【令和6年度合格率発表】技術士試験の難易度とは?一次・二次試験 全部門総合&部門別合格率
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技術士試験は一次試験が合格率30~50%、二次試験が合格率11%前後となっており、二次試験が特に難易度の高い試験です。
このコラムでは、技術士試験の基本情報と難易度中心に、一次試験・二次試験それぞれの合格率、合格するためのポイントなどについて詳しく解説いたします。
全部門総合の第一次試験・第二次試験の合格率、部門別の合格率、過去の合格率の推移などもまとめてご紹介するので、参考にしてください。
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技術士とは
技術士とは、科学技術に関する高度な知識と応用能力が国によって認められた技術者です。
技術士資格は、機械や情報工学といった専門性に応じた21の技術部門で構成されます。技術士になるには、技術士第一次試験と第二次試験を受検して合格する必要がありますが、それらの試験は技術部門ごとに実施されます。
▼技術部門一覧
機械部門 | 船舶・海洋部門 | 航空・宇宙部門 | 電気電子部門 |
化学部門 | 繊維部門 | 金属部門 | 資源工学部門 |
建設部門 | 上下水道部門 | 衛生工学部門 | 農業部門 |
森林部門 | 水産部門 | 経営工学部門 | 情報工学部門 |
応用理学部門 | 生物工学部門 | 環境部門 | 原子力・放射線部門 |
総合技術監理部門 |
技術士試験とは、技術士になるための試験です。
技術士になるにはまず、第一次試験を受検して合格します(文部科学大臣が指定した教育課程の修了者は第一次試験が免除されます)。これにより、「修習技術者」というものになります。
次に、第二次試験受検ですが、第二次試験を受験するには、決められた分の実務経験が必要です。
第二次試験に合格後、登録手続きを行うことで技術士になることができます。
第一次試験合格(or指定された教育課程修了)で「修習技術者」になる⇒定められた実務経験を積む⇒第二次試験合格⇒登録⇒技術士
▼技術士になるまでの流れについて詳しくはこちら
技術士とはどんな資格?受験資格・仕事内容・技術士になるまでの流れを解説
このような試験の流れを踏まえて、技術士試験の合格率を見ていきましょう。
技術士一次試験の難易度とは?合格率は30~50%弱
令和6年度の技術士第一次試験は、全部門総合で受験者数16,666名に対して合格者数は6,233名で、合格率は37.4%でした。
【全部門総合】第一次試験 合格率推移
下記は、過去5年分の第一次試験の全部門総合の合格率の推移です。
年度 | 受験者数 | 合格者数 | 合格率 |
令和6年度(2024年度) | 16,666名 | 6,233名 | 37.4% |
令和5年度(2023年度) | 16,631名 | 6,601名 | 39.7% |
令和4年度(2022年度) | 17,225名 | 7,264名 | 42.2% |
令和3年度(2021年度) | 16,977名 | 5,313名 | 31.3% |
令和2年度(2020年度) | 14,594名 | 6,380名 | 43.7% |
第一次試験の合格率は、30~50%弱で推移していることがわかります。
関連コラム:技術士一次試験とは?受験資格から試験科目・配点まで試験概要まとめ
なお一次試験の令和5年度の合格率は、2024年2月26日に発表されました。
【部門別】第一次試験 合格率一覧(令和6年度)
こちらは令和5年度技術士一次試験部門別の合格率一覧です。
技術部門 | 受験者数 | 合格者数 | 合格率 |
機械部門 | 1,733名 | 735名 | 42.4% |
船舶・海洋部門 | 29名 | 10名 | 34.5% |
航空・宇宙部門 | 36名 | 13名 | 36.1% |
電気電子部門 | 1,355名 | 498名 | 36.8% |
化学部門 | 201名 | 113名 | 56.2% |
繊維部門 | 31名 | 14名 | 45.2% |
金属部門 | 96名 | 33名 | 34.4% |
資源工学部門 | 15名 | 3名 | 20.0% |
建設部門 | 8,681名 | 3,111名 | 35.8% |
上下水道部門 | 997名 | 381名 | 38.2% |
衛生工学部門 | 306名 | 101名 | 33.0% |
農業部門 | 717名 | 227名 | 31.7% |
