行政書士が「相続」でできることとは?できないことや報酬についても解説
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行政書士が取り扱う仕事は幅広く、その中には相続に関連する業務も含まれています。
そして、相続業務と一言でいってもその内容は多岐にわたり、行政書士ができるものとできないものがあります。
【相続】行政書士ができること一覧▶ 行政書士ができないこと一覧▶
この記事では、行政書士が取り扱える相続業務の内容と取り扱えない内容の違いや、相続業務で得られる報酬などについて解説します。
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相続とは
そもそも相続とはどういうことかというと、誰かが死亡したときに、その人の財産が子供などの相続人に引き継がれていくことです。
亡くなった人のことを「被相続人」、財産を引き継ぐ人のことを「相続人」といいます。
相続される財産は、預貯金や不動産などにプラスの財産だけでなく、借金や賠償金などのマイナスの財産もあります。
誰が相続人となるのかは、民法で決められています。
たとえば、妻と子供がいる男性が死亡すると、相続人は妻と子供で2分の1ずつ相続します。
もし妻も子供もいない場合は親が相続人となり、親も死亡していればきょうだいが相続人となります。
ただし、民法で決められた相続のとおりにしなければならないわけではありません。
財産の配分方法について生前に遺言書を作ったり、死亡後に相続人同士で話し合って一部の人だけが相続するといったこともできます。
マイナスの財産の方が多い場合などは、「相続放棄」をして相続人の地位を自ら手放すこともできます。
相続が起こると、相続人であることを証明するための戸籍収集、相続人に財産の名義を換える手続き、相続税の申告など、様々な手続きが発生する可能性があります。
そして、その内容は相続財産がどれだけあるかや相続人が何人いるか、遺言があるかなどによって変わってきます。
ケースによっては手続きがとても複雑になってしまい、手間や時間がかかったり争いが起こることもあります。
争いやトラブルを防ぐために、生前に遺言書を作るなどの予防策を講じることの重要性が高まってきています。
行政書士が「相続」についてできること
行政書士が行うことのできる相続手続きに関する業務について、具体例をご紹介します。
遺言書作成のサポート
遺言書とは、生前に自分の財産について、誰に何を相続させたいかの意思を記した文書のことです。
遺言書にはいくつか種類がありますが、主なものとして、自分で書く自筆証書遺言と公証人が作成する公正証書遺言があります。
自筆証書遺言であっても、公正証書遺言であっても、その作成のためのアドバイスや文案作成といったサポートを行政書士として行うことができます。
自己流で作った遺言書は不備などがあり無効となってしまったり、自分の意図とは違う内容になってしまうリスクがあります。
専門家のアドバイスを受けて作ることでそういったリスクを避けることができます。
ただし、行政書士が行うのはあくまでも遺言書作成のサポートであり、作成そのものは本人または公証人が行わなければなりません。
相続人の調査
相続の各種手続きを行うためには、まずは相続人が誰なのかを確定させなければなりません。
配偶者と子供が相続人となる場合には、相続人調査は比較的簡単です。
一方、子供がいない場合には親やきょうだい、あるいはきょうだいの子供が相続人となるなど、相続関係と相続分は複雑になります。
再婚している場合など、前妻との子供と後妻が相続人になるケースもあります。
相続人を確定するためには、亡くなった人が生まれたときから死亡までの戸籍謄本類や、ケースによってはその親が生まれたときからの戸籍謄本類が必要になることもあります。
一カ所の役所では揃わないことも多く、自分で古い戸籍の内容を読み取るのは難しいでしょう。
行政書士は戸籍の収集や読み取りに慣れているため、自分でするよりも短期間で調査を終えることができます。
相続関係説明図や法定相続情報一覧図の作成
上述の相続人の調査の結果をもとにして、確定した相続人を一覧表にしたものが「相続関係説明図」です。
また、相続関係説明図に似たものとして、「法定相続情報一覧図」と呼ばれる相続関係を一覧表にしたものを作成し、戸籍資料一式などと一緒にこれを法務局に提出することで、法務局の認証入りの相続関係証明資料をを発行してもらうことができます。
