このコラムでは帰国子女の大学入試で必要なTOEFL iBT®のスコアや、そのための勉強法について詳しく解説しています。

昨今、国際化の進展を受け海外の高校を卒業した人が日本の大学を受験する際に利用できる「帰国子女入試」や「帰国生徒選抜」の導入が進んでいます。

受験生の能力や適性が多面的に評価される帰国子女入試ですが、その前提条件は「高い英語運用能力を持っている」こと。

そして帰国子女の英語力の証明として、現在最も広く用いられている試験がTOEFL iBT®なのです。

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帰国生入試の試験の種類

ここでは有名大学の例を元に帰国子女入試の種類を解説していきます。

帰国子女入試を導入している大学の数は年々増えており、文部科学省の令和3年度国公私立大学入学者選抜実施状況によると、国内にある774大学中393校に上ります。

つまり国内の過半数の大学が、なんらかの形で帰国子女入試を行っているのです。

それぞれの大学によって募集のしくみが大きく異なるので、詳細は各大学の募集要項を確認しなければなりません。

帰国子女入試の種類

帰国子女入試の形態や必要条件は各大学によって大きく異なり、また全学部で実施していない大学もあるため注意が必要です。

東京大学では全ての学部で「外国学校卒業生特別選考」を行っており、11月出願の書類選考をパスすると、2月に第2次選考として小論文(日本語1題+外国語1題)・学力試験(文科各類は外国語・理科各類は数学・理科)・面接(日本語)が課されます。

学力試験は一般選抜と同じ試験問題ですが、合否判定の基準は異なるそうです。

早稲田大学では法、教育、商、基幹理工、創造理工、先進理工の各学部で「帰国生入試」を行っている他、政治経済学部で「グローバル入試」を行っていますが、社会科学部、人間科学部、スポーツ科学部、国際教養学部、文化構想学部、文学部では帰国子女を対象にした特別な入試は行っていません。

6月に英語外部試験のスコアを含む帰国生入試の願書提出があり、8月に小論文や学力テストが課される第1次選考、9月に面接による第2次選考が行われます。(学部によっては面接を課さなかったり、小論文が課されたりしますので要項をよく確認して下さい。)

慶應大学の「帰国生対象入学試験」ではSATなどの統一テストとTOEFL®などの英語外部試験が出願には必要ですが、志望理由書やエッセイは日本語で記入しなければなりません。

7月に出願すると第1次選考が書類のみで行われ、小論文と面接などによる第2次選考が8〜2月に実施されます。

それ以外の帰国子女入試のスケジュールや、入試の過程のどこで英語が必要なのかについては下の表にまとめましたので参考にして下さい。(募集の詳細は毎年変わりますので、最新の情報は各自で公式ウェブサイトなどを確認するようお願いします。)

大学

入試スタイル

スケジュール

英語が必要な部分

東京大学

外国学校卒業生特別選考

11月出願→書類選考

2月小論文・学力試験・面接

英語外部試験(TOEFL® or IELTS)

統一テスト(SATなど)※任意

小論文(日英)

学力試験(文科各類)

※小論文・学力試験では英語以外の外国語の選択も可能

早稲田大学

帰国生入試

6月出願

8月1次選考

9月2次選考

英語外部試験(TOEFL®を含む)

グローバル入試(政治経済学部)

7月出願

9月論文・面接

英語外部試験(TOEFL® or IELTS)

慶應大学

帰国生対象入学試験

7月出願→書類選考

8〜2月第2次選考

英語外部試験(TOEFL®を含む)

統一テスト(SATなど)

東京外大

帰国生等特別推薦選抜

10月出願

12月小論文・面接

英語外部試験(TOEFL®を含む)

統一テスト(SATなど)※任意

上智大学

海外就学経験者入試

7月出願

9月試験・面接

英語外部試験(TOEFL®を含む)

京都大学

外国学校出身者(法学部)

外国学校出身者(経済学部)

1月出願

2月試験・面接

TOEFL iBT®

統一テスト(SATなど)

一橋大学

外国学校出身者選抜(P26)

11月出願

2月英語試験・小論文

3月面接

第1次選抜英語試験

青山学院

海外就学経験者入学者選抜

9月出願→書類選考

10月小論文・面接

英語外部試験(TOEFL iBT®の場合79以上)(国際政治経済学部・法学部)

英語面接(国際政治経済学部)

明治大学

グローバル型特別入試(政治経済学部)

9月出願

10月入学試験

英語外部試験(TOEFL iBT®の場合68以上)

海外就学者特別入試(法学部)

8月出願→書類選考

9月入学試験

英語外部試験(TOEFL iBT®の場合61以上)

立命館アジア太平洋大学(APU)