森林部門 | 295名 | 116名 | 39.3% |
水産部門 | 96名 | 42名 | 43.8% |
経営工学部門 | 166名 | 94名 | 56.6% |
情報工学部門 | 560名 | 307名 | 54.8% |
応用理学部門 | 301名 | 99名 | 32.9% |
生物工学部門 | 117名 | 59名 | 50.4% |
環境部門 | 862名 | 236名 | 27.4% |
原子力・放射線部門 | 72名 | 41名 | 56.9% |
全部門の合格率 | 16,666名 | 6,233名 | 37.4% |
第一次試験全部門の合格率は37.4%ですが、部門によって合格率が大きく違います。
最も高い合格率は原子力・放射線部門の56.9%、最も低い合格率は資源工学部門の20.0%です。受験者数の最も多い建設部門の合格率は35.8%です。
技術部門によって受験者数が大きく異なるため、合格率を確認する時には部門の受験者数も考慮する必要があります。
第一次試験の内容と合格基準
第一次試験の試験科目は、基礎科目、適性科目、専門科目です。
試験の方法は、マークシートによる択一方式です。
基礎科目と適性科目は、すべての部門で試験問題が共通ですが、専門科目は部門別の試験問題が出題されます。
第一次試験に合格するためには、すべての科目で50%以上の得点が必要です。
配点が多い専門科目が満点でも、他の科目が50%未満の得点しかなければ不合格となります。
試験内容 | 配点 | 合格基準 | |
---|---|---|---|
基礎科目 | 科学技術全般にわたる基礎知識を問う問題 | 15点満点 | 50%以上の得点 |
適性科目 | 技術士法第四章の規定の遵守に関する適性を問う問題 | 15点満点 | 50%以上の得点 |
専門科目 | 当該技術部門に係る基礎知識及び専門知識を問う問題 | 50点満点 | 50%以上の得点 |
第一次試験の難易度について講師が解説
第一次試験の難易度について、アガルート技術士試験講座担当の日比講師が解説します。
第一次試験の難易度は「やや難しい」レベルだが、出題範囲は広い
択一式で考査される科学技術系国家試験の中では、やや難しいレベルに入ります。目安として、理科系統大学の初期課程(教養課程)程度の知識が必要です。
合格率は部門で大きく異なっていますが、専門科目を除く他の2科目は共通問題であり、このばらつきは、受験者の数による影響が大きいです。
部門別の専門科目を見ても、偏って難しい出題はありません。幅広く過去問対策をすることで合格は可能な試験といえます。
また、一次試験の受験資格はなく、誰でも受験可能です。
よって一般的な科学技術系の知識有無を確認されるため、出題範囲は広くなります。学修した専門分野によって、馴染みの低い出題にも出会うでしょう。
しかし過去問題を確認して、対策することで合格は勝ち取ることができます。
合格に必要な勉強時間
出題範囲のうち、科学技術全般にわたる基礎知識を問う問題、技術士法第四章の規定の遵守に関する適性を問う問題で苦戦される方が多いようです。対象範囲が広く、基礎的な知識から応用知識まで考査されます。
いずれも過去問題を最低5年分程度解答し、わからない箇所は専門書で習得することで十分対応可能です。受験者の科学技術知識の保有によりますが、最低6ヶ月(300時間程度)をかけて、じっくり対策をすることをお勧めします。
技術士二次試験の難易度とは?合格率は11%前後
令和6年度の技術士二次試験は、全部門総合で受験者数23,043名に対して合格者数は2,395名で、合格率は10.4%でした。
【全部門総合】第二次試験 合格率推移
続いて、技術士第二次試験の過去5年の合格率推移です。
年度 | 受験者数 | 合格者数 | 合格率 |
令和6年度(2024年度) | 23,043名 | 2,395名 | 10.4% |
令和5年度(2023年度) | 22,877名 | 2,690名 | 11.8% |
令和4年度(2022年度) | 22,489名 | 2,632名 | 11.7% |
令和3年度(2021年度) | 22,903名 | 2,659名 | 11.6% |
令和2年度(2020年度) | 20,365名 | 2,423名 | 11.9% |
第二次試験の合格率は、11%前後で推移していることがわかります。
関連コラム:技術士二次試験の概要まとめ!受験資格・科目配点・合格基準までわかりやすく解説
【部門別】第二次試験 合格率一覧(令和6年度)
こちらは令和5年度の技術士二次試験の部門別の合格率一覧です。
技術部門 | 受験者数 | 合格者数 | 合格率 |