この法定相続情報一覧図があると、銀行などで相続手続きをするときに、戸籍一式を提出せずに、この一覧図だけを提出すれば済むなど、手続きが簡単になります。
行政書士は、相続関係説明図を作成したり、法務局に提出する法定相続情報一覧図を作成したりすることができます。
自分でこれらの書類を作るのは難しく、行政書士に依頼すれば安心です。
遺産分割協議書の作成
遺産分割協議書とは、誰がどの財産を相続するか、法定相続人全員で話し合い、その決定した内容を記した文書のことです。
遺産分割協議書には、すべての法定相続人が記名捺印しなければなりません。
遺産分割協議について、相続人同士で争いがない場合には、行政書士が遺産分割協議書を作成することができます。
相続人同士で合意していれば、特定の相続人だけが財産をすべて相続するなど、民法で決められた相続分(法定相続分)とは異なる内容や、遺言書に記された配分方法と異なる財産の分け方をすることもできます。
行政書士に遺産分割協議書の作成を依頼することで、法的に有効で漏れのない書面が完成します。
相続財産目録の作成
相続財産には、預貯金、有価証券、不動産、自動車、借金など様々なものがあります。
相続財産の内容を調査して、それを一覧にしたものが相続財産目録です。
行政書士は、相続財産調査や相続財産目録の作成をすることができます。
相続人は、相続財産目録を参照したうえでどのように財産を分けるかを話し合うのが一般的です。
行政書士が相続財産目録を作ることで、形式の整った見やすい目録となり、相続人同士の話し合いがスムーズに進みやすくなります。
金融機関での相続手続き
相続が発生したことがわかると、金融機関は口座を凍結して引き下ろしなどができないようになります。
そのため、銀行や証券会社などで、預貯金や有価証券などの解約や名義変更の手続きをする必要があります。
通常は、残高証明書の発行を請求し、財産の内容を確認したうえで解約や名義変更の手続きを行います。
この金融機関での相続手続きについて、行政書士が委任を受けて手続きを代理することができます。ただし、金融機関によって取り扱いが若干異なる場合があります。
相続分譲渡証書や相続分亡きことの証明書の作成
相続人は、自分の相続分について他の相続人に譲渡することができます。
相続分を譲渡した相続人は、遺産分割協議に参加する必要がなくなります。
譲渡を行う場合、「相続分譲渡証書」を作成します。
また、相続人が生前に贈与を受けたことから、相続分がない場合があります。
この場合には、「相続分がないことの証明書」を作成します。
これらの書類について、行政書士が作成することができます。
自動車の名義変更
相続財産の中に自動車がある場合、その自動車について相続人への名義変更が必要です。
名義変更の手続きは運輸支局で平日の日中行う必要があり、多忙な相続人の場合なかなか足を運べないことがあります。
行政書士はそのような相続人に代わって、名義変更の手続きを代行することができます。
「相続」行政書士ができないことと司法書士ができること
相続業務の中には行政書士では行うことができないものもあります。以下、具体的に紹介します。
相続税の申告
相続税の申告は誰もが必要なわけではありませんが、一定以上の財産がある場合には、相続が起きてから10ヶ月以内に相続税の申告及び納税が必要となります。
相続税の申告書作成は、税理士の独占業務であり、行政書士が行うことはできません。
また、相続税についての相談に乗ったり、申告書作成のアドバイスすることもできないため、注意が必要です。
相続放棄の申述
相続放棄は、相続財産に借金など負の財産がある場合などに、自ら相続人の地位を手放す手続きです。相続放棄ができる期間には限りがあり、基本的には相続の開始を知ってから3ヶ月以内です。
相続放棄をするためには、家庭裁判所に相続放棄申述書を提出し、受理される必要があります。
この相続放棄申述書については、行政書士が作成することはできません。
裁判所に提出する書類を作成することができるのは、弁護士または司法書士です。
遺産分割調停
相続人同士の話し合いでは遺産の分け方について話がまとまらない場合に、家庭裁判所に遺産分割調停の申し立てを行います。
家庭裁判所の調停では、調停委員がそれぞれの相続人の主張を聞きながら、合意ができるように意見の調整を図ってくれます。