海外就学経験者入試

9・11・12月出願→書類選考

10・12・1月オンライン個人面接

【英語基準出願者】

TOEFL iBT®75以上

志望理由書

エッセイ

AO入試との違い

AOとはAdmissions Office(アドミッション・オフィス)、つまり「入試事務局」のことで、ペーパーテストの点数を基準にするのではなく、各大学が求める人物像に合致する人物を採用する入試方式です。

AO入試は基本的に誰でも応募でき小論文や面接によって合否を判定するのですが、帰国子女入試の場合、外国の教育過程において12th Grade(日本の高校3年生)の過程を終了していること等の条件があります。

また英語外部試験(TOEFL®・IELTSなど)や統一テスト(SATなど)のスコアの提出が義務付けられていることも多いです。

一方、国公立大のAO入試では大学入試共通テストの受験が必要なところも多いので、自分の状況に合ったものを選択するといいですね。

スケジュールから考えていつまでに英語のスコアが必要なのか

遅くとも、出願の2ヶ月前までには受験を済ませるようにしておきましょう。

TOEFL iBT®の公式スコアレポートがアメリカの実施団体ETSから国際郵便で手元や各大学に届くまで1〜2ヶ月程度かかるのです。

関連コラム:TOEFL®の結果はいつ届く?遅い、届かないときの対処法

帰国子女大学受験に必要なTOEFL®のスコアは?

もちろん入試では様々な資質が総合的に判断されますが、「帰国子女」として入学するのであればTOEFL iBT®80点以上の取得を目指しましょう。

TOEFL iBT®の取り扱いは大学によって様々で、東京大学のように基準点を明らかにしていないところもあれば、青山学院(TOEFL iBT®79以上)や立命館アジア太平洋大学(TOEFL iBT®75以上)のように募集の要件として最低基準を定めているところもあります。

ここで注意しなければいけないのは、最低基準を取得すれば必ず合格するわけではないということです。

関連コラム:【換算表付き】TOEFL®︎のスコア平均ってどれくらい?スコア別の英語レベルも詳しく解説

出願資格として必要なTOEFL®の最低スコア

帰国子女の場合、どんなに低くても、出願のための最低基準は60点程度に設定されています

入試における外部英語試験の導入が進んでおり、一般入試の場合はTOEFL iBT®40点程度から実績としての提出が可能になる大学もありますが、帰国子女の場合は話が別なのです。

海外の高校を卒業すると皆が英語が得意になると言うわけではないですが、やはり英語は世界共通語として重要だということなのですね。

大学ごとに目指したいTOEFL®スコアの目安

一般的にはTOEFL iBT®100〜105点程度が高難易度の大学における足切りのラインだと推察されているようです。

しかし前述の通り、国立の東京大学や京都大学、私立の早稲田や慶応など難易度の高い有名大学では、帰国子女入試における英語外部試験の基準は明らかにされていません。

また上智やICUなど英語教育を重視している大学はTOEFL iBT®90点程度、それ以外の大学でもTOEFL iBT®75〜80点程度の英語運用能力を帰国子女には求めると言われています。

関連コラム:高校生の大学受験にTOEFL®は必要?国内・海外の出願資格に必要なスコアや優遇制度

帰国生入試はTOEFL®とIELTSどっちがいい?

TOEFL®のスコアしか受け付けない大学も若干ありますが、ほとんどの大学ではTOEFL iBT®に加えIELTSの提出も可能です。

では一体どちらを受けるべきなのでしょうか?

TOEFL®とIELTSの違い

TOEFL®とIELTSの一番の違いは、使われる英語の種類。似ているようですが、全然違うテストです。

TOEFL®が作成されるのはアメリカですが、IELTSはイギリス生まれのテストなので、使われる英語もそれぞれアメリカン・イングリッシュとブリティッシュ・イングリッシュです。

試験の形式にも違いがあり、TOEFL iBT®が完全にコンピューターベースなのに対し、IELTSは紙とペンを使います。

ライティングセクションではこの違いが大きく影響します。

TOEFL iBT®のライティングは、コンピュータでタイピングする必要があるのです。

またスピーキングセクションでは、TOEFL iBT®ではコンピュータに向かって解答を録音するのですが、IELTSでは実際に試験官と面談する形式になっています。

関連コラム:TOEFL®︎とは?受験するメリットやTOEIC®︎・IELTSとの違いも解説

関連コラム:IELTSとは?試験の種類や違いは?失敗しない選び方

TOEFL®が向いている人は?

アメリカン・イングリッシュに慣れている人は、TOEFL®を選択するのが基本だと言えます。

アメリカの高校に通っていてアメリカン・イングリッシュを聴き慣れている人にとって、ブリティッシュ・イングリッシュはまるで外国語のように響きます。

逆にイギリスやオーストラリアで生活している人には、ブリティッシュ・イングリッシュの方が聴きやすいはずです。

またTOEFL iBT®ではキーボードを使ってタイピングするため、普段からキーボードで文章を入力することに慣れている人は、TOEFL®を選択すると手書きよりも素早く執筆や校正ができます。

まとめて消したり、カット&ペーストで文章の順序を入れ替えたりできるのもキーボードならではの強みですね。

関連コラム:TOEFL®︎とは?受験するメリットやTOEIC®︎・IELTSとの違いも解説

どの英語外部試験が使えるか確認をするには?