機械部門 | 846名 | 147名 | 17.4% |
船舶・海洋部門 | 15名 | 3名 | 20.0% |
航空・宇宙部門 | 43名 | 6名 | 14.0% |
電気電子部門 | 1,037名 | 94名 | 9.1% |
化学部門 | 139名 | 25名 | 18.0% |
繊維部門 | 32名 | 6名 | 18.8% |
金属部門 | 85名 | 16名 | 18.8% |
資源工学部門 | 21名 | 3名 | 14.3% |
建設部門 | 13,298名 | 1,152名 | 8.7% |
上下水道部門 | 1,562名 | 167名 | 10.7% |
衛生工学部門 | 458名 | 50名 | 10.9% |
農業部門 | 892名 | 105名 | 11.8% |
森林部門 | 272名 | 33名 | 12.1% |
水産部門 | 105名 | 16名 | 15.2% |
経営工学部門 | 195名 | 20名 | 10.3% |
情報工学部門 | 415名 | 29名 | 7.0% |
応用理学部門 | 608名 | 76名 | 12.5% |
生物工学部門 | 40名 | 7名 | 17.5% |
環境部門 | 396名 | 46名 | 11.6% |
原子力・放射線部門 | 63名 | 12名 | 19.0% |
総合技術監理部門 | 2,521名 | 382名 | 15.2% |
全部門の合格率 | 23,043名 | 2,395名 | 10.4% |
第二次試験で最も高い合格率は船舶・海洋部門の20.0%、最も低い合格率は情報工学部門の7.0%です。
ただし難易度は、どの技術部門も同じです。6割得点で合格になります。
第二次試験は、10人中1人か2人が合格できるかどうかという合格率が低い試験であることがわかります。
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第二次試験の内容と合格基準
続いて、技術士試験の内容と合格基準を見ていきましょう。
第二次試験は、筆記試験と口頭試験で行われます。
筆記試験
筆記試験の科目は、必須科目と選択科目です。
筆記試験の配点は総合技術監理部門とそれ以外の部門で異なりますが、60%以上の得点が必要という合格基準は全部門で同じです。
筆記試験の点数は、答案論文の採点者によって決められます。
マークシートによる択一式試験のような決まった正解はありません。
技術部門 | 試験科目 | 配点 | 合格基準 |
総合技術監理部門を除く技術部門 | 必須科目 | 40点満点 | 60%以上の得点 |
選択科目 | 60点満点 | ||
総合技術監理部門 | 必須科目 | 100点満点 | 60%以上の得点 |
選択科目 | 100点満点 |
口頭試験
口頭試験は、筆記試験に合格した人だけが受験することができる面接形式の試験です。
口頭試験は、各試問事項について60%以上の得点で合格です。
同一年度に筆記試験と口頭試験の両方に合格することで、第二次試験合格となります。
技術部門 | 試問事項 | 配点 | 合格基準 |
総合技術監理部門を除く技術部門 | 技術士としての実務能力 | 60点満点 | 60%以上の得点 |
技術士としての適格性 | 40点満点 | 60%以上の得点 | |
総合技術監理部門(必須科目) | 総合技術監理部門の必須科目に関する技術士として必要な専門知識及び応用能力 | 100点満点 | 60%以上の得点 |
総合技術監理部門(選択科目)※ | 技術士としての実務能力 | 60点満点 | 60%以上の得点 |
技術士としての適格性 | 40点満点 | 60%以上の得点 |
※「総合技術監理部門を除く技術部門」=20部門の内容と同じです。併願の受験者以外は、関係ありません。
総監受験者は、技術士登録者がほとんどのため、免除者が多いです。
二次試験の難易度について講師が解説
二次試験の難易度について知っておくべきことを、アガルート技術士試験講座担当の日比講師が解説します。
部門による難易度の差はない
技術部門間の難易度の差はありません。
技術部門で合格率の高低があるのは、合格率を算出する分母となる受験者数によります。
受験者が少ない技術部門の場合、比較的、合格率は高くなり、建設部門のように受験者が多い部門は、低くなるように見えます。
さらに受験者の受験動機や背景によって、受験対策への時間投下の差があり、この影響もあります。
どの技術部門も合格基準点の60%を得点すれば、合格します。
二次試験の難易度が高い理由
