建設業に専門特化した行政書士法人 TSUBOI A. P.坪井代表にインタビュー!
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今回は行政書士法人 TSUBOI A. P.の代表をされている、坪井秀文様に特別インタビューを行いました。
愛知県で建設業に専門特化し、「建設業許可申請」や「経営事項審査申請」などを行っている行政書士法人です。
行政書士になろうと思ったきっかけや独立して苦労したこと・良かったこと、行政書士業界の将来性についてなど、詳しくご回答いただいています。
これから行政書士を目指す方は、ぜひ参考になさってください。
目次
- 行政書士法人TSUBOI A.P.について教えてください
- 建設業許可を中心におこなっているのはなぜですか?
- 事務所の規模拡大を進めているのですか?
- 他社と違うところや重視している点はありますか?
- どのような方と一緒に働きたいと考えていますか?採用の際に重視されている点は?
- なぜお客様のリピートにつながるのでしょうか?
- なぜここまで仕事に情熱をかけられるのですか?
- そもそもなぜ行政書士になろうと思ったのですか?
- 集客は最初はどうしていましたか?
- 独立してから苦労した場面を教えてください
- 独立して良かったのはどのような場面ですか?
- 今後の展望等がありましたら教えて下さい
- 建設業許可の仕事の魅力や特徴などを教えて下さい
- どのような方が行政書士に向いている・活躍できると思いますか?
- ライフ&マガジンのインタビュアーをされてらっしゃいますが、こちらはどのような経緯で?
- 行政書士業界の将来性についてはどう見ていらっしゃいますか?
- これから資格取得を目指している方へメッセージをお願いします
行政書士法人TSUBOI A.P.について教えてください
専門分野は建設業の許可をしています。
新規でこれから建設業をやりたい方や、既存の建設業者さんの中で公共工事に参入したい方の経営事項審査手続きをしています。
他にも、公共工事の関係で、経営事項審査の点数によって受注できる工事金額が変わったりします。
その経営事項審査の点数のコンサルといった形で、点数を上げるようなことをメインにやっています。
最近は相続も手がけるようになりましたが、基本的には建設業です。
建設業許可を中心におこなっているのはなぜですか?
最初は様々な許認可を手がけていましたが、開業して5、6年経ってから急に建設業が増えてきました。
なんでだろうなと考えたところ、私は家系的に、ほぼ全員建設関係なんです(笑)。
遺伝子に刻み込まれたというか、導かれるような・・・。
建設業界の方とウマが合うのかもしれません。
リピーターの方が多いのですか?
リピートだけでなく、紹介も非常にたくさんいただきます。
行政書士の業務の中でも建設業は一番数が多いですし、かつ自分自身にとっても小さい頃から馴染んでいたものでした。
現場に行く祖父の姿とか、父が建築士でずっと製図してる姿とかを見ていたので、お客様の「欲しいポイント」がよく分かるのではないかと考えています。
第二の柱に相続分野を選んだのはなぜですか?
建設業はどうしてもローカルなんです。
全国から受注するというよりは、(事務所が名古屋市なため)名古屋市内や愛知県内から受注がメインになります。
すると、どうしても上限が見えてきて、「これ以上伸ばせないね」というところがいよいよ見えてきてしまいました。
そのまま建設業で支店を作るということもできたと思いますが、それだとどうしても薄まってしまいます。
地元の名古屋で展開できることで何が一番いいかと考えた際に、相続が一番数も多く、今までの士業のネットワークや今まで行政書士をやってきたことが一番活かせるかなと思い、相続分野を選びました。
事務所の規模拡大を進めているのですか?
そうですね。
今は15名くらいなのですが、50名といったところを目指してやっていきたいです。
相続の方で拡大できるかなと思っています。
15名だと同じ規模の行政書士事務所は、名古屋ではそれほどないですね。
50名だと全国でもTOP10に近づくほどの事務所の規模になります。
他社と違うところや重視している点はありますか?
