技術士第一次試験は、技術士資格を取得するための試験です。
試験名から技術士になるための最初の試験のようだということはわかりますが、具体的にはどのような試験なのでしょうか?

このコラムでは、これから第一次試験を受験する人や受験を検討している人を対象に、試験の概要を紹介します。

一次試験の勉強方法はこちら→技術士第一次試験の勉強方法は?勉強時間・スケジュール・科目ごとの勉強法を解説!

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技術士第一次試験とは

技術士とは

技術士とは、科学技術に関する高度な知識と応用能力が国によって認められた技術者です。

技術士には、技術的な専門知識だけではなく、社会のために働くといった技術者としての倫理観が求められます。

関連コラム:技術士とはどんな資格?受験資格・仕事内容・技術士になるまでの流れを解説

技術士 第一次試験とは

技術士第一次試験とは、技術士になるために必要な試験のひとつです。

「一次試験」と呼ばれることが多いですが、正確には「第一次試験」といいます。

技術士になるまでの試験の流れは次のとおりです。

第一次試験合格(JABEE修了)⇒②修習技術者(技術士補)⇒③実務経験⇒④第二次試験合格⇒⑤技術士

それぞれの段階について簡単に解説します。

第一次試験合格(JABEE修了)

まず、第一次試験を受験して合格します。
ただし日本技術者教育認定機構が認定したプログラムの修了者(JABEE認定者)は、第一次試験の受験が免除されます。

修習技術者(技術士補)

第一次試験の合格者、またはJABEE修了者は、技術士制度で修習技術者と呼ばれます。

修習技術者は、登録することで、他の技術士の業務を補助する技術士補という資格を取得することができます。
技術士補になることは、技術士になるための流れの中で必須ではありません

関連コラム:技術士補とは?制度はなくなる?基本情報から技術士受験資格、今後の展望まで解説

実務経験

修習技術者は、技術士第二次試験の受験に向けて実務経験を積みます。

必要になる実務経験の年数は、経験を積む経路などによって4年〜10年の幅があります。

第二次試験合格

規定の実務経験を積んだ後、第二次試験を受験して合格します。

技術士

第二次試験に合格後、登録手続きを行うことで技術士になります。

このような試験の流れの中で、第一次試験は技術士になるための最初の試験という位置づけになっています。

技術士 第一次試験 試験概要

それでは第一次試験について詳しく解説していきます。

技術士 第一次試験の受験資格

第一次試験に受験資格はありません

年齢・学歴・国籍・業務経歴などによって受験が制限されることはなく、誰でも受験することができます
技術士を目指すことを目的としない、科学技術に関する知識水準を試したい人なども受験できます。

一次試験の一部免除とは

一定の要件を満たす受験者は、第一次試験の一部が免除されます。

第一次試験の一部免除は、中小企業診断士第2次試験合格者と情報処理技術者試験の高度試験合格者が、指定された技術部門で受験する場合に適用されます。

関連コラム:技術士一次試験が免除になるのはどんな人?

第一次試験の内容

第一次試験は、受験する技術部門の専門知識があるかどうかを判定するための試験です。
筆記によって行われ、解答方式はすべて5肢択一式(マークシート方式)です。

試験は、すべての技術部門で共通の内容と、20の技術部門ごとの専門の内容があります。
受験する技術部門は、受験申込時に次の20の技術部門から1つを選びます。

機械部門船舶・海洋部門航空・宇宙部門電気電子部門
化学部門繊維部門金属部門資源工学部門
建設部門上下水道部門衛生工学部門農業部門
森林部門水産部門経営工学部門情報工学部門
応用理学部門生物工学部門環境部門原子力・放射線部門

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一次試験の受験料

技術士第一次試験の受験料は、11,000円(非課税)です。

一次試験の試験会場

第一次試験は、次の12都道府県で実施されます。

北海道、宮城県、東京都、神奈川県、新潟県、石川県、愛知県、大阪府、広島県、香川県、福岡県、沖縄県

受験地の都道府県は、第一次試験申込時に決めます。具体的な受験会場の場所は、第一次試験前に送付される受験票で通知されます。

第一次試験の試験日程

2024年度(令和6年度)の一次試験日は、2024年11月24日(日)です(開始時間等は受験者に別途通知されます)。

第一次試験は、例年次のようなスケジュールで実施されます。試験回数は1年に1回です。

受験申込書の配布開始6月上旬から6月下旬頃
受験申込書の受付6月中旬から6月下旬頃
筆記試験11月下旬の日曜日
合格発表2月(以前は12月中旬でした)

関連コラム:技術士試験日&申し込み方法完全ガイド!第一次・第二次試験日程は?

技術士 第一次試験 試験科目と配点

第一次試験は、基礎科目、適性科目、専門科目の3科目で行われます。

それぞれの試験科目を詳しく解説します。

出典:公益社団法人 日本技術士会

基礎科目

科学技術全般にわたる基礎知識を判定する問題が出題されます。

出題される問題は全技術部門で共通です。
次の5つの分野から、それぞれ6問、合計30問が出題されます。
受験者は、5つの分野から3問ずつを選択して合計15問を解答します。

(1)設計・計画に関するもの設計理論、システム設計、品質管理等
(2)情報・論理に関するものアルゴリズム、情報ネットワーク等
(3)解析に関するもの力学、電磁気学等
(4)材料・化学・バイオに関するもの材料特性、バイオテクノロジー等
(5)環境・エネルギー・技術に関するもの環境、エネルギー、技術史等

適性科目

技術士は、技術士法という国の法律に基づいた資格です。
適正科目では、技術士法に定められている技術士の義務と責務の遵守に関する問題が出題されます。
出題される問題は全技術部門で共通です。
15問が出題され、全問を解答します。

技術士の義務信用失墜行為の禁止、秘密保持義務、名称表示の場合の義務
技術士の責務公益確保の責務、資質向上の責務

専門科目

選択した技術部門の基礎知識と専門知識を判定するための問題が出題されます。

技術部門は前述の通り20部門から選択します。

出題内容は、大学の自然科学系学部の専門教育課程修了程度です。
出題される問題は受験する技術部門ごとに異なりますが、出題数はすべての技術部門で35問です。
35問の中から受験者が25問を選択して解答します。

試験時間、配点、合格基準

次の表は、3科目の試験時間、問題数、配点、合格基準をまとめたものです。

試験科目試験時間問題数配点合格基準
基礎科目1時間15問(30問から15問を選択)15点満点(1問1点)50%以上の得点
適性科目1時間15問15点満点(1問1点)50%以上の得点
専門科目2時間25問(35問から25問を選択)50点満点(1問2点)50%以上の得点

試験時間は、基礎科目と適性科目は1時間、専門科目は2時間です。

第一次試験に合格するためには、すべての科目で50%以上の得点が必要です。
総合得点の合格基準(全科目を総合して何%以上の得点が必要といった基準)はありません。
配点が多い専門科目が満点でも、他の科目が50%未満の得点しかなければ不合格となります。

関連コラム:技術士試験の難易度は?一次・二次試験の合格率全部門総合&部門別にまとめ

まとめ

技術士第一次試験の概要を紹介しました。

第一次試験は誰でも受験することができます。

技術士に興味がある人は、第一次試験の受験から始めてみてはいかがでしょうか。

第一次試験の受験を決めた人は、合格に向けて勉強を進めていきましょう。

二次試験についてはこちら▶関連コラム:二次試験の試験概要まとめ

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