高卒から保育士になるには?受験資格や中卒の場合の条件も解説
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最終学歴が高卒でも保育士になれるのか、気になる方は多いのではないでしょうか。
保育士資格は、学歴にかかわらず挑戦できる資格です。学歴が高卒以下でも、定められた要件を満たしていれば、保育士試験の受験資格を得られます。
本コラムでは、高卒で保育士資格取得を目指す方に向けて、高卒から保育士になる方法について解説します。
高卒の保育士試験受験資格の概要や、中卒から保育士を目指す方法についても記載しているので、ぜひ参考にしてください。
目次
高卒から保育士になるには?資格取得の方法
高卒から保育士になるには、以下の2つの方法があります。
- 指定保育士養成施設を卒業する
- 保育士試験に合格する
資格取得の方法によって準備期間や費用が異なってきますので、自身に合った方法を慎重に選びましょう。
1. 指定保育士養成施設を卒業する
高校を卒業後、指定保育士養成施設に該当する短大・大学・専門学校などを卒業することで保育士資格を得られます。
高卒の方が最短で保育士を目指したいなら、2年制の専門学校または短大への進学が有力な選択肢となるでしょう。留年などの特別な事情がなければ、2年で保育士資格を取得できます。
また、卒業によって保育士資格を取得できるため、保育士試験の受験も必要ありません。短い期間で効率よく資格を取得し、卒業後は即戦力として社会に出ることができます。
保育士資格の取得に加えて、大卒の資格も得たい方や、保育に関する総合的な知識を学びたい方は、4年制大学の保育士養成過程への進学も検討してみましょう。
保育の理論や実践的な知識に加え、一般教養などが学べます。もし保育士以外の職業に就く場合も、大卒者としての就職が可能です。
幼稚園教諭や小学校教諭などの同時取得を目指せる大学なら、さらに仕事の幅が広がるでしょう。
2. 保育士試験に合格する
保育士資格は国家資格であり、初めて保育士試験を受験する際は、9科目の筆記試験および3分野中2分野の実技試験が行われます。
保育士試験を受験し、筆記試験と実技試験の両方に合格すれば、保育士資格を取得できます。
指定保育士養成施設への進学を行わず、保育士試験を受験するメリットは、学費がかからないという点です。参考書などによる独学や通信講座の受講なら、通学に比べて費用を抑えることができます。
一方で、学習計画が不十分だと、合格までに時間がかかってしまうため注意しましょう。
保育士試験について詳しくは以下コラムで解説していますので、参考にしてください。
関連コラム:保育士試験の概要|日程・時間割・申し込み方法も解説
なお、高卒で保育士試験を受験する際は、卒業年度・実務経験・学科などの受験資格要件を満たしていなければなりません。
受験資格については、次の章で詳しく解説します。
高卒の人の保育士試験受験資格とは
高卒の人が保育士試験を受けるための受験資格として、以下の条件のいずれかを満たしていることが必要です。
- 高等学校を平成3年3月31日以前に卒業している
- 高等学校の保育科を平成8年3月31日以前に卒業している
- 高校卒業後、児童福祉施設において2年以上かつ2,880時間以上の実務経験がある
高等学校を平成3年3月31日以前に卒業している
高校の卒業年月日が平成3年(1991年)3月31日以前の方は、保育士試験の受験資格を得ることができます。
高卒の場合、高校の卒業年月日によって受験資格を判断します。また、卒業年月日の条件を満たしていれば、それ以外の条件は不問です。
上記の卒業年月日に該当する方は、卒業した高校の学科にかかわらず、保育士試験の受験資格を得られます。
高等学校の保育科を平成8年3月31日以前に卒業している
卒業した高校の学科が保育科の場合、卒業年月日が平成8年(1996年)3月31日以前であれば受験資格を得られます。
高校の保育科を卒業している方は、まず卒業年月日を確認してみましょう。
高校卒業後、児童福祉施設において2年以上かつ2,880時間以上の実務経験がある
高校卒業年月日に関する上記2つの条件をいずれも満たさない場合は、実務経験を積むことで受験資格を得られます。
実務経験に必要な期間は「2年以上かつ2,880時間以上」と定められており、児童の保護または援護にかかわる業務に携わる必要があります。
高卒から保育士になるために必要な実務経験とは
卒業年月日や学科の条件を満たしていない場合、児童福祉法第7条で定められた児童福祉施設での実務経験が必要です。
なお、都道府県知事による認定を得られれば、受験資格認定基準に該当する施設での実務も、実務経験として認められる場合があります。
申請には、施設への確認や各種申請書類の準備が必要となるため、時間に余裕をもって取り組みましょう。詳しい申請方法は、受験資格認定(知事認定)の申請方法をご確認ください。
以下に、実務経験が認められる児童福祉施設および受験資格認定基準に該当する施設の例を記載します。
実務経験が認められる児童福祉施設の例 | 受験資格認定基準に該当する施設の例 |
---|---|
児童福祉法第7条に基づく児童福祉施設 ・ 保育所(利用定員20名以上) |
・ 認可外保育施設 その他にも |
中卒から保育士になるには?高卒認定は必要?