徹底的にお客様に尽くすということです。
考えられることは全部やりますし、基本的に絶対諦めずにやります。
全く許可要件を満たしてない場合は無理ですが、お客様が頑張ればなんとかなりそうな場合は、お客様以上の情熱で取り組みます。
徹底的に何か方法はないかなと最後の最後まで考え抜いて、「絶対許可をとるぞ」「絶対この人の役に立つぞ」ということだけを考えて動いています。
報酬がいくらとかあまり考えなくなってしまうのであまり良くないですけど(笑)。
いくらもらえるから頑張ろうということではなく、この人の役に立ちたいから死ぬ気でやるということが前面に出てしまって、事務所経営的には良くないので、ほどほどにしないとなと、思っています(笑)。
事務所には同じタイプの方が多いのですか?
事務所にはそういうタイプの人がいないからこそバランスが取れてるかなと感じています。
皆さん頑張ってくれていますし、すごくできる方々なので、冷静に見てくれています。
例えば、「ここのところ無料対応しすぎてないですか?」とか「ちょっと報酬もらってないけどどうなんですか?」と言ってもらって、はっと我に返っています。
どのような方と一緒に働きたいと考えていますか?採用の際に重視されている点は?
最近行動指針というのを作成したのですが、相手に対する配慮や相手のことを思えるような人と一緒に働けると、お互い気持ちがいいのではないかと思います。
「自分だけ良ければいい」とか「自分の仕事が終わったら終わり」ではなく、「隣のデスクで困っている人がいたら声をかける」といったように、他の人が働きやすいようにどうすれば良いのかという考え方や行動ができる人が良いですね。
すごく仲間としてもやりやすくなるし、その人もやりやすいと思います。
お客様も当然そういうところを見て、すごくいい人たちですねとリピーターになったり、紹介が生まれたりといったところにも繋がっていくと感じています。
なぜお客様のリピートにつながるのでしょうか?
「配慮をもって働くこと」と「必ず結果を出す」ということを大事にしています。
依頼いただいたことは、許可だったら必ず許可が出るように動きますし、「これが分からないから調べておいて欲しい」と言われたことは、必ず調べてお伝えします。
小さな約束を必ず守ることで、信用を積み重ねていきます。
仕事に対してすごく情熱をもち、「こんなにやってくれるんだ」と感じていただけるように努めています。
結果を出して約束を守るので、口コミが起きやすいのかなと思います。
なぜここまで仕事に情熱をかけられるのですか?
士業だからというところが大きいと思っています。
行政書士なので、当然利益はないといけません。
しかし、それ以上に相手のお役に立てるということ、しかも知識で役に立っているということに社会的な意味があるのではないかと考えています。
行政書士事務所をやっていて、「こういう人たちのお役に立てるんだ」ということが信念や芯にあると、自然と沸き起こってくるなと。
目の前に困った人がいたら放っておけない部分もあります。
お金もいただくので、士業としての社会的使命を強く感じています。
同じような考えを持つ方と一緒に働けたら最高ですね。
そもそもなぜ行政書士になろうと思ったのですか?
就職活動をみんながするのを見て強い疑問を感じていました。
「就職なんてくだらない」と言っていた人たちがみんなスーツ着て就職活動をするのが信じられず(笑)。
自分の道を考えた時に、少なくとも同じことはできないと思いました。
そのため、どこかに就職するという選択肢は全く頭に浮かびませんでした。
私の父は自宅兼事務所で建築士事務所を営んでいたので、出社という文化が坪井家にはありませんでした。
一人で朝方までずっと仕事に没頭する姿しか見ていなかったので、それが当たり前だと思っていましたね。
大学4年生の時に焦りを感じ、資格試験を受けることにしました。
すると、その年だけ合格率が異常に高いという幸運に恵まれ、合格することができました。試験が非常に簡単で、なぜか合格率は19%でした。
神風が吹いたかのような幸運でした(笑)。
その後、開業資金を貯めるためだけにアルバイトや派遣社員として働きましたが、就職はなんとなくできないと思っていたので、そのまま自宅で開業しました。
最初は修行を積みたいと思ったのですが、募集している事務所がほぼありませんでした。
飛び込みで事務所に行ったこともありましたが、タンクトップとかで行っていたので、結果は芳しくありませんでした(笑)。
集客は最初はどうしていましたか?
