行政書士の勉強法5ステップ!初心者は何から勉強?【動画解説あり】
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行政書士試験は独学でも合格可能です。
ただし、行政書士試験の合格率は10%前後。難関試験といえるこの試験に合格することは、容易ではありません。
初心者から合格するためには、どのような勉強法がよいのでしょうか。勉強の手順や注意点を、順にご紹介していきます。
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行政書士試験の勉強法5ステップ!初心者はここから始めよう
行政書士試験の勉強の基本の進め方と、知識を定着させるためのポイントは、次の通りです。
- 教材を用意し、まずは1周する
- インプット⇔アウトプットを繰り返す
- テキスト・過去問・問題集・六法の情報を集約する
- 択一式が終わってから記述式の勉強をする
- 模試でトレーニングをする
特に初心者は、このように勉強を始めるといいでしょう。
ここからは行政書士の勉強方法について特に大事なポイントを、アガルートの人気行政書士講師、豊村慶太講師によるアドバイス中心に解説いたします。
1.教材を用意し、まずは1周する
テキストなどで知識をインプットする際に心がけるべきことは、「多少分からないことがあってもとにかくまずは立ち止まらずに1周する」ことです。
特に初学者の方は、分からないことがあると立ち止まってしまいがちです。
しかし、学習の要諦は繰り返しです。1回で知識が身につくことはありません。
まずは1周しながら、問題演習で該当箇所のアウトプットを行う(後述するジグザグ方式)ことをやり遂げましょう。
その後に2周目に入ります。1周していても忘れていることがあるとは思いますが、一度学習をしているので思い出すのも早いはずです。
「初めて学ぶ」というのと「一度学んだことを思い出す」というのは全然違います。まずは早めに1周しましょうというのはそういうことです。
3周目くらいになっても分からないところがあれば、その時はその部分を理解するまで掘り下げることも可能です。
行政書士試験対策の教材選びについて
予備校や通信講座を利用する場合はテキストなどは付属のものや指定のものを使えば問題ありませんが、独学の場合、自分で教材を選択し、一つずつ購入する必要があります。
行政書士試験では、基礎知識4科目、法律科目5科目(憲法・基礎法学・民法・行政法・商法)の合計9科目も出題されます。また、試験形式も5肢択一式、多肢選択式、記述式とバラエティに富んでいます。
行政書士試験の受験生の人数は多く、教材が充実していることはメリットとも言えますが、その分どの教材を選べばよいか悩みがちです。
通常は行政書士テキスト、過去問、問題集、六法を揃えることになり、それぞれ自分に合ったものを選びましょう。
口コミだけを当てにするのではなく、実際に実物を手に取って本文を確認し、内容が充実しており、かつ自分と相性のよさそうなものを選ぶのがおすすめです。
次々に新しいテキストなどに手を出すのは逆効果なので、自分が決めた1~2冊のテキストをしっかりと使い込み、知識を完全に定着させることが大切です。
なお、教材は最新の年度のものを使用しましょう。
2.インプット⇔アウトプットを繰り返す
学習は「ジグザグ方式」で進めるのが鉄則です。
「ジグザグ方式」というのは、一定範囲のインプット(講義視聴・テキスト読み)をしたら、その範囲のアウトプット(問題演習)を行うというやり方です。このやり方で学習するのが非常に効果的です。
インプットと並んで大切なのがアウトプット(問題演習)です。試験である以上は、問題が解けないと意味がありませんから、アウトプットは重要です。
間違っても、全範囲のインプットを終えてからアウトプットを始めるというやり方はやめましょう。
行政書士試験合格に必要な勉強時間は長く、そのやり方だと、最初にやった内容はアウトプットをする頃には忘れてしまっていることが多いからです。
「ジグザグ方式」などというと、なにか特殊な学習法のように感じるかもしれませんが、中学や高校の頃に皆さんがやっていた学習法と同じです。
例えば、学校で江戸時代を学ぶとしましょう。
学校の先生が教科書を使って江戸時代のことを教えてくれますよね(インプット)。
そして、宿題で江戸時代のワークブックを自宅で解きますね(アウトプット)。
そして、その後は明治時代に進みますよね。
これと同じです。
縄文時代から現代史までインプットした後に、ワークブックで縄文時代を解こうとすると確実に忘れていますよね。そういうことです。
3.テキスト・過去問・問題集・六法の情報を集約する
ここでは下記を「学習四天王」と呼びます。
- テキスト
- 六法
- 過去問
- 問題集(模試含む)
これら相互を検索しやすいように情報集約をしておいてください。
例えば、問題集を解いていて、それがテキストに掲載されていない知識であれば、テキストの該当箇所に「問題集・問題34ー肢5」のようにメモを入れるのです。
あるいは、テキストには〇法の△条1項しか掲載されていないとしましょう。
しかし、学習が進むうちに〇法△条2項3項も大事だと気づいたとします。
その場合は、テキストの該当箇所に「2項3項もチェック!」等とメモを入れるのです。
そうすることで、「学習四天王」相互間が密接に関連して情報集約が完成します。
間違っても、何か1冊に情報を集めることが情報集約ではありませんから気をつけてください。
この作業を「直前期」といわれる9月に入るまでに(8月31日までに)やっておきましょう。
最後まで使う「学習四天王」の相互検索性を高めることが肝要です。
テキストに加えて六法とも仲良くしよう!
