英語圏への留学のためには、英語力の証明が不可欠です、ほとんどの機関が提出を求めるのはTOEFL®のスコアです。

では一体どのくらいのスコアをとらなくてはいけないのでしょうか?

このコラムでは、留学するために必要となるTOEFL®のスコアについて詳しく解説しています。

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そもそも留学にTOEFL®は必要?

「一番使える英語の試験はTOEIC®。」

「TOEFL®よりIELTSの方が点を取りやすい。」

「英検で留学できる大学もある。」

このような話を聞いたことがある人も多いかと思います。

TOEFL®は受験料も高いので、本当に留学に不可欠なのか気になりますよね。

結論から言うとTOEFL®以外で留学する道もありますが、TOEFL®が留学に用いる最も一般的なテストです。

なぜならTOEFL®は、「英語圏の学校で実際に使う英語力を図る」ために作られたテストだからです。

試験に出てくる英文や英会話は授業で用いる教科書や講義の内容、学校生活における会話などです。

留学を希望する世界中の非英語話者の学生が、英語圏の大学や大学院に進学するため受験し、英語力の証明としてTOEFL iBT®スコアを提出します。

TOEFL®を採用している教育機関は全世界で11,500校以上あります。

TOEFL®公式サイトによるとアメリカ・カナダでは、ほとんどの大学がTOEFL iBT®を最も好ましい英語の試験としています。

オーストラリア・ニュージーランド・イギリスでも全ての大学でTOEFL iBT®スコアが提出可能になっています。

試験の種類によって留学に使える地域や条件が異なります。

わかりやすく表にまとめたので参考にしてください。

テスト種類留学に使えるか 特徴
TOEFL®世界標準の英語テスト 留学を想定した試験内容
TOEIC®×東アジア中心 ビジネス英語 留学の要件になることはない
IELTS新世界標準の英語テスト イギリス英語
英検日本限定のテスト 留学の要件になる教育機関もある

TOEFL ITP®のスコアは留学に使えるのかどうか

諸団体が実施しているTOEFL「ITP®」のスコアは、公式のTOEFL®テストスコアとして認められません。

なので留学する場合にはTOEFL ITP®のスコアだけでは留学をすることはできません。

海外留学にTOEFL®は必要かTOEIC®ではダメなの?

TOEIC®はビジネスシーンにおける「日常英会話」に特化したテストなので留学には使えません。

就職や昇進の際に英語力の証明として有利に働くことから、受験者数はTOEFL®よりはるかに多いですが、留学の際にスコアを求められることはまずありません。

というのもTOEIC®の受験者のほとんどは、日本・韓国・台湾などの東アジアの人々であり世界的に一般的なテストではないからです。

年間約370万人という、日本で最も受験者数の多い英語のテストである実用英語技能検定、通称英検をつかって留学することも場合によっては可能です。

しかし英検を英語力の証明として認めている4年制大学の数は、全米で約100校のみとTOEFL®を用いる学校数に比べて圧倒的に少ないのが現状です。

しかし英検の試験スタイルの方がTOEFL®よりも自分に合っていると感じる人や、既に英検の上位級を取得している人は一度自分の行きたい大学が英検を英語力の証明として認めているのか、英検の公式HPで確認してみましょう。

留学するのにIELTSとTOEFL®どっちが良い?

IELTSと、TOEFL®は留学の要件になる地域が異なります。

IELTSはTOEFL®と同様、世界中の英語圏の教育機関において英語力の証明として認められている他、イギリスにおける学生ビザ取得の要件にもなっていま

TOEFL®がアメリカの団体によって運営されているのに対し、IELTSはイギリスの団体が運営しています。

イギリスやカナダ、オーストラリアはIELTSのスコアが必要になるケースが多いです。

試験の特徴として、アメリカ英語よりイギリス英語の方に慣れている人は、TOEFL®よりも高得点が出る可能性があります。

関連コラム:TOEFL®︎とは?受験するメリットやTOEIC®︎・IELTSとの違いも解説

関連コラム:IELTSとは?試験の種類や違いは?失敗しない選び方

条件付き入学制度での留学という選択肢も

出願期限までにTOEFL®やIELTSで基準点以上のスコアを取得することが、留学のための一般的な道のりです。

しかし出願までに求められるスコアを取得できない場合、入学後に追加の英語コースを受講することを条件に、基準点に満たなくても入学を認める「条件付き入学制度(Conditional Admission)」を実施している教育機関もあります。