この遺産分割調停に関与できるのは弁護士で、行政書士が関与することはできません。
争いのある遺産分割協議
遺産をどのように分けるのかは、円満に話し合いで合意できるとは限らず、相続人間で争いが起こってしまうこともあります。
相続人間で遺産分割で揉めている場合に、行政書士が相続人の代理人になって他の相続人と交渉したり、仲裁したりすることはできません。争いが起こっていることが判明した時点で手を引く必要があります。
弁護士以外は紛争性のある遺産分割に関与することができず、弁護士法違反になってしまうため注意が必要です。
相続登記
相続財産に不動産がある場合に、不動産の名義を換える手続きが相続登記です。
登記申請ができるのは司法書士で、行政書士が行うことはできません。
不動産を含めた相続財産についての遺産分割協議書を作成することはできますが、それを使って行政書士が相続登記をすることはできません。
本人が相続登記を申請するか、司法書士に依頼するかを選択することになります。
遺留分侵害額請求の調停や訴訟
遺留分(いりゅうぶん)とは、相続人に最低限度保証されている相続分の割合のことです。
遺留分があるのは、配偶者と子供・親で、きょうだいが相続人となる場合には、遺留分はありません。
たとえば、遺言書ですべての財産を子供Aだけに相続させるという内容だった場合には、他の相続人である子供Bや配偶者は、子供Aに対して遺留分を支払うように請求することができます。
この遺留分侵害額請求の手続きについては、一部の手続きしか行政書士は関与できません。
行政書士ができるのは、たとえば請求する相手に内容証明郵便を作成するといったところまでです。
相手が内容証明郵便を受け取って素直に応じてくれる場合にはそこで解決しますが、そうではない場合には、調停など裁判所の関与が必要な手続きに進むため、行政書士が取り扱うことはできません。
行政書士の相続業務の報酬
相続業務に関する報酬はどれくらい得られるのかも気になるところです。
日本行政書士会連合会の報酬額の統計調査(令和2年度)によると、次のような結果となっています。
遺言書の起案及び作成指導 | 平均約69,000円 |
遺産分割協議書の作成 | 平均約68,000円 |
相続人及び相続財産の調査 | 平均約64,000円 |
相続分なきことの証明書作成 | 平均約38,000円 |
遺言執行手続き | 平均約384,000円 |
報酬の金額は、手続きの複雑さや相続人の人数、財産の内容などによって変わるでしょう。
難易度が高い内容であればあるほど、報酬は高くなるのが通常です。
また、相続手続きは一つだけ頼まれると言うケースは少なく、相続に関わる手続きをまとめて依頼される場合が多く、それなりの大きな報酬額になることが多い傾向があります。
ただし、上述のとおり、一部の手続きは行政書士では取り扱えないため、その場合は提携する他士業などに取り次ぐなどの対応が必要です。
逆に、他士業から行政書士に相続業務を紹介されることもあります。
そのため、他士業との協力関係を築いておくことも大切です。
相続業務は講座で学ぶことが可能
相続業務は幅が広く、行政書士が取り扱える業務だけでも様々なものがあります。
相続は争いの種になりやすく、それを防ぐために遺言書の作成などの重要性が高まっています。
弁護士に依頼するほど争いがあったり多額の資産があるわけではない人達にとって、気軽に相談できる存在として行政書士のニーズはこれからも高くなるでしょう。
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アガルートアカデミー 行政書士 実務・開業講座担当
経歴
・優(ゆう)オフィスグループ代表。
行政書士法人優(ゆう)総合事務所 代表社員・行政書士。
・名古屋市社会福祉協議会勤務
・平成17年 個人事務所を名古屋にて開設
・平成25年 行政書士法人化し、池袋、品川、名古屋にて業務を行う。
指導校
2007年~2012年
愛知県行政書士会にて相続・遺言実務研修会講師
2013年~2016年
東京リーガルマインドにて実務家講演会講師
2016年~2021年
Gネット関東にて相続・遺言実務研修会講師
その他、一般市民向けの相続、遺言、後見、終活セミナー講師多数
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