英検やTOEIC®の取り扱いは、各大学によって大きく異なりますので、公式ウェブサイトなどから最新の募集要項を確認して下さい。

世界で最も広く用いられているTOEFL®とIELTSスコアは、ほとんど全ての大学に提出可能です。

しかし前述の通り、IELTSのスコアを受け入れていない大学も若干あります。

複数の種類があるTOEFL®のうち、最も広く利用されているのはTOEFL iBT®です。

新型コロナウイルス感染拡大を受けた措置として供用が開始された「TOEFL iBT® Home Edition」については、認める大学と認めない大学がありますので注意して下さい。

過去2年間に受験したTOEFL iBT®のセクションごとのベストスコアを合算する「MyBestスコア」という制度もあるのですが、現在ほとんどの大学は公式スコアとして認めていません。

TOEFL®でスコアを上げるのにどのくらいの時間が必要か?

帰国子女入試のためにTOEFL iBT®を受験しようと考えている人は、どのような勉強をどのくらいするべきなのでしょうか?

また、そのためにはいつ準備をスタートするべきなのでしょう?

帰国子女が注力すべきTOEFL iBT®のセクション

英語圏の高校に通っていて、全ての授業を英語で受けている人はかなりのリスニング力とリーディング力がすでに付いているはずですが、問題なのはスピーキングとライティングです。

アカデミックで説得力のある文章を作る能力が求められるTOEFL®では、発音良くペラペラと話せたとしても高得点は望めません。

重要なのは論理的な文章構成力なのです。

まず自分の主張を明確に述べ、その根拠を数点上げる。

さらに根拠を具体例などで補完した後、最後に主張を言い換えし、繰り返す。

スピーキングにおいてもライディングにおいても「PREP法(Point→Reason→Example→Point)」と呼ばれるこのような文章構成を身につけることで、文章の説得力・論理性が格段に上がります。

さらに日常会話でよく使う「so(だから)」や「but(だけど)」の代わりに、「therefore(したがって)」や「whereas(一方)」を用いるなど、アカデミックな表現を心がけることも得点を上げるためには重要です。

現在高校で取り組んでいる授業の課題から、意識してこのような英語表現を用いるようにしましょう

TOEFL iBT®スコア50→70に必要な勉強

まずはTOEFL iBT®の過去問や模擬テストを行い、独特の試験形式に慣れましょう

紙ベースの過去問や模擬テストより、本番と同じコンピュータベースのものがオススメです。(ETS公式ウェブサイト

毎週1回はフルセットの模擬テストを行い復習もするとして、1ヶ月ほど真剣に取り組めば大きくスコアアップが望めるでしょう。

日常的に英語に触れている帰国子女にとって、TOEFLiBT®スコアを50点(英検2級程度)から70点(英検準1級程度)に上げるのはそれほど難しくないはずです。

関連コラム:TOEFL®初心者が自力でハイスコアを取るための勉強法を経験者が伝授!

TOEFL iBT®スコア80→100に必要な勉強

このレベルに達するためには、毎日のコツコツとした努力とスピーキング・ライティングの練習に協力してくれるネイティブスピーカーの存在が不可欠です。

TOEFL iBT®スコア100点は英検1級を超えるレベルです。英語ネイティブでも簡単には取得できません。

どのようなテーマが出題されても時間を掛けずに文章構成が出来るようにするためには、文章のパターンを「テンプレート」としていくつか自分の中に持っておくのがオススメ。

そのテンプレートを用いて作成した文章をネイティブスピーカーのチューターなどに読んでもらい、文章におかしな部分がないかチェックしてもらいましょう。

最低でも毎日一本はライティング課題に取り組むようにすると、徐々に実力が付いてきます。

しかしTOEFL iBT®スコア100点に達するためには、半年〜1年は努力を継続しなければなりません。

現地校での日々の課題をこなしながらTOEFL iBT®の対策をするのは大変ですが、一生使える英語力の獲得にもつながるので、ぜひ頑張って下さい。

関連コラム:TOEFL iBT®で100点は難しい?必要な勉強時間とセクション別勉強法

帰国子女入試をする人はいつまでにTOEFL iBT®の勉強をはじめるべき?

逆算して考えると、どんなに遅くても高校2年生(11th Grade)になったら準備をスタートしたほうがいいでしょう

早いところでは、6〜7月に帰国子女入試の出願が始まります。

TOEFL iBT®公式スコアの送付に受験から1〜2ヶ月かかることを考えると、高校3年生(12th Grade)になる前には受験をしなければならないのです。

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