二次試験は、総合技術管理部門の必須科目の一部を除いて、全て記述形式の試験(令和4年度現在)です。
技術士二次試験の難易度が高いといわれる理由は、設問解答に対して、
- 高い思考力が必要であること
- 出題趣旨を正確に理解する必要があることこと
- 的確かつ正確に応答かつ表現する論文作法が必要
だからです。科学技術知識の有無の確認ではなく、課題解決や応用能力などを文章解答する試験だからです。
二次試験は、課題解決や応用能力などを文章解答する試験です。
出題された問題を解答するにあたり、出題趣旨を正確に理解し、的確かつ正確に応答かつ表現する論文作法を修得する必要があります。
時間をかけて論文対策本や過去問解答集を暗記しても、合格には近づきません。
試験が受験者に要求することは、専門技術体験を基にした課題設定、問題解決能力をコンピテンシーに沿って、的確に文章記述することです。
合格に必要な勉強時間
必要な勉強時間は、受験者の受験を予定する技術部門とその選択科目に対する実務経験量によります。
受験資格を有する実務経験7年の専門技術者の場合、過去問整理と不足する知識体系の確認、前述した論文作法の習得、過去問での記述練習と技術士資格者もしくは通信講座などの添削を経て、1000時間必要と考えます。
技術士試験に合格するには?
技術士試験に合格するには、どのようなことをすべきなのでしょうか。
一次試験・二次試験それぞれのポイントを、技術士試験講座講師が解説します。
一次試験に合格するためのポイント
一次試験の合格への早道は、一にも二にも過去問の分析です。
公益社団法人日本技術士会が公表する過去問題を5年程度、科目別に分析することから始めましょう。
全く同じ問題は、出題されませんが、その傾向を掴むことはできます。
傾向を掴んだら、市販されている対策本に目を通したり、少々出費しますが、通信講座などを活用し、知識の漏れがないように整理します。
一次試験は、択一式解答、50%正解で合格です。考えるほど遠い道ではありません。
対策には、6ヶ月間程度の期間を確保して、特に適正科目、基礎科目、そして専門科目の知識整理を計画的に対策を進めましょう。
二次試験に合格するためのポイント
二次試験の合格のポイントは、実務経験年数で対策の仕方が異なります。
例えば、受験資格を有する7年間の専門技術者の場合、専門知識不足で実務が滞ることはないと思います。
しかしこの実務知識体系では、二次試験の合格はできません。
実務経験をもとにコンピテンシーでその内容を整理した後、必須科目と専門科目別に過去問を確認します。
一方、実務経験が十数年以上の受験者は、専門家思考が強すぎることを意識し、題意要求(解答要求内容)を正確に確認することから始めましょう。
豊富な実務経験を持つ技術者は、専門知識体系整理の不足や論文作法の不備のほか、思い込みで題意要求事項を間違えることが多いのです。
必須科目は、受験する技術部門全体の視点で、選択科目は、この分野の専門家視点で深掘りします。
次に論文作法の習得と記述練習、技術士資格者の論文添削で自身の論文フォームを作り上げることです。
この視点の転換を間違えると、記述した達成感があっても、評価を得ることはできません。
正しく試験対策をするためにも、通信講座を利用するなどして、技術士登録技術者の助言を受けるとよいでしょう。
講座を受講する際は、添削がついているものを選ぶことがおすすめです。
まとめ
技術士試験は部門ごとに合格率のばらつきがあり、一次試験が合格率30~50%、二次試験が合格率11%前後となっています。
両方の試験に合格しないと資格を取得できない難関資格なため、合格するためには適切な学習計画を立てて対策をすることが必須条件です。
アガルートの対策講座には、最適化されたカリキュラムやわからないことを質問できる環境があります。効率的に合格したい方はチェックしてみてください。
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この記事の監修者
北海道大学卒業後,工業用界面活性剤と食品油脂を製造する会社のプラントマネジャーを経て,大手製薬会社系列食品会社で食品素材の研究・開発ならびにテクニカルサービス業務を経験。
1994年に独立し,技術コンサルタント会社を創業,現在に至る。
平成28年,技術士(経営工学部門と総合技術監理部門を併願)試験を受験し,合格。
平成29年3月2部門同時登録。同年から技術士試験受験指導にも携わり,先達の導きもあり,4年間で数十名の受験生を支援する。
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