自分の留学したい大学などが条件付き入学制度を実施しているか、募集要項をよく読んでみましょう。

留学に必要なTOEFL iBT®の点数の目安

まずは国際的な英語力の指標であるCEFRを基準に、TOEFL iBT®の点数と対応する英語力を確認してみましょう。

TOEFL®iBTCEFRおよその英語力英検TOEIC®
41以下A2買い物など、簡単な日常会話ができる。準2級550以下
42~71B1会話の主要な点を理解できる。簡単な文章を作ることができる。2級550~784
72~94B2英語で自然なやり取りができる。複雑な文章を作ることができる。準1級785~944
95~114C1アカデミックな英語を活用できる。英語の本をすばやく読める。1級945以上
114~120C2読んだり聞いたりしたほぼ全ての内容を完璧に理解できる。

(参照:ETS-TOEFL®スコア, TOEIC®Program各テストスコアとCEFRとの対照表, 文部科学省-各試験・検定試験とCEFRとの対照表

留学先でネイティブスピーカーと同じ授業に参加するにはCEFRのB2レベル、TOEFL iBT®に換算すると72~94点程度が最低必要だと考えられます。

しかし一言に「留学」といっても様々な種類があり、それぞれ必要な英語力は異なるのでタイプ別に必要な英語力とTOEFL iBT®を確認していきましょう。

留学の種類TOEFLスコアの目安
語学留学50
交換留学70
大学進学80
3年次編入80
大学院進学90

またTOEFL iBT®はあくまで留学のための要件の一つに過ぎず、高いスコアを取ったからといっても必ず入学できるわけではありません。

高校や大学の成績、エッセイ、インタビュー、ボランティアや課外活動の実績も含め総合的に判断されます。

さらにアメリカやイギリスなどは不法移民対策として、現地で生活するための十分な資金があることの証明が学生ビザ取得の要件でもあります。

以上のように留学のためには様々な準備が必要なので、早めに準備を開始するのが成功のカギです。

関連コラム:高校生の大学受験にTOEFL®は必要?国内・海外の出願資格に必要なスコアや優遇制度

関連コラム:大学院進学に必要なTOEFL®のスコアはどのくらい?

語学留学の場合

留学前の英語力が高くなくても可能なのは、「語学留学」です。

そもそも英語力を高めるのが目的なので、当然とも言えます。

留学の準備のために、まず語学留学を行うという人も多いようですね。

ほとんどの語学学校では、日本人スタッフが常駐するなど英語に自信のない学生へのサポートの体制が整えられていますが、最低限の英語力は必須です。

提出を求められることはほとんどないものの、語学学校で行われる授業についていくためには、簡単な文章を作成できるTOEFL iBT®50点程度の英語力が必要だと言われています。

それに満たない場合は、まず国内でできる英語学習に取り組み英語力を高めましょう。

語学学校によっては、ビジネス英語コースやTOEFL・IELTS対策コースに入学する際には一定の英語力を証明しないといけない場合もあります。

交換留学の場合

大学間の協定に基づく交換留学は、日本の大学に籍を置いたまま留学できる上、多くの場合留学先の学費は免除されます。

海外における大学の学費は日本とは比べ物にならないほど高い場合が多いので、これは大きなメリットですね。

交換留学だと、慶應義塾大学早稲田大学が有名です。

必要な英語力については大学ごとに基準が定められていますので、ご自身の所属する大学における交換留学についての規定をよく確認して下さい。

あくまで一例ですが慶應義塾大学は、交換留学の出願に必要なTOEFL iBT®スコアを70点以上としています。

海外の大学に進学する場合

高校卒業後に外国の大学へ進学する場合、日本のようなペーパーテストによる受験が行われることはほとんどなく、自身に入学する適性があることを証明する書類を提出し選考してもらうのが一般的です。