集客は非常に苦労した部分でした。
最初の一年目は売上がほぼありませんでしたから。
唯一の収入源となったのは、行政書士会の支部活動でした。
そこで先輩方から案件を紹介をしていただき、最初のベースとなる売上100万円程度までたどり着きました。
おそらく、その先生がやりたくない業務だったということもあったと思いますが、今考えると「ウィンウィン」だったのではないでしょうか。
このように下を育てる文化があったのは本当にありがたかったです。
私も、先日知り合いになった一般貨物専門の方がいたので、何件か案件を依頼しました。
私自身の負担も軽減されますし、相手も仕事が来るので、お互いにとって良いのかなと感じています。
集客に関して、私はインターネットはほとんど使わず、地道にポスティングをやっていました。
また、異業種や起業系の交流会に参加して、とにかく人とのつながりを作り、そこからお客様を紹介してもらうことが多かったです。
独立してから苦労した場面を教えてください
最初は仕事がなくて困っていました。
資金的に厳しかったです。
その次は仕事が増えすぎてさばききれなくなりました。
案件に押しつぶされそうなプレッシャーがありました。
3番目は人材の問題です。
人のマネジメントに苦労しました。教える時間もなく、その結果人が辞めていくという事態が発生してしまいました。
問題をどう乗り越えましたか?
資金的に苦しい時期は借入でやりくりしていました。
しかし、借金は雪だるま式に増え、当時口座には60万円くらいしかないにも関わらず、借入金は600万円ほどの時期も。
返せるのか不安でしたが、お金を借りて事業を続けることで乗り切りました。
案件が増えすぎた時は、「とにかく人を採用をして案件をさばく」、そして「自分自身に極限まで負荷をかける」ことで乗り越えました。
お恥ずかしいことですが、寝ずに仕事をするといったことでしか対応ができませんでした。
本当に疲弊しながら、体がボロボロになりながらも、何とか乗り切ったような感じです。
人に関しては、続けていく中で「良い人」が残っていきました。
ひとり良い人がいたら、そこから良い人が増えていくという流れです。
すべての問題に共通して大事なことは、「正面から取り組む」という姿勢です。
資金的な問題も案件がないことも、そして人間関係においても、逃げずに腰を据えて正面から向き合うことで問題をクリアしていけたかなと思います。
独立して良かったのはどのような場面ですか?
開業を通じて、自力で生き抜く力がついた点です。
例えば、もし何もない状況から這い上がる必要があっても、自分ならできると感じています。
日本がどんな状況になろうとも、おそらく生き抜いていけるだけの知識、スキル、人脈ができました。
これはおそらく開業してトップでやってるからこそだと思います。
常に生き死にの場面に出くわしているので、戦場にいるようなものですから。
最近では、人が育ち、私が想定した以上の働きぶりやお客様への対応を見せてくれるのは、非常に面白いです。
人が成長し変わっていく様子を目の当たりにすることは今まで体験したことがなかったので、このような面でも独立して良かったと感じています。
今後の展望等がありましたら教えて下さい
先ほどお伝えした50人規模というのは結果論かなと思っています。
一人ひとりが自分の考えで、お客様に対して最善な手を打てるような組織づくりを目指しています。
事務所として大事にしていることを、個々人が担当者レベルで対応することで、お客様から直接喜びが返ってくることが理想です。
そうすると、「相続で地域で一番になる」だったり「建設業でもさらに依頼が増えたり」と、結果的に50人規模の事務所になるのかなと考えています。
建設業許可の仕事の魅力や特徴などを教えて下さい
建設業は、結果を出すとお客様からあらゆる面で頼りにされる場面が増えていくことを実感しています。
例えば、公共工事をやっている企業だと、経営事項審査の点数が来期の売上に影響します。
そのため、会社によっては、税理士以上に行政書士の言うことが重視されることがあります。
行政書士として私が最初に入ったあと、税理士や司法書士、社労士、さらには弁護士の紹介を求められたことがありました。
その結果、お客様と一番近い位置で仕事ができるようになりました。
さまざまな士業の方がいますが、建設業のお客様と信頼関係が築けると、行政書士でも重要なポジションが取れることにやりがいを感じています。
行政書士はおまけ的な扱いとされることもありますが、輪の中心やフロントに立つこともできる資格だと実感できるときが一番面白さを感じますね。
行政書士というのは、建設業界だとそれぐらいお客様のお役に立てたり信頼関係が築けたりするところが魅力だと思います。
どのような方が行政書士に向いている・活躍できると思いますか?
