英語試験の代表格であるTOEIC®と英検。

英語力の証明として受験を検討中で、どちらの試験を受験すべきか・両者にどのような違いがあるかなどでお悩みの方もいるでしょう。

この記事では、TOEIC®と英検の2試験について、スコア・級ごとのレベルや難易度の違い、活かせる場面の違いなどを詳しく解説します。

なお、記事中のTOEIC®はTOEIC® Listening&Reading(L&R)テストを指すことにご留意ください。

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TOEIC®と英検のスコア換算表

TOEIC®と英検のスコアを、CEFRを参考に換算すると以下のようになります。

CEFR英検TOEIC®
A13級120
A1〜A2準2級120~225
A2〜B12級225〜550
B1〜B2準1級550〜785
B2〜C11級785〜945
参考:各資格・検定試験とCEFRとの対照表(文部科学省)

CEFR(セファール)とは、言語の習熟度や運用レベルを測る国際基準です。

ヨーロッパを中心に世界中で広く信頼される指標で、「読む・聞く・書く・話す」の4技能をA1〜C2の6段階で評価します。

最高ランクのC1・C2は「熟練した言語使用者」のレベルにあることを示し、高度な長文読解や流暢な自己表現などの能力が求められます。

すなわち、英検1級・TOEIC945スコア以上を取得できれば、国際基準においてもネイティブに次ぐレベルの学習者であるといえるでしょう。

ただし、英検の級に対応するTOEIC®のスコアに幅があることからもわかるとおり、両者は必ずしも正確に比較できるわけではありません。

上記スコアはあくまで参考値と考えてください。

TOEIC®スコアのレベル

レベル TOEIC®スコア 評価
A860Non-Nativeとして十分なコミュニケーションが取れる
B730どんな状況でも適切なコミュニケーションができる素地を備えている
C470日常生活のニーズを充足し、限定された範囲内では業務上のコミュニケーションができる
D220通常会話で最低限のコミュニケーションができる
Eコミュニケーションができるまでに至っていない
参考:TOEIC®スコアとコミュニケーション能力レベルとの相関表

TOEIC®では、860スコアを英語の非母語話者として十分なコミュニケーションが可能な学習レベルの目安にしています。

ネイティブレベルとまではいかないものの十分な語彙や文法理解を備え、英語圏の方とスムーズにやり取りができる段階といえるでしょう。

また、TOEIC®250スコア付近は、CEFRにおける「基礎段階の言語使用者」にあたるA2ランク相当とされます。

日常的な範囲での情報交換をスムーズに行うことができる段階と考えられるため、TOEIC®で英語を勉強し始めた初心者の方は、まず250スコア以上を目指してみましょう。

就職や転職に活用したい場合は、500~600点以上のスコアを目指しましょう。レベルや必要な勉強時間を知りたい方は、下記コラムも参考にしてみてください。

参考コラム:TOEIC®500点はどのくらいのレベル? 大学生の平均点や必要な勉強時間は?

英検のレベル

推奨目安出題目安
5級中学初級程度英語を習い始めた方の最初の目標家族・趣味・スポーツなど身近な話題
4級中学中級程度より実用的な出題内容身近なトピックを題材にした読解問題
3級中学卒業程度海外の文化などに関する題材二次試験にスピーキングテスト
準2級 高校中級程度教育や科学などを題材とした長文の穴埋め問題採用試験・履歴書で評価される
2級高校卒業程度医療・テクノロジーなど社会性のある英文読解海外留学も可能なコミュニケーションレベル
準1級大学中級程度エッセイ形式の実践的な英作文「実際に使える英語力」の証明
1級大学上級程度世界で活躍できる人材としての英語力の証明二次試験で2分間のスピーチ+スピーチ内容に対する質疑応答
参考:各級の目安| 公益財団法人 日本英語検定協会