「学習四天王」のひとつに六法があるとお話ししました。
インプット学習の際はテキスト学習ばかりに目が行きがちですが、学習の初期段階から六法も頻繁に引くようにしましょう。
行政書士試験の法令科目の問われ方は「行政手続法の定める……」「民法の規定および判例に照らし……」「会社法の規定に照らし……」という問われ方が大半です。
判例はテキストで学習すればいいですが、〇〇法の規定というのは条文です。条文学習は合格に不可欠です。
最初のうちは条文を引くのに時間がかかると思いますが、慣れてくればなんてことはありません。
サクサクと条文を見つけられるようになっているはずです。六法と仲良くしましょう。
「過去問を繰り返しすぎて答えを覚えてしまったから過去問はやる意味がない」は本当か?
学習が進んだ方の中からは、過去問を何度も繰り返して答えを覚えてしまったのでもう解く意味がないということを聞くことがあります。
これは実にもったいないです。
過去問は、問われた問題の知識だけではなく、それに関連する条文・判例を確認するために使うべきものです。
例えば2020年度の本試験の問題27肢4では、民法20条4項の知識を問うています。
この問題を何度も解いたら、民法20条4項の知識は覚えてしまうでしょう。
しかし、20条4項ということは、少なくとも同条1項2項3項もあるんですよね?それを確認しましょう。
また、民法20条というのは、21条(詐術)と並んで、制限行為能力者と取引をした相手方保護の規定です。
せっかくだから21条の条文・判例をチェックすることができるはずです。
どうですか?このように、過去問は答えを覚えたから意味がなくなるのではなく、知識を充実させるために味わい尽くすものなのです。
4.択一式が終わってから記述式の勉強をする
記述式は、択一式の学習範囲から出題されます。
したがって、記述式の学習は、択一式の学習が1周した後に着手するのがいいでしょう。
具体的には、記述式の学習開始時期は、5月~6月と考えておきましょう。
もちろん学習の開始時期は人によって異なりますから、択一式が1周するのが3月の人もいれば、7月の方もいると思います。
その場合は、記述式の学習スタート時期は多少前後にずれることになります。
行政書士試験記述式の対策は、各スクールの記述式対策講座を受講するのが最も効率が良いですが、市販の記述予想問題集を利用するのも一手です。
記述式の具体的なトレーニング法
受験生の記述式の間違え方には、2パターンあります。
1つは「全く見当外れのことを書いてしまった/何を書いていいか分からずに白紙だった」パターン。
もう1つは、「書くべきことは分かったがキーワードを間違えた(例:「重過失」を「過失」と書いてしまった)」パターンです。
前者は問われていることが具体的にどのような場面で登場するのかが分かっていないということですので、厳しいことをいえば学習不足・理解不足です。
後者は、学習は十分ですが、細かい知識の暗記不足です。
前者は、テキストや条文の学習をいま一度見直さなければなりません。具体的には、「J⇔T」を意識して日々の学習をすることが肝要です。J(事案)・T(テーマ)のことです。具体的な事案から抽象的なテーマを引っぱり出せるか?逆に、具体的な事案を見て、何のテーマのことかが分かるか?をテキストや過去問でトレーニングするのです。例えば、民法のテキストで「即時取得(民法192条)」という抽象的なテーマを見たときに、具体的にどのような事案で問題となるかパッと言えますか?まさか「不動産」なんて登場していないですよね?1周目にやりましょうとは言いません。2周目以降はかなり意識するようにしましょう。
後者の暗記不足は、直前期に徹底して詰め込めばいいので特に心配ないです。
このことを踏まえて、記述式の学習法は、次の2ステップで学習しましょう。
(1)問題文を読んで何を問われているのかが分かるか[論点把握/J⇔Tのトレーニング]?