非英語圏の学生は、英語力の証明としてTOEFL iBT®スコアなどの提出が必要になります。

英語圏の大学進学に求められるスコアは、大学によってTOEFL iBT®60点から100点まで幅がありますが、およそ80点が目安です。 

しかしアメリカの名門大学と言われるアイビーリーグのほとんどは100点以上が必要なので、行きたい大学の募集要項をよく読み確認して下さい。

またSATと呼ばれる英語と数学の外部試験を課されたり、英語でのインタビューを行う場合も多いので、十分な事前準備が必要です。

海外大学への進学をするなら3年次編入学という選択肢も

また留学にはいったん日本の大学に入学した後に海外の大学へ進学する、3年次編入という手もあります。

日本に帰国して就職活動するよりも、海外の大学院に進学して学業を続けたり、海外で就職したりしたいと考える方には、交換留学よりも適していると言えるでしょう。

3年次編入には大学進学と同様TOEFL iBT®80点程度の英語力が必要です。

さらに日本の大学での成績(GPA)も非常に重視されますので、日本での学業にも真剣に取り組みながらTOEFL®対策を行なうことが求められます。

また前述の通り学費が日本の大学よりも高額なことが多いので、資金面で不安がある方は奨学金への応募なども視野に入れておきましょう。

大学院進学の場合

大学院生は当然、学部生より高い英語力が求められます。

80点程度から応募できる学校もありますが、追加で英語の授業を受けることを求められる場合もあります。

大学院ではネイティブスピーカーと一緒に討議や研究を行うことが主な活動になりますので、TOEFL iBT®90点以上の英語力をつけておくことが望ましいでしょう。

スタンフォード大学やイェール大学は100点付近が最低基準になります。

上記の点数はあくまで目安であり、実際に必要なスコアはそれぞれの教育機関によって大きく異なりますので、募集要項などをご自分で直接確認するようにして下さい。

留学するどのくらい前にTOEFL iBT®の試験を受けておく必要があるのか?

結論から言いますと、北米の大学に提出する際には期限の1ヶ月前までに、日本を含むそれ以外の国へ提出する際には期限の2ヶ月前までには受験を済ませておくべきです。

TOEFL iBT®のスコアがオンラインで確認できるのは試験日から6日後です。

8日後にはスコアレポートを印刷することもできるようになりますが、これは受験者控え用であり、出願等に用いることはできません。

提出用の公式スコアレポートは、試験から10〜12日後にETSという米国の実施団体から直接提出先に郵送されます。

北米の大学への配達には7〜10日かかるので、試験日から最長で約3週間かかると考えましょう。

日本を含む北米以外の国に公式スコアレポートが届くのは発送から4〜6週間後なので、2ヶ月近くかかることもあります。

また世界情勢や感染症の流行などにより、国際郵便には遅延が生じることもあるので早めに準備をしましょう。

関連コラム:TOEFL®の結果はいつ届く?遅い、届かないときの対処法

TOEFL iBT®のスコアアップのために語学留学するのはあり?

留学のためにTOEFL iBT®のスコアを短期間で上げたいと考えている人に人気なのが短期の語学留学だったりします。

TOEFL®対策コースを設けている学校もあるので、もし効果があるのであれば非常に魅力的ですよね。

しかし結論から言うと、語学留学をしたからといって必ずしも英語力があがるわけではありません。

英語力を上達させるには、いかに日本語を使わない環境を作り出すかが重要です。

語学留学のメリットは、授業だけでなく日常生活で実際に英語を使う環境に身を置けることです。

日本人留学生が陥りがちなのは、現地でできた日本人の友達とずっと一緒にいて日本語を話し続けてしまう現象です。

海外での生活は心細いので、言葉が通じる仲間と一緒にいると心強いのですが… 結果、日本にいるのと変わらない環境になってしまいます。

語学留学で日本語が使えないことで、戸惑ったり、困ったりする経験をすることもありますが、それが英語力の向上につながる学習の機会でもあります。

つまり語学留学によってどのくらいTOEFL iBT®のスコアアップが望めるかは、留学先においてどのような姿勢で学ぶのかによると言えます。

スコアアップのための語学留学をするならどこがいい?

いざ語学留学をすると決めたら次に考えるのは渡航先ですよね。

語学学校は世界中にありますが、一体どこの国に行くのがいいのでしょう?