英検では、準2級から「英語ができる人材」としてビジネスシーンでも評価の対象となります。

履歴書に書ける資格がほしい・英語を活かして仕事をしたいといった場合は、準2級以上を目標に学習を深めるといいでしょう。

さらに、2級以上から海外留学も問題ないレベルの英語力とされ、1級ともなれば世界的に通用する英語力を有するという証明になります。

二次試験では2分間のスピーチと質疑応答をクリアする必要があるため簡単ではありませんが、合格できればかなり強力なカードになるはずです。

【級別】英検のTOEIC®スコアとレベル目安

ここでは、英検の級・TOEIC®のスコア別に学習者レベルの目安について解説します。

英検1級のTOEIC®スコアとレベル

推奨目安 CEFR TOEIC®
大学上級程度 C1 945点~
Listening Reading
490点~ 455点~

英検1級は、TOEIC®では945スコア以上、CEFRにおいては「熟練した言語使用者」に該当するC1ランクに相当します。

英検では「世界で通用するレベル」と定義されており、英語学習者としてはかなり高レベルの実力を有する人材であるという証明として、採用試験などでも活用できるでしょう。

合格には、ビジネスや学問などの専門性の高い分野のトピックについても問題なく理解できる能力だけでなく、自然で流暢な自己表現力が求められます。

二次試験では2分間のスピーチと質疑応答が出題されることからも、英語を使用して論理的な思考力を発揮できるかどうかが試される級といえるでしょう。

英検準1級のTOEIC®スコアとレベル

推奨目安 CEFR TOEIC®
大学中級程度 B2 785点~
Listening Reading
400点~ 386点~

英検準1級は、TOEIC®では785スコア以上、CEFRにおいては「自立した言語使用者」に該当するB2ランクに相当します。

英検の筆記試験においてはエッセイ形式の実践的な英作文が出題されるなど、「英語をアウトプットのツールとして使いこなせているか」が問われる級です。

合格するためには、選択肢の中から正解を回答するような受動的な姿勢から一歩前進し、論理的な文章構成やスピーキングができるように学習する必要があります。

エッセイ執筆の際は、日本語で書きたいことを明確にしてから英語に直す、といった練習も効果的でしょう。

英検2級のTOEIC®スコアとレベル

推奨目安 CEFR TOEIC®
高校卒業程度 B1 550点~
Listening Reading
275点~ 275点~

英検2級は、TOEIC®では550スコア以上、CEFRにおいては「自立した言語使用者」に該当するB1ランクに相当します。

B1は「その言語が話されている地域で起こりそうな大抵の事態に対処できる」レベルとされているため、海外留学を検討している場合は最初に目標とすべき級といえるでしょう。