中卒から保育士を目指す場合、以下の2つの方法があります。
- 高卒認定を取得後、保育士養成学校へ進学する
- 実務経験を経て保育士資格を取得する
保育士の受験資格において、高卒認定の取得は必須条件ではありません。
ただし、高卒認定に合格することで高卒とみなされるため、保育士試験の受験資格に求められる実務経験年数の条件を大幅に短縮することができます。
中卒から保育士を目指すにあたり、2つのうちどちらの方法を選ぶか迷っている方は、まずは高卒認定を取得しておくのがおすすめです。
2つの方法について、下記で詳しく解説します。
1. 高卒認定を取得後、保育士養成学校へ進学する
1つ目は、高校卒業程度認定試験(以下、高卒認定)を取得後、厚生労働省が定める保育士養成学校へ進学する方法です。
保育士養成学校へ進学する場合は、高校卒業以上の資格が必要となります。
そのため、中卒で保育士養成学校への進学を希望する場合、まずは高卒認定に合格しなければなりません。
高校を卒業していなくても、高卒認定資格の取得によって「高等学校を卒業した者と同等以上の学力がある」と認められます。
2. 実務経験を経て保育士資格を取得する
2つ目は、実務経験の年数を満たしてから保育士試験を受験し、保育士資格を取得する方法です。
高卒の場合、児童福祉施設または受験資格認定基準に該当する施設での実務経験期間が「2年以上かつ2,880時間以上」と定められています。
対して中卒の場合は、同条件における実務経験が「5年以上かつ7,200時間以上」となります。高卒の場合と比較して、中卒では倍以上の実務経験年数が必要となる点に注意しましょう。
高卒から独学で保育士資格を目指すのは可能?
高卒から独学で保育士資格の取得を目指すことは、不可能ではありません。
ただし、スムーズな合格を目指すなら、学習方法や教材の選び方に工夫が必要です。
保育士試験の合格率は、平均すると概ね20~30%で推移しており、保育士試験の難易度の高さがうかがえます。また、保育士試験の範囲は多岐にわたり、筆記試験・実技試験両方の対策が必要です。
特に筆記試験の難易度が高いと言われており、合格までに複数回チャレンジしなければならないケースも多いです。
また、筆記試験が科せられる9科目すべてにおいて6割以上の得点が必要であるため、苦手科目の克服が必須となります。
さらに、3分野中2分野を選択して受験する実技試験では、実技のコツを押さえた対策が求められます。
独学で保育士試験に挑戦する際は、自分に合った学習計画が肝心です。学習の進捗状況をこまめに管理し、必要に応じて計画の見直しを行いましょう。
複数の教材を比較検討し、自分が理解しやすいものを選ぶことも重要なポイントとなります。
独学で保育士試験に臨む際は、独学を選ぶ理由を明確にしておきましょう。
勉強にコストをかけたくないという理由の場合は、養成施設への通学よりも費用が安い通信講座という選択肢もあります。
金銭的なコストだけでなく、時間的なコストも考慮し、費用対効果に見合った学習方法を選択しましょう。
高卒で保育士になるには?資格の取り方や受験資格についてまとめ
本コラムでは、高卒で保育士になる方法や、保育士試験の受験資格について解説しました。
高卒で保育士を目指す場合、進学と保育士試験の受験どちらの方法を選択するかによって、対策方法が大きく異なります。必要となる費用や準備期間を比較し、自分に合った方法を選択しましょう。
高卒での保育士試験においては、実務経験期間や高校卒業年度などの受験資格が定められていることにも注意が必要です。実務経験が認められる施設の条件や、自分の経歴などを確認しておきましょう。
保育士試験の勉強を独学で行う際は、適切な学習計画と自己管理力が求められます。最短かつ確実な合格を目指したい方は、保育士養成施設への進学や通信講座の活用がおすすめです。