(2)(1)は分かるとしてキーワードとして何を書くべきかが分かるか[キーワード抽出]?
5.模試でトレーニングをする
続いて、豊村講師による模試を受ける意味、模試を受け始めるタイミングについての解説です。
模試を受ける意味は2つ!
模試を受ける意味は大きく分けて2つあります。
1つめは、本番のシミュレーションです。
解く順番をどうするか?
記述式や文章理解をどの時間帯に組み込むか?
各科目にかける時間はどの程度にするか?
といったことをシミュレーションするのです。
また、会場受験できるのであれば、持ち物チェックや試験当日の食事をどうするのか等のシミュレーションもできますよね。
本番に備えて模試では負荷をかけて2時間45分で解き切るトレーニングをするのもオススメです。
2つめは、模試に向けて猛烈に学習を仕上げるというものです。模試に向けてガチの追い込み学習ができます。
例えば2週間に1回模試を受けるのであれば、その2週間の間に「行政法を1周させよう」「民法総則と物権を一旦仕上げよう」というように目標設定ができるわけです。それを繰り返すことで知識の精度が上がります。
模試の都度、学習の追い込みができますから、模試をペースメーカーにして学習が捗るのです。
模試を受け始める時期
模試は夏くらいから受講するのが一般的です。
初学者(入門カリキュラム)の方は、8月~9月から受け始めて、回数的には3回~5回を目安にしましょう。
中~上級の学習経験者(中上級カリキュラム)の方は、7月くらいから受け始めて、回数的には5回~8回を目安にしましょう。
上級の学習経験者(上級カリキュラム)の方は、5月くらいから書店で販売している市販模試あたりで腕試しをして、7月くらいから各スクールの模試を受けていくといいでしょう。
回数的には、中上級カリキュラムの方と同じくらいか、もっと増やしても構いません。
行政書士試験に合格した人たちの体験記
行政書士試験に合格した先輩たちの合格体験談を聞くことはモチベーションアップにつながります。
これは独学の方にも講座を受講する方にもおすすめです。合理的な勉強方法の参考にもなります。
行政試験の科目は何から勉強すればいい?
行政書士試験の科目には、憲法・民法・行政法・商法・基礎法学・基礎知識があります。
おすすめの勉強の順番は、「民法→行政法→憲法・基礎法学→商法・会社法→基礎知識」※です。
※法改正などにより予備校の配信スケジュールがずれることがあります。その場合は配信スケジュールに準拠してください。
民法・行政法
民法が1番なのは、民法と行政法は高配点の科目であり、民法は他の科目を学ぶ上で基礎となる科目だからです。
民法と行政法の合計点は188点で、試験全体の合計点の6割を超えます。この2科目をマスターできるかが合否を決めると言っても過言ではなく、最も学習に力を注ぐべきです。
※民法対策の詳細はこちらをご覧ください:【行政書士試験】民法の勉強法を解説!
行政法は暗記科目でもあり、勉強すればするほど得点につながりやすい科目でもあるため、しっかりとマスターして得点源にしましょう。
行政法は過去問学習がとても重要です。基本テキストなどで内容を理解したら、すぐに過去問で演習を行うようにして下さい。
行政法は過去問学習がとても重要です。基本テキストなどで内容を理解したら、すぐに過去問で演習を行うようにして下さい。
※行政法対策の詳細はこちらをご覧ください:【行政書士試験】行政法の勉強法を解説!
