・技能の評価を目的として行われます。試験は以下の3分野に分かれており、そこから2分野を選択して受験します。
- 音楽に関する技術
- 造形に関する技術
- 言語に関する技術
いずれの分野も50点満点です。選択した2科目で得点率が6割、各分野でそれぞれ30点に達していれば、実技試験は合格となります。
保育士試験については以下コラムでも解説していますので、参考にしてみてください。
関連コラム:保育士試験の概要|日程・時間割・申し込み方法も解説
保育士試験は社会人や主婦でも受験できる?
保育士試験の受験資格は、以下となっています。
受験資格は概ね「短期大学卒業程度」で設定されていますが、最終学歴が高等学校卒業であっても、「児童福祉施設で実務経験2年以上かつ総勤務時間数2,880時間以上従事した者」などの条件を満たせば受験資格を得られます。
保育士になるには?-厚生労働省
つまり、最終学歴に応じた要件さえ満たせば、社会人や主婦でも受験が可能です。
保育士試験の受験資格について詳しくは、以下コラムで解説しています。
関連コラム:保育士試験の受験資格は?誰でも取れる?学歴ごとの条件や必要な実務経験を解説
社会人から保育士になるには?おすすめの資格取得方法
社会人として働きながら保育士を目指す場合、夜間の養成学校か、通信講座で学ぶ方法がおすすめです。
ここでは、それぞれの方法の概要や、メリット・デメリットについて解説します。
夜間の養成学校を卒業する
社会人の方におすすめの方法のひとつが、指定保育士養成施設の夜間コースを卒業することです。
専門学校をはじめとする一部の指定保育士養成施設には、夜間コースが設けられています。
日中働きながら夜間コースへ通学し、卒業すれば保育士資格を得られます。
なお、2年制の専門学校であっても、夜間通学の場合は3年間の通学が必要です。
保育士養成施設における勉強の期間は厚生労働省によって定められており、夜間部と昼間部では必要な期間が異なる点に注意しましょう。
夜間の養成学校を卒業するメリット・デメリット
指定保育士養成施設の夜間コースの場合、留年などの事情がなければ入学から3年で保育士になることができます。
あらかじめ卒業時期を予測できるため、将来の予定を立てやすくなるでしょう。
また、実技試験に必要な指導を受けられることや、練習に必要な環境が整っていることも大きなメリットであるといえます。
指定保育士養成施設の夜間コースを選ぶデメリットは、費用がかかることです。どの施設を選ぶかによっても費用が大きく異なるため、事前に確認しておきましょう。
通信講座を活用して学ぶ
働きながら自分のペースで保育士を目指したい社会人の方には、通信講座の活用がおすすめです。
通信講座で学び、保育士試験に合格すれば、通学せずに保育士資格を得られます。
通信講座にはさまざまな種類があり、提供されるサービスや教材の質なども異なるため、自分に合ったものを見極めることが重要です。
通信講座を活用して学ぶメリット・デメリット
通信講座を活用して保育士試験の合格を目指す最大のメリットは、仕事との両立がしやすいという点です。
休日や退勤後の時間を使って無理なく学べるほか、通勤などの隙間時間を学習に充てることもできます。
また、通信講座では、指定保育士養成施設や通学講座に比べて費用を抑えられます。学習にかかる費用を抑えたい社会人の方にとっては、有力な選択肢となるでしょう。
一方で、通信講座では、実技試験の対策が難しいというデメリットがあります。実技試験の指導を直接受けられる機会がないため、実技試験対策に不安を感じる方も多いです。
主婦から保育士になるには?おすすめの資格取得方法
主婦から保育士を目指したい方には、通制大学の卒業や、独学で学び保育士試験を受験する方法がおすすめです。
ここでは、これらの方法の概要に加え、メリット・デメリットを紹介します。
通信大学を卒業する
指定保育士養成施設には、専門学校・短期大学・大学などの種類があり、それぞれ異なる特徴を備えています。