出題内容に医療やテクノロジーなどのトピックが加わるため、より専門性の高い語彙力が求められます。

単語学習に力を入れるとともに直近の話題や世界情勢などに目を向け、広い分野に対して情報収集をしておくといいでしょう。

英検準2級のTOEIC®スコアとレベル

推奨目安 CEFR TOEIC®
高校中級程度 A2 225点~
Listening Reading
110点~ 115点~

英検準2級は、TOEIC®では225スコア以上、CEFRにおいては「基礎段階の言語使用者」に該当するA2ランクに相当します。

身近なトピックや頻出語彙などが理解できるレベルと定義され、日本国内の企業であれば「ある程度英語ができる人」として評価される段階といえるでしょう。

専門性の高い語彙や慣用句、複雑な文法などが問われる級ではなく、高校レベルの基礎単語や文法を油断なく学習することで合格を目指せます。

二次試験では面接形式のスピーキングテストが実施されるため、身の回りの事柄について簡単にでも説明できるように練習しておくといいでしょう。

英検3級~5級のTOEIC®スコアとレベル

推奨目安 CEFR TOEIC®
中学卒業〜初級程度 A1 120点~
Listening Reading
60点~ 60点~

英検3級〜5級は、TOEIC®では120スコア以上、CEFRにおいては「基礎段階の言語使用者」に該当するA1ランクに相当します。

中学校で習得するレベルの基本的な語彙や文法が身についているかどうかを問われるため、基礎学習をしっかりと行えば合格は決して難しくありません。

ただし、3級からは面接形式のスピーキングテストが実施されます。

出題傾向はある程度決まっているため、対面で堂々と英語を発話し、面接官の出題をしっかりと聞き取って実行できるよう練習を重ねましょう。

TOEIC®と英検の違い

ここでは、TOEIC®と英検の違いについて、以下の3点を解説します。

  • 試験概要の比較
  • 目的の違い
  • 試験内容の違い

試験概要の比較

TOEIC®英検
試験実施団体一般財団法人国際ビジネスコミュニケーション協会(IIBC)公益財団法人日本英語検定協会
テスト形式マークシート200問
(リスニング100問/リーディング100問)
リーディングリスニングライティング(3級〜)
面接(3級〜)
テスト結果5点刻みのスコア評価(10〜990点)合否判定(必要正答率6〜7割)
試験時間2時間
(リスニング約45分/リーディング75分)
5〜3級:約45分〜95分
準2級〜準1級:約2時間
1級:約2時間25分
試験日約12回/年(毎月1〜2回)年3回
受験費用7,810円本会場:4,100〜12,500円
準会場:2,500〜6,900円
※準1級・1級は本会場での受験のみ
有効期限生涯有効認定証の再発行は2年間の期限ありスキル証明とする場合、
「合格から○年以内」などと定めている企業・学校もある
生涯有効スキル証明とする場合、
「合格から○年以内」などと定めている企業・学校もある
参考:TOEIC Programとは│一般財団法人国際ビジネスコミュニケーション協会
試験内容 | 英検 | 公益財団法人 日本英語検定協会

TOEIC®と英検を比較した時、特にテスト形式や試験日程に大きな違いがあります。

TOEIC®ではリスニング・リーディングのセクションを問わずマークシートに回答する形式です。

一方、英検は受験級によって自由筆記のライティング問題や、試験官と実際に対面して行う面接試験が実施されます。

英検に関しては2024年に出題形式のリニューアルが行われたことにも注目です。

3級以上でリーディングの選択問題が一部削除されるとともに、ライティング問題や面接内容が追加されました。

従来と比較すると、より「積極的なアウトプット力」が問われるようになったといえるでしょう。

語彙や文法などの学習に加えて、論理的な文章表現や意見陳述ができるよう練習しておくことが重要です。

受験日程については、TOEIC®は毎月1〜2回、1年間では12回ほど受験のチャンスがありますが、英検は年に3回のみの実施です。

英検の受験を検討している場合は、申し込み締切などのスケジュールには特に注意しましょう。

目的の違い

TOEIC®と英検はどちらも英語に関する試験ですが、実施目的には大きな違いがあります。

英検は日常生活から専門的分野まで幅広いトピックを扱い、社会生活のあらゆる場面で求められる英語力を7段階の級ごとに測定する試験です。

結果は合否によって判定され、学習深度が足りない場合は「不合格」もあり得ます。

級によって出題内容や難易度が変化するため、受験級ごとに試験対策を行う必要があるのが特徴。

自分のペースで少しずつ学習を深めていき、マイルストーンとしての合格がほしい場合は英検がおすすめです。

ただし、英検は日本国内でのみ実施されている試験であるため、海外向けにスキルを証明したい場合はややアピール力に欠けるでしょう。

一方、TOEIC®には合否判定がなく、10〜990点までのスコアによってビジネス英語をメインとしたコミュニケーション能力を測ります。

受験回によって問題数や難易度が大きく変化することはなく、受験者全員が常に一定の基準で試験されるため、スコアによって自分のレベルをより正確に知ることができるのが特徴です。

また、TOEIC®は国際的な試験という側面もあります。

英語学習者の中で自分がどの位置にいるか知りたい・ビジネスで活かせる英語力を身につけたい・世界的に通用する認定がほしいという場合はTOEIC®がおすすめといえるでしょう。

試験内容の違い

英検とTOEIC®では試験内容も大きく異なります。

TOEIC® Listening&Readingテストの試験内容はリスニング・リーディングの2セクションのみで、全問マークシートに回答する選択式です。

出題されるトピックは主にビジネスシーンや日常生活に関連したものとなっており、身近な現場で円滑にやり取りできる実践的な英語力が問われます。

英語の4技能のうち、スピーキングとライティングのスコアを測りたい場合は、TOEIC®Speaking&Writingテストを受験することで実力を知ることができます。

英検の試験内容は級によって異なり、3級からは自由筆記のライティング問題や、面接によるスピーキング問題も出題されます。

扱われる題材は上級試験になるほど専門的な内容が含まれるようになり、医療やテクノロジーに関する問題が出ることも。

英語力とは別に、論理的な文章構成能力や時事問題への関心などが総合的に問われる試験であるといえます。

TOEIC®と英検はどっちが難しい?