憲法・基礎法学
憲法・基礎法学については、基礎レベルの問題にはしっかり正解できるレベルの知識を身に付けるようにしましょう。
憲法は条文数も少なく、比較的対策が立てやすい科目です。人権の分野については判例の内容を理解すること、統治の分野については条文の内容を覚えることに注力すると良いでしょう。
※憲法対策の詳細はこちらをご覧ください:行政書士 憲法の勉強法を解説!
基礎法学は、法律全般の用語などが問われます。範囲が広い一方で、例年、2問しか出題されません。
テキストを一通り読み、過去問、模試、予想問題集を使いながら、繰り返し出題されている論点を重点的に学習しましょう。
ただしこの科目は、深入り禁物です。手を広げて多大な時間を割くことは得策とは言えません。
※基礎法学対策の詳細はこちらをご覧ください:行政書士試験「基礎法学」の勉強は最低限でOK?
商法・会社法
商法・会社法は、苦手意識を持つ受験生が多い科目で、過度に力を注ぐ必要はありません。ただし、一定のレベルになるように勉強はすべきで、最初から「捨て科目」にすべきではありません。
学習にあてられる時間を考えながら、頻出テーマに絞ってコンパクトに、メリハリのある学習をすることがおすすめです。
※商法・会社法対策の詳細はこちらをご覧ください:行政書士試験「商法・会社法」は最初から捨て科目にしない!
基礎知識
基礎知識科目については、それほど重要科目とは言えませんが、足切り点である24点(6問)以上は必ず安定して取れるようにしなければなりません。苦手な人と得意な人が分かれる傾向があり、特に政治・経済・社会については、日頃から社会情勢などに敏感な人とそうでない人で難易度は変わるでしょう。
順序は一番最後にしていますが、「足切り」を避けるために、苦手意識の強い人は、それより早めに学習を始めるのがおすすめです。
基礎知識の中で最も重要度が高いのは「文章理解」です。
また、対策として、「個人情報保護」「諸法令」は確実に取れるようにしましょう。
※基礎知識(一般知識)対策の詳細はこちらをご覧ください:【行政書士試験】基礎知識(一般知識)の対策のポイントは?
まとめ
いかがでしたでしょうか。
余裕を持って始めれば、行政書士試験の独学での合格は可能ですし、実際に独学で合格される方は毎年いらっしゃいます。
しかしもし、独学に不安を感じられたのなら、行政書士通信講座の利用も考えてみるといいかもしれません。
通信講座は通学タイプの予備校と比べて格段に受講料も安価な上に、アガルートを含め中には合格者に特典を用意しているものもあります。
つまり、独学の最大メリットである費用の点について、合格すれば独学よりも安価に抑えられる可能性があるのです。
「独学=時間を使って自分で情報を手に入れる」
「通信講座などを利用する=時間と情報を買う」
どちらを選択するかは、ご自身のライフスタイルに合わせて考えて頂けたら良いと思います。
行政書士は一生の財産になる資格です。ぜひ諦めることなく、チャレンジしてみてください。
なお、今回解説した行政書士試験の鉄板学習法について、アガルートの行政書士講座担当 豊村慶太講師が動画でも解説しています。こちらもぜひ参考にしてみてください。
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豊村 慶太講師
行政書士受験指導のカリスマ。早稲田大学3年次にわずか2か月の学習期間で行政書士試験に合格。
大手資格予備校LECで12年以上にわたり、行政書士試験の受験指導を行い、基幹講座・単科講座・全国向け収録講座のみならず、大学学内講座(成城大学・学習院大学)も担当。
LEC時代・アガルート移籍後を通じて、19年以上の講師歴を通じて、のべ1万人以上の受験生を指導(2023年4月時点)。高い合格率に定評がある。
初学者向けの入門カリキュラムでは、豊富な具体例を使い「圧倒的わかりやすさ・面白さ」で一気に合格ラインへと引き上げる。
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常に「過去問」「問題演習」を意識しながら、受講生と一緒に手を動かして、自然に理解しやすく記憶が定着しやすい講義は、歴代の数多くの「豊村クラス」出身合格者の非常に高い支持を得ている。
グルメを中心としたブログも人気。趣味は、サーフィン・スキューバダイビング・ゴルフ・トランペット・神社仏閣めぐり。
豊村講師の紹介はこちら