通信制大学では、自宅での学習とスクーリングによる対面授業の両方が行われるため、子育てしながら保育士を目指したい主婦の方にもおすすめです。
通信大学を卒業するメリット・デメリット
通信制大学を卒業して保育士になるメリットは、座学だけでなく、保育実習などを受けられるという点です。
また、卒業と同時に、即戦力として保育士になることができます。
スクーリングなどでは同じ目標をもつ仲間と顔を合わせるため、モチベーションを保ちやすくなるでしょう。
一方で、通信制大学では自宅での学習がメインとなるため、その場で疑問点を解決することができません。独学に比べて費用が高額なこともデメリットのひとつです。
独学で学ぶ
仕事や子育てをしながら保育士を目指したい方には、独学で学び、保育士試験を受験する方法もおすすめです。
保育士試験は難易度が高いと言われていますが、独学による合格も不可能ではありません。
独学で学ぶ場合は、無理なく続けられる学習スタイルを見つけ、自分に合った教材を選びましょう。
独学で学ぶメリット・デメリット
独学で学ぶ最大のメリットは、勉強にかかる費用を抑えられるという点です。
また、日常生活に自分のペースで学習の時間を組み込むことができるため、家庭を優先したい主婦の方でも無理なく続けられます。
対して、勉強が不十分だと保育士試験に合格できないため、高い自己管理力が求められるでしょう。
また、すべて独学で対応しようとすると、保育士試験合格までに多くの時間を要する場合があります。最短距離で合格を目指したい方は、通信講座の併用もおすすめです。
保育士になるメリットとは
保育士になることにはさまざまなメリットがあります。たとえば以下のようなことが挙げられるでしょう。
- 就職に有利な国家資格を得られる
- 勤務先の選択肢が豊富
- 育児の知識が身に付く
それぞれ解説していきます。
就職に有利な国家資格を得られる
保育士資格は更新不要であり、一度保育士資格を取得すれば、一生使える国家資格が手に入ります。
また、保育園には、児童の年齢や人数に応じた保育士の配置基準が定められています。保育園には必ず保育士が必要となるため、安定した職業であるといえるでしょう。
さらに、保育士資格があれば、保育に関するエキスパートとして認められます。そのため、児童擁護施設・福祉施設・託児所などでの勤務条件を優遇されるケースも多いです。
勤務先の選択肢が豊富
一度保育士資格を取得すると、居住地や年齢を問わず保育士として働くことができます。そのため、転勤が多い家庭でも、転居先での仕事を見つけやすいでしょう。
また、保育士は、正社員・アルバイト・パートなどさまざまな勤務形態で勤務することが可能です。自分の家庭環境の変化に合わせて勤務方法を選択しやすいことは、大きなメリットであるといえます。
育児の知識が身に付く
保育士資格を取得するまでの過程で、育児に関する豊富な知識を身につけることができます。
保育士の対象は、主に0歳児から3歳児です。また、選択する勤務先によっては、10代の児童の保育に携わることも可能です。
このように、幅広い年代の子どもとかかわる機会を得られることもメリットの一つといえるでしょう。
保育士になるには?資格の取り方は?まとめ
保育士は何歳からでも目指せる資格であり、保育士資格の取得によって多くのメリットが得られます。
一方で、保育士になるためには、指定保育士養成施設の卒業や、保育士試験合格などのハードルを乗り越えなければなりません。
働きながら・子育てをしながら保育士を目指す際は、生活との両立を無理なく行える方法を選ぶことが重要です。
また、保育士資格を得られるまでにかかる時間やコストを比較し、今のライフスタイルに合った手段を検討しましょう。
保育士になるには、相応の時間と努力が必要です。しかし、社会人や主婦の方でも、十分に目指せる資格であるといえます。
本コラムを参考に、保育士への第一歩を踏み出してみましょう。