TOEIC®と英検は出題形式や試験の目的が大きく異なり、どちらが難しいと一概に判断することはできません。

特に、TOEIC®は受験者全員が同じ問題で試験を受けるため、受験者のレベルによって難易度は大きく変わるでしょう。

出題内容がビジネスシーンを想定したものであることからも、学生やビジネス英語の初学者には特に難しいと感じられる可能性が高いです。

一方、英検は級によって出題レベルが異なるため、受験する級に対応した試験対策がしっかりできているかどうかが難易度を左右します。

出題されるトピックがTOEIC®よりも幅広い・上級試験になると選択問題に加えて自由筆記や面接の対策も必要といった特徴があり、総合的な能力を問われるという難しさもあるでしょう。

それぞれの特徴を踏まえたうえで受験対策を行うことが大切です。

受験するならTOEIC®英検どっちがいい?

ここでは、TOEIC®と英検それぞれの特徴から、以下の目的別にどちらを受験するのがおすすめかを解説します。

「認定を何に活用したいか」によって、受けるべき試験は変わります。

  • 大学受験や進学の場合
  • 就職・転職の場合
  • 昇進・昇格の場合

大学受験や進学の場合

大学受験対策や進学、単位の認定などが目的の場合は、英検がおすすめです。

英検は3級以上から「読む・聞く・書く・話す」の4技能を測定されるため、総合的な英語力の証明として多くの大学・高校で利用されています。

さらに、上位試験になるほど出題内容が専門的になるため、語学に留まらない向学心や教養を有するというアピールにすることも可能。

特定の級以上を取得していることを条件に受験時の優遇措置や授業料の減免を実施している学校もあります。

進学や単位認定の必要条件として受験する場合は、準2級以上がおすすめです。

就職・転職の場合

就職・転職の際に活用したい場合は、TOEIC®がおすすめです。

TOEIC®はビジネス英語をメインに据えた試験であるため、企業側が採用の要件や参考にしていることも多いです。

新卒採用では約5割、中途採用では約6割もの企業が選考の参考にしているというデータもあります。

また、TOEIC®は世界的に実施されている試験であるため、海外で就業したい場合や外資系企業に就職したい場合もスキル証明としてアピールすることができます。

参考:TOEIC「英語活用実態調査2019」

昇進・昇格の場合

昇進・昇格に活用する場合は、TOEIC®がおすすめです。

TOEIC®スコアを昇進や昇格の基準として取り入れている企業もあり、世界共通の英語力の証明として信頼されています。

特に、海外出張や海外赴任を伴うポストへの昇進を狙っている場合は有効なカードになるでしょう。

CEFR基準の「自立した言語使用者」に相当する550点を目標に学習を深めれば、現地でも問題なくコミュニケーションが取れるはずです。

まとめ

この記事では、TOEIC®と英検の違いについて以下の内容で解説しました。

  • TOEIC®スコアと英検の級は単純に換算できるわけではないが、TOEIC®で225点以上・英検で準2級以上を取得できれば英語で最低限のコミュニケーションがとれる人材とされる。
  • 就職や転職での活用、海外で本格的に英語を使いたい場合は、TOEIC®で550点以上・英検で2級以上を目指すとよい。
  • TOEIC®はビジネス英語がメインに出題される試験で、一定の基準で自分の実力を測れる。就職・転職・昇進など、ビジネスシーンでの活用が期待できる。グローバルな試験なので、海外で証明として使いたい場合はTOEIC®がおすすめ。
  • 英検は級ごとに難易度が異なり、上位試験になるほど幅広い内容が題材が出題される。英語以外にも論理的な文章構成能力や時事問題への関心などが求められる。進学や単位認定など、アカデミックな現場で活用できる。

同じ英語の試験として混同されがちなTOEIC®と英検ですが、試験内容や問題形式には大きな違いがあり、それぞれの特徴を踏まえた試験対策を行うことが合格への近道となります。

英検はレベル別に教材や単語帳が販売されているため、受験級に合わせて学習を深めましょう。

一方、TOEIC®は試験自体の難易度は変化せず、有効な対策がわからないという方もいるでしょう。

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