一番のおすすめはアメリカです。

TOEFL iBT®はアメリカの団体が製作しており、アメリカ英語が使われています。

アメリカには留学のためにTOEFL iBT®のスコアを上げたい学生が世界中から集まってくるので、非常に多くの語学学校がありTOEFL iBT®対策のスペシャリストも多数います。

アメリカの大学や大学院への進学のためTOEFL iBT®を受験する必要があるのなら、実際の雰囲気を感じるためにまず語学留学で実際に渡米してみてみるものいいかもしれません。

ただアメリカの日本より物価が高い上、年々上昇しているので渡航費・学費・滞在費などの費用がかさむ傾向にあります。

それ以外の国にも数多くの語学学校があるので、比較のため下の表にメリットとデメリットをまとめてみました。

各語学学校によって異なる部分もあり、一概には言えないのですが参考にしてみて下さい。

留学先メリットデメリット
アメリカ本土TOEFL®iBTに使われるアメリカ英語を学べる渡航費・滞在費が高い
ハワイ米国本土より渡航費が安い温暖な気候で過ごしやすい滞在費が高い日本人が多い
カナダアメリカよりも治安がいい多国籍な学生を受け入れている渡航費・滞在費が高い
イギリスイギリス英語を学べる比較的日本人が少ない渡航費・滞在費が高いTOEFL®iBTに使われるアメリカ英語ではない
オーストラリアニュージーランド時差があまりない広大な土地で異文化を体感できる滞在費が高い日本人が多いTOEFL®iBTに使われるアメリカ英語ではない
フィリピン渡航費・滞在費が安い温暖な気候で過ごしやすい日本人が多いTOEFL®iBTに使われるアメリカ英語ではない
フィジー滞在費が安い聞き取りやすい英語フレンドリーな文化日本人が多いTOEFL®iBTに使われるアメリカ英語ではない
インド渡航費・滞在費が安い世界語としてしての英語を体感できる市中で使われている英語はインド英語治安が悪い場所もある

留学までにあまり時間がないのにスコアが足りない…どんな勉強をしたらいい?

TOEFLiBT®で使用される英文や会話は、TOEIC®のような日常英会話やビジネス英会話を中心にしたものとは大きく異なります。

そのため、TOEIC®では高得点が取れるのに、TOEFL iBT®のスコアは伸びないということも普通にあります。

TOEFL iBT®のスコアアップのためにはまず、実際の問題を一度解いてみましょう。

一番おすすめなのは実施団体のETSがオンラインで提供しているTOEFL iBT® Practice Testを受けてみることです。

もしまだ受験したことがなければ、無料バージョンもあるのでまずは一度トライしてみましょう。

試験のスタイルや出題の傾向をつかんだら、公式問題集などを購入して自分が苦手なセクションを中心に取り組むのが王道の対策方法ですが、これには比較的時間がかかります。

期限までに時間がないのに、スコアが足りないという場合はどのような対策が有効なのでしょうか?

どのようなテストにも点数を上げるための「テクニック」が存在します。

そしてTOEFL®iBTに有効なテクニックも色々とありますが、その中でも即効性が高いのは「テンプレート」を準備しておくことだと思います。

TOEFL iBT®のライティングとスピーキングセクションでは、自分の考えや意見を英語で述べるが求められます。

ここで重要なのは内容が正しいかどうかではなく、あくまで英語のテストなので、説得力があり論理的な英文であることです。

そのための近道は毎回使える答えの型=テンプレートを用意しておくこと。

例えば以下のような文を作っておき、どのようなテーマでもこの構造で文章を作る練習をしておきましょう。

導入文:I strongly believe that 〇〇〇 based on the following reasons.

理由①:First, 〇〇〇 is 〇〇〇. ….

理由②:Next, 〇〇〇 is 〇〇〇. ….

具体例:For example, when 〇〇〇 is 〇〇〇,  〇〇〇 is 〇〇〇. ….

締め文:Therefore, I would like to claim that 〇〇〇 is 〇〇〇.

もちろん状況に応じてアレンジを加えるのは構いませんが、基本の型を一つ自分の中に持っておくと落ち着いて解答できるのではないでしょうか?

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