開業に向いている人は、気合いが入っていて、お客様のために尽力できる人ですね。
ただ、それだけでは潰れてしまうので、やりきる力がある方が向いていると思います。
成功している先生は、そういう方が多いのではないでしょうか。
頼みやすい人柄やマーケティングの力といった強みは皆さんそれぞれあると思いますが、最後はひとりでやり切る力が成功につながると考えています。
事務所で働く方だと、相手への配慮や仕事への興味が非常に重要だと感じます。
行政書士は、実際に目の前の困っている人を助ける仕事です。
例えば相続であれば、誰かがお亡くなりになって手続きが分からず困っている方に、「自分ではできないことを頼んで良かった」と思っていただけるよう、お客様の側に立って、お気持ちに寄り添いながら丁寧にご案内する必要があります。
あとは、仕事に対して面白さを感じることが重要です。
例えば相続の時は、戸籍を集めるときでもただの作業だと思わず、「こんな歴史があるんだ」「こういうことに繋がるんだ」「すごく重要な書類だな」と、書類一つひとつに意味があり、自身の経験にもなっていくという興味関心や、そういう視点のある方が向いていると感じます。
面接の際にも、相手への配慮があるかということを重視しています。
話しているとなんとなくわかりますね。
逆に、我々の事務所全体がお互いに配慮することを大事にしているので、一人だけ声が大きい人が得をする状況になると、その人に対して教えることが嫌になってしまう可能性があります。
例えば、2、3人の事務所に入って修行を積み、経験を積んで独立するのは良いと思います。
しかし、ある程度の規模をもつ組織では、全体に対してどう貢献していくかという視点がないとうまくいかないのではないでしょうか。
ライフ&マガジンのインタビュアーをされてらっしゃいますが、こちらはどのような経緯で?
一番最初は読者でした。
ファイブスターマガジンがすごく好きで、隅から隅まで読んでいました。
ある時ファイブスターマガジン主催のセミナーがあり、そこに編集長がいたので、思いを伝えて「取材しに来てください」と伝えたら、本当に取材に来てくれて。
その時にファイブスターマガジンの思いをさらに伝えました。
そこで「行政書士特集が少なすぎます。これ僕にやらせてください!」と言ったら、「あ、いいですよ、じゃあ来月からお願いします」と言われました(笑)。
インタビューの対象者は完全に任されていて責任重大です。
「なんとか面白いものを世に届けよう」という意識で取り組んでいます。
知り合いから話を聞いたり、それだけだと情報が偏ってしまうので、開業当初のように交流会に出たり、人に聞いたり、建設業の専門誌である建設通信新聞に載っている行政書士の先生にアプローチしたりして、情報を収集しています。
第二のライフワークになっていますね。
参考:士業事務所のための経営情報誌「FIVE STAR MAGAZINE」
行政書士業界の将来性についてはどう見ていらっしゃいますか?
行政書士業界はチャンスに満ち溢れていると思います。
行政書士は新しい業務が出てくる可能性があるためです。
若松先生のように外国人向けの業務は比較的最近の業務ですし、ドローン関連も業務として成り立つくらい量があります。
相続もマーケットは拡大していますね。
あと、法人化できるので大きな事務所が出てきており、経営規模を大きくしていくという夢や希望も叶えられるようになっています。
行政書士は年齢構成が偏っています。
例えば、50歳までで25、6%を占めています。
リタイアする人が増えることでチャンスが生まれるのではないかと思います。
士業事務所としても、他資格よりは採用がしやすいのも特徴です。
税理士は1人当たりの資格者を50人で奪い合っているのですが、行政書士は1事務所1人程度は取れます。
合格者数の推移も行政書士が圧倒的に多いので、組織化もしやすいと思います。
これから資格取得を目指している方へメッセージをお願いします
行政書士の可能性は非常に高いと感じています。
行政書士は資格にあまり強みがあまりないので、その分をビジネススキルで補うことが多いです。
そのため、行政書士は一番ビジネス感覚に優れているのではないでしょうか。
他士業と競っても勝てるという体感があります。
行政書士になるのが一番良いと思います。
この記事の著者 行政書士法人 TSUBOI A. P. 坪井秀文
2005年 坪井秀文行政書士事務所を個人開業
2021年 行政書士法人 TSUBOI A.P. 個人より法人化
行政書士として企業の支援を行うだけでなく、専門誌の執筆や実務講座の講師を務めるなど、幅広く活動している。